道路交通法違反で現行犯逮捕

交通違反で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

~事件~

無職のAさんは、自分の車を運転中に知人から電話がかかってきたので、運転しながら携帯電話機で通話しました。
その様子を警視庁杉並警察署の警察官に現認されて停止を求められましたが、これまで何度も違反を繰り返していたことからAさんは、警察官の停止命令に従わず、スピードを上げて逃走しました。
しかし、逃走途中に民家の外壁に衝突してしまい、追跡してきた警察官に道路交通法違反(運転中の携帯電話使用)現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

◇道路交通法(運転中の携帯電話使用)◇

皆さんもご存知のように、車等の自動車を運転中に携帯電話機を使用することは道路交通法で禁止されています。
この事は、道路交通法に明記されており、その違反形態は2種類です。
①交通の危険を生じさせた場合
携帯電話を使用しながら自動車を運転して、交通の危険を生じさせた場合の刑事罰則規定は「3月以下の懲役又は5万円の罰金」です。
②上記以外の携帯電話使用
携帯電話を使用しながら自動車を運転した場合、例え交通の危険を生じさせなかった場合でも道路交通法違反となります。
この違反が刑事事件化された場合の罰則規定は「5万円以下の罰金」です。
何れにしても通常の違反であれば青切符(反則切符)で違反を告知されて、反則金を納付すれば刑事事件化されないので、刑事罰が科せられることはありません。
しかし、Aさんのように警察官の停止命令を無視して逃走し現行犯逮捕された場合や、違反を否認して切符の受領や、反則金の納付を拒否した場合などで刑事事件化され、起訴されて有罪になった場合は、この罰則規定の適用を受けます。

◇道路交通法違反で現行犯逮捕されると◇

通常、反則切符で処理される交通違反であっても、Aさんのように、警察官の停止命令に従わず逃走すれば現行犯逮捕される可能性が大です。
現行犯逮捕された場合は、当然、刑事手続きが進みます。
逮捕から48時間以内に検察庁に送致されて、そこで勾留の必要性が認められれば10日~20日間の身体拘束を受け、起訴されるか否かが決定するのです。
この程度の道路交通法違反であれば、よほどの理由がなければ勾留されたり、起訴されることはないでしょうが、略式罰金となる可能性は十分に考えられます。

◇運転中の携帯電話使用違反の厳罰化◇

皆さんは、運転中の携帯電話使用の違反が、厳罰化される可能性があることをご存知でしょうか。
警視庁の発表によりますと、昨年度(平成29年)に、自動車やオートバイを運転中に携帯電話機等を使用してたり、カーナビを操作しながら起きた交通事故の件数が2832件(携帯電話使用等にかかる交通事故件数に限れば1885件)にも及び、この件数は5年前の約1.5倍にも及びます。
また全国の警察では年間90万件以上の交通違反を取り締まっていますが、携帯電話使用違反は、この違反全体の約14%にも及びます。
このように、携帯電話使用等による交通事故が多発していることから、違反に対して罰則の強化が検討されているのです。
もし罰則が強化されれば
①交通の危険を生じさせた場合
3月以下の懲役又は5万円の罰金⇒1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
これまで反則行為として行政処分の対象であったが、厳罰化された場合は、非反則行為となる可能性が高いです。
その場合は、行政処分の対象外となるので違反が認められた時点で刑事手続きが開始されます。
②上記以外の携帯電話使用の場合
5万円以下の罰金⇒6月以下の懲役又は10万円以下の罰金
となる可能性が高いです。

◇行政処分の厳罰化◇

携帯電話機使用に関する違反で厳罰化されるのは刑事罰だけではありません。
携帯電話使用違反に関しては行政処分(反則金)についても厳罰化が検討されており、その内容は以下のとおりです。
大型自動車・・・1万円⇒5万円
普通自動車・・・8000円⇒4万円
小型特殊自動車・・・6000円⇒3万円

ご家族、ご友人が、携帯電話使用などの道路交通法違反現行犯逮捕された方、東京都杉並区の刑事事件でお困りの方は、東京で刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
初回法律相談:無料
警視庁杉並警察署までの初回接見費用:35,200円

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