恐喝罪と強盗罪の違い

恐喝事件と強盗事件の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇事件◇

無職のAさんは、知人の女子高生と共謀し美人局を繰り返して遊ぶ金を得ていました。
女子高生と出会い系サイトで知り合い、性交渉等をした男性を「俺の女に手を出したな。援助交際したことを黙っていてほしければ金を出せ。」等と脅して、金銭を喝取していたのです。
お金の支払いを拒否した男性に対しては、暴行を加える等して、現金を強取することもありましたが、Aさんは、援助交際をしている弱みがあるので男性が警察に届け出ないと信じていました。
2日前に、共犯の女子高生が警視庁荒川警察署強盗罪逮捕されたことを知ったAさんは、恐喝罪ではなく、強盗罪が適用されていることに驚き、東京の刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

◇恐喝罪~刑法第249条~◇

恐喝罪とは、暴行、脅迫を持ちて被害者を畏怖させて金品の交付を受ける事です。
暴行、脅迫の程度は人を畏怖の念を生じさせる程度とされており、恐喝罪が成立するには、犯人の恐喝行為と、被害者の畏怖金品の交付行為の間に因果関係がなければなりません。
例えば、犯人から脅迫された被害者が、畏怖する事はなかったが、犯人に対する哀れみの情から金品を交付した場合は、それぞれに因果関係が認められず、恐喝未遂罪が成立するにとどまるのです。
ちなみに恐喝罪での「脅迫」とは人を畏怖させるに足りる「害悪の告知」ですので、必ずしも被害者本人に対するものである必要はなく、友人や家族等被害者以外に対する害悪の告知であっても、被害者が畏怖すれば「脅迫」となります。
また、害悪の内容それ自体が違法なものである必要はありませんので、Aさんの、「援助交際したことを黙っていてほしければ金を出せ。」という文言によって、被害者が畏怖したのであれば、Aさんの行為に恐喝罪が適用されることは間違いないでしょう。
恐喝罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。

◇強盗罪~刑法第236条~◇

強盗罪は、暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取したり、財産上不法の利益を得ることによって成立します。
一見すると、恐喝罪とよく似た犯罪行為ですが、相手方の任意の財産的処分行為に基づく財物の交付又は財産上の利益の移転を受ける恐喝罪とは異なり、暴行、脅迫の程度が、相手方の反抗を抑圧する程、強いものである事が必要とされています。
相手方の反抗を抑圧する程度については、相手方が精神的あるいは身体的に自由を失うに至る程度とされていますが、完全に制圧するまで強いものでなくても、その自由が著しく制圧された状態に陥れば足りるとされています。
強盗罪は非常に重い罪で、もし強盗罪で起訴されて有罪が確定すれば5年以上の有期懲役が科せられることとなります。

◇恐喝罪と強盗罪の違い◇

確かに、「暴行若しくは脅迫を用いて他人の財物を奪う」という点では強盗罪と恐喝罪は同じですが、暴行、脅迫の程度によって、この二罪は異なります。
分かりやすく説明しますと、被害者が抵抗できないほど、暴行、脅迫の程度が強かった場合は強盗罪で、被害者が恐怖に陥る程度の暴行、脅迫の場合は恐喝罪と判断されます。
法律的には「相手方の反抗を抑圧する程度」という少し難しい言葉が使われて、強盗罪と恐喝罪の暴行、脅迫の程度を区別しています。

◇弁護活動◇

恐喝罪と強盗罪の法定刑には、罰金の罰則が規定されていないため、起訴された場合は、無罪若しくは実刑判決(執行猶予を含む)となります。
そのため、これらの事件の弁護活動は起訴されない事(不起訴)が重要なポイントとなります。
起訴、不起訴は検察官が決定するのですが、決定するまでの期間は、勾留された場合で、勾留決定日から10日~20日、不拘束で警察の取調べを受け、書類だけが検察庁に送致された場合は、起訴までの期限は定められていません。
いずれにしても、起訴されない(不起訴)となる為には、早急に被害者等と示談する事が重要となるので、恐喝事件強盗事件を起こしてしまった方は、一日でも早く弁護士に相談する事をお勧めします。

東京都荒川区における刑事事件でお困りの方、ご家族、ご友人が恐喝事件若しくは強盗事件で警察に逮捕された方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。
初回法律相談:無料
警視庁荒川警察署までの初回接見費用:37,100円

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