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お子様が少年鑑別所に収容されたら①
少年鑑別所について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
Aさんには16歳の息子がいます。
息子は私立高校に通っていますが、先日まで、同じ学校の同級生を恐喝していた容疑で警視庁王子警察署に呼び出されて取調べを受けていました。
その後、事件が家庭裁判所に送致され、Aさんと息子は家庭裁判所から呼び出されて出頭したのですが、その後、息子に観護措置が決定してしまい、息子は少年鑑別所に収容されてしまいました。
(フィクションです。)
本日は少年鑑別所について解説します。
◇東京都内の少年鑑別所◇
東京都内には少年鑑別所が2ヶ所あります。
【東京少年鑑別所】東京都練馬区氷川台2-11-7 T03-3931-1141
【東京西少年鑑別所】東京都昭島市もくせいの杜2-1-1 T042-500-5271
※東京西少年鑑別所は、平成31年4月まで八王子市内にあった八王子少年鑑別所が移転しました。
◇少年鑑別所ってどんな施設?◇
少年鑑別所とは、医学や心理学、教育学等、様々な専門知識に基づいて、少年の資質の鑑別を行う施設のことです。
少年鑑別所に収容される期間は、基本的には4週間ですが、非行内容や少年に特別な事情がある場合は、最長で8週間までは延長されることがあります。
少年院と同じだと勘違いしている人が多いようですが、少年鑑別所は、基本的に少年審判を受けるまでに収容される施設で、審判での処分が決定して収容される、少年に対する矯正教育を目的にした少年院とは全く異なります。
少年鑑別所では、鑑別所職員(技官)との面接や、様々な検査等による資質鑑別と、少年の行動観察が行われています。
少年鑑別所に収容されてすぐに、身体検査や技官との面談、心理検査等が行われ、その結果に応じて、少年個々の特性に合わせた個別の鑑別が実施されることになります。
収容期間中は、検査や面接以外にも、運動や読書、ビデオ視聴、作文などの時間が設けられています。
少年鑑別所で鑑別結果は、鑑別結果通知書という書類にまとめられて家庭裁判所に提出されますので、少年鑑別所での生活態度や、検査結果がその後の審判に大きく影響することは言うまでもありません。
◇少年鑑別所って面会できますか?◇
少年鑑別所に収容されている少年との面会は大きく、付添人である弁護士が行う付添人面会と、少年の家族等が行う一般面会に分けられます。
~付添人(弁護士)面会~
弁護士が、警察署の留置場に収容されている少年に面会するのとは異なり、少年鑑別所での面会は、面会できる日時に制限があります。
少年鑑別所によって多少違いますが、面会できるのは、基本的に平日の午前8時30分~午後5時です。(面会時間に制限はない。)
基本的に、土日、祝日の面会は認められていませんが、事前に予約をしたり、特別な事情がる場合は、土日、祝日であっても面会が認められる場合があります。
また警察署の留置施設では、少年と弁護士の間にアクリル板が設置されている接見室での面会となりますが、少年鑑別所での面会は、そのようなアクリル板はなく、少年鑑別所の職員が面会に立ち会うことはありません。
~一般面会~
少年鑑別所に収容されている少年と面会が許されるのは、近親者、保護者、その他鑑別所が必要と認めた人だけですので、少年の友達や恋人が面会しようとしても拒否されるでしょう。
面会できるのは、付添人(弁護士)と同じで、平日の午前8時30分~午後5時ですが、1回の面会時間は15分程度に制限され、少年鑑別所の職員が面会に立会い、必要に応じて面会の内容が記録されます。
東京都内の少年事件お困りの方、お子様が少年鑑別所に収容された方は、東京都内の刑事事件を専門に扱っている「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用いただければ、東京少年鑑別所、東京西少年鑑別所に収容されている少年に、少年事件専門の弁護士が面会いたします。
初回接見サービスのご予約はフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお電話ください。
家族をすぐに釈放してください~保釈~②
釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事例◇
~前回の続き~
警視庁サイバー犯罪対策課に不正アクセス禁止法で逮捕された、東京都墨田区に住むAさんの旦那さんは、20日間の勾留期間中は国選弁護人の弁護活動を受けていましたが、勾留期間中の釈放は叶わず、勾留の満期と共に起訴されてしまいました。
出産を控えているAさんは、旦那さんの一刻も早い釈放(保釈)を望んでいます。
(フィクションです。)
前回のコラムでは起訴前の釈放について解説いたしました。本日は、起訴後の釈放(保釈)について、東京の刑事事件専門弁護士が解説します。
◇保釈◇
刑事事件を起こして警察に逮捕された後に勾留されると、勾留の満期の日に検察官は起訴するか否かを判断します。
検察官が起訴しなかった場合は、勾留の満期と共に釈放されますが、起訴された場合は、勾留満期後も起訴後勾留によって身体拘束を受けることとなります。
起訴後の勾留によって身体拘束を受けている場合は、裁判官に対して保釈を申請し、裁判官が保釈を認めた上で、裁判所の保釈金を納付すれば保釈によって釈放されることになります。
保釈の請求は、起訴直後から裁判で判決が言い渡されるまでの間、いつでも何度でも行うことができます。
◇保釈の種類◇
保釈は法律的3種類が存在します。ここでは、それぞれの保釈について解説します。
~権利保釈~
権利保釈は、刑事訴訟法第89条に規定されている保釈で
①死刑・無期・短期1年以上の懲役・禁錮に当たる事件ではない
②被告人が前に死刑・無期・長期10年を超える懲役・禁錮に当たる罪で有罪の宣告を受けたことがない
③常習として長期3年以上の懲役・禁錮に当たる罪を犯した事件ではない
④罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がない
⑤被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者・その親族の身体・財産に害を加え、またはこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由がない
⑥氏名・住居が分かるとき
の全ての要件を満たす場合は、裁判官は保釈を認めなければいけません。
~裁量保釈~
裁判所の裁量で保釈を認めることを「裁量保釈」といいます。
裁量保釈は、権利保釈のように明確な要件が存在するわけではありません。
そのため、弁護人がいかにして保釈の必要性と相当性を裁判官に訴えるかが、保釈が認められるかどうかに影響するのです。
裁判官は
①逃亡のおそれがないこと
釈放された被告人に逃亡のおそれがないことを証明しなければなりません。
そのためには、保釈後に住定地があり、監督者が存在することが必要となります。
②罪証隠滅のおそれがないこと
事件の被害品等の証拠品は、起訴された時点で捜査機関の管理下にあるので、証拠品を隠滅することは事実上不可能でしょう。
③保釈を求める理由があること
一般的な保釈を求める理由とは、病気の治療や、仕事に関すること、家族に関すること等だといわれています。
身体拘束を受けることによって被告人が被る、健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益を裁判官に訴える必要があります。
それらに加えて裁判官は、事件の内容や、被告人の性格、素行、家族関係、健康状態、拘束期間、裁判の見通し、保釈金の額などの様々な諸事情を考慮し保釈の必要性や相当性を判断します。
~義務保釈~
身体拘束が不当に長くなった被告人に認められるのが義務保釈ですが、実務上、滅多にあるものではなく、毎年数人しか義務保釈で釈放される被告人はいません。
◇保釈金◇
弁護人の請求によって裁判官が保釈を認めると同時に保釈金が決定します。
つまり、裁判官が保釈を認めても、保釈金を裁判所に納付しなければ釈放されることはありません。
保釈金は、裁判の円滑な進行と、被告人の身柄を担保するために一時的に裁判所に預けるものなので、刑が言い渡されて刑事手続きが終了すれば返還されます。
みなさんが気になるのが保釈金の額ですが、これは定まっているものではありません。
事件の内容や、被告人の経済状況等によって裁判官が決定するもので、数百万円から億単位にまで及ぶ場合もあります。
起訴されてしまったご家族、ご友人の早期釈放(保釈)を求めておられる方、刑事事件でお困りの方は、東京で刑事事件を専門にしている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、起訴後の刑事弁護活動のご依頼も受け付けております。
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家族をすぐに釈放してください①
釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事例◇
東京都墨田区に住むAさんの旦那さんは、以前勤務していた会社のネットワークに、自宅のパソコンから不正にアクセスし、会社の顧客情報を盗み見ており、不正アクセス禁止法違反の容疑で、警視庁サイバー犯罪対策課に逮捕されました。
逮捕の知らせを聞いたAさんは、来月には出産を控えており、旦那さんの一刻も早い釈放を望んでいます。
(フィクションです。)
ご家族が警察に逮捕された方のほとんどが、逮捕された方の一日でも早い釈放を望んでいます。
そこで本日は、警察に逮捕された方の釈放について、東京の刑事事件専門弁護士が解説します。
◇釈放◇
釈放とは、刑事施設に収容されている在監者の身柄拘束を解くことをいいます。
逮捕や勾留されてしまうと、多くの場合、警察の留置場に収容されることになり、会社や学校には行けないことはおろか、外部との連絡が途絶えてしまいます。
それ故に、身柄拘束の長期にわたると、学校や会社に事件のことを知られたり、退学や解雇されたりするおそれがあります。
釈放されるとたとえ捜査が継続したとしても、元の生活に戻り、学校や会社に行くことが出来ます。
早期に釈放されれば、その分事件について周囲の人に知られるリスクも小さくなります。
そういった意味でも、逮捕・勾留後、速やかな釈放に向けて行動を起こすことは極めて重要となります。
◇起訴前の釈放◇
~検察庁に送致される前~
警察官は、容疑者を逮捕した場合、留置の必要があると判断した場合には、逮捕後48時間以内に書類や証拠物とともに身柄を検察官に送致しなければなりません。
逆に留置の必要がないと判断した場合には、直ちに容疑者を釈放しなければなりません。
ただ、人間違いで逮捕したような場合を除いて、逮捕後に直ちに釈放するということは稀で、逮捕から検察官に事件送致が行われるまでの間では、その後に勾留の手続きがされないように、又は虚偽の自白がなされないように、弁護人と接見を行い防御活動の準備を行うことが大切です。
~検察庁に送致されてから勾留請求までの間~
事件が検察官に送致されると、検察官は、まず容疑者に対して弁解録取(被疑者の弁解を聞いて記録を取る)という手続きを行います。
そのうえで、留置の必要がないと思うときは直ちに釈放し、留置の必要があると思うときは容疑者の身柄受領後24時間以内に裁判官に勾留を請求するか、公訴の提起をしなければなりません。
実務上は、直ちに公訴提起を行うことは少なく、釈放して在宅のまま捜査を継続するか、勾留して身柄の拘束をしつつ捜査を継続するかのどちらかがほとんどです。
勾留が裁判官によって認められると、最大で20日間の身体拘束となりますから、できる限り勾留を回避したいところです。
捜査が継続するにしても、身体拘束かであるかどうかによって、今後の弁護活動の準備のやり易さも変わってきます。
検察官による勾留請求前の段階においては、弁護士は、検察官に被疑者を勾留請求しないよう意見書を提出する等して説得を試みます。
弁護士の働きかけが功を奏せば、被疑者の勾留を回避することができます。
~勾留請求から裁判官が勾留決定するまでの間~
検察官が勾留請求をした場合、勾留をするかどうかの決定は、裁判官が行います。
そこで、検察官が勾留請求を行う意向である場合、弁護士は、裁判官に対して勾留の決定をしないように働きかけます。
勾留は、裁判官が勾留の理由や必要性があると判断した場合に認められます。
ですから、弁護士は、裁判官に対して、被疑者から聞き取った事情や収集した証拠をもって、勾留の理由や必要性がないことを主張します。
裁判官との面会や意見書の提出を通じて、弁護士が説得することにより、裁判官が勾留請求を認めなければ、被疑者は釈放されることとなります。
~勾留決定後~
裁判官から勾留決定が出された場合でも、これに対して不服を申し立てることが可能です。
裁判所が行った勾留決定が違法であることを主張して、取消しを求める不服の申立てを準抗告といいます。
ただ、一度、裁判官のした決定を覆すことを要求する手続きですから、ハードルは高く、認められる確率は低いのが実際のところです。
ですから、刑事事件の経験が豊富な弁護士に依頼するのが望ましいといえるでしょう。
また、準抗告以外にも勾留取消の職権発動を求めて、裁判官を説得したり、勾留の執行停止を求めたりする手段があります。
勾留の執行停止は、被疑者に入院の必要性がある場合や両親・配偶者等の危篤または死亡した場合などに勾留の執行を停止する手続きであり、裁判官が職権で判断します。
このような事情がある場合、弁護士は、裁判官に面談を申し入れるなどして、勾留の執行停止を促します。
起訴後の釈放(保釈)については次回のコラムでご紹介します。
東京都墨田区の刑事事件でお困りの方、警察に逮捕されたご家族、ご友人の早期釈放を望む方は、刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、ご依頼いただいたその日から、逮捕された方の釈放に向けた活動を行います。
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傷害罪の前科を回避
傷害事件の前科について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
大学4年生のAさんはお酒に酔った勢いで、一緒に飲んでいた後輩の顔面を殴打して鼻を骨折させてしまいました。
事件を知った後輩の両親は激怒し、警視庁中野警察署に、Aさんを傷害罪で訴えました。
そのためAさんは、警視庁中野警察署に呼び出されて取調べを受けています。
すでに就職先から内定をもらっているAさんは、今回の事件によって前科が付く事を避けたいと思っていますが、どの様にしたらよいのか全く分かりません。
(フィクションです。)
◇前科とは◇
前科とは、一般に刑事事件として起訴され、刑罰が科せられた経歴のことをいいます。
これに対して、前歴というのは、捜査機関によって一定の捜査の対象になった経歴のことを意味します。
その他にも交通違反で反則金を支払ったなどの経歴である交通違反前歴というものもあります。ちなみに、過去に警察に補導されたり指導を受けたりしても、前科・前歴には残りません。
◇前科による不利益◇
~刑事手続き上の不利益~
刑事事件を起こしてしまい、罪に問われる場合、捜査機関は必ず容疑者の犯罪歴を調査します。
そして、容疑者に前科が付いていれば、その内容や犯罪歴の個数にも関係しますが、重い処分につながりやすくなります。
たとえば、万引きを繰り返し行ってしまった場合、同じような態様で行われたとしても、罰金処分、執行猶予付き判決、実刑判決とより重い処分へとつながりやすくなります。
~その他の不利益~
前科があることによって、一定の職業に就くことができなくなったり、資格の取得が制限される場合があります。
前科の有無や内容は、通常、一般には公開されませんし、本人であっても調査して確認することはできません。
しかし、報道機関などにより、一旦実名報道がなされてしまうと、ネット上に記事などが残っていることがあります。
履歴書などに前科を記載すると、当然就職活動は困難になるでしょうし、かといって企業が要求している場合に虚偽の記載をしてしまうと経歴詐称になってしまいます。
後にネット記事などによって犯罪歴を知られてしまうと解雇されてしまう場合もあるでしょう。
◇前科を回避するために◇
前科を避けるためには、捜査機関による事件化を防止するか、検察官に起訴しないで(不起訴処分)事件を終結してもらうことが必要です。
軽微な事件では、被害者との示談が成立し、被害届が出されないような場合では事件化を防ぐことが可能です。
しかし、事件が捜査機関により捜査の対象となってしまった場合には、検察官が起訴するかどうかの秤にかけられることになります。
検察官が起訴した場合の有罪率は、約99%ですから、無罪判決を勝ち取ることは非常に困難です。
その反面、送致事件のうち検察官の起訴率は40%程度ですので、約60%は不起訴処分で処理されているということになります。
ちなみに不起訴処分のうちの約90%は、起訴猶予となっています。
