★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ6:罰則③(預貯金通帳等の譲り受け等)~

2018-05-28

★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ6:罰則③(預貯金通帳等の譲り受け等)~

 今回は、犯罪収益移転防止法の罰則のうち、預貯金通帳等の譲り受け等について解説します。

1 預貯金通帳等とは
 犯罪収益移転防止法にいう「預貯金通帳等」とは、預貯金契約に係る預貯金通帳、預貯金の引き出し用のカード、預貯金の引き出し又は振り込みに必要な情報その他特定事業者との間における預貯金契約に係る役務の提供を受けるものとして政令で定めるものをいいます。
 たとえば、暗証番号も預貯金の引き出しに必要な情報として預貯金通帳等に含まれます。

2 預貯金通帳等の譲り受け等(犯罪収益移転防止法28条)
 ①「他人になりすまして特定事業者との間における預貯金契約に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、預貯金通帳等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者」又は、「相手方に上記目的があることの情を知りながら、相手方に預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者」には、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が科されます。
 たとえば、AがBからC銀行のキャッシュカードを譲り受けた際、AがBとしてそのキャッシュカードでBの口座にある預金を引き出そうと考えていた場合、Aには譲受罪が成立し、Aにその目的があることを知りながらBがキャッシュカードをAに渡していた場合には、Bには譲渡罪が成立します。
 また、②通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、「預貯金通帳等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者」又は、「預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者」も同様の刑罰を受けます。
 たとえば、Aが不動産を購入する際に資金があるように装うためBの預金通帳を不動産業者に提示しようと考え、Bの預金通帳を2万円で買い受けた場合、Aには譲受罪が、Bには譲渡罪が成立します。
 上記①②に当たる行為を業として行った者には、3年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、又はその両方が科されます。
 さらに、①②に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者には、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が科されます。

 次回は為替取引カード等の譲り受け等について解説します。

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