【解決事例】強制わいせつ未遂事件で早期の釈放

【解決事例】強制わいせつ未遂事件で早期の釈放

強制わいせつ未遂事件がどのような罪か、早期の釈放を求めるためにはどのような主張が必要であるか、解決事例をふまえ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説いたします。

【事例】

東京都渋谷区在住のAさんは、渋谷区内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aさんの自宅に渋谷区内を管轄する代々木警察署の警察官が来て、Aさんを逮捕していきました。
理由が分からなかったAさんの家族は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の弁護士による初回接見サービスを利用し、報告でAさんが半年ほど前に馴染みのない駅で降車した後被害女性に接吻を迫ったり身体を触ろうとしたという強制わいせつ未遂事件を起こしてしまったことを知り、弁護を依頼されました。
依頼を受けた弁護士は、Aさんやその家族から聞き取った事情を翌日には書面に纏め、検察官に提出したところ、検察官は勾留請求せず在宅で捜査を進めるという判断を下し、早期の釈放が実現しました。
その後も在宅で捜査が進められるため、弁護士はAさんに謝罪文の作成を促すとともに被害女性との接触を試みましたが、被害女性は捜査機関からの連絡に応じず、最終的には捜査機関も捜査が続行できず、Aさんは不起訴となりました。
しかし、もし弁護士が勾留請求を回避していなければ、Aさんは最大で20日間の勾留が行われ、Aさんは会社に事件の説明をしなければならず不利益処分を受ける可能性が極めて高い状況でした。
早期の釈放を求める弁護活動が、Aさんのその後の社会人人生を大きく左右したと言えるでしょう。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【強制わいせつ未遂事件について】

Aさんは、見知らぬ被害女性に対して接吻を迫ったり身体を触ろうとするなどの行為をしようとしたものの、それを遂げなかったという状態でした。
これは、強制わいせつ未遂罪に当たります。
条文は以下のとおりです。

刑法176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。(略)
 同180条 第176条から前条までの罪の未遂は、罰する。
 同43条  犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。

強制わいせつ未遂事件で捜査を受けた被疑者は、検察官が起訴することができるだけの証拠が集まったと判断した場合、公判請求される恐れがあります。
公判請求された被疑者は、被告人という立場になり、公開の法廷で刑事裁判を受けることになります。
Aさんの事例では、Aさんの意思で強制わいせつ行為を止めたわけではなく、被害者が現場から逃げることで被害を免れることができたという事案でしたので、裁判官の判断で刑を減刑することができるが、減軽しなくても良いというものでした。(刑法43条)

【早期の釈放を求める主張】

被疑者が逮捕された場合、その後1日~2日程度で、その後も身柄拘束を行うか、釈放するか、いずれかの判断が行われます。
その後も身柄拘束が必要であると判断された場合、10日の勾留が行われるほか、一度に限り延長が認められるので最大20日間、留置施設で拘束されて捜査が行われます。
なお、勾留期間が満了した場合、担当する検察官は被疑者を起訴するかどうか判断しますが、起訴する判断を下した場合、そのまま起訴後勾留が続きます。
起訴後勾留の期間は2ヶ月とされていますが、その後も1ヶ月毎の勾留延長が認められているため、判決宣告までは勾留が続くおそれがあります。

早期の釈放を求めるためには、被疑者を在宅で捜査しても逃亡の恐れや証拠隠滅の恐れがないことや勾留による不利益が大きいことをしっかりと主張し、検察官に対し勾留請求をしない、あるいは裁判官に対して勾留決定をしないよう、求めていく必要があります。

今回のAさんの事例では、
・証拠である監視カメラの映像等は、既に捜査機関によって押収されている
・被害者とは面識がなく、Aさんは酒に酔っていて被害者の顔などを覚えていないため、被害者に口裏合わせをするよう強要することなどができない
・被害者と接触するおそれのある渋谷区内の駅には、立ち寄る必要がない(自宅から職場までの通勤ルートをマップ付きで説明)
・仕事をしていない家族がいて監視監督が常に可能である
・10日間あるいは延長され20日間の勾留がなされてしまうと、会社に出勤できず事件が発覚してしまい、会社を解雇されるなど不利益処分を受ける可能性が高い

という主張を行いました。
書面で記載した内容については弁護士が担当検察官に電話で改めて説明し、Aさんに身柄拘束が必要ない旨をしっかりと主張しました。
結果として、担当検察官はAさんに対し勾留は必要ないと判断し、Aさんは釈放されることになりました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、これまでの数多くの弁護経験から、早期の釈放を求めるためにはどのような主張が有効か、検討しご説明いたします。
東京都渋谷区にて、ご家族が強制わいせつ未遂事件で逮捕されてしまい、早期の釈放を求める弁護活動について知りたいという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の初回接見サービスをご利用ください。(有料)

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら