【解決事例】職務質問で軽犯罪法違反を疑われるも不起訴に②

【解決事例】職務質問で軽犯罪法違反を疑われるも不起訴に②

職務質問を受けた際、武器に当たる可能性があるものを所持していたとして軽犯罪法違反を疑われたものの不起訴処分となった、という事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

Aさんは東京都千代田区に住み、公務員として勤務していました。
Aさんは事件当日、千代田区内の護身用具などを販売している店を出て数十メートル歩いたところで、千代田区内を管轄する神田警察署の警察官から声掛けをされ職務質問を受けました。
Aさんは職務質問で公務員であることや、やましいことはないと説明しましたが、警察官は護身用具を販売している店から出てきていることを理由に、所持品を全て出すよう求めました。
その際に出てきた物のひとつに、以前に購入した物Xがありました。

Xについて、商品紹介ページを見たところ、護身用具にもなるしストラップとしても人気、と書かれていました。
実際、Aさんは誰かを傷つけたり、護身のために所持していたわけではなく、単にストラップとしてカッコ良いと思い、キーケースに外から見える状態で身に着けていました。

しかし、神田警察署の警察官は、Xが他人を傷つけることができる物であると判断し、Aさんに対し神田警察署に任意同行を求め、調書の作成などを指示しました。
Aさんは、そもそもXが凶器などではないこと、職務質問や所持品検査が強引であったこと、取調べについても意に反して作成及び署名捺印を求められたことに不安を抱き、当事務所の弁護士による無料相談を受け、その後弁護を依頼されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や警察署名、一部事件内容を変更しています。≫

【武器の所持で問題となる罪】

≪前回のブログをご覧ください。≫

【職務質問について】

次に、今回Aさんの事件が発覚するきっかけとなった職務質問(及び所持品検査)について検討します。

警察官が通行人等に声掛けする「職務質問」という手続きを見たことがある、あるいはドラマなので見たという方も多いでしょう。
職務質問は、警察官職務執行法という法律で、以下のとおり規定されています。

警察官職務執行法2条
1項 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。
2項 その場で前項の質問をすることが本人に対して不利であり、又は交通の妨害になると認められる場合においては、質問するため、その者に附近の警察署、派出所又は駐在所に同行することを求めることができる。
3項 前二項に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。
4項 警察官は、刑事訴訟に関する法律により逮捕されている者については、その身体について凶器を所持しているかどうかを調べることができる。

その他、各法律や施行規則によりルールが定められています。

条文から分かるように、具体的にどのような嫌疑(疑い)があるというわけではないものの、何らかの犯罪をしたりしようとしていると疑われる場合には、対象者を停止させて職務質問をすることができます。(1項)
また、その場所が交通の妨げになるような場合などには、別の場所に移動させることもできます。(2項)
但し、何の理由もなく逮捕したり、無理やり警察署に連れて行かれたり、強引に供述をせまることはできません。(3項)

この職務質問は犯罪予防のための行政警察活動と呼ばれ、日本国憲法や刑事訴訟法等との兼ね合いから慎重に行われています。

【所持品検査について】

≪次回のブログに続きます。≫

【不起訴処分を求める弁護活動】

≪次回のブログに続きます。≫

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、凶器を所持するなどにより銃刀法違反や軽犯罪法違反に問われている場合の弁護活動の経験も数多くございます。
特に被害者がいないこれらの事件では、示談交渉がなく、事件ごとに主張の内容が変わってきます。
東京都千代田区にて、職務質問と所持品検査を受けた際に凶器などを所持していて銃刀法違反や軽犯罪法違反に問われている方は、刑事事件・少年事件のみを扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
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