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東京都文京区の刑事事件 強盗殺人事件で裁判員裁判を対応する弁護士
東京都文京区の刑事事件 強盗殺人事件で裁判員裁判を対応する弁護士
東京都文京区に住むAさんは、知り合いで自営業のBさんから金銭を盗むことを画策し、Aの友人らとBさん宅へ侵入しました。
その際、Bさんに発見されたため、Bさんに殴る蹴るの暴行を働き、Bさんを死亡させたのち、現金600万円をもって逃走しました。
捜査をした警視庁大塚警察署は、Aらを強盗殺人の容疑で逮捕しました。
Aの両親は、「裁判員裁判にかけられたらどうなるか」等を刑事事件専門の弁護士に相談しました。
(フィクションです)
【強盗殺人事件】
強盗罪は「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した」場合に成立します。
その際、強盗が、人を死亡させた時には「強盗致死罪」が成立します。
(ここでいう「強盗」は、強盗罪が既遂になっている必要はなく、強盗罪の実行に着手していれば足ります)
もっとも、殺意を持って人を殺していたような場合には、強盗殺人罪が成立することになります。
上記事例では、もし、Aさんらが殺意なく、殴る蹴る行為をした結果として、Bを死亡させたような場合には強盗致死罪、Aさんらが殺意を持ってBさんに対して殴る蹴るの暴行を働いた場合には強盗殺人罪が成立することになります。
もっとも、いずれの場合であったとしても、裁判員裁判となってしまいます。
【強盗殺人事件での裁判員裁判】
強盗殺人事件等の重大犯罪の場合、裁判員裁判として裁判が開かれます。
その場合、かなり重い理判決が下されることになると考えられます。
例えば、強盗殺人事件で裁判員裁判となったケースを調べてみると、(その行為態様・悪質性にもよりますが)死刑や無期懲役が下されているケースが多いと言えます。
また、無期懲役でなくとも、長期の懲役刑となっているケースがほとんどで執行猶予がついている例は皆無です。
裁判員裁判は、一般人が裁判員として参加しますから、被告人側の事情や争点などをしっかりとわかりやすく伝える必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、刑事事件専門であり数多くの刑事事件を扱ってきました。
もちろん裁判員裁判の経験もございます。
東京都文京区の強盗殺人事件・裁判員裁判でお困りの方は、一度弊所の弁護士までご相談ください。
(大塚警察署 初回接見費用:3万5800円)
東京都千代田区の詐欺事件で逮捕 接見禁止解除を目指す刑事事件専門弁護士
東京都千代田区の詐欺事件で逮捕 接見禁止解除を目指す刑事事件専門弁護士
東京都千代田区に住む大学生Aは、友人に誘われて詐欺行為を行なってしまいました。
後日、Aは、警視庁神田警察署に詐欺容疑で逮捕されました。
Aには勾留決定が付き、接見禁止もつきました。
Aの両親は、Aの学校関係で話を聞きたいこともあり、接見禁止解除を望んでいます。
そこで、Aの両親は、刑事事件専門の弁護士事務所の弁護士に相談へ行きました。
(フィクションです)
【詐欺事件で接見禁止】
詐欺事件は、逮捕後勾留決定が付くことが少なくありません。
特に、上記詐欺事件のような場合、接見禁止決定が付く可能性が高いと言えます。
接見禁止決定とは、その字のとおり、一般人との接見が禁止されることを言います。
共犯者がいる詐欺事件では、その全容が把握されていないことも多く、被疑者の友人を語るものが逮捕されている者の接見へ向かい、隠語で証拠隠滅の指示をする可能性があります。
そのような事態を防ぐために、弁護士以外の接見を禁止するため、接見禁止決定がつけられることがあるのです。
ただ、接見禁止が付いたとしても、特定人に限って接見禁止解除がなされることもあります。
例えば、事件に全く関係ない被疑者の両親や配偶者・子供等に限って接見を許可するという決定がされることがあります。
詐欺事件は、簡単には身柄解放がされない現状があります。
しかし、その期間、ずっと事件に関係ない両親が被疑者と話すことができない状況が続くのも酷と言えます。
ですから、上記A両親のように、「被疑者との接見禁止を解除してほしい」という相談も少なからずあります。
【接見禁止解除を目指すために…】
弁護士としては、そのような相談が来た場合には、裁判所に対して「接見禁止の一部解除」の申し立てを行うことになります。
親族が事件には関係ないこと、接見を認めないと生じる不都合性等の事情をしっかりと伝えることで、裁判所が接見禁止の一部解除を決定するように求めます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の事務所であり、詐欺事件も数多く経験しています。
