処分保留で釈放

2019-08-01

◇事件◇

東京都小平市に住む主婦のAさんには、小学校2年生と4年生の子供がいます。
子供が言うことを聞かないことに腹を立てたAさんは、日常的に子供たちに対して手を上げて躾(しつけ)をしていました。
そして、その躾(しつけ)がいき過ぎてしまい、ある日Aさんは、兄弟喧嘩を止めに入った際に、子どもたちを殴りつけてしまい、二人の子供の顔にアザができるほどの怪我を負わせてしまったのです。
翌日、子供たちの顔にアザができていることに気付いた小学校の先生が、児童相談所に通告し、子供たちは児童相談所に保護されてしまいました。
そして、1週間ほどして、Aさんは子供たちに対する傷害容疑警視庁小平警察署逮捕されてしまったのです。
Aさんは20日間勾留された後に、処分保留で釈放されました。
(フィクションです。)

◇躾(しつけ)のつもりが刑事事件に発展◇

躾(しつけ)として子供に対して手をあげることが、昔であれば、親として当然の行為だと肯定される場合がありましたが、最近は、虐待として刑事事件化されるケースが増えているようです。
特に、学校等から児童相談所に報告された場合は、児童相談所の職員が被害者となる子供から聞き取りを行い、暴行の事実が確認されれば管轄警察署に報告されるようです。
そしてその間、子供は児童相談所に保護されるケースがほとんどで、親御さんは、子供が帰宅しない不安の中で、警察の捜査を受けることとなり、Aさんのように逮捕されることも珍しくありません。
逮捕されるかどうかは、警察等の捜査当局が、裁判官に対して逮捕状を請求する否かによりますが、その判断は、逮捕の要件や必要性に加えて、子供に対する暴行の頻度や程度、子供の傷害の程度によって検討されているようです。親子という何より身近な関係であるが故に、罪証隠滅におそれが強いと判断されて逮捕されることもあるようです。

◇暴行・傷害事件◇

親の子供に対する暴力は「虐待」と表現され、教師の生徒に対する暴力は「体罰」と、そして上司から部下に対しる暴力は「パワハラ」と表現されていますが、何れのケースであっても、基本的に人に対する暴力は、刑事手続き上「暴行罪(刑法第208条)」が適用され、それによって相手が怪我をすれば「傷害罪(刑法第204条)」が適用されます。
※行為態様によっては、暴力行為等処罰に関する法律違反や、逮捕、監禁罪など別の法律が適用される場合もありますので、不安のある方は刑事事件に強い弁護士に相談してください。

~暴行罪(刑法第208条)~

人を暴行すれば「暴行罪」の適用を受けます。
暴行罪の法定刑は「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」です。
躾(しつけ)のつもりでも、刑事事件化されて暴行罪の適用を受けた場合は、起訴されて有罪が確定すれば、この法定刑内で刑事罰を受けることとなり、前科が付いてしまいます。

~傷害罪(刑法第204条)~

暴行によって相手に傷害を負わせてしまえば「傷害罪」の適用を受けます。
「躾(しつけ)のつもりで手を上げた。怪我をさせるつもりはなかった。」と言いましても、故意的な暴行行為がある場合は傷害罪に抵触する可能性が非常に高いでしょう。
なお、傷害罪の法定刑は「15年以下の罰金又は50万円以下の罰金」ですので、起訴されて有罪が確定すれば、この法定刑内で刑事罰を受けることとなり、前科が付いてしまいます。

◇処分保留◇

警察等の捜査機関から事件(被疑者)の送致を受けた検察官は、起訴するかどうかを判断します。

~起訴~
起訴された場合は、公開される裁判(公判)で刑事処分が決定する場合と、罰金を支払えば裁判は行われずに、全ての刑事手続きが終了する略式起訴(罰金)の場合があります。

~不起訴~
検察官が起訴しないことを「不起訴」といいます。
不起訴の理由は様々ですが、不起訴は、刑事罰が科せられないことを意味しますので前科は付きません。

~「処分保留」とは?~
被疑者が、勾留によって身体拘束を受けている場合、その勾留期間は10日~20日と法律で決まっています。
そして検察官は、この勾留の満期時に起訴するか否かを決定しなければなりません。
しかし、様々な事情(主に起訴するだけの証拠が揃っていない)があって検察官が勾留の期間内に、起訴するかどうかの決定ができない場合に「処分保留」となって、勾留されていた被疑者は釈放されます。
「処分保留」となった場合は、その後も引き続き捜査が継続されて、新たな証拠が出てきた場合には、起訴されることもありますが、既に被疑者が釈放されていることもあり、捜査を尽くしても、新たな証拠が出てくる可能性は低く、最終的には不起訴処分になるケースがほとんどのようです。

小平市で、子供に対する躾(しつけ)が刑事事件化されてしまった方、警察に逮捕、勾留されている方の、処分保留による釈放を希望される方は、東京都内の刑事事件を専門に扱っている「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
初回法律相談:無料

ページの上部へ戻る