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【事例解説】性的姿態等撮影罪とは?盗撮で逮捕される可能性が高くなった?
【事例解説】性的姿態等撮影罪とは?盗撮で逮捕される可能性が高くなった?

2023年7月13日から、性犯罪関連について改正された法律が施行されています。
法律案自体はもっと前に国会で可決されていましたが、施行されたことにより、2023年7月13日以降の実際の行為に対して法律が適用されることになるのです。
改正された性犯罪関連の法案については、大きく分けると2つあります。
1つは、不同意わいせつ、不同意性交等罪についての規定です。
これは刑法の改正によるもので、元々は「強制わいせつ、強姦、強制性交等」と呼ばれていたものが「不同意~」へと名称が変わり、その内容も大きく変わったのです。
「強制」の文言がなくなり、暴行・脅迫による明らかな「無理やり」の行為以外にも、相手が断りずらい状況での行為、虐待などの影響下での行為等も犯罪として処罰するようになったものです。
2つ目は、「性的姿態等撮影罪」です。
これまで、各都道府県の「迷惑行為防止条例」という、いわゆる痴漢・盗撮防止条例、メイボウ、と呼ばれていたものが、法律として全国一律に適用されるものになったのです。
条例だと各都道府県によって処罰されるのかどうか(極論、同じ行為に対しても有罪となったり無罪となったりする)、刑罰の重さに違いがある(懲役が1年の場合や2年の場合がある)など、種々の差異がありました。
今回は、性的姿態等撮影罪による逮捕事例から、新設された性的姿態等撮影罪の規定について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【目次】
【事例】
以下の事例はフィクションです。
Aさん(30代・男性)は東京都内のスタジアムで開催されたスポーツの観戦へ行った際、望遠レンズ付きのカメラを持参し、遠くの観客席に座っていた女性のスカートの中を盗撮してしまいました。
不審に思った周囲の人がAさんを取り押さえ、Aさんは警視庁原宿警察署に連行され、性的姿態等撮影罪によって逮捕されてしまいました。
【性的姿態等撮影罪の成立する場合】
性的姿態等撮影罪は、4つの類型があります。
| 処罰対象になる行為 | |
| 1号(ひそかにする盗撮) | 通常は服を着ている場所で、性的姿態等をひそかに撮影すること(被写体が周囲の人見られるのを許容した場合を除く) 例)電車内でスカートをスマホで撮影する |
| 2号(同意しないうちに盗撮) | 不同意わいせつの事案のように同意することが困難な状態で性的姿態等を撮影すること 例)寝ている人の裸を勝手に撮影する |
| 3号(勘違いさせてする盗撮) | 性的な行為ではないと勘違いさせたり、誰にも見られないと勘違いさせた状態で性的姿態等を撮影すること 例)医師が診察中に患者の裸を勝手に撮影する |
| 4号(16歳未満の者への盗撮) | 16歳未満の者の性的姿態等を撮影すること(これは、被写体が公衆の面前で見られると許容した場合も犯罪) 例)小学生の子供が道で着替えているところを撮影する |
性的姿態等とは、身体の部位のうち性的な部位や性的な部位を覆っている下着部分、また、わいせつ行為や性交をしている様子を指しています。
これまでの条例では、「どこで撮影したか」という点が犯罪成立の条件となっていることが多く、公共の場や電車での行為が条例違反の対象となり、個室や居室内での行為は処罰されないというケースがありました。
ですが、性的姿態等撮影罪では、場所の条件は付されておらず、不特定多数の人が行き来する公共の場所であっても、自宅であっても、例えばカラオケの個室の中であっても、ひそかに、性的姿態等を撮影していた場合には性的姿態等撮影罪が成立するということになります。
また、「誰にも見せない」という約束をしておきながら、それを反故にして性的姿態等を撮影する行為も性的姿態等撮影罪に該当します。
