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【報道事例】テロ予告メールを受けた東京都内のテーマパークが臨時休業|犯人に問われる可能性がある罪は?
【報道事例】テロ予告メールを受けた東京都内のテーマパークが臨時休業|犯人に問われる可能性がある罪は?
今回は、東京都多摩市内にあるテーマパークにテロ予告メールが届いて臨時休業になった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【事例】
24日朝、東京都多摩市にあるサンリオピューロランドにテロ予告メールが届きました。
臨時休館の対応がとられていて、警視庁が危険物などの捜索を行っています。
警視庁などによりますと24日朝、多摩市落合にあるサンリオピューロランドにテロ予告メールが届きました。
メールには、「敷地内に危険物を設置した」などといった内容が書かれていたということで、サンリオピューロランドは、来場客のほか出演者や現場スタッフの安全確保のため、24日は臨時休館になりました。
警視庁は威力業務妨害の疑いも視野に、24日朝からサンリオピューロランドの中に危険物などが設置されていないかどうか調べています。
(※2/24に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「サンリオピューロランドにテロ予告 危険物など捜索で臨時休館 東京・多摩市」記事を引用しています。)
【犯人に問われる可能性がある罪】
今回の事例の犯人が行った行為は、威力業務妨害罪に問われる可能性が高いです。
威力業務妨害罪については、刑法第234条で以下のように規定されています。
- 刑法第234条(威力業務妨害)
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
条文に記載されている「前条」とは、刑法第233条の信用毀損罪・偽計業務妨害罪を指しています。
- 刑法第233条(信用毀損及び業務妨害)
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
つまり、威力業務妨害罪が成立した場合も、刑法第233条と同じ刑罰で処分を受けるという意味になっています。
威力業務妨害罪は、「威力」を用いて「人の業務」を「妨害」したときに成立します。
「威力」とは、人の意思を制圧するに足りる勢力を示すことを指します。
殴る蹴るといった暴行はもちろん、脅迫や集団で怒号するような行為も「威力」に該当します。
今回の事例のようなテロ予告メールは、「敷地内に危険物を設置した」というメールを受け取った人々の意思を制圧するに足りる勢力であると客観的にも評価できるため、「威力」に該当すると考えられます。
「業務」とは、大判大正10年10月24日の判例で「職業その他の社会生活上の地位に基づいて継続して従事する事務」と解釈されています。
テロ予告メールが届いたテーマパークでは、多数の従業員が継続して勤務しているため、「業務」に該当すると考えられます。
「妨害」とは、その行為によって本来遂行するべき業務に支障をきたしたり、支障をきたす危険性を与えることを指します。
テロ予告メールが届いた場合、テーマパーク内の従業員は安全確保を行うために客を避難させたり警察に通報したりといった対応をする必要が出てくるため、本来の業務を妨害されていることになります。
以上のことから、今回の事例のようなテロ予告メールは「威力を用いて人の業務を妨害した」と考えられるため、威力業務妨害罪に問われる可能性が高いということになります。
【威力業務妨害事件を起こしたら弁護士へ】
威力業務妨害罪で起訴されて有罪になった場合、3年以下の懲役か50万円以下の罰金で処罰を受けることになります。
起訴を免れて不起訴を獲得するためには、被害者との示談を成立させることが重要なポイントになります。
ただ、当事者間での示談交渉はスムーズに進まないことが多く、かえって別のトラブルに発展しかねません。
なので、威力業務妨害事件を起こして被害者と示談をしたい場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。
弁護士が代理人として被害者との示談交渉を行うので、当事者間よりも示談が成立する可能性がグッと高まります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件で弁護活動を担当し、被害者と示談を成立させた実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご予約に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
東京都内で刑事事件を起こしてしまったという方や、ご家族が刑事事件を起こして逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。
【事例解説】出版社が掲載する記事に名誉棄損罪は成立する?名誉棄損罪が成立する要件とは?
【事例解説】出版社が掲載する記事に名誉棄損罪は成立する?名誉棄損罪が成立する要件とは?
