無免許運転で人身事故に

無免許運転で人身事故に

無免許運転で逮捕された場合の罪と、少年鑑別所について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都小金井市在住のAは、小金井市内の会社に勤める19歳の会社員です。
ある日、Aは交際相手からドライブデートをしたいと言われました。
Aはこれまで自動車運転教習所などに通ったこともなく、免許取得のための勉強をしたこともなかったのですが、プライドが邪魔をして免許証を持っていないことを説明できませんでした。
そこで、Aは出張中の両親が使用する自動車を無断で使い、免許証を有していないままドライブデートを敢行しました。
そして運転の最中、自転車に乗っていたVを過失により跳ね飛ばしてしまいました。
Aの通報により臨場した小金井市を管轄する小金井警察署の警察官は、Aを無免許運転の罪で現行犯逮捕しました。
Aが勾留している最中、Vは当該事故が原因で死亡してしまいました。
Aの家族は、捜査員から観護措置決定により少年鑑別所に送致されるかもしれないとの説明を受けました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【無免許運転についての罪】

御案内のとおり、我が国では該当する運転免許証を有していなければ、車やバイクで行動を運転することができません。
免許を有していない者が運転をした場合には無免許運転にあたり、以下のような罪に当たります。
・無免許運転
前述のとおり、無免許運転は法律で禁止されています。
具体的には、道路交通法で以下のとおり定められています。

道路交通法117条の2の2第1号 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 法令の規定による運転の免許を受けている者でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで又は国際運転免許証等を所持しないで運転した者

Aのように運転免許証の交付を受けていない場合はもちろんのこと、例えば普通自動車の免許証は有しているがバイクの免許はない者がバイクを運転した場合などにも、無免許運転の罪に当たります。

・無免許運転+人身事故
ケースのAのように、無免許運転の罪を犯して運転をしていた際に事故を起こしてしまった場合には、道路交通法だけでなく自動車運転処罰法(正式には自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)が問題となります。
まず、人身事故で問題となるのは以下の条文です。
自動車運転処罰法5条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

しかし、運転する技能を有しないで運転をした結果人身事故を起こしてしまった場合、危険運転の罪が問題となります。
自動車運転処罰法2条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
3号 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為

両者は、運転免許証を有しているかどうかだけで判断されるわけではありませんが、Aのように教習所に通うなどの経験もなく、交通ルールの勉強をしたこともないという場合には、危険運転と評価される可能性があります。

【少年鑑別所とは?】

≪次回のブログに続きます。≫

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、比較的軽微な事件から、残念乍ら被害者が死亡してしまったような重大な事件事故まで、数多く経験して参りました。
東京都小金井市にて、無免許の状況で車を運転してしまい、人身事故を起こしてしまった方、お子さんが観護措置決定により少年鑑別所に送致される可能性がある方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。

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