ハロウィンでの刑事事件

ハロウィンでの刑事事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

昨年のハロウィンでは、お酒を飲んだ一部の若者が暴徒化し、渋谷駅周辺で、暴行、傷害事件や、器物損壊事件痴漢事件等の刑事事件が多発しました。
この問題は、世間で大きな波紋を呼び、社会問題にもなって多くの逮捕者を出しました。
またこの問題を受けて、行政でも様々な取組みが行われ、今年6月にはハロウィン期間の前後などに、渋谷センター街などの路上で飲酒することを禁止する条例(渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境の確保に関する条例)が施行されています。
そこで本日は、昨年のハロウィン期間中に起こった事件や、新たに施行された条例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
(フィクションです)

◇去年のハロウィンで発生した事件例◇

~集団的器物毀棄罪(共同器物損壊事件)~

ハロウィンの騒動を報じるニュースなどを見た方に一番衝撃を与えたのが、数人の若者によって軽トラックが横転させられる映像ではないでしょうか。
故意的に、人の物を壊せば、器物損壊罪が成立しますが、この事件では複数人が共同して軽トラックを壊していたので、暴力行為等処罰に関する法律違反集団的器物毀棄罪(共同器物損壊罪)が適用されました。
器物損壊罪の法定刑が「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」となっていますが、暴力行為等処罰に関する法律違反集団的器物毀棄罪(共同器物損壊罪)の法定刑は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金」で、科料の規定がありません。
※科料とは1万円未満の支払いを命じられる刑事罰の一種

~痴漢事件~

ハロウィンの期間中が、渋谷のセンター街を中心に多くの若者が集中します。
その人ゴミの中で、仮装した若い女性等が、痴漢の被害を受けたことがテレビのニュースで報じらていました。
痴漢行為は、東京都の迷惑防止条例違反となり、その法定刑は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
ただ注意しなければいけないのは、痴漢行為であっても、下着の中に手を入れたり、被害者の体に抱きついたりしてわいせつ行為に及んだ場合などは、強制わいせつ罪が適用される場合があります。
刑法第176条に規定されている、強制わいせつ罪の法定刑は、迷惑防止条例で規定されている痴漢行為の法定刑とは比べものにならないほど厳しく「6月以上10年以下の懲役」です。

~暴行・傷害事件~

お酒を飲んで酔払ってしまうと、気持ちが大きくなりなりがちです。
素面では気にならないような些細なことが原因でトラブルとなり、相手と喧嘩になってしまうような粗暴な事件も多く発生したといわれています。
一方的に暴行を加えた場合は当然のこと、暴行を受けたからといって、やり返してしまった場合でも、暴行罪や傷害罪が適用されて刑事罰を受ける可能性もあるので注意しなければいけません。
暴行罪の法定刑は「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」と比較的軽いものですが、相手にケガを負わせてしまえば傷害罪が適用され、その法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と非常に厳しいものです。

◇新たに施行された条例◇

去年のハロウィンの騒動によって、新たに施行されたのが「渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境の確保に関する条例」です。
この条例では、ハロウィンの期間中に、渋谷駅周辺での飲酒や、音響機器で音を異常に大きく出す行為、放尿、街路灯、標識、屋根にのぼる行為や、他人に迷惑・危害を及ぼす行為が禁止されています。
違反者に対しては、指導にとどまり、刑事罰が科せられるものではありませんが、去年のような騒動を阻止するために、今年は警察による取り締まりも一層厳しくなることが予想されます。

ハロウィン期間中の刑事事件でお困りの方や、渋谷区内の刑事事件でお困りの方は、東京都内の刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。
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