【解決事例】盗撮後に逃走し逮捕された事件で謝罪同席

【解決事例】盗撮後に逃走し逮捕された事件で謝罪同席

盗撮事件を起こしてしまい、それを見咎めた被害者の友人から追いかけられ逃走した際に揉み合って怪我をさせた嫌疑で逮捕されたという事例で、謝罪に同席するなどの弁護活動について解説致します。

【事例】

東京都八王子市在住のAさんは、八王子市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、友人との待ち合わせのため八王子市内の路上に車を止めていたところ、短いスカートを履いた女性Vさんが歩いてくることに気付きました。
そこでAさんは車から降りて、Vさんの後ろを歩いてスマートフォンのカメラでスカート内を盗撮していたところ、Vさんの友人XさんがAさんの盗撮に気付き、Aさんの腕を掴みました。
Xさんから逃れようと手を振りほどいたAさんですが、車に乗り込んだ際に再びXさんから腕を掴まれ、Aさんは動揺してXさんの腕を挟む形で勢いよく車のドアを閉め、Xさんに怪我を負わせました。
後日、Aさんは八王子市内を管轄する高尾警察署の警察官によって、傷害の嫌疑で通常逮捕されました。

逮捕されたAさんの家族から初回接見の依頼を受けた弁護士は、Aさんから事件の詳細を聞き、その後弁護を依頼されました。
弁護士はすぐに勾留の判断を担当する裁判官に対して勾留が不要である旨をまとめた意見書を作成して提出した結果、Aさんは勾留されることなく逮捕から3日で釈放されました。
その後の弁護活動の中心となったのは、示談交渉でした。
VさんもXさんも被害感情が強く、示談交渉は難航しました。
その際、XさんはAさんからの対面での直接の謝罪を求めました。
そのためAさんは弁護士とともにXさんの勤務先を訪れ、対面での謝罪を行いました。
結果的に、VさんもXさんも示談に応じてくださいました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【盗撮の問題】

まず、今回Aさんがトラブルを起こしたきっかけとして、公道でVさんのスカート内を無断で撮影するいわゆる盗撮の問題があります。
盗撮は、各都道府県の定める迷惑防止条例に違反します。
今回Aさんは東京都八王子市で盗撮をしていますので、東京都の定める迷惑防止条例(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)に違反します。
条文は以下のとおりです。

条例5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
 1号 略
 2号 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ (略)
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

罰条:1年以下の懲役又は100万円の罰金(同8条2項1号)
(常習の場合は2年以下の懲役又は100万円以下の罰金(同8条7項))

【傷害罪の問題】

次に、AさんがXさんのから逃れようとして、Xさんが車のドアに手を入れたところで勢いよくドアを閉めたことが問題となります。
これは暴行に当たり、更にXさんは怪我をしてしまいましたので傷害罪が適用されます。
条文は以下のとおりです。

刑法208条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

【示談交渉について】

刑事事件における示談交渉は、被害者がいる事件で、被害者に対して謝罪と賠償の意を示して被害届の取下げや刑事告訴の取消を求める活動です。
決まったフォーマットがあるわけではありませんが示談書や合意書といった書類に署名捺印することで示談を証する場合が一般的です。

この示談交渉は、当然のこと乍ら被害者の意向を最優先に考える必要があります。
被害者の中には、
・そもそも示談交渉に応じたくない
・示談交渉は弁護人限りで行いたい
という方が多い印象ですが、中には
・まずは加害者からの謝罪文を受け取りたい
・対面での謝罪を希望する
というケースもあります。

謝罪の気持ちがあっても謝罪文にするのが苦手という方もおられるでしょうし、自分では一生懸命に作成した文章でも相手方(あるいは第三者)が見ると怒りを覚えるような内容を書いてしまう場合もあるでしょう。
謝罪文を作成する場合、被害者にお渡しする前に、適切な内容であるか弁護士に確認してもらうことが望ましいでしょう。

また、対面での謝罪については、被害者から一方的に責められたり、感情的になり新たなトラブルを引き起こす懸念があります。
この場合にも弁護士が同行し、調整したり宥めたりといった対応が有効になるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで盗撮傷害罪など数多くの弁護活動を経験しており、示談交渉も数多く担当してきました。
東京都八王子市で、盗撮や逃走のための暴力行為で暴行罪・傷害罪に問われている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合は初回接見サービス(有料)をご案内致します。

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら