【解決事例】強要未遂事件で勾留期間を短縮①
強要未遂事件で逮捕・勾留されたものの勾留延長に対する準抗告認容により勾留期間を短縮したという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都小金井市在住のAさんは、小金井市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは同じく小金井市在住のVさんと交際していましたが、VさんはAさんと別れ、別の者と交際することになりました。
しかしAさんはVさんに未練があったため、交際中に撮影した性行為中の動画をVさんに示し、「これを拡散されたくなかったら復縁しろ」と言いました。
Vさんは不安になり小金井市内を管轄する小金井警察署の警察官に相談したうえで被害届を提出し、後日Aさんは小金井警察署の警察官によって強要未遂罪で通常逮捕されました。
Aさんの家族は、Aさんが勾留されてから数日経った後、当事務所の弁護士による初回接見サービスを利用しその後弁護を依頼されました。
依頼を受けた弁護士は、家族や職場に連絡してAさんが釈放された場合でもVさんと接触できない環境調整を行い、Aさんの勾留満期日に勾留延長が決まった後すぐ、Aさんの釈放を求め勾留延長に対する準抗告申立てを行いました。
裁判官は、Aさんにこれ以上の勾留は不要であると判断し、勾留延長の決定を取り消し釈放するという判断を下しました。
また、釈放後も引き続き適切な弁護活動を行ったところ、最終的にAさんは不起訴となりました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【強要未遂罪について】
Aさんの事例については、脅迫罪/強要未遂罪のいずれかに問われると考えられます。
脅迫罪と強要罪(及び未遂犯処罰規定)は以下のとおりです。
(脅迫罪)
第222条
1項 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2項 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
(強要罪)
第223条
1項 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
2項 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3項 前2項の罪の未遂は、罰する。
事例では、
①AさんはVさんとの性行為中の動画を拡散すると脅し、
②拡散されたくなければ交際するよう
申し向けています。
まずは①について、多くの方は、性行為をしている動画を拡散されることに強い抵抗があるでしょう。
実際に拡散された場合には、名誉を害されると言えるでしょう。
①については、脅迫罪と強要罪の双方が、成立の要件としています。
次に②について、AさんはVさんに対して復縁を求めています。
当然、VさんにはAさんと交際する自由も交際しない自由もあり、VさんにはAさんと交際する「義務」はありません。
この「義務」のない行為を、①の脅迫を用いてさせた場合には、強要罪が適用されます。
最も、Vさんは実際に復縁をする前に小金井警察署の警察官に相談して被害届を提出し、Aさんは結果として逮捕されたため、実際には交際するに至りませんでした。
この場合には、強要未遂罪が成立します。
【勾留延長について】
≪次回のブログに続きます。≫
【勾留延長に対する準抗告申立て】
≪次回のブログに続きます。≫
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで数多くの刑事弁護活動を行ってきました。
脅迫罪や強要罪などの事件では、加害者が被害者に対し「被害届を取り下げろ」などと言うなどして証拠隠滅をするおそれが高いため、逮捕・勾留される可能性が高いと言えます。
東京都小金井市にて、家族が脅迫罪や強要罪、強要未遂罪などで逮捕された場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の初回接見サービスをご利用ください。(有料)
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。