Archive for the ‘刑事事件’ Category
警視庁府中警察署への面会・差し入れについて
警察署への面会や差し入れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
会社員Aさんの弟(25歳)は、昨夜に傷害事件を起こして逮捕され、現在は警視庁府中警察署に留置されています。
(フィクションです)
本日は、逮捕された方への面会や差し入れについて解説します。
◇弁護士の面会~接見交通権~◇
逮捕されてすぐ弁護士を呼びたい逮捕・勾留された方は、警察署の留置場や拘置所に身柄を拘束されています。
当然のことですが、これらの施設に身柄を拘束されている方は、外部との連絡手段を制限されています。
しかし、弁護士は、身柄を拘束されている方といつでも、時間の制限なく面会をすることができ、その面会には立会人が付きませんので、面会する内容に制限もありません。
このように、いつでも秘密が保たれた状態で面会ができる権利を、弁護士の接見交通権といいます。
また、身柄を拘束されている方にも、弁護士と接見面会をする権利が法律上認められています。
身柄を拘束されている方は、外部と隔離された孤独な状態で取り調べを受けるため、精神的に非常につらい状況に置かれます。
また、そのような状況で行われる取り調べにおいて、法律のプロである弁護士のアドバイスなしで、適切な取り調べ対応をすることも困難です。
したがって、弁護士との面会を保障する接見交通権は、被疑者の方の精神の安定や適切な防御のために非常に重要な権利といえます。
◇よくある質問◇
Q 警察から「面会禁止」と言われたのですが、会ったり連絡をとる方法はありませんか?
A 弁護士以外の方が面会禁止と言われたら、それは接見禁止決定がされてしまったため一般面会を禁じられており、差し入れ物品についても制限されます。
このような場合、弁護士が接見し、弁護士の伝言という形で連絡をとったり、弁護士が差し入れをすることになります。
また、接見禁止決定がされてしまっていても、弁護士は、接見禁止決定の解除や、せめてご家族だけでも面会できるように一部解除を目指して活動することができます。
Q 弁護士による面会には、どのようなメリットがありますか?
A 主に以下の2つのメリットがあります。
①法律のプロである弁護士によって、今後の取り調べの適切な対応方法などの法的なアドバイスを受けられることです。
弁護士が身柄拘束されている本人から直接事件の詳細や取り調べの内容について話を聞き、具体的事情に応じて法的なアドバイスをします。
また、法的知識と経験に基づき、今後の手続きの流れや刑事処分の見通しを話すこともできますから、留置されている方の今後への不安も少しは和らげられるでしょう。
②弁護士が接見する場合は、一般の人の面会にあるような様々な制限が無いということです。
弁護士が接見する場合、平日か土日祝日かを問わず可能であり、時間帯や接見時間の長さの制限もなく、その内容も制限されません。
緊急に接見が必要な場合もその日のうちに接見ができ、面会に十分な時間をとることもでき、また身柄拘束されている方も話しやすい状態で面会ができるということです。
◇弁護士に依頼するには◇
刑事事件を専門にしている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見のサービスを用意しております。
このサービスのご予約をいただくと、その日のうちに弁護士が、警察署に行き、身体拘束されている方と接見いたします。
このサービスをご利用いただくことによって、身体拘束を受けている方は、いち早く法律の専門家のアドバイスを受けることができますし、ご家族の方は、事件の詳細を知ることができ、それによって処分の見通しを知ることができます。
ご家族、ご友人が警察に逮捕されてしまった方、身体拘束を受けているご家族、ご友人に対する初回接見を希望される方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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警視庁府中警察署までの初回接見費用:36,400円
警視庁日野警察署に捜索差押(ガサ)を受けたら
警察による捜索差押について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事例◇
Aさんは、東京都日野市の一軒家に、妻と子供の3人で暮らしており、職場には路線バスで通勤しています。
先日、Aさんが通勤で利用している路線バスで女子高生に対する痴漢事件が発生したらしく、その容疑者としてAさんは、警視庁日野警察署に呼び出しを受けて取調べを受けました。
Aさんにとっては全く身に覚えのない事件でしたが、被害者の女子高生や、バスの運転手の目撃などから、警察はAさんの犯行を疑っているようです。
取調べにおいて、警察官から「否認するのなら、家や職場にガサかけることになる。」と言われたAさんは、このまま否認を続けるべきか悩んでいます。
(フィクションです)
◇痴漢◇
東京都では、痴漢行為を「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(以下「迷惑防止条例」とする。)」で取締っています。
迷惑防止条例の第5条第1項第1号で「公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること」(同条例引用)を禁止しており、痴漢行為で起訴されて有罪が確定すれば「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられます。
◇痴漢事件における警察の捜査◇
痴漢事件で検挙される方のほとんどは、現行犯逮捕です。
被害者本人や目撃者に捕まる場合がほとんどですが、中には、警戒中の警察官によって現行犯逮捕される方もいます。
現行犯ではなく、Aさんのように、警察の捜査によって割り出されて取調べを受ける場合もあります。
被害者からの被害申告を受けた警察は、被害者の供述に基づいて容疑者を割り出します。
その捜査方法は様々でしょうが、定期券の利用履歴から、事件のあったバスの利用者を特定し、その中から被害者の供述する容姿の人物を選別して、最終的に被害者に顔写真を見せて容疑者を特定するケースがほとんどではないでしょうか。
この様な警察の捜査によって割り出された容疑者は、Aさんのように警察に呼び出されて任意の取り調べを受けます。
この取調べで犯行を自供すれば被疑者として、取調べを受けた後に検察庁に書類送検されることとなるでしょう。
しかしAさんのように、容疑を否認した場合は更なる捜査を受けて、容疑を固められることとなります。
◇捜索差押(ガサ)◇
捜索差押とは、自宅等の関係先を、警察等の捜査機関が捜索して、証拠品を押収することです。
捜索差押は、「ガサ」という隠語がよく用いられます。
警察等の捜査機関が捜索差押をするには、裁判官の発した捜索差押許可状が必要となります。※逮捕時は、捜索差押許可状を必要としない。
捜索差押許可状が発せられるには、捜索場所に容疑者が出入りしており、そこに証拠品が存在する蓋然性が必要となります。
一般的に、警察等の捜査当局が事件の容疑者として割り出した人物の自宅や、勤務先であれば証拠品が隠匿されている可能性があると判断されて、捜索差押許可状が発付される可能性が高いでしょう。
警察等の捜査当局が、捜索差押を行う際は、捜索場所を管理する人の立会いが必要となりますので、Aさんのように不拘束で警察の取調べを受けていて、事件が、家族や勤務先に知られていない場合に、捜索差押によって事件が知れてしまう可能性があるので注意しなけれなりません。
ちなみに、捜索差押許可状には「捜索すべき場所」と「差し押さえるべき物」が明記されており、ここに記載されていない場所を捜索したり、押収することはできませんので、もし警察等の捜査当局による捜索差押を受ける場合は、捜索差押許可状をよく確認することをお勧めします。
◇違法な取り調べ◇
痴漢行為を否認しているAさんは、取調べを担当する警察官から「否認するのなら、家や職場にガサかけることになる。」と言われています。
取調べにおいて警察官がこの様な発言をしてもよいのでしょうか。
決して適切な取調べとは言えないでしょう。
警察庁は、全国の警察に対して、適正な取調べを指示しており、そこで
①被疑者の身体に接触すること(やむを得ない場合を除く。)。
② 直接又は間接に有形力を行使すること。
③ 殊更不安を覚えさせ、又は困惑させるような言動をすること。
④ 一定の動作又は姿勢をとるよう強く要求すること。
⑤ 便宜を供与し、又は供与することを申し出、若しくは約束すること。
⑥ 被疑者の尊厳を著しく害するような言動をすること。
⑦ 一定の時間帯等に取調べを行おうとするときに、あらかじめ、警視総監若しくは道府県警察本部長(以下「警察本部長」という。)又は警察長の承認を受けないこと。
を監督対象行為として規定して、取調べにおける監督対象行為を禁止しています。
Aさんの取調べを担当した警察官の「否認するのなら、家や職場にガサかけることになる。」という発言は、監督対象行為の上記③に該当する可能性が高いでしょう。
この様な違法な取調べにおいて作成された供述調書の内容については、後の裁判において証拠能力が否定される可能性があるので、不安のある方は、刑事事件に精通した弁護士にご相談ください。
東京都日野市の刑事事件でお困りの方、警視庁日野警察署に呼び出されて取調べを受けている方や、警視庁日野警察署に捜索差押された方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料
警視庁東村山警察署の文書偽造事件(偽造免許証を行使)
文書偽造事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
無職のAさんは、過去に携帯電話料金を滞納しており、新たに携帯電話機を契約することができません。
そのため携帯電話機を契約する際に必要となる身分証として、自動車の運転免許証を偽造しました。
この偽造運転免許証を所持して、車を運転中に交通違反してしまったAさんは、停止を求めてきた警視庁東村山警察署の警察官に対して、偽造運転免許証を提示してしまったのです。
(フィクションです)
◇文書偽造事件◇
~公文書偽造罪(刑法第155条第1項)~
行使する目的で、公文書を偽造した場合、「1年以上10年以下の懲役」になります。
~偽造公文書行使罪(刑法第158条第1項)~
偽造した公文書を行使した場合、「1年以上10年以下の懲役」になります。
◇文書偽造罪の種類◇
文書偽造罪は、公文書偽造罪と私文書偽造罪に分けられます。
公文書とは、健康保険証・運転免許証・戸籍謄本など役所や公務員が作成する文書のことを言います。
一方、私文書とは、申込書・誓約書・契約書など公文書以外の文書で権利や義務若しくは事実関係を証明する文書のことを言います。
文書偽造罪は、有印文書偽造罪と無印文書偽造罪にも分けられます。
印鑑が押してある・署名がされている文書を偽造した場合は、有印文書偽造罪に分類されます。
印鑑が押されていない・署名がされていない文書を偽造した場合は、無印文書偽造罪に分類されます。
刑法上文書偽造罪としては、以下の四つの類型が規定されています。
①無印公文書偽造罪
②有印公文書偽造罪
③無印私文書偽造罪
④有印私文書偽造罪
の4つの類型が規定されています。
有印文書は、無印文書に比べ、文書に対する公共の信用が高いため、有印文書偽造罪の場合には、重い法定刑が規定されています。
また、有印文書偽造罪の場合、罰金刑が定められていません。
よって、起訴されれば常に正式裁判によって懲役刑に問われることになります。
また、私文書偽造罪よりも公文書偽造罪の方が重く処罰されます。
◇行使目的◇
文書偽造罪において最も注意しなければならないのは、同罪が目的犯であるということです。
目的犯とは、一定の目的をもって犯罪行為をしなければ犯罪が成立しない犯罪をいいます。
文書偽造罪は、「行使の目的(偽造文書を人に見せ、あたかも本物の文書であると誤信させる目的)」がなければ成立せず、この点は、刑事裁判で争点となることがよくあります。
今回のケースでAさんは、偽造した段階で行使する目的(携帯電話を契約するために身分証として使用する目的)がうかがえますので、行使目的の偽造罪となるでしょう。
ただ、偽造した際の行使目的と、実際の行使が異なっています。これについては文書偽造罪の成立を左右するものではありませんが、文書偽造罪とは別に、偽造文書行使罪も成立します。
◇弁護活動◇
~無実の主張~
身に覚えがないにもかかわらず、文書偽造・偽造文書行使の疑いをかけられてしまった場合、弁護士を通じて積極的に無実を主張していかなければ、冤罪になりかねません。
具体的には、真犯人を示す証拠を提示したり、記入ミスや記載漏れが原因で文書偽造の故意がないことなどを主張したりします。
また、捜査機関の見解が十分な証拠に基づくものではない事を主張する場合もあります。
~被害弁償や示談交渉~
文書偽造罪・偽造文書行使罪の成立に争いがなく、これらの行為で被害が発生している場合、早急に被害弁償や示談交渉を進める必要があります。
文書偽造による被害が大きくない・組織的反復的な犯行でないなどの事情があれば、示談成立による釈放や起訴猶予による不起訴処分の可能性があります。
不起訴処分になれば、前科を回避でき日常生活に障害が発生することもありません。
ただ今回の事件でAさんが偽造免許証を行使した相手は警察官ですので、その場合は、示談は難しいでしょう。
~情状弁護~
文書偽造事件・偽造文書行使事件で有罪判決を免れないとしても、犯行態様や反省の態度など被告人に有利な事情を主張して、少しでも減刑されるように弁護します。
また、執行猶予付き判決の獲得も目指します。
~早期釈放・保釈のための活動~
文書偽造事件・偽造文書行使事件で逮捕・勾留されてしまっても、容疑者・被告人が早期に釈放・保釈されるように弁護活動を行います。
具体的には、客観的証拠に基づき証拠隠滅するおそれや逃亡するおそれがないことを主張することとなります。
八王子市内で刑事事件を起こしてしまった方、文書偽造の罪で警視庁東村山警察署にご家族、ご友人が逮捕されてしまった方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料
警視庁八王子警察署で外国人による商標法違反事件
外国人犯罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
外国人であるAさんは3年前に来日し、東京都八王子市の専門学校に通っています。
先日、母国に住んでいる友人から「偽ブランドのバックやアクセサリーを、日本でネット販売したら金儲けできるのではないか」と儲け話を持ち掛けられ、実際に、この友人から偽ブランド商品を国際郵便で送ってもらい、インターネットのオークションサイトで販売しました。
その際、Aさんは後にトラブルにならないように、購入者に対して、正規品ではなくコピー商品である旨を説明していました。
しかし先日、自宅に、警視庁八王子警察署の警察官に捜索に入られ、友人から郵送してもらった有名ブランドのコピー商品を押収された上で、商標法違反で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
◇商標法◇
私たちが日頃商品の購入やサービスを利用する際、それらの「名前」や「マーク」を見て選ぶことが多いのではないでしょうか。
それは、私たちが商品等の「名前」や「マーク」が信頼する会社の商品等であると認識しているからです。
もし、勝手にある商品の「名前」や「マーク」をコピーして、品質の悪い商品に使ったのであれば、その「名前」や「マーク」の会社は消費者の信頼を失うことになります。
商標法は、商標を使用する者に独占的な使用権(商標権)を与えることで、業務上の信頼を維持し産業の発展に寄与するとともに、需要者の利益保護を目的とする法律です。
商標法が保護する「商標」とは、「人の知覚によって認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的計上若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの」で、業として商品を生産し、証明し若しくは譲渡する者が、その商品について使用するもの、又は業として役務を提供し若しくは証明する者がその役務について使用するものを言います。
簡単に言えば、自己の商品やサービスを他者のそれと区別するために使用する「名前」や「マーク」を「商標」です。
そして、「商標」を独占排他的に商品・サービスの識別標識として使用できる権利を「商標権」と言います。
「商標権」を取得するには、特許庁へ「商標」を出願して商標登録を受ける必要があります。
◇商標権侵害◇
「商標権」を侵害した場合には、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、又はその両方が科せられる可能性があります。
また、「商標権」の侵害とみなされる行為をすれば、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、又はその両方が科されることもあります。
「商標権」の侵害とみなす行為とは、他社のブランドの「名前」や「マーク」に似た商標を使う、他者の商標に指定されている商品やサービスに似た商品・サービスを商標登録する、他社の商標に指定された商品・サービスに似た商品・サービスをその他社の商標の付いた包装紙で包装して人に渡す行為などが含まれます。(商標法第37条)
さらに、法人関係者が「商標権」を侵害した場合には、3億円以下の罰金となります。
◇略式命令◇
簡易裁判所が、原則として、検察官の提出した資料のみに基づいて、公判を開かずに、非公開で罰金または科料を科す刑事手続を「略式手続」といい、これにより裁判所が下す命令を「略式命令」といいます。
事件が比較的軽微であり、被告人にとって公判出頭の必要がなく、また迅速な裁判が期待できる等、被告人の利益となること、当事者に一定の場合に手続処分権が認められること、簡易手続が訴訟経済にも益することなどが略式手続の趣旨と言われています。
商標法違反事件では、商品の数の多さ、販売期間などを考慮し、その悪質性が高いと評価される場合には、公判請求される可能性もあります。
◇外国人による刑事事件◇
外国籍を有する方が刑事事件を起こし、刑事処分を受けた場合、滞在資格や科された刑事処分によっては強制退去の対象となる可能性があります。
滞在資格、犯した罪や最終的な刑事処分の種類により、退去強制事由も異なりますので、刑事事件を起こし、今後の滞在の可否について不安を抱いていらっしゃる方は、ぜひ弁護士にご相談ください。
八王子市内における刑事事件でお困りの方、八王子市内で刑事事件を起こしてしまった外国人の方や、そのご家族、ご友人様は、東京で刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談、初回接見サービスのご予約を0120-631-881にて24時間受け付けております。
お気軽にお電話ください。
初回法律相談:無料
警視庁八王子警察署までの初回接見費用:34,900円
警視庁田無警察署の未成年者誘拐事件で勾留理由開示請求
未成年者誘拐事件の勾留理由開示請求について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
西東京市に住む会社員のAさんは、一人暮らししているマンションにおいて、18歳の女子高生を寝泊まりさせたとして未成年者誘拐容疑で警視庁田無警察署に逮捕されました。
Aさんは3ヶ月前に、SNSで知り合ったこの女子高生から「両親と喧嘩したので泊めて欲しい」とお願いされて、指定された場所まで車で女子高生を迎えに行って、自宅で寝泊まりさせていたのです。
Aさんは女子高生に対して恋愛感情はなく、女子高生に対してわいせつな行為等は一切していませんでしたが、女子高生の両親には一度も連絡していませんでした。
女子高生の両親が家出した女子高生を心配して警察に届け出たことから事件が発覚し、今回の逮捕となったようです。
(フィクションです)
◇未成年者誘拐罪◇
「未成年者」を「誘拐」した場合には、未成年者誘拐罪(刑法第224条)が成立します。
法定刑は3月以上7年以下の懲役と定められており、罰金刑の規定のない非常に厳しいものです。
なお、「誘拐」というのは、欺罔又は誘惑を手段として、他人の意思に反して現在の生活環境から離脱させることです。
無理やり連れ去るような、暴行または脅迫を手段とした場合には、未成年者略取罪となりますが、法定刑は同じです。
今回の事件を検討すると、Aさんは、女子高生の希望で、女子高生の同意を得て自宅で女子高生を寝泊まりさせていますが、まだ未成年の女子高生の両親には監護権がありますので、両親の同意を得ていない以上は、両親の監護権を侵害したとして、未成年者誘拐の罪に抵触する可能性は非常に高いでしょう。
◇勾留理由の開示請求◇
被疑者として逮捕されると、その後、検察官および裁判官の判断で勾留を行われることが大半です。
逮捕による身体拘束の期限は72時間なのに対し、勾留による身体拘束の期限は10日~20日間であるため、勾留の有無とその期間は被疑者とその周囲にとって重大な関心事です。
勾留は長期に及ぶ身体拘束であることから、その要件は逃亡や証拠隠滅などのおそれが具体的に認められる場合という厳しいものとなっています。
ところが、実際のところそうしたおそれの存在は安易に判断されており、時に不当とも思える勾留が行われていることは否定できません。
そうしたケースにおいては、勾留理由の開示請求が効果的となる場合があります。
勾留理由の開示請求とは、裁判と同じく公開の法廷において、いかなる理由に基づき勾留が行われているかを明らかにするための手続です。
この勾留理由の開示請求は、実務上勾留の理由の解明という本来の目的とは異なる目的で行われる傾向にあります。
というのも、勾留理由の開示は、単に「逃亡のおそれがある」などと該当する条文の文言をそのまま読み上げるのと大差なく、具体的になぜそうしたおそれがあるのか明らかにされず殆ど意味をなしていないからです。
ただ、勾留理由の開示請求がなされると、捜査機関や裁判所は資料作成や期日の確保など一定の準備をする必要が生じます。
そのため、勾留理由の開示請求をすることは、安易に身体拘束を継続しようとする捜査機関などの姿勢を改めさせる機会となりうるのです。
それに加えて、勾留理由の開示は公開の法廷で行われることから、被疑者・被告人が家族や友人などと顔を合わせることができます。
特に、面会などを禁じる接見禁止決定が下されている事件においては、こうした副次的な効果の方が勾留理由の開示の重要な目的となることもあるでしょう。
以上のように、勾留理由の開示には、時に本来の目的を超えた役割を果たす可能性があります。
もし先ほど述べたような効果を狙うのであれば、一度弁護士に勾留理由の開示請求をお願いしてみてもいいかもしれません。
西東京市の刑事事件でお困りの方、未成年者誘拐罪で逮捕、勾留されている方の勾留理由の開示請求については、東京で刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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警視庁調布警察署の覚せい剤事件で一部執行猶予
