運転者の義務を拒んで逮捕

運転者の義務を拒んで逮捕

自動車を運転中に警察官から制止を求められた場合に、運転免許証飲酒検査を拒否した場合の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都品川区荏原在住のAは、品川区荏原の会社に勤める会社員です。
Aは事件当日、いつものように品川区荏原にある職場から自宅まで自分の車を運転して帰宅しようとしていました。
その運転中、品川区荏原の路上にて、パトロール中の自動車警ら隊の警察官から制止を求められました。
Aは警察に良い印象を抱いていなかったことから、制止には応じましたが、警察官から求められた①運転免許証の提示と②飲酒運転を確認するための呼気検査を拒否しました。

するとAは運転免許証の提示義務違反で現行犯逮捕され、手錠をかけられた上で品川区荏原にある荏原警察署に連行されました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【免許証の提示義務違反】

まず、御案内のとおり、車やバイクを運転する場合には運転免許証が必要となります。
この運転免許証は何かというと、行政法上は原則として禁止している行為である運転について、各都道府県の公安委員会が「許可」をすることで適法にするという「行政処分」にあたります。

自動車を運転する場合、運転の許可を得ていることはもとより、許可を受けた場合に交付される運転免許証を携帯することを定めています(携帯し忘れていた場合には免許不携帯として行政処分を受けることになります。)。
そして、運転手は警察官から提示を求められた場合には運転免許証を提示する義務があります。
運転免許証を携帯し忘れた場合にはその旨申告する必要がありますが、その申告をしない、あるいは所持しているにも関わらず運転免許証の提示を拒否した場合、免許証提示義務違反という罪にあたり、刑事事件の対象になります。
条文は以下のとおりです。

道路交通法95条2項 免許を受けた者は、自動車等を運転している場合において、警察官から第67条第1項又は第2項の規定による免許証の提示を求められたときは、これを提示しなければならない。
 67条1項 警察官は、車両等の運転者が第64条第1項、第65条第1項、第66条、第71条の4第3項から第6項まで又は第85条第5項から第7項…までの規定に違反して車両等を運転していると認めるときは、当該車両等を停止させ、及び当該車両等の運転者に対し、第92条第1項の運転免許証又は第107条の2の国際運転免許証若しくは外国運転免許証の提示を求めることができる。

【飲酒検知拒否罪】

Aは、運転免許証の提示のほか、呼気検査を求められ、これを拒んでいます。
警察官から呼気検査などを求められてそれを拒否した場合には、検知拒否罪が適用されます。
条文は以下のとおりです。

道路交通法67条3項 車両等に乗車し、又は乗車しようとしている者が第65条第1項の規定に違反して車両等を運転するおそれがあると認められるときは、警察官は、次項の規定による措置に関し、その者が身体に保有しているアルコールの程度について調査するため、政令で定めるところにより、その者の呼気の検査をすることができる。
同法118条の2 第67条(危険防止の措置)第3項の規定による警察官の検査を拒み、又は妨げた者は、3月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

【まとめ】

車やバイクを運転する場合には、運転免許証の提示や飲酒検知など、いくつかの義務があります。
たとえ警察官に良い印象がない、あるいは警察官の態度が悪かったなどの場合でも、法律上の義務である以上それを履行しなければ刑事事件に発展し、刑事処罰を受ける可能性が生じます。

とりわけ運転免許証提示義務違反や飲酒検知拒否罪の場合、氏名不詳などにより逃亡や罪証隠滅の可能性が高いとして逮捕・勾留される可能性が出てきます。
東京都品川区荏原にて、御家族が運転免許証提示義務違反や飲酒検知拒否罪で逮捕された場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御連絡ください。
弁護士が初回接見に行き、状況についての御説明を致します。
(初回接見は有料です。詳細は0120-631-881まで。)

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