【解決事例】強盗致傷事件を否認し不処分に

【解決事例】強盗致傷事件を否認し不処分に

強盗致傷事件の共犯者として逮捕され家庭裁判所に送致されたものの、審判で不処分を獲得したという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都台東区在住のAさんは、都内の学校に通う高校1年生(16歳)でした。
事件当日、Aさんはたまに遊びに参加するグループのボスXさんから呼び出しを受けて向かったところ、自分たちはVさんの連絡先を知らないのでVさんに連絡して呼び出してくれないかと言われました。
そこでVさんを呼び出したところ、Xさんは突然「お前払うもの払わず連絡も通じないってどういうことだよ」とVさんに怒鳴りつけ、周りにいたグループの者らもVさんを暴行し、最後にはVさんの財布から金2万円を奪ってその場を離れました。
VさんはXさんらから受けた暴行の結果、全治4週間の怪我を負いました。
後日、被害届を受理した台東区を管轄する蔵前警察署の警察官は、Aさんを強盗致傷事件の被疑者として逮捕しました。
AさんやAさんの保護者は、暴行に加わっているわけでもなく、金も受け取っていないにも拘わらず強盗致傷の罪に問われたということについて、違和感を抱いていました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や警察署名、一部事件内容を変更しています。≫

【強盗致傷罪について】

今回、XさんらはVさんに対し集団で暴行を加えたうえ、Vさんの財布を奪い、中から金を強奪しています。
その結果、Vさんは全治4週間の重傷となりました。
これは、強盗により被疑者が負傷したとして、強盗致傷の罪に問われます。
条文は以下のとおりです。

刑法240条 強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
(刑法236条1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。)

条文に記載のとおり、強盗致傷罪の罰条は無期懲役/6年以上の懲役という非常に重いものになっています。

【否認により不処分を獲得】

今回の事例で問題となっているのは、Aさんは直接暴行には加わっておらず金を受け取っていないにも拘らず、Aさんも強盗致傷罪に問われたという点です。
この点、警察官や検察官は「AさんはXさんに呼び出されるまで事件について知らなかったが、合流した後Vさんに対する強盗事件を起こすことを知ることで現場共謀が生まれ、Vさんを呼び出した」という疑いを持っていました。
他方でAさんは本当にVさんが呼び出されXさんが暴行をはじめるまでは強盗事件を起こすことを知らなかったため、共謀はない、という主張でした。
そのため取調べでは、Aさんがどの時点で強盗事件について知ったのかという認識について厳しい口調で問い詰められていました。
弁護士は頻繁に接見を行い取調べでの状況を確認しましたが、家庭裁判所に送致されたのち記録を確認したところ、Aさんの意に反した供述調書が作られていました。
そこで弁護士は、膨大な法律記録の全てに目を通し、事実に反する部分についてしっかりと異議を唱えるとともに、Aさんの主張を書類などにまとめて提示しました。
本来、少年事件の審判は1回で終わるのですが、Aさんの審判は10回近くに亘り行われました。
その結果、最終的に(付添人)弁護士の主張が認められ、Aさんは不処分となりました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件だけでなく、少年事件の弁護活動・付添人活動も豊富な実績があります。
東京都台東区にて、お子さんが強盗致傷事件に巻き込まれて逮捕されたものの事件に関与する意思はなく、それをしっかりと主張したいという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の初回接見サービスをご利用ください。(有料)

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら