【報道事例】爆破予告は単なるイタズラでは済まない|爆破予告で問われる可能性がある罪は?
「〇〇に爆破予告が届きました」といった内容のニュースや新聞記事を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
実際には爆破されずに単なるイタズラだったというケースも多いですが、爆破予告は立派な犯罪です。
今回は、東京ディズニーリゾートに爆破予告があったという報道事例をもとに、爆破予告で問われる可能性がある罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【事例】
千葉県浦安市の市役所にけさ、東京ディズニーリゾートに爆弾を仕掛けたという内容のメールが届き、警察などが警戒にあたっています。
メールには“京葉線の快速を廃止する報復”などと記されていたということです。
浦安市によりますと、市内にある東京ディズニーリゾートやその周辺施設に「殺傷力の高い爆弾を複数仕掛けた」といった内容のメールが市役所に届いたということです。
メールを受けて、現在、警察などがJR舞浜駅や周辺の施設で警戒にあたっています。
(※12/22に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「東京ディズニーリゾートに爆破予告「快速廃止するJRへの報復」警察などが警戒」記事の一部を変更して引用しています。)
【爆破予告で問われる罪は?】
爆破予告で問われる可能性がある罪はいくつか考えられますが、爆破予告で問われるもっとも典型的な犯罪は威力業務妨害罪です。
威力業務妨害罪については、刑法第234条で以下のように規定されています。
- 刑法第234条(威力業務妨害)
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
威力業務妨害罪は、①「威力」を用いて②人の「業務」を③「妨害させるおそれ」があることで成立します。
それぞれの要件について詳しく見ていきましょう。
①「威力」を用いて
「威力」とは、一般的に人の意思を制圧するに足る力や影響を指し、具体的には暴力行為や脅迫などが該当します。
例えば、暴行や「殺すぞ」といった脅迫行為などが「威力」にあたり、最近の裁判例では、従来の定義に完全に当てはまらない行為でも、公然と行われる妨害行為を「威力」の使用と見なす傾向があります。
②人の「業務」を
「業務」とは、職業やその他の社会生活上の地位に基づいて継続して行われる事務や活動を指します。
例えば、タクシー運転手が乗客を目的地まで運ぶ行為や、レストランの店員が料理を提供する行為は「業務」に該当します。
一方で、個人的な趣味や家庭内での活動は、通常「業務」とは見なされません。
法的には、業務妨害の対象となる「業務」は、その行為が社会生活上の活動であるかどうかによって判断されます。
③「妨害させるおそれ」がある
この「おそれ」は、行為が実際に業務を妨害する可能性があるかどうかを指します。
法的には、単に不快感を与えるだけでなく、業務の正常な運営に具体的な影響を及ぼす可能性が必要です。
例えば、爆破予告のような脅迫行為は、対象となる機関や組織の日常業務に深刻な障害をもたらす可能性があるため、「業務が妨害されるおそれ」があると判断されます。
【爆破予告は単なるイタズラでは済まない!】
今回は、爆破予告で問われる可能性がある威力業務妨害罪について解説しました。
「ちょっとおどかしてやろう」といったイタズラ心で爆破予告をしてしまったとしても、それはれっきとした犯罪行為です。
爆破予告による威力業務妨害罪が成立した場合の処罰内容は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金と規定されています。
匿名で爆破予告をしていたとしても、警察の捜査によって特定されて突然逮捕されてしまう可能性も十分にあります。
威力業務妨害罪で警察から連絡がきたり逮捕されてしまったりした場合は、早急に弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、威力業務妨害罪はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績をもつ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて承っております。
東京都内で威力業務妨害事件を起こしてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。