芸能人のスクープや政治家の汚職などを報道する出版社に対して、名誉棄損を理由に損害賠償をする事例では、どのような点がポイントになるのでしょうか。
今回は、名誉毀損罪がどのようにして成立するのか、争点になりそうな部分を中心に、弁護士法人あいち刑事総合法律事務所東京支部が解説します。
【事例】
出版社Xが発売した週刊誌の記事に、男性Vが女性に対して性的暴行を加えたとする内容が掲載されました。
この内容が事実無根であると激怒したVは、Xに対し、名誉毀損に基づく損害賠償請求及び訂正記事による名誉回復請求を求める訴訟を提起しました。
それに対しXは、「一連の報道には十分に自身を持っている」などとしています。
XのVに対する行為は名誉棄損罪が成立するのでしょうか?
(※この事例はフィクションです。)
【名誉毀損罪とは】
今回の事例では、VはXに対して名誉毀損による損害賠償請求や名誉回復請求をする、と訴えています。
本件行為が名誉棄損にあたり、損害賠償請求や名誉回復請求が認められた場合、Xは刑法で規定された名誉棄損罪に問われる可能性もあります。
名誉毀損罪については、刑法230条1項で以下のように規定されていて、その特例として230条の2が規定されています。
- 刑法第230条(名誉棄損)
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。
- 刑法第230条の2(公共の利害に関する場合の特例)
前条第1項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
2 前項の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
(第3項省略)
名誉棄損罪は、「公然と事実を摘示して人の名誉を棄損する」ことで成立します。
「公然と事実を摘示する」とは、不特定多数の人に人の社会的評価を低下させるような事実を伝えることを言います。
刑法第230条の2では、「公共の利害に関する事実であり、かつその目的が専ら公益を図ることにあった」場合に「真実の存否」を判断する、とされています。
この「公共の利害~を図ることにあった」という要件ですが、2項に「公訴に至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす」とあるように、犯罪行為に関する事実であれば、公共の利害に関する事実であるとみなすことが出来ます。
【名誉毀損罪に関して相談したいときは弁護士へ】
名誉毀損罪は、事実の認定や取材の十分性の認定などにおいて、内容が難しくなる事件が多く、弁護士による適切なサポートが不可欠です。
名誉毀損罪による刑事事件を起こしてしまった場合は、早い段階で弁護士に相談してアドバイスやサポートをしてもらうことをおすすめします。
早期に弁護士に相談しておくことで、今後の取調べ対応の具体的なアドバイスや今後の見通しについて説明を受けることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、名誉棄損事件はもちろん、様々な事件の弁護活動を担当した実績を持つ、刑事事件・少年事件に精通した法律事務所です。
東京都内で名誉棄損に関する事件を含め刑事事件を起こしてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。
ご相談・ご依頼に関するお電話は、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて承っております。
【事例解説】試乗車を長時間乗り回すと詐欺罪が成立する?単独試乗は占有の移転が認められる?
【事例解説】試乗車を長時間乗り回すと詐欺罪が成立する?単独試乗は占有の移転が認められる?
男性が試乗車を10時間ほど乗り回した後、自宅の近くに乗り捨てたとして、後日詐欺罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【参考事件】
会社員であるAさんは、ある有名海外メーカーの新車に乗ってみたいと思いましたが、あいにくそれを購入するほどのお金はなく、「試乗するふりをしてそのまま長時間乗ってしまおう」と考え、その海外メーカーを取り扱うお店に赴きました。
そして、「試乗をする」と店員にうそをいって、新車をディーラーから借りた男性は、途中自分でガソリンを入れながら、約10時間その新車で様々な場所を走り、自宅近くにその車を乗り捨てました。
後日、Aさんは詐欺罪の疑いで逮捕されました。
(※この事例は全てフィクションです。)
【詐欺罪とは】
今回、Aさんは詐欺罪の疑いで逮捕されています。
詐欺罪については、刑法246条にその規定があります。
- 刑法第246条(詐欺)
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
詐欺罪が成立するための要件(満たさなくてはならない事項)は、①「欺罔行為があること」②「相手が錯誤に陥ったこと」③「錯誤にもとづいて相手が交付行為をしたこと」④「財物の占有が移転したこと」である、と解されています。
①の「欺罔行為」とは取引に関する重要な事実について嘘をつくなどして相手を騙すこと、②の「錯誤」とは思い違いのことです。
【試乗しただけで詐欺罪が成立する?】
それでは、本件で上記の要件があてはまるか、見てみましょう。
まず、Aさんは車を返還するつもりもないのに、「試乗をする」と店員に言って車を返還する意思があるように装っているから、「欺罔行為」にあたります(①)。