友達同士の裸や着替えの様子を、TiktokやX等のSNSに投稿されないと思わせておきながら撮影し、その後SNSに勝手にアップロードする行為は、性的姿態等撮影罪と別に性的姿態等影像送信罪も成立してしまいます。
性的姿態等撮影罪に対しては3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が、性的姿態等影像送信罪に対しては5年以下の懲役又は500万円以下の罰金が科せられる可能性があるのです。
これまで、盗撮画像をアップロードする行為自体は処罰の対象となりにくい(名誉毀損やリベンジポルノ、わいせつ物頒布等)ものとされていましたが、性的姿態等撮影罪が新設されたことにより、アップロード行為も独自の犯罪となり、しかも、盗撮行為それ自体よりもはるかに刑の重たい犯罪として規定されました。
「5年以下の懲役又は500万円以下の罰金」という定め方から、仮に初犯であっても正式裁判で起訴されたり、場合によっては一発で実刑判決を受けてしまう可能性もある犯罪になっています。
【条例から法律に変わったことで逮捕されやすくなった?】
条例から法律に変わったことで、処罰の範囲が広がり、処分の重さも格段に重くなりました。
これに伴って、逮捕や勾留のような身体拘束の可能性については影響があるのでしょうか。
この点について、まだ明確な統計がとられていないため、客観的な数字は明らかではないのですが、現場の実感としては逮捕される事例が増えているように感じられます。
性的姿態等撮影罪が制定される前、盗撮行為が各都道府県の条例違反に留まっていた場合には、早期に弁護士が介入して検察官や裁判官に対して適切な対応をすることができれば、逮捕から48時間、ないし72時間以内の釈放が認められる場合もありました。
また、事案によってはそもそも逮捕されないままで捜査が進むということもありました。
しかし、性的姿態等撮影罪が新設されて以降、逮捕事案が多く報道されています。
<性的姿態等撮影罪施行後の逮捕報道>
・『Yahoo!JAPANニュース』:「列車内で女子高校生のスカートの中を盗撮しようとした疑い 32歳の男を逮捕」
・『サンテレビNEWS』:「「きれいな女性だったので撮影したかった」CT検査中に女性を盗撮か 放射線技師の男を逮捕」
この傾向は、性的姿態等撮影罪が条例違反と比べて厳罰化されたことや、処罰の範囲が広がったこととも関連すると思われます。
【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が性的姿態等撮影罪の逮捕事例について解説致しました。
身体拘束のリスクが格段に上昇している事件類型ですから、もしも盗撮をしてしまったという方や、ご不安なこと、お心当たりがあるけれども会社や学校のことがあるので身体拘束を回避するために弁護士に依頼をしたいという方は、早急に弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
性的姿態等撮影罪でご家族が警察に逮捕されてしまった方や、過去の盗撮行為でご不安なことがある方やご心配なことがある方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。
逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に弁護士を警察署まで派遣する「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。
原宿警察署までの初回接見は35、530円(令和6年1月1日時点、東京支部の場合)で行っています。
まずは、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご相談ください。
【報道事例】人気施設内のアートで盗撮被害!問われる罪は?
【報道事例】人気施設内のアートで盗撮被害!問われる罪は?