起訴猶予処分とは、犯罪の嫌疑はあるものの、訴追するまでの必要はないと検察官が判断した場合に下される処理のことです。
◇不起訴処分を得るための弁護活動◇
不起訴処分には、実際には罪を犯していないのに犯罪の嫌疑が欠けられてしまった場合にもなされますし、犯罪の嫌疑があっても訴追を必要としないと判断されてなされる場合(起訴猶予)もあります。
起訴猶予を理由とする不起訴処分の場合には、起訴・不起訴処分がなされるまでの限られた時間の中で、検察官に対して不起訴処分が相当であるということを説得的に主張しなければなりません。
そこで、捜査の早い段階から弁護士が積極的に弁護活動に取り組むことが非常に有用なのです。
具体的には、刑事裁判で有罪を勝ち取るには証拠が不十分であるとか、容疑者にアリバイがあること、すでに示談が済んでいること、被害弁償が終わっていること、被害届・告訴状の取下げがなされていることなど容疑者に有利な事情を示して検察官に不起訴処分にしてもらえるよう交渉していきます。
特に被害者がいる場合に示談が成立していることは、不起訴処分を勝ち取るためにも、刑罰を軽くするためにも非常に有利に働く事情です。
被害者が処罰を求めない以上、検察官としても刑罰をもって処罰するまでの必要性は乏しいのではないかと考えさせる契機になるというわけです。
また、親告罪の場合には、被害者と示談をして、告訴を取り下げてもらうことにより、確実に不起訴処分を得ることができます。
東京都中野区の刑事事件でお困りの方、傷害事件を起こしてしまって前科を回避したい方は、東京で刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
刑事事件に関するご相談は フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中) までお気軽にお電話ください。
殺人事件の裁判員裁判
殺人事件の裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
会社員のAさんは、かねてから金銭トラブルのあった友人を、話し合いをするために自宅に呼び出しました。
そこで友人と口論になってしまい、Aさんは、テーブルの上にあった灰皿で思わず友人の頭部を殴打してしました。
そして更に転倒した友人に馬乗りになって頭部を連続して殴りつけて友人を殺害しました。
我に返ったAさんは、自ら110番通報し現場に臨場した警視庁原宿警察署の警察官に殺人罪で現行犯逮捕されました。
Aさんは、逮捕から起訴まで一貫して犯行を認めており、裁判員裁判が開かれることになりました。
(フィクションです。)
◇裁判員裁判◇
裁判員裁判とは
①死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件
②短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪のうち故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係る事件
については、通常の裁判官だけの裁判ではなく、裁判員も含めた裁判員裁判で審理が行われる刑事裁判です。
今回、Aさんが起訴された殺人罪の法定刑は「死刑若しくは無期若しくは5年以上の懲役」ですので、上記①に当たります。
裁判員裁判は、殺人事件や強盗致死傷事件だけでなく、通貨偽造事件や営利目的での薬物輸入事件、危険運転致死事件などの、基本的に国民の関心の高い事件が対象となっています。
◇裁判員裁判の特徴◇
通常の刑事裁判は、検察官や弁護士、裁判官という法律の専門家が中心となって行われますが、裁判員裁判は、国民の中から選任された裁判員が裁判官ととともに、刑事被告人が有罪であるか否か、どれくらいの刑を課すべきかを決めることとなります。
裁判員裁判は、原則として、裁判官3人と裁判員6人の合議体で行われることとなります。
裁判員裁判は、一般人が裁判に参加することもあり、通常の刑事裁判とは異なり短期間に集中して行われ、第一回公判から判決の言い渡しまでは2週間もかかりません。
そのため、裁判員裁判が開始されるまでに、裁判の争点や証拠を整理する公判前整理手続が、必ず行われます。
公判前整理手続とは、第一回公判前に検察官・弁護人双方の主張すなわち事件の争点や証拠を整理する手続きのことで、この手続きには被告人も出頭することもできます。
公判前整理手続で、裁判の争点と証拠が整理され、被告人にとっては、検察官の手持ちの証拠を開示させることができるという利点があります。
裁判員裁判は、法律家以外がその審査に参加することから、法律的な要素だけでなく、裁判員の印象も、その後の判決に大きく影響すると言われています。
そのため、従来は証人尋問をせずに被害者や目撃者、被告人の調書を読み上げるだけで済まされていたのが、裁判員の前で証人として尋問するようになり、これまで調書で問題となっていた、供述者の供述の信用性についてしっかり尋問できるようになりました。
◇裁判員裁判の上訴◇
法律家の視点だけで裁かれる従来の刑事裁判では、杓子定規に当てはめたような量刑が言い渡されることがほとんどですが、裁判員裁判では、想定外の判決は言い渡されることも珍しくありません。
(実際の裁判員裁判では、薬物輸入事件で故意が認められないとして無罪判決が言い渡されたり、検察官の求刑意見よりも重い従来の量刑基準を逸脱した判決が言い渡されたりしている。)
当然、その様な想定外の判決に対しては、検察官側も、被告人側も控訴することができますが、裁判員裁判は一審だけであり、控訴・上告すれば裁判官のみで構成される裁判所により裁判されます。
一審の判決が重すぎるとして、量刑不当により刑が軽くなるケースがある一方で、検察官側が控訴して一審が無罪判決だったものが控訴審で有罪判決を下される可能性もあるのです。
裁判員裁判の刑事弁護は、従来の刑事裁判とは異なり、卓越した刑事事件専門の知識と、豊富な経験が必要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、これまで数多くの刑事事件を解決に導いてきた実績と、豊富な経験がございます。
殺人事件を起こした方のご家族、ご友人の刑事弁護をご希望の方、殺人事件の裁判員裁判に強い弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談、初回接見サービスのご予約を0120-631-881(24時間)にて受け付けておりますので、お気軽にお電話ください。
覚せい剤所持事件で控訴を検討
覚せい剤所持事件の控訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事例◇
覚せい剤取締法違反で執行猶予中のAさんは、約2ヶ月前に、東京都江戸川区を自動車で走行中に、交通違反をしてしまいパトロール中の警察官に停止を求められました。
この時Aさんは、数日前に友人から購入した覚せい剤を隠し持っており、それが発覚する事をおそれて逃走しましたが、結局、追跡してきたパトカーに捕まってしまい、その後の所持品検査で覚せい剤も見つかってしまいました。
覚せい剤の所持罪で現行犯逮捕されたAさんは、10日間の勾留期間を経て起訴されて、先日、懲役2年の実刑判決が言い渡されました。
Aさんは、この判決に納得できず控訴を検討しています。
(フィクションです。)
◇控訴◇
控訴とは、地方裁判所や簡易裁判所といった第一審裁判所が下した判決に不服がある場合に、第一審裁判所の上級裁判所(簡易裁判所が第一審の場合は地方裁判所、地方裁判所が第一審の場合は高等裁判所)に不服申し立てを行うことです。
控訴は、法律で定められた控訴理由がある場合に限って行うことができます。
その控訴理由とは、主に事実誤認、量刑不当、法令適用の誤り、訴訟手続の法令違反などです。
◇控訴手続きの流れ◇
第 一 審 判 決
↓≪※14日以内≫
公 訴 申 立
↓ ↓
勾 留 ⇒ 保 釈 請 求 ⇒ 在 宅
↓ ↓
控 訴 記 録 送 付
↓
控 訴 趣 意 書 の 提 出
↓
控訴裁判所の控訴記録の検討
↓
公 判
↓
判 決
※第一審判決から控訴申立までの期間は14日以内ですが、判決日は算入しません。また控訴期間の末日が日曜日、土曜日、祝日、1月2日、1月3日、12月29日から12月31日までの日である場合は、それらの日の次の日が控訴期間の最終日となります。
~控訴審の判決~
控訴審は、途中で控訴を取り下げない限り、判決により終了します。
控訴審の終局判決には「控訴棄却判決」と「原判決破棄判決」の2種類です。
「控訴棄却判決」とは、控訴裁判所が第一審判決の判断を妥当として維持する判決のことです。
「原判決破棄判決」とは、控訴裁判所が第一審判決の判断に誤りがあったことを認め、第一審判決を破棄する判決です。
原判決破棄判決はさらに、控訴裁判所が自ら新たな判断を下す破棄自判と、改めて第一審裁判所で審理し直す破棄差戻しの2種類に分かれます。
~控訴は検察官もできる~
告訴できるのは被告人だけではありません、検察官も第一審の判決に不服があれば控訴することができます。
被告人だけしか控訴しなかった場合は、第一審で言い渡された刑よりも重い刑になることはありません。
これは、被告人が、第一審よりも不利益な結果になることをおそれて、控訴権の行使を差し控えることのないようにとの配慮から定められた「不利益変更禁止の原則」といいます。
しかし上記したように検察官側も控訴した場合はこの限りではありません。
◇控訴審までの弁護活動◇
~保釈請求~
上記した「控訴手続きの流れ」のように、第一審判決後に収監された場合でも、控訴を申立ててから控訴審で判決が言い渡されるまでの間、改めて保釈請求することができます。
控訴審での保釈を請求を請求した場合、保釈金は、第一審の際の保釈金よりも高くなることがほとんどです。
~事件を再検証~
控訴審は、第一審判決に誤りがなかったかについて、第一審判決時の事情を基礎として審理するものです。
したがって、原則としては、第一審裁判所において取調べられた証拠を前提としなければなりません。
もっとも、事実誤認や量刑不当を理由に控訴する場合は、やむを得ない事由によって第一審の弁論終結前に請求できなかった証拠については、証拠調べができます。
また、第一審で調べられた証拠であっても、第一審判決の当否を判断するために必要であれば、裁判所の裁量により証拠調べをすることもあります。
さらに、量刑に影響を及ぼし得る情状に関する証拠は、第一審判決後に生じた事情に関する証拠であっても裁判所の裁量により調べることが可能ですので、弁護士は改めて事件を検証し、証拠収集することとなります。
~控訴趣意書の作成~
控訴審は、第一審の事後審です。基本的には、第一審の裁判を後から検討して、第一審裁判所の判断に問題があるか否かという判断をします。
控訴趣意書を作成するにあたっては、第一審判決とその判決の基となった事件記録を読み込み、不服がある第一審判決の論理の弱点を見つけ出した上で、説得的な論述をしなければなりません。
東京都江戸川区の覚せい剤事件で控訴を考えている方や、そのご家族の方は、東京で刑事事件を専門にしている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料
準強制わいせつ事件に強い弁護士
準強制わいせつ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
東京都足立区に住むAさんの旦那(40歳、会社員)は、職場の懇親会において、酔払った女性新入社員を介抱する目的で、女性が一人暮らしする社宅に連れて帰った際に、ムラムラしてしまい、この女性新入社員の服を脱がせ、下着の中に手を入れる等のわいせつな行為に及んでしまいました。
目を覚ました女性に抵抗されたことから、それ以上の行為には及ばなかったようですが、女性が警察に訴えたことから、Aさんの旦那は、準強制わいせつ罪で逮捕されてしまいました。
Aさんは、旦那さんに弁護士を付けてあげたいと思っていますが、どうすればよいか分からず悩んでいます。(フィクションです)
◇準強制わいせつ罪◇
刑法第178条第1項(準強制わいせつ罪)
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
刑法第176条(強制わいせつ罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。(以下省略)※刑法抜粋
刑法第176条に規定されている「強制わいせつ罪」は、暴行や脅迫を手段としてわいせつ行為に及ぶことによって成立しますが、準強制わいせつ罪の成立には、わいせつ行為に及ぶための手段として暴行や脅迫を用いる必要はありません。
しかし、被害者が「心神喪失」若しくは「抗拒不能」にある必要があります。
~心神喪失とは~
精神上の障害によって正常な判断を失っている状態を意味します。
具体的には、催眠状態、泥酔、精神耗弱、麻酔の状態等がこれに当たります。
~抗拒不能とは~
心理的、物理的に犯行不能な状態にあることを意味します。
抗拒不能に陥った原因はその理由を問わないので、驚愕や錯誤によって抗拒不能に陥った場合も該当します。また性的無知や信頼を利用してわいせつ行為に及んだ場合も、抗拒不能に乗じたものとして準強制わいせつ罪が成立し得ます。
◇刑事弁護人の選任方法◇
刑事事件を起こして警察等の捜査を受けている方は刑事弁護人を選任する事ができます。
刑事弁護人の選任は、検察庁に事件送致されるまでであれば捜査を担当する警察署、検察庁に事件送致された後は検察庁、起訴された後は公判を担当する裁判所に、選任者と弁護士の署名のある弁護人選任届を提出すれば、その弁護士が、刑事手続き上の正式な刑事弁護人となります。
~私選弁護人の選任~
確実に刑事事件に強い弁護士を、刑事弁護人として選任するには、私選弁護人を選任するしかありません。
私選弁護人は、逮捕前、逮捕勾留中、起訴後の何れのタイミングでも選任することができます。
準強制わいせつ罪で逮捕されて有罪が確定すれば「6月以上10年以下の懲役」となります。
執行猶予付の判決を得なければ刑務所に服役しなければなりませんが、起訴されるまで被害者と示談することによって不起訴処分が望めます。
不起訴処分になれば、刑事裁判は開かれず、前科を回避することができます。
~国選弁護人の選任~
国選弁護人を選任できるのは
①勾留された被疑者
②起訴された被告人
の何れかですので、何れのタイミングでも選任することができる私選弁護人のように逮捕前に選任することはできません。
国選弁護人を選任すれば、弁護費用がかからないというメリットがありますが、刑事事件に強い弁護士が選任される可能性は低く、被疑者、被告人の望む弁護活動が期待できない事もあるので注意してください。
東京都足立区の刑事事件でお困りの方、ご家族、ご友人が準強制わいせつ罪で警察に逮捕されてしまって、刑事事件に強い弁護士をお探しの方は「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談、初回接見サービスのご予約をフリーダイヤル0120-631-881にて24時間、年中無休で受け付けております。お気軽にお電話ください。
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飲酒検知を拒否して逮捕
飲酒検知拒否罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
タクシー運転手のAさんは、夜勤明けに、会社近所の居酒屋でお酒を飲みました。
それから電車で東京都江戸川区の自宅に帰宅したのですが、帰宅後に、家族から近所の駅まで迎えに来て欲しいと電話で頼まれました。
お酒を飲んでいたので断ろうと思いましたが、大雨が降っていたので、Aさんは家族にお酒を飲んでいることを告げずに、車で迎えに行くことにしました。
しかし、自宅を出発してからすぐに信号無視をしてしまい、偶然通りかかった警視庁小松川警察署のパトカーに停止を求められました。
車を停止させて免許証を提示したAさんでしたが、その際に、警察官から酒臭がするので呼気検査を求められました。
しかし飲酒運転が発覚すれば仕事を失ってしまうことを懸念したAさんは飲酒検知のための呼気検査を拒否し、再三にわたる警察官の説得にも応じませんでした。
すると、Aさんはその場で飲酒検知拒否罪で現行犯逮捕されてしまったのです。
(フィクションです)
◇飲酒検知拒否罪◇
飲酒運転の基準は、警察官による飲酒検知によって立証されますが、この飲酒検知のための呼気検査を拒否したり、警察官の飲酒検知を妨害した場合は飲酒検知拒否罪となります。
まず道路交通法では警察官が飲酒検知する法的根拠を、道路交通法第67条3項で定めており、ここでは「飲酒運転していると認められる運転手に対して、警察官が飲酒検知できる」旨が規定されています。
そして道路交通法第118条の2において「第67条3項の規定による警察官の検査を拒み、又は妨げた者は3月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と飲酒検知拒否罪を規定しているのです。
それでは具体的にどのような行為が、飲酒検知拒否罪となるのでしょうか?
~ケース1~
Aさんのように、警察官から飲酒検知を求められたにも関わらず、呼気検査を拒否した場合。
~ケース2~
一度は検知に応じようとしたが、警察官の指示に従わず飲酒検知できなかった場合。
飲酒検知を受ける際は、必ず呼気検査前にうがいをするように警察官に求められますが、この指示に従わずうがいを拒否した場合や、検知に使用する風船を膨らまさなかった場合など。
~ケース3~
警察官が検知している作業を妨害した場合。
警察官が飲酒検知の作業をしている際に、検知管を割ったり、検知道具を取り上げたりして検察官の飲酒検知を妨害する行為。
◇逮捕されるの?◇
飲酒検知拒否罪は、法律的には、飲酒運転を立証するための飲酒検知を拒否したり、妨害する行為を取り締まることを目的にしていますが、警察等の捜査機関は、飲酒運転の逃げ得を許さないために、身体拘束して飲酒検知するために、飲酒検知拒否罪を適用しますので、飲酒運拒否罪は基本的に現行犯逮捕されると考えられます。
◇逮捕後は?◇
飲酒検知拒否罪で現行犯逮捕されると、現場を管轄する警察署に引致されます。
そこで取調べを受けると共に、再度警察官から飲酒検知のための呼気検査を求められるでしょう。
そこでもなお飲酒検知を拒否した場合、裁判官の許可状をもって血液中のアルコール濃度を調べるために採血されることとなります。
通常の飲酒検知は、呼気中のアルコール濃度を検知する方法によるものですが、この場合は、血液中のアルコール濃度を検知することによっても飲酒運転が立証されてしまいます。
裁判官の許可状がある場合は、強制的に手続きが進みますので、拒否しても実力行使で病院に連行され、採血されてしまうのです。
◇勾留されるの?◇
飲酒検知拒否罪で現行犯逮捕されたとして、検知を拒否した理由が明らかで、逃走や、罪証隠滅のおそれがない場合は、勾留までされる可能性は低いと考えて問題ないでしょう。
◇刑事処分はどうなるの?◇
飲酒検知拒否罪の法定刑は、上記したように「3月以下の懲役又は50万円以下の罰金」ですので、この法定刑内の刑事罰が言い渡されることになります
◇飲酒検知拒否罪で無罪判決◇
平成27年9月に、横浜地方裁判所で飲酒検知拒否罪で起訴された男性に無罪判決が言い渡されています。
この裁判で争点となったのが、警察官が被告人に対して明確に飲酒検知のための呼気検査を求めて、その事を被告人が認識した上で呼気検査を拒否したかどうかであったが、裁判所は「飲酒検知拒否罪は、警察官による呼気検査の要求を前提として、被告人の拒否の意思が客観的に明らかになったことを認定する必要があるが、今回の事件では、警察官が具体的な言動で呼気検査を要求し、被告人が警察官による呼気検査の要求を意識したう上でこれを拒絶する意思を明確にしたと認定することは困難。」という判断で無罪判決を言い渡したようです。
この事件では、被告人の男性が携帯電話によって動画を撮影しており、その録画内容が有力な証拠となって無罪判決が言い渡されたようです。
飲酒検知を拒否したからといって必ず飲酒検知拒否罪が成立するわけではありません。
飲酒検知拒否罪で警察に逮捕された場合であっても、後の刑事裁判で無罪判決を得ることは不可能ではありませんので、東京都江戸川区の飲酒検知拒否罪でお困りの方は、東京で刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
不正なチケット転売の規制が開始されました
新設される「チケット不正転売禁止法」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
今日から、「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」(以下「チケット不正転売禁止法」)が施行され
・チケットの不正転売
・不正転売を目的とするチケットの譲受け
が禁止されているのをご存知でしょうか。
◇特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律(チケット不正転売禁止法)◇
~目的~
この法律は、特定興行入場券の不正転売を禁止するとともに、その防止等に関する措置等を定めることにより、興行入場券の適正な流通を確保し、もって興行の振興を通じた文化及びスポーツの振興並びに国民の消費生活の安定に寄与するとともに、心豊かな国民生活の実現に資することを目的とします。(同法第1条から抜粋)
人気アーティストのコンサートやスポーツ観戦のチケットをインターネットのオークションサイトや、掲示板において高額で取り引きされているのをご覧になった方もいるのではないでしょうか。
高額で人気チケットを転売して利益を得ることを目的にした、チケットの買い占め等によって、正規ルートでのチケットの購入が困難になって困った方もいるかと思います。
また、この様な買い占め行為が、集客にも影響を及ぼし、主催者側に大きな不利益をもたらすだけでなく、競技や文化の振興の妨げになっているとも言われています。
この様な状況を打開することを目的に施行されたのがチケット不正転売禁止法で、不正転売や、不正転売を目的としてチケットを譲り受けた場合には罰則規定も定められています。
~禁止事項~
チケット不正転売禁止法で禁止されている主な行為は
①チケットの不正転売
②不正転売を目的としたチケットの譲り受け
です。
①チケットの不正転売
同法第3条
何人も、特定興行入場券(チケット)の不正転売をしてはならない。
この法律でいう「不正転売」については、興行主の事前の同意を得ない特定興行入場券の業として行う有償譲渡であって、興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とするもの(第2条4項抜粋)です。
簡単に言うと「コンサートやスポーツ観戦等の興行主催者(チケットの販売者)の許可を得ないで、その興業のチケットを、定価以上の値段で転売してはいけません。」ということです。
ここでポイントとなるが「業として」という内容ですが、これは利益を得ることを目的として、反復継続して行う転売だという解釈でしょう。
例えば、一つのコンサートや、スポーツ観戦のチケットを複数枚正規購入して、そのチケットを購入後すぐに、定価以上の値段で転売する場合などは「業として不正転売している」と認定される可能性が高いでしょう。
②不正転売を目的としたチケットの譲受け
同法第4条
何人も、特定興行入場券(チケット)の不正転売を目的として特定興行入場券を譲り受けてはならない。
