【千代田区のタクシー強盗】強盗予備罪で逮捕 刑事事件に強い弁護士の見解

~事件~

Aさんは、タクシー強盗をする目的で、カッターナイフを上着のポケットに隠して、千代田区を走行中のタクシーに乗り込みました。
運転手がAさんの挙動を不審に思って交番にタクシーを乗り付けたことから、Aさんが強盗に着手することはありませんでしたが、警察官に問い質されたAさんは、タクシー強盗しようとしていたことを自白しました。
そしてAさんは強盗予備罪で逮捕されてしました。(フィクションです。)

刑法で規制されている犯罪の中には、その犯罪を犯す目的で、その準備行為を禁止する予備罪が定めれているものがあります。
その中の一つが強盗予備罪です。
強盗予備罪は、刑法第237条に規定された法律で、その法定刑は2年以下の懲役です。

まず前提として、強盗の着手がある場合は強盗予備罪は成立せずに、強盗未遂罪が成立することとなります。
Aさんの事件を考えると、もしAさんがカッターナイフを運転手に突き付けたり、運転手に現金を要求する言葉を発していた場合は、強盗の着手が認められる可能性があり、強盗未遂罪が成立する可能性があります。
また強盗予備罪は、単なる内心の決意だけにとどまらず、決意の存在が客観的に認識できる事実の存在が必要となります。
Aさんの事件を考えると、もしAさんがカッターナイフなどの凶器を持たずにタクシーに乗り込んでいたとしても、強盗の決意を客観的に認識できるものが何もないので、強盗予備罪が適用される可能性が極めて低いでしょう。
ちなみに複数犯による強盗事件で、共犯者が強盗を実行する事前共謀をしている段階において強盗予備罪が成立するか否かについては、強盗に使用する道具や犯行場所の資料を準備していた場合、客観的に強盗を認識できる事実が存在するので強盗予備罪が成立するでしょうが、ただ共犯者同士が強盗の計画を話し合っているだけでは、強盗の決意が具体的に存在したことを証明する客観的な事実がないので、強盗予備罪を立証するのは非常に難しいでしょう。

ちなみにAさんの事件を考えると、もしAさんの所持していたカッターナイフが銃刀法違反で規制された形状のものであった場合、銃刀法違反強盗予備罪は、併合罪となる可能性が非常に高いです。

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