【事例解説】「金が払えないなら暴力団に話す」と言って現金20万円を脅し取った男性を恐喝罪の疑いで逮捕
今回は、路上でトラブルになった男性に「金が払えないなら暴力団に話す」と言って現金20万円を脅し取った恐喝事件の事例をもとに、恐喝罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【事例】
東京都渋谷区内の路上を歩いていた男性V(34)は、すれ違いざまに男性A(42)の肩にぶつかってしまいました。
ぶつかった拍子にAは持っていたスマートフォンを落とし、Vが謝罪しようとしたところ、AはVに対し「スマートフォンが壊れたから20万円弁償しろ」と要求しました。
Vは20万円も持っていなかったところ、Aから「俺は暴力団に顔が利く、金が払えないなら暴力団に話すぞ」と言われ、怖くなったVは口座から現金20万を引き出し、Aに渡しました。
その後、Vが渋谷警察署に相談し、Aは恐喝罪の疑いで逮捕されました。
(※この事例は全てフィクションです。)
【恐喝罪とは?】
今回の事例で、Aは恐喝罪の疑いで逮捕されています。
恐喝罪については、刑法第249条で以下のように規定されています。
- 刑法第249条(恐喝)
人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させたものも、同項と同様とする。
恐喝罪は、人を「恐喝」して「財物を交付」させることで成立します。
より具体的に説明すると、恐喝罪が成立する流れは、①恐喝行為→②相手(被害者)の畏怖→③畏怖に基づく財物の交付→④財物・財産上の利益の移転となります。
恐喝罪における「恐喝」とは、相手の反抗を抑圧するに至らない程度の暴行や脅迫を用いて財物を脅し取ろうとする行為を指します。
暴行や脅迫が相手の反抗を抑圧するに足りる程度で会った場合は、恐喝罪ではなく強盗罪が成立します。
恐喝罪における脅迫とは人を畏怖させるに足りる害悪の告知を指し、暴行とは相手を畏怖させる程度で犯行を抑圧するに足りない程度のものを指します。
今回の事例で考えると、AはVに対して「金が払えないなら暴力団に話す」と言っています。
具体的にVに危害を加える旨を告知しているわけではありませんが、暴力団に話すと言われれば、暴力団から危害を加えられると考えてもおかしくありません。
間接的な内容でも、危害が加えられるような内容が相手に伝われば脅迫に該当します。
つまり、AがVに言った内容は脅迫に該当し、この脅迫に畏怖したVは現金20万円をAに交付しています。
恐喝罪が成立する要件の流れを満たしているので、Aに恐喝罪が成立する可能性が高いということになります。
【恐喝罪で逮捕されてしまったら弁護士へ】
恐喝罪による刑事事件を起こしてしまうと、逮捕される可能性は十分にあります。
逮捕後も勾留が決定されて最大20日間身柄が拘束されるかもしれません。
また、恐喝罪の処罰規定に罰金刑はないため、起訴されると公判請求となり刑事裁判が開かれることになります。
ご家族が恐喝事件を起こして逮捕されているけど早期釈放してほしい、不起訴処分を獲得して前科を避けたい、起訴されても量刑を少しでも軽くしてほしい、といった場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、恐喝事件はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご家族が逮捕されている場合は、最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)を提供しています。
弁護士がご本人から直接事実関係などを確認した上で、現在の状況や今後の見通しについて詳しい説明を受けることができます。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
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