そして、店員は「Aさんが試乗をする(車を返還する)」と思っているので、錯誤に陥っているといえます(②)。
ここで、③の要件について、本件では店員はうそを信じてAさんに車を貸していますから、「錯誤にもとづいた交付行為」があったと考えられます。
そして、④の要件に関して、本件では車は店員からAさんに「移転した」と言えるのでしょうか。
あくまで試乗という形式で店員は車を貸し出していますから、一見、まだ店員に占有(物に対する事実上の支配)があるようにも見えます。
しかし、試乗車を乗り逃げした事案で裁判例は、添乗員がいない単独試乗の場合は、ガソリンを補充でき長距離移動が可能になること、また他の車両に紛れて発見が困難になることなどから、「単独試乗をさせた時点で、意思に基づく占有移転が肯定される」としており(東京地八王子判平成3年8月28日)、財物の移転の要件を肯定し詐欺罪の成立を認めています。
よって、本件でも④の要件を充足し、詐欺罪が成立すると考えられます。
【この行為は詐欺罪?そんな時は弁護士へ】
今回のように、詐欺罪が成立するかどうか、判断をするのが難しい事件を起こしてしまったという場合は、早期に法律事務所へ相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を行っている刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
東京都内で弁護士をお探しの方は、まずは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
【報道事例】新宿区歌舞伎町でせき止め薬を無許可譲渡したとして少年を逮捕|医薬品医療機器法違反とは?
【報道事例】新宿歌舞伎町でせき止め薬を無許可譲渡したとして少年を逮捕|医薬品医療機器法違反とは?
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が、せき止め薬を無許可譲渡したとして逮捕された報道事例をもとに、医薬品医療機器法違反について解説致します。
【参考事例】
若い世代で市販薬の過剰摂取(オーバードーズが問題となるなか、東京都新宿区歌舞伎町にある「トー横」でせき止め薬を無許可で女子高校生に譲り渡した疑いで、少年A(19)が逮捕されました。
(中略)
警視庁によりますと、去年12月、新宿区歌舞伎町の「トー横」で、許可を受けずに17歳の女子高校生に市販のせき止め薬40錠、16歳の女子高校生にせき止めの処方薬50錠を無償で譲り渡したとして、医薬品医療機器法違反の疑いが持たれています。
女子高校生は深夜にはいかいしていたところを補導され、「薬をもらった」と話したことから、警視庁が捜査を進めていました。
調べに対し、容疑を認めたうえで、「女の子と知り合うきっかけになるし、仲よくなれると思った。ほかの女の子にもただであげたり売ったりした」と供述しているということです。
(※2/16に『NHK NEWSWEB』で配信された「トー横でせき止め薬を無許可で譲り渡したか 19歳容疑者逮捕」記事の一部を変更して引用しています。)
【解説】
■医薬品医療機器法違反とは?
まず、「医薬品医療機器法」(以下、法令名省略)とは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の略称です。
「薬機法」などと略されることも多いです。
今回の報道事例では、「許可を受けずにせき止めの処方薬を無償で譲り渡した」とされているところ、医薬品医療機器法24条1項では、「薬局開設者または医薬品販売業の許可を受けた者」以外が、業として、医薬品の販売・授与・授与目的の貯蔵・陳列することを禁止しています。
ここで、「授与」とは、ある物について所有権を有する者が対価を得ないで、その物の所有権を他人に移転すること、つまり所有権の無償譲渡を意味します。
24条1項を簡単に言い換えると、許認可を受けてない人が、自分の物だからと薬などを売ったり、譲渡することは医薬品医療機器法違反となり犯罪となることを規定しています。
■医薬品医療機器法違反の刑罰
許可を得ずに薬を他人に譲渡する行為は、医薬品医療機器法の24条1項違反であり、本規定に違反した者については、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処される、又はこれを併科されることになります(84条9号)。
■医薬品医療機器法など刑事事件で逮捕されたら弁護士に相談
今回の報道事例のような若い世代を中心に問題となっている薬の過剰摂取(オーバードーズ)などを助長するような悪質な医薬品医療機器法違反の場合には、厳しい処罰となる可能性も高くなるでしょう。
厳しい処罰を回避するには、弁護士に依頼し、深い反省を警察や検察、裁判の中で示してもらうなどの情状弁護を行ってもらう必要があります。
早急に弁護士に相談して対処してもらわなければ、事態が勝手に良くなることはないでしょう。
■参考条文
- 第24条(医薬品の販売業の許可)
薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列(配置することを含む。以下同じ。)してはならない。ただし、医薬品の製造販売業者がその製造等をし、又は輸入した医薬品を薬局開設者又は医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者に、医薬品の製造業者がその製造した医薬品を医薬品の製造販売業者又は製造業者に、それぞれ販売し、授与し、又はその販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列するときは、この限りでない。
(※第2項省略)
- 第84条
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(※第一号~八号省略)
九 第24条第1項の規定に違反した者
(※第十号~二十九号省略)
【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が医薬品医療機器法違反について解説致しました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、医薬品医療機器法違反などの刑事事件・少年事件を数多く扱う法律事務所です。
なんらかの事件を起こしてしまった方、警察から取調べを受けている、呼び出しを受けている方は,弊所へお越しいただいての初回無料相談をご利用いただけます。
また、既に逮捕されている方へは、お申込み後、最短当日中に弁護士が接見をして、今後の対応についてのアドバイスや状況を確認する初回接見サービス(有料)がございます。
東京都内及び周辺に在住の方やそのご家族で、刑事事件の被疑者として捜査されているという方などは、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。
無料相談、初回接見サービスをご希望の方は、24時間365日受付中のフリーダイヤル0120-631ー881でご予約をお取りできますので、ご連絡をお待ちしております。
【報道事例】同居する母親の遺体を放置したとして男性を死体遺棄罪の疑いで逮捕|放置も「遺棄」に該当する?
【報道事例】同居する母親の遺体を放置したとして男性を死体遺棄罪の疑いで逮捕|放置も「遺棄」に該当する?
今回は、東京都世田谷区のマンションで起きた死体遺棄事件をもとに、死体遺棄罪とはなにか、遺体を放置することも「遺棄」に該当するのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【参考事例】
東京都世田谷区のマンションの一室で、同居する母親とみられる女性の遺体を遺棄したとして、男性A(43)が逮捕されました。
Aは1月、世田谷区のマンションの一室に70代の母親とみられる女性Vの遺体を遺棄した疑いが持たれています。
警視庁によりますと、連絡が取れないことを不審に思った親族が通報し、警察官が駆け付けたところ、布団の中で仰向けの状態のVを発見したということです。
取り調べに対して、Aは容疑を認めています。
また、「母を亡くした喪失感で無気力状態となった。どうして良いか分からず、そのままにしてしまった」と話しているということです。
警視庁はVが死亡した経緯や身元などについて調べを進めています。
(※2/12に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「同居する母親か 東京・世田谷区のマンションで女性の遺体遺棄容疑 男を逮捕」記事の一部を変更して引用しています。)
【死体遺棄罪とは】
今回、Aは死体遺棄罪の疑いで逮捕されています。
死体遺棄罪については、刑法第190条で以下のように規定されています。
- 刑法第190条(死体損壊等)
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。
死体遺棄罪は、「死体」を「遺棄」した場合に成立します。
「死体」とは死亡した人の身体を指し、これには死胎も含まれます。
「遺棄」とは、通常の埋葬と認められない方法で死体等を放棄する行為を指します。
今回のAは母親とみられるVの遺体をそのまま放置しましたが、これは死体遺棄罪が成立する「遺棄」に該当するのでしょうか。
通常、死体等を移動させたり隠匿したりする行為が「遺棄」に該当しますが、埋葬の手続きを行う義務がある人がそのまま死体を放置する行為は、不真正不作為犯としての「遺棄」が成立すると解釈されています。
不真正不作為犯とは、「何かをしない」ことで犯罪が成立することをいいます。
AがVの家族であれば、Vが死亡した場合、Vを埋葬する義務を有するにもかかわらず、Aは埋葬の手続きを行わずに放置していたため、不真正不作為犯として死体遺棄罪が成立したと考えられます。
【死体遺棄罪で逮捕されたら弁護士へ】
死体遺棄事件を起こした場合、今回のAのように逮捕される可能性が高いです。
また、逮捕後も勾留される可能性があり、勾留が決定すれば最大20日間身柄が拘束されることになります。
さらに、死体遺棄罪の罰則規定は「3年以下の懲役」のみで、罰金刑による罰則規定はありません。
つまり、死体遺棄罪で起訴されると公判請求されることになり、刑事裁判が開かれることになります。
なるべく早期の釈放や、起訴された場合に少しでも軽い判決を獲得したいという場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することが重要になります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご予約に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
東京都内で刑事事件を起こしてしまった方や、ご家族が刑事事件を起こして逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。
【報道事例】発売前のマンガを撮影・複写してネットに違法アップロードした男性2人を逮捕|著作権法違反とは?
【報道事例】発売前のマンガを撮影・複写してネットに違法アップロードした男性2人を逮捕|著作権法違反とは?
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が、違法アップロードによる著作権法違反について解説致します。
【事例】
熊本県警などは、発売前のマンガを撮影・複写し、その画像をインターネット上で公開した疑いで、東京都に住む外国籍の男2人を著作権法違反の疑いで逮捕しました。
男らは撮影したことについては容疑を認めているものの、インターネット上で公開したことについては否認しているということです。
(※2/5に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「発売前のマンガをインターネット上に公開した疑い 外国籍の男2人逮捕」記事を引用・参照しています。)
【解説】
■違法アップロードとは?
まず、映画・ドラマ・アニメなどの映像作品や写真集・雑誌・マンガなどの出版物は「著作物」として、著作権や出版権が存在しています。
そして、ネットなどにこのような著作物を無断でアップロードすることは著作権等を侵害する行為に該当します。
このように、著作権者に無断でインターネット上にマンガや映画・ドラマなどをアップロード(投稿)する行為が一般的に違法アップロードと言われる行為です。
この違法アップロードは、法律上は著作権法違反として著作権法という法律によって処罰されることになります。
- 著作権法第119条1項
著作権、出版権または著作隣接権を侵害した者は、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金に処し、またはこれらを併科する。
■著作権法違反となる行為
著作権法119条1項違反の成立要件は、①著作権、出版権または著作隣接権を②侵害したということです。
「侵害」とは、著作権者に無許可で著作物のコピーや、投稿・配信、上映、改変、切除(切り抜きなど)を行うことを意味します。
■違法アップロードで逮捕になるケース
SNSなどのネット上に他人の著作物を違法アップロードしただけではすぐに逮捕されるわけではありません。
これは、違法アップロードは著作権者による刑事告訴がなければ罪に問われない親告罪という犯罪であるためです。
もっとも、以下のような要件を満たす悪質な著作権法違反については、非親告罪として著作権者の告訴なしに著作権侵害者を罪に問うことが可能です。
①:対価を得る目的または権利者の利益を害する目的があること
②:有償著作物等(有償で公衆に提供され、又は提示されているもの)を原作のまま譲渡・公衆送信またはこれらの目的のために複製すること
③:有償著作物等の提供・提示により得ることが見込まれる権利者の利益が不当に害されること
発売前のマンガをネット上にアップロードする行為は、マンガを購入しなくても無料で読めるからと読者の購買意欲がなくなることで売上を下げる結果にもつながるため、原作者や出版社の利益を不当に害する行為であり、このようなケースは悪質な著作権法違反として逮捕されるおそれがあると考えられます。
■著作権法違反の刑罰
10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金に処し、またはその両方
【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が違法アップロードによる著作権法違反について解説致しました。
違法アップロードなどは、証拠隠滅の恐れなどから、逮捕後も勾留され最大20日間身柄が拘束される可能性も十分にあります。
早急に弁護士に相談して対処してもらわなければ、事態が勝手に良くなることはないでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を数多く扱う法律事務所です。
なんらかの事件を起こしてしまった方、警察から取調べを受けている、呼び出しを受けている方は,弊所へお越しいただいての初回無料相談をご利用いただけます。
また、既に逮捕されている方へは、お申込み後、最短当日中に弁護士が接見をして、今後の対応についてのアドバイスや状況を確認する初回接見サービス(有料)がございます。
東京都内及び周辺に在住の方やそのご家族で、刑事事件の被疑者として捜査されているという方などは、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。
無料相談、初回接見サービスをご希望の方は、24時間365日受付中のフリーダイヤル0120-631ー881でご予約をお取りできますので、ご連絡をお待ちしております。
【報道事例】AVに出演した女性に契約書を交付しなかったとして男性をAV出演被害防止・救済法違反の疑いで逮捕
【報道事例】AVに出演した女性に契約書を交付しなかったとして男性をAV出演被害防止・救済法違反の疑いで逮捕
令和4年6月から施行された「AV出演被害防止・救済法」を知っている方はあまり多くありません。
今回は、AVに出演した女性に対して契約書を交付しなかったとしてAV出演被害防止・救済法違反の疑いで男性が逮捕された事例をもとに、AV出演被害防止・救済法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【参考事例】
アダルトビデオ(AV)に出演した女性に契約書などを交付しなかったとして、佐賀北署は1日、AV出演被害防止・救済法違反の疑いで東京都渋谷区在住の男性A(44)を逮捕しました。
同法の2022年6月の施行後、佐賀県警による摘発は初めてとなります。
逮捕容疑は昨年8月、県内のホテルで、20代の女性出演者Vに対して契約事項を記載した書面を出して説明せず、契約書を交付しなかった疑いがもたれています。
同署によると、Aは容疑を認めているとのことです。(以下略)
(※2/1に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「アダルトビデオの契約書交付せず 被害救済法違反容疑で東京都の40代男を逮捕 佐賀県警初摘発」記事の一部を変更して引用しています。)
【AV出演被害防止・救済法とは】
AV出演被害防止・救済法とは、令和4年6月に施行された「性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律」の略称です。
他にも、「AV新法」や「AV被害救済法」などとも呼ばれています。
AV出演被害防止・救済法は、AV(アダルトビデオ)の出演者がAVに出演したことで生ずるおそれのある重大な被害の発生や拡大の防止、または被害を受けた出演者の救済を目的とした法律です。
今回、AはAVに出演したVに契約書を交付しなかったとしてAV出演被害防止・救済法違反の疑いで逮捕されています。
契約書の交付に関しては、同法第6条で以下のように規定されています。
- AV出演被害防止・救済法第6条(出演契約書等の交付等義務)
制作公表者は、出演者との間で出演契約を締結したときは、速やかに、当該出演者に対し、出演契約事項が記載され又は記録された出演契約書等を交付し、又は提供しなければならない。
このように、AVの出演者に対して契約書を交付することは義務として定められています。
VはAから契約書を交付されていないため、AはAV出演被害防止・救済法違反が成立したと考えられます。
契約書等の交付義務に違反した場合の罰則は、同法第21条第2項で以下のように規定されています。
- AV出演被害防止・救済法第21条
次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、6月以上の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(第1項省略)
2 第6条の規定に違反して、出演契約書等を交付せず若しくは提供せず、又は出演契約事項が記載され若しくは記録されていない出演契約書等若しくは虚偽の記載若しくは記録のある出演契約書等を交付し若しくは提供したとき。
つまり、今回逮捕されたAは6月以上の懲役もしくは100万円以下の罰金で処罰される可能性があります。
【事務所紹介】
今回は、AV出演被害防止・救済法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説しました。
AV出演被害防止・救済法の施行により、AV出演者に対する契約書等の交付は義務となっています。
事例のAのように、契約書を交付しなければAV出演被害防止・救済法違反となり処罰を受けることになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご予約に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
東京都内で刑事事件を起こしてしまったという方や、ご家族が逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。
【事例解説】「金が払えないなら暴力団に話す」と言って現金20万円を脅し取った男性を恐喝罪の疑いで逮捕
【事例解説】「金が払えないなら暴力団に話す」と言って現金20万円を脅し取った男性を恐喝罪の疑いで逮捕
今回は、路上でトラブルになった男性に「金が払えないなら暴力団に話す」と言って現金20万円を脅し取った恐喝事件の事例をもとに、恐喝罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【事例】
東京都渋谷区内の路上を歩いていた男性V(34)は、すれ違いざまに男性A(42)の肩にぶつかってしまいました。
ぶつかった拍子にAは持っていたスマートフォンを落とし、Vが謝罪しようとしたところ、AはVに対し「スマートフォンが壊れたから20万円弁償しろ」と要求しました。
Vは20万円も持っていなかったところ、Aから「俺は暴力団に顔が利く、金が払えないなら暴力団に話すぞ」と言われ、怖くなったVは口座から現金20万を引き出し、Aに渡しました。
その後、Vが渋谷警察署に相談し、Aは恐喝罪の疑いで逮捕されました。
(※この事例は全てフィクションです。)
【恐喝罪とは?】
今回の事例で、Aは恐喝罪の疑いで逮捕されています。
恐喝罪については、刑法第249条で以下のように規定されています。
- 刑法第249条(恐喝)
人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させたものも、同項と同様とする。
