【報道事例】過失運転致死罪による自動車運転死傷処罰法違反とは?執行猶予の有無や示談の重要性

【報道事例】過失運転致死罪による自動車運転死傷処罰法違反とは?執行猶予の有無や示談の重要性

過失運転致死罪 執行猶予

過失運転致死罪は、誰しもが日常の運転中に起こしてしまう可能性がある重大な犯罪です。
今回は、東京都杉並区の路上で起きた実際の報道をもとに、過失運転致死罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

【事例】

東京都杉並区で親子が乗用車にはねられ死亡した事故で、車が時速25キロほどでバックしていたことが分かりました。

整備士の男性A(50)は12月26日、杉並区の路上で、親子2人を車ではね死亡させた過失運転致死の疑いで28日朝、送検されました。
その後の調べで、Aがバックではねた際の車の速度は、25キロから30キロと推定されることが分かりました。

また、母親は衝突の後、約11メートルにわたり引きずられたとみられています。
車の不具合は今のところ確認されていないということで、警視庁が原因を調べています。
(※12/28に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「親子をはねた車 “時速25km”でバック 母親は11m引きずられたか 整備士の男を送検 東京・杉並区」記事の一部を変更して引用しています。)

【過失運転致死罪とは】

過失運転致死罪は、日常の運転中に誰しもが予期せず起こしてしまう可能性のある重大な犯罪です。

過失運転致死罪については、自動車運転死傷処罰法(正式名称:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)第5条で以下のように規定されています。

  • 自動車運転死傷処罰法第5条(過失運転致死傷)
    自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁固又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

過失運転致死罪は、運転者が必要な注意を怠った結果、人の死を引き起こした場合に成立します。
法的には、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者」に対して、最大7年の懲役若しくは禁固または100万円以下の罰金で処罰されます。

過失運転致死罪の成立には、運転者の過失と死亡事故との因果関係が必要です。
例えば、スピード違反、信号無視、安全確認の怠慢など、様々な運転上の過失が考えられます。

運転者が故意に事故を起こしたわけではなく、不注意や油断などの運転手が「通常必要とされる注意」を怠ったことによる事故で相手を死亡させてしまったということが、過失運転致死罪の成立において重要な点になります。

過失の程度は、事故の状況、運転者の行動、交通環境などによって異なります。
例えば、速度違反や安全確認の怠慢は、明らかな過失と判断されることが多いです。

判例では、過失の程度に応じて、罰金から懲役刑まで様々な刑罰が科されています。
過失運転致死罪の判決は、事故の具体的な状況や運転者の過去の運転記録など、多くの要因を考慮して決定されています。

【過失運転致死罪で執行猶予はつく?】

過失運転致死罪の刑罰は、その重大性に応じて厳しく定められています。
自動車運転死傷処罰法では、過失運転致死罪に対して7年以下の懲役若しくは禁固または100万円以下の罰金を規定しています。
実際の判決では、事案の具体的な状況や運転者の過去の記録、被害者との関係などが考慮されるため、刑罰の程度には幅があり、場合によっては執行猶予が付与されることもあります。

執行猶予は、一定期間内に罪を犯さずに生活していれば刑の執行が免除される制度です。
過失運転致死罪は、過失による事故であること、運転者の反省の態度、被害者遺族との示談成立などが考慮されることで、執行猶予が付与される可能性もあります。
執行猶予が付与されると、すぐに刑務所に収容されることはありませんが、一定期間、法的な制約を受けることになります。

【過失運転致死罪における示談の重要性】

過失運転致死罪における示談締結は、法的な解決において非常に重要な役割を果たします。
示談は、加害者と被害者(または遺族)間で行われる私的な合意であり、事故による損害の賠償や心情の和解を目的としています。

示談が成立すると、裁判所はこれを量刑の際に考慮し、執行猶予減刑判決など、より軽い刑罰を科す可能性が高まります。
特に過失運転致死罪の場合、被害者側の感情や損害の大きさが刑罰に大きく影響するため、示談は刑事訴訟において重要な要素となります。

ただ、示談交渉は感情的な問題や法的な複雑さを含むため、専門家である弁護士による介入が推奨されます。
弁護士は、公正かつ効果的な示談の成立を目指し、加害者と被害者双方の利益を考慮した解決策を提案します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。

東京都内で過失運転致死罪による刑事事件を起こしてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら