【報道事例】テロ予告メールを受けた東京都内のテーマパークが臨時休業|犯人に問われる可能性がある罪は?
今回は、東京都多摩市内にあるテーマパークにテロ予告メールが届いて臨時休業になった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【事例】
24日朝、東京都多摩市にあるサンリオピューロランドにテロ予告メールが届きました。
臨時休館の対応がとられていて、警視庁が危険物などの捜索を行っています。
警視庁などによりますと24日朝、多摩市落合にあるサンリオピューロランドにテロ予告メールが届きました。
メールには、「敷地内に危険物を設置した」などといった内容が書かれていたということで、サンリオピューロランドは、来場客のほか出演者や現場スタッフの安全確保のため、24日は臨時休館になりました。
警視庁は威力業務妨害の疑いも視野に、24日朝からサンリオピューロランドの中に危険物などが設置されていないかどうか調べています。
(※2/24に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「サンリオピューロランドにテロ予告 危険物など捜索で臨時休館 東京・多摩市」記事を引用しています。)
【犯人に問われる可能性がある罪】
今回の事例の犯人が行った行為は、威力業務妨害罪に問われる可能性が高いです。
威力業務妨害罪については、刑法第234条で以下のように規定されています。
- 刑法第234条(威力業務妨害)
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
条文に記載されている「前条」とは、刑法第233条の信用毀損罪・偽計業務妨害罪を指しています。
- 刑法第233条(信用毀損及び業務妨害)
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
つまり、威力業務妨害罪が成立した場合も、刑法第233条と同じ刑罰で処分を受けるという意味になっています。
威力業務妨害罪は、「威力」を用いて「人の業務」を「妨害」したときに成立します。
「威力」とは、人の意思を制圧するに足りる勢力を示すことを指します。
殴る蹴るといった暴行はもちろん、脅迫や集団で怒号するような行為も「威力」に該当します。
今回の事例のようなテロ予告メールは、「敷地内に危険物を設置した」というメールを受け取った人々の意思を制圧するに足りる勢力であると客観的にも評価できるため、「威力」に該当すると考えられます。
「業務」とは、大判大正10年10月24日の判例で「職業その他の社会生活上の地位に基づいて継続して従事する事務」と解釈されています。
テロ予告メールが届いたテーマパークでは、多数の従業員が継続して勤務しているため、「業務」に該当すると考えられます。
「妨害」とは、その行為によって本来遂行するべき業務に支障をきたしたり、支障をきたす危険性を与えることを指します。
テロ予告メールが届いた場合、テーマパーク内の従業員は安全確保を行うために客を避難させたり警察に通報したりといった対応をする必要が出てくるため、本来の業務を妨害されていることになります。
以上のことから、今回の事例のようなテロ予告メールは「威力を用いて人の業務を妨害した」と考えられるため、威力業務妨害罪に問われる可能性が高いということになります。
【威力業務妨害事件を起こしたら弁護士へ】
威力業務妨害罪で起訴されて有罪になった場合、3年以下の懲役か50万円以下の罰金で処罰を受けることになります。
起訴を免れて不起訴を獲得するためには、被害者との示談を成立させることが重要なポイントになります。
ただ、当事者間での示談交渉はスムーズに進まないことが多く、かえって別のトラブルに発展しかねません。
なので、威力業務妨害事件を起こして被害者と示談をしたい場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。
弁護士が代理人として被害者との示談交渉を行うので、当事者間よりも示談が成立する可能性がグッと高まります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件で弁護活動を担当し、被害者と示談を成立させた実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご予約に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
東京都内で刑事事件を起こしてしまったという方や、ご家族が刑事事件を起こして逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。