恐喝罪は、人を「恐喝」して「財物を交付」させることで成立します。
より具体的に説明すると、恐喝罪が成立する流れは、①恐喝行為→②相手(被害者)の畏怖→③畏怖に基づく財物の交付→④財物・財産上の利益の移転となります。
恐喝罪における「恐喝」とは、相手の反抗を抑圧するに至らない程度の暴行や脅迫を用いて財物を脅し取ろうとする行為を指します。
暴行や脅迫が相手の反抗を抑圧するに足りる程度で会った場合は、恐喝罪ではなく強盗罪が成立します。
恐喝罪における脅迫とは人を畏怖させるに足りる害悪の告知を指し、暴行とは相手を畏怖させる程度で犯行を抑圧するに足りない程度のものを指します。
今回の事例で考えると、AはVに対して「金が払えないなら暴力団に話す」と言っています。
具体的にVに危害を加える旨を告知しているわけではありませんが、暴力団に話すと言われれば、暴力団から危害を加えられると考えてもおかしくありません。
間接的な内容でも、危害が加えられるような内容が相手に伝われば脅迫に該当します。
つまり、AがVに言った内容は脅迫に該当し、この脅迫に畏怖したVは現金20万円をAに交付しています。
恐喝罪が成立する要件の流れを満たしているので、Aに恐喝罪が成立する可能性が高いということになります。
【恐喝罪で逮捕されてしまったら弁護士へ】
恐喝罪による刑事事件を起こしてしまうと、逮捕される可能性は十分にあります。
逮捕後も勾留が決定されて最大20日間身柄が拘束されるかもしれません。
また、恐喝罪の処罰規定に罰金刑はないため、起訴されると公判請求となり刑事裁判が開かれることになります。
ご家族が恐喝事件を起こして逮捕されているけど早期釈放してほしい、不起訴処分を獲得して前科を避けたい、起訴されても量刑を少しでも軽くしてほしい、といった場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、恐喝事件はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご家族が逮捕されている場合は、最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)を提供しています。
弁護士がご本人から直接事実関係などを確認した上で、現在の状況や今後の見通しについて詳しい説明を受けることができます。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
東京都内でご家族が刑事事件を起こして逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。
【相談事例】怪我を負わせた相手から被害届を提出すると言われた…刑事事件化を阻止することは可能ですか?
【相談事例】怪我を負わせた相手から被害届を提出すると言われた…刑事事件化を阻止することは可能ですか?
「怪我を負わせてしまった相手から被害届を提出すると言われてどうすればいいか分からない、、」という不安な気持ちを抱いている場合、弁護士に相談することをおすすめします。
今回は、上記のような相談に関する見解や弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【相談事例】
東京都調布市に在住の男性A(25)は、同じ職場の同僚男性V(25)と仕事終わりに居酒屋で飲むことになりました。
お互いにお酒が入っていたこともあり、ちょっとしたことから口論になり、AはVの身体を押してしまい、Vは転倒しました。
Aは慌ててVの身体を起こして謝罪し、その日は何事もなく終わりました。
後日、Vから「先日の件で病院に行ったところ、全治2週間の怪我を負っていた。被害届を警察に提出する。」といった連絡が来ました。
Vに対する申し訳ない気持ちはあるものの、今後どうなるか心配になったAは、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(※この事例は全てフィクションです。)
【Aに問われる可能性がある罪】
今回の相談事例において、Aは傷害罪に問われる可能性が高いです。
傷害罪については、刑法第204条で以下のように規定されています。
- 刑法第204条(傷害)
他人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
殴る・蹴るなどの暴行を加えて相手に怪我を負わせることが傷害罪が成立する典型的な例ですが、傷害罪が成立する可能性がある行為はこれだけではありません。
判例では、傷害罪における「傷害」とは、「他人の生理的機能を侵害する行為」であるとされています。
つまり、暴行以外の行為でも「他人の生理的機能を侵害する行為」だと認められると傷害罪が成立するということです。
暴行行為以外で傷害罪が認められた行為には、以下のような行為があります。
- 相手に執拗な嫌がらせ電話をして精神を衰弱させた行為
- 騒音などによって相手に精神的ストレスを与えて睡眠障害に陥れた行為
- 相手に性病であることを隠して性交渉を行い感染させた行為
今回の相談事例で考えると、AがVの身体を押した結果、Vが転倒して怪我を負っているため、Aの行為は傷害罪が成立する可能性があります。
【Aに対する弁護活動】