覚せい剤事件の一部執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
東京都調布市に住むAさんは、覚せい剤の使用事件で刑務所に2年間服役し、去年の8月に満期で出所しました。
出所後も覚せい剤を止められなかったAさんは、再び覚せい剤に手を出してしまい、2週間ほど前に、東京都調布市の路上で警視庁調布警察署の警察官に職務質問を受け、任意採尿の後に、再び覚せい剤の使用容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、少しでもAさんの刑務所に服役する期間を短くしたいと考え、一部執行猶予について刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
◇執行猶予◇
執行猶予とは、裁判官が犯罪を認め有罪を認定したものの、言い渡した刑事罰(懲役刑、罰金刑)の執行を一定期間猶予することをいいます。
執行猶予には「全部執行猶予」と「一部執行猶予」の2種類があります。
◇全部執行猶予◇
全部執行猶予を受けるための要件は、刑法に規定されており、その内容は下記のとおりです。
刑法第25条1項
次に掲げる者が3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる
第1号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
第2号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を受けた日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
この内容を要約すると、執行猶予を受けるためには
①3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けること
②上記1号、あるいは2号に該当すること
③(執行猶予付き判決を言い渡すのが相当と認められる)情状があること
ことが必要となります。
◇Aさんの事件を検討◇
1号の「前に禁錮以上の刑に処せられた」とは、判決前に、禁錮以上の刑の言渡しを受け、その刑が確定していることを意味します。
Aさんは懲役2年の実刑判決を受け刑務所に服役している歴があるので、1号には当たりません。
続いて2号に当たるか検討します。
「執行を終わった日」とは刑の服役期間が満了した日をいい、Aさんの場合、去年の8月に刑務所を満期出所していますので、2号の要件も満たしていません。
つまりAさんは、法律的にも全部執行猶予を得ることは不可能に近いでしょう。
◇一部執行猶予◇
薬物事件を犯した者に対する一部執行猶予については、「薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律(以下「法律」)」に規定があります。
一部執行猶予判決を受けるには次の要件が必要です(法律3条)。
①薬物使用等の罪を犯したこと
②本件で、1の罪又は1の罪及び他の罪について3年以下の懲役又禁錮の判決の言い渡しを受けること
③刑事施設における処遇に引き続き社会内において規制薬物等に対する依存の改善に資する処遇を実施することが、再び犯罪をすることを防ぐために「必要」であり、かつ、「相当」であること
なお、薬物使用等の罪については、他の犯罪と異なり、前科の要件は必要とされていませんので、Aさんのような累犯前科を持つ方であっても、一部執行猶予判決の対象となり得ます。
◇対象となる事件◇
法律第2条2項には列挙されている対象となる薬物事件とは
大麻の所持又はその未遂罪(2号)
覚せい剤の所持、使用等又はこれらの罪の未遂罪(4号)
麻薬及び向精神薬取締法の所持罪等(5号)
です。
◇全部執行猶予との違いは?◇
一部執行猶予判決がついてもあくまで「実刑判決」の一部であることに変わりはありません。
執行猶予を猶予された期間以外は刑務所に服役しなければなりませんが、刑務所に服役する期間が短くなるというメリットがあります。
東京都調布市の薬物事件において執行猶予付きの判決を望んでいる方は、一度、薬物事件の一部執行猶予に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、薬物事件に関するご相談をフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。
警視庁小金井警察署に淫行事件で逮捕されたら
淫行事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
大学生のAさん(23歳)は、1年ほど前からブログを開設していますが、半年ほど前に、このブログの掲示板に書き込みしてきた女子高生(16歳)と仲良くなり、これまで何度か一緒に食事に行ったり、カラオケに行ったりしていました。
そしてAさんは、何度か、一人暮らししている小金井市のアパートに、この女子高生を誘い、そこで性交渉をしています。
先日、女子高生の帰宅が遅いことから、両親に追及された女子高生がAさんとの関係を両親に話してしまったらしく、両親は、淫行の事実を警察に届け出たようです。
淫行条例違反で警察に逮捕されるか不安のあるAさんは、刑事事件に強いと評判の弁護士に逮捕の可能性や処分の見通しを相談しました。
(フィクションです)
◇淫行◇
淫行とは一般的にみだらな行為を意味する言葉です。
最高裁判例によると、淫行とは「広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきではなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性行為類似をいうもの」と定義されています。
◇淫行条例◇
淫行に対する罰則は、各都道府県の青少年健全育成条例等に定められています。
東京都では、東京都青少年の健全な育成に関する条例が定められており、この条例の中で淫行行為については以下のように規定されています。
東京都青少年の健全な育成に関する条例
第18条の6
何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。
第24条の3
2年以下の懲役又は100万円以下の罰金
「青少年」とは、東京都の場合、「18歳未満の男女」を指します。
「淫行」の成否とは、先述の最高裁判例でも示されているように、「淫行」とは広く青少年に対する性行為一般を指すものではありません。
そのため、相手が青少年であっても、結婚を前提にした真摯な交際を前提とする性交であれば淫行にはあたりません。
もっとも、単に口頭で真摯な交際関係があると主張しさえすれば、淫行にあたらないというわけではありません。
本人の年齢、交際や性交に至るまでの経緯・期間、交際の態様、性交の頻度、結婚の約束などの様々な事情を考慮して淫行にあたるかどうかが判断されます。
例えば、一応の交際関係はあっても、中学を卒業したばかりの女子といきなり車中で性交をし、その後も何度も性交を重ね、その際に結婚の話を一度もしたことがない等の事情があるときに女子を単なる自己の性欲の対象としてしか扱っていなかったと認定して淫行に該当するとしたケースもあります。
◇青少年同士の淫行行為◇
青少年同士の違反行為については、条例の罰則が適用されません。
この事は、東京都青少年の健全な育成に関する条例の第30条に「この条例に違反した者が青少年であるときは、この条例の罰則は、当該青少年の違反行為については、これを適用しない。」と明記されています。
◇淫行条例違反以外の罪◇
淫行に関連する罪は青少年健全育成条例等の違反だけではありません。事案の内容によっては、条例違反以外にも、下記のような罪に該当する可能性があります。
児童福祉法違反
18歳未満の児童に対し、教師と生徒といった師弟関係や親族関係などの実質的影響力を行使して性交等を行った場合、児童福祉法違反の罪に該当することが考えられます。
児童福祉法第34条1項6号では、「児童に淫行をさせる行為」が禁止されており、その違反に対しては「10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金」という罰則が定められています。
児童買春
18歳未満の児童に対し、金品を渡し、又は渡す約束をして性交等を行った場合、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の罪に該当することが考えられます。
児童買春・児童ポルノ禁止法第4条では児童買春をした者に対し、「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金」という罰則が定められています。
~ご家族、ご友人が淫行で逮捕された場合はすぐに弁護士にご相談を~
淫行に関する事件の場合、被害者の親の処罰感情が強いことが多く、被害者側が簡単にお金での解決に応じることは考えにくく、示談交渉での解決は難しいと思われます。
淫行条例違反は、逮捕される可能性も十分に考えられ、逮捕による不利益を避ける為にも、早い段階から弁護士に相談し、適切な対応をとっていくことが必要です。
ご家族、ご友人が警視庁小金井警察署に逮捕された方、淫行条例違反に関するご相談は、刑事事件を専門にしている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にお任せください。
無料法律相談、初回接見サービスのご予約は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
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警視庁多摩中央警察署に自首を検討
自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
会社員のAさんは、SNSで知り合った女性大生を東京都多摩市の自宅に連れ込みました。
そこでAさんは女子大生に対して性交渉を迫りましたが、女子大生に拒否されてしまいました。
腹を立てたAさんは、女性に暴行を加えて性交渉したのですが、その後、女子大生が「警察に訴える」と言い出したので、Aさんは女子大生の携帯電話を取り上げて裸にし、自宅から出て行けないようにしたのです。
このように女子大生の監禁を始めたAさんでしたが、時間が経つにつれて警察に逮捕されることが怖くなって、警視庁多摩中央警察署に自首することを考え始めました。
(フィクションです)
◇強制性交等罪◇
Aさんが女子大生に対して暴行し、無理矢理性交渉した行為は「強制性交等罪」となります。
強制性交等罪は、刑法第177条に規定された犯罪で、起訴されて有罪が確定すれば5年以上の有期懲役が科せられます。
昨年の刑法改正までは「強姦罪」とされていましたが、昨年から法律名が変わり、その内容も改正されました。
大きく変わったのは、これまで禁止されていた性交渉の幅が広がり、改正後は肛門性交や口腔性交までが禁止行為に加わったことと、客体が女性に限られていたのが、男性が加わり性別の区別がなくなったことです。
◇監禁罪◇
監禁罪は、不法に人を監禁した場合に成立する犯罪です。
監禁罪は逮捕罪と同じ刑法220条に規定されており、人の行動の自由を侵害する犯罪です。
起訴されて有罪が確定した場合、3月以上7年以下の懲役が科せられ、罰則規定に罰金刑はありません。
~逮捕罪の違い~
監禁罪と同じ刑法第220条には逮捕罪も規定されています。
監禁罪と、逮捕罪はどのように違うのでしょうか。
逮捕罪は、人の身体を縄で縛るなど、人の身体を直接的に拘束することで人の行動の自由を奪うことで成立する犯罪です。
他方、監禁は、一定の場所からの脱出を不可能にしたり、著しく困難によって成立する犯罪です。
監禁罪は、物理的に脱出を困難することだけでなく、心理的に脱出を困難にした場合も成立します。
したがって、Aさんのように、女性を裸にして自宅に閉じ込めておく行為も、施錠の有無にかかわらず監禁罪が成立するでしょう。
◇自首◇
自首とは、捜査機関に犯罪事実又は犯人が発覚する前に、犯人が自ら進んで自己の犯罪事実を捜査機関に申告してその処分に委ねることをいいます。
自首をすれば、法律上刑を減軽されることがあります(刑法42条)。
ただし、捜査機関に事実を申告したからといって、必ず自首となるかといえばそうではありません。
申告した時点ですでに、捜査機関にあなたが犯人であることが発覚している可能性もあるからです。
その場合は、一般的に出頭といわれ、自首のような恩恵、つまり法律上の減軽措置を受けることができません。
しかし、自首はもちろんのこと、出頭したことによって逮捕のリスクを軽減させることはできます。
逮捕は、罪証隠滅、逃亡のおそれが要件となるところ、自首・出頭によってこれらのおそれを軽減させることができるからです。
ただ、事案によっては、出頭したことにより逮捕される、という可能性も否定できません。
また、ご相談の中には、自首・出頭で刑事処分、刑事処罰を免れたいと言われる方もいますが、上記のように、自首とは捜査機関に刑事処分を委ねることをいいますから、刑事処分を免れることはできません。
しかし、刑事処分には不起訴処分も含まれますから、自首・出頭後に被害者側と示談交渉を行い、示談を成立させることなどできれば不起訴処分を獲得でき、懲役刑や罰金刑の刑事処罰を免れることができるかもしれません。
東京都多摩市の刑事事件でお困りの方、強制性交等事件や、監禁事件を起こして警視庁多摩中央警察署に自首を考えている方は、東京で刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
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警視庁立川警察署の薬物事件(営利目的の大麻栽培事件)
薬物事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
~事件~
東京都立川市に住むAさんは、自宅の近所に倉庫を借りて、そこで大麻を栽培しています。
3年ほど前に、インターネットで大麻の栽培方法を調べてから大麻の栽培を始めたAさんは、最初は自分が使用する分だけ栽培していましたが、今では、倉庫を借りて大量の大麻を栽培しており、インターネットで知り合った大麻愛好家に密売しています。
先日、Aさんの大麻を購入した客が警察に逮捕されたという話を聞いたAさんは、警察の捜査が自身にまで及ぶのではないか心配です。
Aさんに、前科、前歴はありません。
(フィクションです)
【大麻取締法】
大麻取締法では、大麻の所持、譲渡、譲受、輸出入、栽培が禁止されており、Aさんの行為は、栽培と譲渡の違反になります。
~大麻取締法第3条第1項~
大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。
ここでいう大麻取扱者とは、大麻栽培者及び大麻研究者のことです。
大麻栽培者とは、都道府県知事の免許を受けて、繊維若しくは種子を採取する目的で大麻草を栽培する者のことです。
また大麻研究者とは、都道府県知事の免許を受けて、大麻を研究する目的で大麻草を栽培し、大麻を使用する者のことです。(大麻取締法第2条)
~栽培の禁止~
大麻取締法第24条に大麻の栽培を禁止する旨と、その罰則が明記されています。
◇大麻取締法第24条第1項◇
「大麻を、みだりに栽培し…た者は、7年以下の懲役に処する。」旨が明記されています。
ここでいう「みだりに」とは、社会通念上正当な理由が認められないという意味です。
上記のとおり、法律上、大麻の栽培が認められているのは大麻取扱者だけですので、それ以外の者が大麻を栽培すれば、この「みだりに」と言えるでしょう。
◇大麻取締法第24条第2項◇
「営利の目的で、大麻を栽培した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する」旨が明記されています。
営利の目的とは、犯人が自ら財産上の利益を得たり、第三者に得させることを、動機・目的とすることを意味します。
簡単に言うと、営利目的に大麻を栽培することとは、販売して利益を得ることを目的に大麻を栽培することです。
大麻を営利目的で栽培していたことは、栽培した大麻を実際に販売していたかどうか、またそれによって利益を得ていたかどうかによって立証されます。
~譲渡の禁止~
大麻取締法第24条の2に、大麻の譲渡を禁止する旨と、その罰則が明記されています。
◇大麻取締法第24条の2第1項◇
「大麻を、みだしに…譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。」旨が明記されています。
◇大麻取締法第24条の2第2項◇
「営利の目的で、大麻を譲り渡した者は、7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する」旨が明記されています。
単に、一度だけ友人に大麻を有償で譲り渡しただけで、営利目的の大麻譲渡とは認められないでしょう。
営利目的の大麻譲渡は、複数回に渡って、大麻を有償で譲渡するといった反復継続性が必要となり、それによって利益を得ていなければなりません。
【量刑】
営利目的でなければ、大麻の栽培も、譲渡も、初犯であれば執行猶予付の判決が十分に望めます。
逆に、営利目的が認められてしまうと、初犯であっても実刑判決の可能性が十分に考えられます。
営利目的の大麻栽培や、譲渡事件は、これまでの密売実績や、密売の規模、栽培の規模等によって、その量刑は左右されます。
Aさんの場合、営利目的の大麻栽培と、譲渡事件で起訴されて有罪が確定すれば、この二罪は併合罪となるので、有罪が確定した場合「15年以下の懲役、又は情状により15年以下の懲役及び500万円以下の罰金」が言い渡されます。
最高で15年の懲役と500万円の罰金と考えれば、決して軽い罪ではないので注意しなければなりません。
東京都立川市の刑事事件でお困りの方、営利目的の大麻の栽培や譲渡事件に強い弁護士をお探しの方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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警視庁立川警察署までの初回接見費用:36,100円
警視庁目黒警察署の恐喝事件で示談
恐喝事件の逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
~先輩の逮捕~
Aさんは東京都目黒区に住む専門学生です。
Aさんは高校時代の先輩に頼まれて、専門学校に通う後輩の女性(20歳)を紹介しました。
先輩と後輩はしばらく交際をしていたようでしたが、後輩が別の男性とも交際していたらしく、この話を聞いた先輩が激怒して、後輩の女性を呼び出して暴行した上に、交際中にかかった費用として50万円を後輩から恐喝したのです。
後輩が警視庁目黒警察署に被害を届け出て、先輩は2週間前に恐喝罪で逮捕されました。
~後輩との示談~
Aさんは、先輩が逮捕されたことを共通の友人から聞き、先輩が留置されている警視庁目黒警察署に行き、先輩と面会しました。
先輩は事件を起こしたことを悔いており、Aさんは、先輩から「何とか示談してくれないか」と懇願されました。
先輩に後輩の女性を紹介したことから、先輩の起こした事件に責任を感じていたAさんは、後輩の女性と連絡をとり示談を申し出ました。
後輩の女性は示談交渉に応じてくれ、50万円を返済する内容の示談書に署名してもらうことができましたが、その翌日に、Aさんは警視庁目黒警察署に呼び出されました。
そして、刑事さんから「示談を強要している。」と言われて、取調べを受けたのです。
(この事件はフィクションです。)
◇証人等威迫罪◇
刑法第105条の2は、「自己若しくは他人の刑事事件の捜査若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者又はその親族に対し、当該事件に関して、正当な理由がないのに面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。」と規定し、証人等威迫罪について定めています。
証人等威迫罪は、いわゆる「お礼参り」を防止するために、刑事事件の証人・参考人等に対する面会強請・強談威迫の行為を処罰して、刑事司法の適正な運用を確保しようとするとともに、証人等の私生活の平穏ないし事由という個人的法益の保護をも図ることを目的として、創設された罪です。
「自己若しくは他人の刑事事件」とは
「刑事事件」には、起訴されている刑事被告事件のみならず、捜査段階にある刑事被疑事件も含みます。
「捜査若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者又はその親族」とは
「捜査若しくは審判に必要な知識」とは、捜査機関又は裁判機関において、刑罰権の有無を判断するのに必要な一切の知識をいいます。
「知識」の範囲については、当該事件に関する経験的事実に限らず、鑑定に必要な一般法則に関する知識も含みます。
また、「知識を有すると認められる者」とは、実際にその知識を持っている者に限らず、諸々の事情から客観的に知識を有すると認められる者をいいます。
「面会を強請し、又は強談威迫の行為をした」とは
「面会を強請し」とは、面会の意思のない相手方に対して面会を強要することをいいます。
直接に相手方と会うものに限り、電話や文書等で間接的に面会を求める場合までは含まれません。
「強談」とは、相手に対して言語をもって強いて自己の要求に応ずるよう迫る行為をいいます。
「威迫」とは、言語・動作・態度をもって気勢を示し、相手に不安・困惑を生じさせる行為をいいます。
例えば、刑事事件の証人又は参考人とされている人に対して、不安や困惑を生じさせるような文書を送付して内容を領知させた場合などが挙げられます。
また、公判の結果に何らかの影響を及ぼすという積極的な目的の有無は犯罪の成否に影響しないと解釈されており、証人となる予定の人に対して、自己の意に沿う供述をしてもらおうとする意思は必要ではありません。
◇示談交渉は弁護士に依頼◇
証人等威迫罪は、被害者に対して面会を強請し、又は強談威迫の行為をした場合にも適用されます。
ご本人やご家族が刑事事件を起こしてしまった場合、被害者の方に対して謝罪をしたい、示談交渉をしたいと考える方は多いです。
しかし、謝罪や示談交渉のためとはいえ、ご本人やご家族が被害者と直接接触する場合、行き過ぎた示談交渉となってしまう可能性があり、場合によっては上記したような法律に抵触するおそれがあります。
また、証人等威迫罪は他人の刑事事件を対象とする者についても適用されるため、Aさんのように、逮捕されている方の代わりに示談交渉しようとした方が罪に問われることもあります。
証人等威迫罪などの犯罪に抵触しない場合でも、加害者が被害者に直接接触して示談交渉することはお勧めできません。
そもそも、被害者は加害者に対する怒りや恐怖から、加害者やその家族と連絡を取りたがらないことが多いです。
仮に、加害者が被害者に連絡をとれたとしても、当事者が直接話し合うと、被害者の加害者に対する恐怖や憎悪・怒りから交渉が難航したり、最悪の場合被害者の恐怖感や怒りの感情をさらに高めたりしてしまうおそれがあります。
また、無事に示談が成立したように見えるケースでも、法律の専門家ではない当事者による示談の場合は、示談に不備があって法的な効力が認められず、後日紛争が蒸し返されるということもあります。