2024年3月15日、『Yahoo!JAPANニュース』にて「床が鏡面のアート「下着を見に人が集まっている」投稿拡散 チームラボの展示で盗撮騒動」という記事が掲載されました。
チームラボという団体が監修している、施設内の壁4面が鏡に覆われた空間に様々なデジタルアートを掲示する、という展示場で、盗撮の被害が発生し、その盗撮の画像がインターネット上に投稿されているというものです。
施設側も不審な方に対しては声掛けや警察への通報を行い、スカートを履いた利用者に対しては短パンを貸し出すなどして下着が見えないように対応を進めているようです。
このような施設内で、しかも鏡張りの床を介した盗撮行為、そして盗撮画像のアップロードに対してはどのような犯罪が成立するのか、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【目次】
【成立する可能性のある罪名】
本件で成立する可能性がある犯罪は、次のようなものになります。
- 東京都公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反
- 性的姿態等撮影罪
- 性的姿態等影像送信罪
以下それぞれ詳しく解説をします。
【迷惑行為防止条例】
まず最初にありうるのが、迷惑行為防止条例です。
いわゆる、痴漢・盗撮条例で、各都道府県において同じような条例が定められています。
東京都の場合、盗撮については次のように定められています。
- 第五条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
一 (略)
二 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ (略)
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
文言は少し難しいかもしれませんが、要するに、不特定・多数の人が利用したり出入りしたりする場所で、下着を盗撮すること/盗撮目的でカメラを向けたりカメラを設置したりすることを条例違反としています。
盗撮をした場合には1年以下の懲役/100万円以下の罰金、盗撮の目的でカメラを向けたり設置したりした場合には6ヶ月以下の懲役/50万円以下の罰金が科される可能性があります。
ニュースの事例に当てはめてみると、鏡張りの床に下着を盗撮する目的でカメラを向ける行為は条例違反に該当するでしょう。
問題となるのは、不特定・多数の人が利用したり出入りしたりする場所に該当するかどうかです。
商業施設、例えばスーパーやショッピングセンター内部であれば不特定・多数の人が出入りする場所に該当するでしょうが、施設の性質上、そこに出入りする人の規制がかかっていたりすると、条例違反に該当しないという可能性が出てきます。
【性的姿態等撮影罪】
性的姿態等撮影罪は、2023年の刑法の大改正に併せて新しくできた犯罪です。
これまで条例違反とされていた盗撮行為に対して、法律で全国一律に、これまでよりも重い刑罰を科すことにしたのです。
性的姿態等撮影罪は、4つの類型があります。
| 処罰対象になる行為 | |
| 1号(ひそかにする盗撮) | 通常は服を着ている場所で、性的姿態等をひそかに撮影すること(被写体が周囲の人見られるのを許容した場合を除く) 例)電車内でスカートをスマホで撮影する |
| 2号(同意しないうちに盗撮) | 不同意わいせつの事案のように同意することが困難な状態で性的姿態等を撮影すること 例)寝ている人の裸を勝手に撮影する |
| 3号(勘違いさせてする盗撮) | 性的な行為ではないと勘違いさせたり、誰にも見られないと勘違いさせた状態で性的姿態等を撮影すること 例)医師が診察中に患者の裸を勝手に撮影する |
| 4号(16歳未満の者への盗撮) | 16歳未満の者の性的姿態等を撮影すること(これは、被写体が公衆の面前で見られると許容した場合も犯罪) 例)小学生の子供が道で着替えているところを撮影する |
性的姿態等とは、身体の部位のうち性的な部位や性的な部位を覆っている下着部分、また、わいせつ行為や性交をしている様子を指しています。
東京都の迷惑行為防止条例では、「どこで」撮影行為をしたかによって犯罪となるかどうかが分かれていました。
しかし、性的姿態等撮影罪では、どこで撮影したかという点は犯罪の要件になっていません。
すなわち、どこで撮影をしていようが、人の下着をひそかに撮影したのであれば犯罪が成立することになったのです。
性的姿態等撮影罪に対しては3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科せられます。
単純な迷惑行為防止条例違反の刑罰と比べて、3倍も重たい刑が科されます。
もちろん、単純な数字だけでの比較はできませんが、盗撮行為に対してよりより厳罰を科すという司法全体の潮流が見られる点でしょう。
