【解決事例】駅員に対する傷害事件で勾留請求を回避

【解決事例】駅員に対する傷害事件で勾留請求を回避

鉄道駅の駅員に対し酔って暴行をしてしまったという傷害事件で逮捕されたものの勾留請求回避し釈放されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都江戸川区在住のAさんは、江戸川区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、酒に酔って自宅近くとは別の駅で降りてしまい、終電を逃しました。
Aさんはそのまま駅構内のベンチで眠ってしまったところ、駅員から起きるよう言われ、泥酔していたAさんは駅員のうち1人であるVさんに対し手の甲で顔を殴る暴行を加えてしまいました。
駅員からの通報を受けて臨場した江戸川区内を管轄する小松川警察署の警察官は、Vさんは口腔内から出血する怪我を負っていたことを確認し、傷害罪で逮捕しました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【暴行罪と傷害罪】

Aさんは、駅員であるVさんに対し、手の甲で顔を殴る暴行を加えました。
この行為は暴行罪にあたります。
加えて、口腔内からの出血が確認されていますが、これがAさんの行為によるものであれば、傷害罪に問われます。
条文はそれぞれ以下のとおりです。

(暴行罪)
刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
(傷害罪)
刑法204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

【勾留請求を回避し釈放】

Aさんは、事件当日に現行犯逮捕されて警察署の留置施設にて留置されました。
この後、48時間以内に検察官に身柄と書類を送致され、送致を受けた検察官は24時間以内にAさんの弁解を録取し勾留の必要性を検討します。
勾留が必要であると判断した場合には裁判所に勾留請求をします。

この手続きは「逮捕から72時間以内」に行われることになっていますが、実際には丸3日かけて行われるのではなく、逮捕の翌日(逮捕の時間帯や弁解録取の状況によっては翌々日)には検察官送致され、検察官送致の日に勾留請求されるか釈放される、ということになります。
また、勾留請求された事件の多くでは、裁判官は勾留を認めます。
令和4年版犯罪白書の検察庁既済事件の身柄率・勾留請求率・勾留請求却下率の推移によると、令和3年の身柄率は34.1%ですが、検察官が勾留請求して裁判官が勾留を却下したという勾留請求却下率は4.1%でした。
つまり、検察官が勾留請求した場合、ほとんどの事件で裁判官は勾留を認めることになります。
弁護士としては、勾留請求が行われる前に、検察官に対して勾留の必要性がないことや被疑者・家族が出頭を約束していることを主張することが望ましいと言えるでしょう。

Aさんの事件では、逮捕された翌日にはAさんの家族により初回接見の依頼を受け、依頼を受けた日に初回接見を行い報告・依頼となったため、検察官送致の前に勾留請求に関しての意見書を作成し、検察官に対して提出しました。
その後検察官はAさんに対し「勾留は不要である」として釈放を指揮しましたが、弁護士による意見書は、検察官の勾留請求の判断に際し大きな影響を与えたと推察されます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は、これまで数多くの刑事事件で釈放を求めてきました。
被疑者が逮捕されている場合、数日以内に10日間の勾留(更に勾留延長や起訴後勾留もあり得ます。)が決まり、その後に準抗告申立てなどにより勾留の決定を覆すことは容易ではありません。
東京都江戸川区にて、家族が暴行罪傷害罪などで逮捕された場合、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
担当者が初回接見サービス(有料)の流れなどについて丁寧にご説明します。

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