東京都多摩市の古民家への立ち入りで逮捕 建造物侵入事件に詳しい弁護士へ相談を
古民家めぐりが趣味のAさんは,ある日東京都多摩市市内で「立入禁止」と張り紙が張られ鍵のかかった古民家に入ってしまいました。
Aさんは,だれも住んでいないから大丈夫だろうと思っていましたが,この姿を見かけた近所の方の通報により,Aさんは,多摩中央警察署へ連れていかれ,逮捕されることになりました。(フィクションです)
1 古民家への立ち入りの規制
近年活用が進んでいる古民家ですが,いまだ整備がなされないまま放置されている古民家も多くあります。
「誰も住んでいないから」大丈夫,と思って勝手に立ち入ると,「建造物侵入罪」や「軽犯罪法違反」となる可能性があります。
2 建造物侵入になる場合
建造物侵入とは,人が管理する建物に正当な理由もないのに立ち入りすることを言います。
この場合,実際に人がそこで住んでいるかどうかは関係ありません。立入禁止との表示や門扉に鍵がかかっている場合には,住んでいなくても「人が管理している」とみられる場合があります。
建造物侵入事件は,現行犯で見つかることが多く,目撃者もいることが多いため,逮捕されるケースが多くあります。
しかし,早期に弁護士が活動を開始し,家族による身元の保証があることを主張する等して,早期の釈放が可能な場合も多くあります。
逮捕の当日に活動することにより,その翌日に釈放されることを目指すのも可能です。
3 軽犯罪法違反になる場合
全く人が立ち寄らず,管理がなされていない建物に立ち入った場合でも,軽犯罪法1条1号の違反となりえます。
軽犯罪法違反の罰則は「拘留又は科料」と軽微であるため,直ちに逮捕されることは少なく,在宅事件として警察からの呼び出しを待ちます。
しかし,「軽い違反だから何もしなくていい」と警察からの呼び出しを放置していると,逮捕されることもあります。
軽犯罪法違反であっても拘留や加療が科された場合には前科となってしまいます。
※国選弁護人がつかない?!
現在,国選弁護人を付けられるのは,①起訴された事件,か②「勾留」されている事件で刑の上限が懲役「3年を超える」ものに限定されています。
建造物侵入罪も軽犯罪法違反も,刑の上限は懲役3年を超え「ない」ので,起訴されるまでは国選弁護人はつかないことになります。
しかし,上記の通り,古民家への立ち入りであれば,早期に弁護士が活動することで,逮捕からの解放を目指すことができます。
ご家族の方が古民家への立ち入りで逮捕された等お困りの方は,慌てず,まずは建物への立ち入り事案に詳しい弁護士へご相談ください。
(多摩中央警察署 初回接見費用:3万7200円)