性的姿態等撮影罪が成立するという事案では、あえて刑の軽い迷惑行為防止条例の方まで適用するということは考え難いです。
性的姿態等撮影罪が成立する事案では、これまで以上に逮捕される事案も増えることが予測されます。
【性的姿態等影像送信罪】
性的姿態等影像送信罪とは、性的姿態として盗撮された画像を、正当な理由がないのにインターネット上にアップロードして、不特定または多数の人が見られるような状態にする行為です。
性的姿態等影像送信罪に対しては5年以下の懲役又は500万円以下の罰金が科せられます。
これまで、盗撮画像をアップロードする行為自体は処罰の対象となりにくい(名誉毀損やリベンジポルノ、わいせつ物頒布等)ものとされていましたが、性的姿態等撮影罪が新設されたことにより、アップロード行為も独自の犯罪となり、しかも、盗撮行為それ自体よりもはるかに刑の重たい犯罪として規定されました。
「5年以下の懲役又は500万円以下の罰金」という定め方から、仮に初犯であっても正式裁判で起訴されたり、場合によっては一発で実刑判決を受けてしまう可能性もある犯罪になっています。
性的姿態等影像送信罪の成立要件として、「不特定/多数」の人に見られるような状態でアップロードした場合というものが定められています。
例えば、スマートフォンの設定上、撮影した画像や動画が自動でクラウド上にバックアップが保存される、という人もいるでしょう。
これも、外見上は性的姿態等の画像をインターネット上にアップロードする行為には該当します。
しかし、設定上、他の人とクラウドストレージを共有していなかった場合には、不特定・多数の人が見られる状態にしたとは言えません。
一方、いたずらや遊び半分とはいえ、盗撮した画像をインスタグラムやTikTokのようなSNSにアップロードしてしまう行為、より悪質なものでは盗撮画像の投稿サイト(一部アングラなネット界隈ではそのようなサイトも存在するようです)に投稿したり、販売した、という事案では、性的姿態等影像送信罪が成立します。
性的姿態等撮影罪だけでなく、性的姿態等影像送信罪も成立するとなると、より重い刑罰が科される可能性が高くなります。
性的姿態等撮影罪・影像送信罪は2023年7月から施行されている新しい犯罪ですが、「法律を知らなかった」からといって刑罰から免れることはできません(法律を知らなかった、の弁解は裁判では認められません)。
加えて、新しい犯罪類型であり、検察・警察も積極的に適用して厳罰化することが想定されます。
【建造物侵入罪に問われる可能性も?】
なお、余談ですが、建造物侵入罪が成立する可能性もあります。
これは、盗撮する目的で施設に立ち入った場合に成立するものです。
仮に正規の入場料を払っていたとしても、施設の管理者としては、「盗撮目的の入場者」には入ってほしくないと思うでしょう。
そのため、「盗撮目的での入場」は施設の管理者にとっては意に反する侵入者という扱いになるのです。
ただ、アート施設ということもあり、単にカメラを持って入ったから「盗撮目的での入場」とまで言い切ることは難しいでしょう。
実際、チームラボの展示場では展示物について撮影可能エリアも設けているようで、SNSへの投稿が人気を博しているようです。
チームラボの施設内に「もっぱら盗撮の目的で侵入した」として建造物侵入罪を適用することは相当難しいのではないかと思われます。
【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が性的姿態等撮影罪・影像送信罪について解説致しました。
本来、楽しいはずの商業施設内で盗撮行為をすることは、決して許されることではありません。
しかし、報道されたような事案でお心当たりのある方や、ご不安なこと、ご心配なことがあるという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までお問い合わせください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に弁護士を警察署まで派遣する「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。
深川警察署までの初回接見は38、170円(令和6年1月1日時点、東京支部の場合)で行っています。
東京都内で性的姿態等撮影罪による刑事事件を起こしてご家族が警察に逮捕されてしまった方や、過去の盗撮行為でご不安なことがある方やご心配なことがある方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。
ご相談・ご予約に関するお問い合わせは、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて受付中です
【事例解説】新宿駅構内で女性のスカート内を盗撮した男性を逮捕|盗撮で成立する罪は?
