無免許運転の刑事弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
~事件~
自営業で鮮魚店を営むAさんは、20年ほど前に交通違反を繰り返して運転免許を失効して以来、運転免許を再取得していません。
しかし、仕事でどうしても配達に行かないと行けない時などは、子供の原動機付バイクを無免許で運転しており、3ヶ月前に、一時不停止をパトロール中の、警視庁上野警察署の警察官に現認された際に、無免許運転が発覚し、つい先日略式罰金が確定して、罰金を納めたばかりです。
そして昨日、どうしても行かなければいけない常連客からの注文が入り、再び無免許で原動機付バイクを運転してしまい、運転している姿を3ヶ月前の警察官に見つかってしまったのです。
再び、無免許運転で検挙されてしまったAさんは、今後の手続きが不安で東京で交通事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部」の弁護士に相談しました。
(フィクションです)
【無免許運転】
免許を取得しないで自動車や原動機付バイクを運転すれば無免許運転です。
無免許運転は道路交通法違反ですので、違反すれば行政処分だけでなく刑事罰が科せられます。
無免許運転の法定刑は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」ですが、初犯の場合ですと略式起訴されて罰金刑になる方がほとんどです。
ただ再犯の場合ですと、前刑からの期間等にもよりますが、起訴される可能性が高くなり、その場合は実刑判決が言い渡される可能性もあるので注意しなければなりません。
また、無免許運転のおそれのある方に車両を提供したり、運転を指示した方も、無免許運転をした方と同様の刑事罰が科せられることがあります。
【無免許運転の種類】
無免許運転には
①純無免許運転
これまで一度も運転免許を取得したことのない人が自動車を運転する場合
②停止中/取消しによる無免許運転
過去に運転免許を取得した経歴があるが、免許停止の行政処分を受けた最中に自動車を運転したり、取消処分後に再取得することなく自動車を運転した場合
③免許外運転
保有する区分以外の自動車を運転した場合
(例えば、普通自動車免許しか保有していない人が大型トラックを運転した場合等)
の3種類の形態があります。
【無免許運転で逮捕】
Aさんは逮捕されていませんが、無免許運転でも逮捕されることがあります。
警察官の停止命令を無視して逃走したり、警察官に氏名等を告げなかった場合等は現行犯逮捕される可能性が大です。
また、無免許運転自体は、証拠が明白ですし、警察等の捜査機関が捜査する内容も少ないので、逮捕されたとしても48時間以内に釈放されるケースがほとんどですが、無免許運転で事故を起こしてしまった場合や、警察署へ身代わり出頭をさせた無免許運転事件等で逮捕された場合は、勾留される可能性があるので注意しなければなりません。
【無免許運転の刑事弁護活動】
被害者が存在する事件の刑事弁護活動は、被害者との示談が主となりますが、無免許運転の事件は、被害者が存在しないので、示談等の弁護活動を行うことができません。※無免許運転で交通事故を起こした場合は除く。
そのため、刑事罰を少しでも軽減するために、再犯防止に向けた取り組みが主な弁護活動となります。
反省文を作成し捜査機関に提出したり、贖罪寄付をして反省の意思を訴えるだけでなく、使用車両を処分するなどして再発防止に向けて取組むことが、その後の判決に影響するでしょう。