偽造処方せんで向精神薬を取得し逮捕

偽造処方せんで向精神薬を取得し逮捕

偽造した処方せんを使用し向精神薬を取得した事件を題材にして、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が刑事弁護活動等について解説いたします。

事例

東京都北区在住のAは、北区内にある民間の病院を受診した際に、医師から処方せんの交付を受けました。
Aは、この処方せんをカラーコピー機で偽造した上で、偽造した処方せんを使用し複数の薬局において薬剤師から向精神薬を購入しました。
東京都北区を管轄する滝野川警察署の警察官は、Aを麻薬及び向精神薬取締法等の疑いで逮捕しました(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~偽造した処方せんを行使して向精神薬を取得~

Aの行為には、後述するとおり私文書偽造罪や詐欺罪といった刑法犯が成立する可能性があります。
もっとも、上記行為は薬物に関する取締り規定にも反し得るという点を見落としがちです。
この点、麻薬及び向精神薬取締法は、業者のみならず個人に対しても、処方せんの偽造行為に関する処罰規定を置いています。

麻薬及び向精神薬取締法
第七十二条 次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
一~三(略)
四 向精神薬処方せんを偽造し、又は変造した者

すなわち、上記規定により、Aの偽造行為は刑法犯のみならず、同法による処罰対象となるのです。
したがって、Aが処方せんを偽造した行為には、特別刑法犯として麻薬及び向精神薬取締法72条4号に反するものということができます。

そして、上述したようにさらに重い罪として刑法上の犯罪も成立しうることにも注意が必要です。
まず、Aが処方せんをカラーコピー機で偽造した行為には、上記麻薬及び向精神薬取締法違反に加えて、刑法159条1項の私文書偽造罪が成立することになるでしょう。
そして、かかる偽造した処方せんを行使したことについて、偽造私文書行使罪(刑法161条1項)が成立します。
さらに、Aはこの偽造した処方せんを提示して、薬剤師の所属する薬局から「財物」たる向精神薬をだまし取っていることから、刑法246条1項の詐欺罪も成立することになります。
文書偽造に関しては「三月以上五年以下の懲役」、詐欺については「十年以下の懲役」とより重い法定刑が定められていることに注意が必要です。

~刑事弁護士による弁護活動のメリット~

逮捕されてしまうと、被疑者(容疑者)は、密室である取調室において捜査のプロである取調官と対峙しなければなりません。
また、捜査のプロであるといっても、違法不当な捜査や取調べを行わないとは限らない点に注意が必要です。
したがって、弁護士と早期に面会(弁護士には逮捕された方と立会人なしで面会できる法律上の特権を有します)するなどして、取調べ対応等について適切なアドバイスを受ける必要があります。
さらに、弁護士は面会において、被疑者(容疑者)自身の言い分をしっかり聞き取ることが可能です。
あくまで捜査側に立つ取調官は取調べにおいて、被疑者(容疑者)の言い分を十分に聞いてくれるとは限らず、この点に関しても弁護士との面会は重要性を有します。
また、逮捕されてしまうと、隔離された空間で孤立してしまうことから精神的な負担も少なくありません。
このようなメンタルケアの観点からも、定期的な弁護士との面会は重要といえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件を含む刑事事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件の対象は刑法犯のみならず特別刑法犯など多岐に渡るため、刑事弁護士の専門知識と経験が不可欠となります。
東京都北区にて、麻薬及び向精神薬取締法事件等で逮捕された方のご家族は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)にご連絡ください。

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