【事例解説】新宿駅構内で女性のスカート内を盗撮した男性を逮捕|成立する罪は?

今回は、駅構内で盗撮をして逮捕された事例を想定して、盗撮の罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説致します。
【事例】
ある日、Aさん(40代男性)は、新宿駅構内のエスカレーターや階段を歩いているスカート姿の女性を狙って、スカートの中の下着を靴の中に仕込んだ小型カメラで撮影していました。
Aさんは、駅構内を巡回していた私服警察官にスカートの中を撮影する瞬間を目撃され、現行犯逮捕されてしまいました。
その後、Aさんは新宿警察署に連行されました。
(※この事例は全てフィクションです。)
【Aに成立する可能性がある罪】
今回の事例では、Aさんの盗撮行為には性的姿態等撮影罪が成立し3年以下の拘禁または300万円以下の罰金に処される可能性があります。
性的姿態等撮影罪は2023年7月13日に新たに施行された「性的姿態撮影等処罰法(略称)」で以下のように規定されています。(※「性的姿態撮影等処罰法」の正式名称は「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」です。)
- 性的姿態撮影等処罰法第2条1項(性的姿態等撮影)
次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
1号 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治40年法律第45号)第177条第1項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態
今回の事例のAさんが行った駅構内のエスカレーターでスカートの中を撮影するという行為は性的姿態等撮影罪(2条1条1号イ)の典型事例といえます。
【性的姿態等の撮影とは?】
性的姿態撮影等処罰法の定義する性的姿態等とは、以下の3つを意味します。
- 人の性的な部位(ex:性器、臀部、胸部)
- 着用している下着(ex:スカートの中の下着など)
- わいせつな行為や性行等が行われている間の姿態
【性的姿態等撮影罪は被害者との示談が重要】
盗撮などの被害者がいる刑事事件の場合には、被害者と示談を成立させておくことが大変重要となります。
示談成立の有無は、不起訴となる確率を高くするのに重要な要素となります。
ただし示談が成立していても起訴となる場合もありますが、示談成立の事実は裁判の際に有罪判決を受けても減刑の要素として未だ大きな意味があります。
【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が駅構内で盗撮をして逮捕された事例を想定して、盗撮の罪について解説致しました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
新宿区とその周辺に在住の方で、刑事事件を起こしてしまった方や、ご家族が警察に逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。
逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。
ご相談・ご依頼の際は24時間365日受付中のフリーダイヤル(0120−631−881)までご相談ください。
【報道事例】地下鉄内で女性のスカート内を盗撮しようとした男性を性的姿態撮影処罰法違反の疑いで現行犯逮捕
【報道事例】地下鉄内で女性のスカート内を盗撮しようとした男性を性的姿態撮影処罰法違反の疑いで現行犯逮捕
令和5年に新設された「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下「性的姿態撮影等処罰法」とします)」について、実際の事例をもとに、弁護士法人あいち刑事事件東京支部が詳しく解説します。
【事例】
都営地下鉄浅草線の西馬込駅(東京都大田区)で女性Vのスカート内を盗撮しようとしたとして、警視庁池上署は7日までに、性的姿態撮影処罰法違反(撮影未遂)の疑いで大田区在住の男性A(45)を現行犯逮捕しました。
捜査関係者によると、Vから助けを求められた近くの男性がAを取り押さえ、駆け付けた池上署員に引き渡しました。
取調べに対し、Aは「魔が差してやってしまった」と容疑を認めています。
逮捕容疑は6日未明、西馬込駅の上りエスカレーターでVのスカート内にスマートフォンを差し入れて、盗撮しようとした疑いです。
(※10/7に『Yahoo! JAPANニュース』で配信された「盗撮未遂疑い歯科医師逮捕 東京・大田区の地下鉄駅」記事の一部を変更して引用しています。)
【性的姿態撮影等処罰法とは】
性的姿態撮影等処罰法は、令和5年に行われた刑法改正で新設された盗撮などの撮影行為を処罰する法律です。
従来、盗撮行為は各都道府県が定める迷惑防止条例によって規定されていましたが、都道府県によって罰則の重さや処罰対象が異なるといった点が問題視されていたこともあり、性的姿態撮影等処罰法が新設されることになりました。
盗撮行為については、性的姿態撮影等処罰法第2条で以下のように規定されています。
- 性的姿態撮影等処罰法第2条(性的姿態等撮影)
次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
一 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十七条第一項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態
二 刑法第百七十六条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
三 行為の性質が性的なものではないとの誤信をさせ、若しくは特定の者以外の者が閲覧しないとの誤信をさせ、又はそれらの誤信をしていることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
四 正当な理由がないのに、十三歳未満の者を対象として、その性的姿態等を撮影し、又は十三歳以上十六歳未満の者を対象として、当該者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者が、その性的姿態等を撮影する行為
2 前項の罪の未遂は、罰する。
3 前二項の規定は、刑法第百七十六条及び第百七十九条第一項の規定の適用を妨げない。
今回の事例で考えると、Aは正当な理由なく、ひそかにVのスカート内(下着)を撮影しようとしています。
スカート内の下着は、条文で規定されている「性的姿態」に該当するため、Aの行為は、性的姿態撮影等処罰法違反が成立します。
ただ、今回Aは、盗撮行為が終了する前に現行犯逮捕されているため、既遂ではなく未遂となります。
ですが、未遂であっても性的姿態撮影等処罰法違反で処罰される旨が性的姿態撮影等処罰法第2条2項で規定されているため、Aは盗撮未遂として、性的姿態撮影等処罰法違反が成立するということになります。
【性的姿態撮影等処罰法違反の弁護活動】
性的姿態撮影等処罰法違反による刑事事件を起こしてしまった場合に、弁護士に刑事弁護活動を依頼した場合、弁護士が行う弁護活動は大きく以下の3つです。
・示談交渉
性的姿態撮影等処罰法違反が成立する盗撮行為は、被害者との示談を締結することが、刑事事件化の阻止や不起訴処分の獲得に重要なポイントになります。
ただ、当事者間での示談交渉はスムーズに進まないことも多く、余計に事態が悪化してしまう危険性もあります。
その点、弁護士が代理人として被害者との示談交渉を行えば、被害者の気持ちも汲み取りながらスムーズに示談交渉を進めてくれるため、示談が締結する可能性も高まります。
・冤罪防止
やってもいないのに盗撮の容疑をかけられてしまった場合、虚偽の自白をしてしまえば冤罪で処罰を受けてしまいます。
身に覚えのないことで警察から逮捕・捜査されている場合に弁護士に依頼をすれば、弁護士が冤罪であることを証明するための証拠を集めたり、虚偽の自白をしないよう取調べ対応のアドバイスもしてくれます。
・勾留阻止(早期身柄解放)
盗撮事件を起こして性的姿態撮影等処罰法違反で逮捕されてしまい、検察官から勾留請求がされて勾留決定となると、最大で20日間身柄が拘束される可能性があります。
長期の身柄拘束を避けるためには、勾留を阻止することが重要です。
勾留阻止をして早期の身柄解放を行うためにも、逮捕後すぐに弁護士に接見に来てもらい、事実関係を説明し、弁護士から検察官や裁判官に対して、勾留する必要がないことなどを主張してもらうことで、早期釈放の可能性が高まります。
性的姿態撮影等処罰法違反による刑事事件を起こしてしまったら
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮事件はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
東京都内で盗撮事件を起こしてしまった方や、ご家族が盗撮事件で逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。
ご本人様からのご相談であれば初回無料の法律相談、ご家族が逮捕されてしまっている場合であれば初回接見サービスを提供しています。
ご相談については、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)にてお待ちしております。