今回の相談事例では、VはAに対して「被害届を警察に出す」と言っていますが、実際にはまだ警察に被害届を提出していません。
そのため、Aから弁護依頼を受けた場合、弁護士は刑事事件化を阻止することを第一の目標として活動を行います。
刑事事件化を阻止するためには、被害者であるVとの示談を締結することが重要なポイントになります。
当事者間での示談交渉は、適切な金額での示談が行えなかったり、正しい示談書が作成できずに後々トラブルになったりすることもあるため、法律のプロである弁護士に代理人として示談交渉を行ってもらうことをおすすめします。
Aは弁護士に弁護活動を依頼していたため、弁護士がAの代理人としてVと示談交渉を行い、結果として適切な示談金でVとの示談を締結することに成功しました。
示談も無事に締結できたことで、刑事事件化を阻止することにも成功し、Aにとって一番良い結果で終了することができました。
このように、ご自身が刑事事件の当事者になるかもしれないという場合は、まずは弁護士に相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
様々な刑事事件の弁護活動を担当し、被害者との示談を締結して刑事事件化を阻止した実績を多数持つ経験豊富な弁護士も多く在籍しています。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
東京都内で刑事事件を起こしてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。
【事例解説】未成年者誘拐罪とは?未成年者からの同意があった場合でも未成年者誘拐罪は成立する?
【事例解説】未成年者誘拐罪とは?未成年者からの同意があった場合でも未成年者誘拐罪は成立する?
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が、新宿警察署において未成年者誘拐罪で逮捕されたという事例を想定して、未成年者誘拐罪について解説致します。
【事例】
警視庁新宿警察署は、女性V(16)が未成年者であることを知りながら、マッチングアプリを使用して同女性を誘い出し、自動車に乗車させ連れ去り、翌日朝まで自宅等に滞在させたとして、未成年者誘拐罪の疑いで男性A(27)を逮捕しました。
(※事例は全てフィクションです。)
【解説】
■未成年者誘拐罪とは?
未成年者誘拐罪とは、刑法第224条に定められている犯罪です。
未成年者誘拐罪が成立し実刑判決となった場合には、3月以上7年以下の懲役に処されることになります。
- 刑法第224条(未成年者略取及び誘拐)
未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。
未成年者誘拐罪の成立要件は以下のようになります。
①「未成年者」を
②「誘拐」した
③未成年者であることの認識(故意)
「未成年者」とは、18歳未満の者を指します(民法第4条)。
「誘拐」とは、欺罔・誘惑などの手段を用いて、他人をその生活環境から不法に離脱させ、自己又は第三者の事実的支配下に置くことを意味します。
本罪は、未成年者を成人であると誤認していた場合には、本罪の故意は認められません。
また、誘拐の手段が欺罔・誘惑等ではなく、暴行・脅迫であった場合は「略取」と呼ばれます。
■未成年者本人の同意があってもだめ?
未成年者誘拐罪は、未成年者本人の同意があったとしても罪を免れることはできません。
今回の事例では、Aは未成年者だと認識しているVから同意を得た上で誘い出し、車で移動して自宅に滞在させていますが、16歳の女性の保護者などには了承を得ていなかったと考えられるため「誘拐」と評価されたと考えられます。
【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が未成年者誘拐罪について解説致しました。
未成年者誘拐罪は、たとえ未成年者本人の同意があったとしても罪を免れるわけではないので、「お互い了承の上だったので問題ないと思った」というような言い分は通用しません。
また、未成年者誘拐罪には罰金刑がなく、実刑となった場合は懲役に処される可能性が極めて高い重大な犯罪です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件に特化した法律事務所です。
なんらかの事件を起こしてしまった方、警察から取調べを受けている、呼び出しを受けている方は、弊所へお越しいただいての初回無料相談をご利用いただけます。
また、既に逮捕されている方へは、お申込み後、最短当日中に弁護士が接見をして、今後の対応についてのアドバイスや状況を確認する初回接見サービス(有料)がございます。
東京都内及び周辺に在住の方やそのご家族で、刑事事件の被疑者として捜査されているという方などは、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。
無料相談、初回接見サービスをご希望の方は、24時間365日受付中のフリーダイヤル0120-631ー881でご予約をお取りできますので、ご連絡をお待ちしております。
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