上記した第3条は不正転売行為を禁止する条文になりますが、この条文は、不正転売を目的としてチケットを購入する行為自体を禁止する内容になります。
つまり、実際に購入したチケットを不正転売していなくても、不正転売する目的でチケットを購入した時点で第4条違反となる可能性があるので注意しなければなりません。
~罰則~
上記した違反行為の有罪が確定すれば、違反者は「1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又は併科」が科せられます。
これまではチケットの不正転売を規制する際は、各都道府県の迷惑防止条例が適用されていましたが、インターネット上の取引等では適用が難しく、実情は野放しになっていたと言わざるを得ません。
しかしチケット不正転売禁止法が施行されたことによって、警察等の捜査当局の取締りは厳しくなることが予想されますので、コンサートやスポーツ観戦等のチケットを転売する際は十分に注意してください。
東京都内の刑事事件でお困りの方や、チケット不正転売禁止法に関する法律相談は、東京で刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談、初回接見サービスのご予約をフリーダイヤル0120-631-881で24時間、年中無休で受け付けておりますので、お気軽にお電話ください。
振り込め詐欺の受け子事件で執行猶予付きの判決を得ました
振り込め詐欺の受け子事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇弁護依頼までの流れ◇
本件のご依頼者様は、ご子息様が詐欺で逮捕されたとのことで、弊所に初回の接見をご依頼されました。ご依頼者は遠方にお住まいだったため、ご子息様から直接事件のことを何も聞いておらず、警察からも事件の詳細は教えてもらえなかったことから、大変心配されていました。
弁護士が警察署でご子息様と接見したところ、振り込め詐欺の受け子をしてしまったとのことで逮捕されていたことが分かりました。
振り込め詐欺の事案では余罪が多数に及ぶことが多く、身体拘束が長期化すること、被害額によっては実刑判決を受ける可能性が高く、本件でもそれらのリスクがあり、捜査の初期から慎重な弁護活動を行う必要がありました。
初回接見の後、ご依頼者様に、事件の概要や今後予想される手続き、行うべき弁護活動等について弁護士から説明の上、正式に依頼を頂き、弁護活動に着手することとなりました。
◇捜査段階の弁護活動◇
逮捕後からご子息様に対しては複数回の取調べが行われていたため、捜査機関の取調べにどのように対応すべきかを決めなければなりませんでした。
特に、振り込め詐欺については捜査機関も余罪の有無を、徹底的に捜査を尽くしますので、ともすれば、本当は関わっていない事件について関与を疑われることがあります。
本件については、複数回の接見の上、ご子息様から自分の関与した事件とそうでない事件を聞き取り、取調べの前に弁護士と打ち合わせを行いました。警察からの取調べに対してどのように答えるべきなのか、一つ一つ弁護士と確認をしながら打合せし、実際の取調べに臨みました。
取調べの後には再び弁護士と接見し、どのようなことを聞かれたのか聴取し、次回の取調べに対する打合せの課題としました。
その結果、ご子息様が関わったとされる事件についてのみ起訴がなされ、手続きの間延びによる身体拘束の無用な延長や、被害額の拡大を避けることが出来ました。
~示談交渉~
振り込め詐欺事件は被害者のいる犯罪ですので、裁判が始まる前から被害者の方と連絡を取り始め、示談交渉に着手しました。ご子息様の反省の状況を踏まえて、弁護士が誠意をもって対応し、謝罪と被害の弁償を行いました。被害者の方々からは「社会の中で更生してほしい」とのありがたいお言葉と、加害者であるご子息様を許すとの一筆を頂けました。被害者の方の中には、ご子息様の反省状況や置かれた状況等を考慮して、被害額の約3分の2程度の弁償額で許していただけた方もいました。これらの示談交渉の経緯は、裁判の場でも証拠を提出して主張、立証を行いました。
◇起訴後の弁護活動(公判弁護)◇
また、ご子息様が今回の事件について関わってしまった経緯や今後の社会内での生活を行う環境について、同情すべき点があったため、裁判の場でもその点が明らかにすることを弁護側の目標としました。本件に関与し始めたときの状況を、裁判官にしっかりとアピールできるよう、弁護士とご子息様とで打合せを行いました。また、検察官からの反対尋問についても事前に打ち合わせを行い、裁判の場で動揺することがないよう準備を行いました。
裁判当日には、ご依頼者様とご子息様に法廷に立ってお話しいただきました。当日は、お二人とも緊張のためか、お話しに詰まる部分もありましたが、事前に打ち合わせに基づいて弁護士からも助け船を出すことで、ご自身の主張を過不足なく裁判所に対して伝えることが出来ました。
~判決~
本件については被害額267万5千円の詐欺、窃盗事件として有罪の判決が言い渡されましたが、懲役3年執行猶予5年という判決を得られました。
◇事件後の感想◇
本件については当初から実刑の可能性がある事件でした。
逮捕直後から弁護人として選任されたことで、一貫した取調べの対応ができ、被害者の方にも時間をかけて交渉を行うことができました。
また、本件のご依頼者様の資金的な問題もあり、当初は示談交渉がまとまるかどうか心配な部分もありましたが、交渉の結果、被害弁償を受けていただき、被害者の方からご子息様、ご依頼者様に対しては今後一切の請求を行わず、かつ、「親のために社会できちんと働く生活をしてほしい」とまで仰っていただけました。
判決の量刑の理由に関する記載では、振り込め詐欺の事案は社会的に大変問題となっていることや、被害額が百万円を超えて高額であることを指摘して、「基本的には実刑を科すべき」と判断しました。しかし、公判での弁護側の立証、特に情状証人が出廷して監督を誓約していることや、示談交渉の経緯・結果等を踏まえると、「社会内で更生する機会を与えるのが相当」との結論が出されました。
近年、特殊詐欺の事案については重い刑が科される傾向にあり、本件の判決からも、振り込め詐欺については「基本的に実刑で臨む」という、裁判所の厳しい姿勢が見て取れます。
いずれの弁護活動についても、裁判手続きを見越して行った結果、懲役3年執行猶予5年という、ギリギリの判決を得られたのだと思います。