接見禁止の一部解除の申し立てをして、裁判所が解除決定をした例もございます。
東京都千代田区の刑事事件・詐欺事件で逮捕され、接見禁止を何とかしたいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士まで一度ご相談ください。
(神田警察署 初回接見費用:3万5500円)
★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ9:問題となる事例(「あなたも犯罪者ですよ」)~
★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ9:問題となる事例(「あなたも犯罪者ですよ」)~
シリーズ最終回は、犯罪収益移転防止法が問題となる事例に基づいて具体的に解説します。
1 事例
Aは、お金に困っていたところ、インターネットで「あなたの預金通帳を郵送していただけたら1行につき1万円を差し上げます。さらに、あなたが返還を求めるまで、月々1万円を支払います」という広告を見つけました。
早速Aは広告に書いてあった電話番号に電話し、相手に言われた住所にA名義のB銀行の預金通帳を郵送しました。
後日、Aに1万円が現金書留で送られてきましたが、その後相手との連絡が取れなくなり、3か月たってもお金が送られてきません。
そのうち、B銀行から「あなたの口座が詐欺に使われていると警察から指摘があったので、口座凍結しました。」と通知が来ました。
騙されたことに気づいたAは、近くの警察署に被害届を提出しに行きました。
ところが、Aは警察官から「あなたも犯罪者ですよ」と言われてしまいました。
何が何だかわからないAは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料相談を受けることにしました。(フィクションです)
2 解説
今回の事例でAは、月々1万円を得られると思って預金通帳を郵送したのに、最初の1万円しか送られてきておらず、騙されて預金通帳を郵送したといえるので、詐欺の被害者といえます。
しかし、AはB銀行の預金通帳を郵送し1万円を得ています。
Aさんは、自分の預金通帳が詐欺に使われるとは知りませんでしたが、通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他正当な理由がないのに、有償で、預金通帳を相手方に提供しています。
したがって、犯罪収益移転防止法28条2項後段の罪を犯してしまっていることになり、Aには、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。
なお、仮にAが自分の預金通帳が「詐欺を含む犯罪に使用されること」について知っていた又はその可能性について知りながら提供した場合には、Aは詐欺の共犯として扱われてしまう可能性もあります。
犯罪収益移転防止法について知りたい、今回のケースの様な場合で不起訴を勝ち取ってほしいとお考えの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料相談にお越しください。
★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ8:罰則⑤(仮想通貨交換用情報の譲り受け等)~
★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ8:罰則⑤(仮想通貨交換用情報の譲り受け等)~
今回は、犯罪収益移転防止法の罰則のうち、仮想通貨交換用情報の譲り受け等について解説します。
1 仮想通貨交換用情報とは
犯罪収益移転防止法にいう「仮想通貨交換用情報」とは、仮想通貨交換業者において仮想通貨交換契約に係る役務の提供を受ける者を他の者と区別して識別できるように付される符号その他当該役務の提供を受けるために必要な情報をいいます。
具体例としては、登録業者から付与されたIDやパスワードなどです。
「仮想通貨交換業者」とは、仮想通貨交換業者として内閣総理大臣の登録を受けた者をいいます(資金決済に関する法律2条8項)。
「仮想通貨交換業」とは、①仮想通貨の売買又は他の仮想通貨との交換、②①の行為の媒介、取次ぎ又は代理、③①及び②の行為に関して、利用者の金銭又は仮想通貨の管理をすることのいずれかを業として行うことをいいます(資金決済に関する法律2条7項)。
「仮想通貨」については、資金決済に関する法律2条5項に定義が規定されていますが、かなり難しいので、具体的には「ビットコイン」や「NEM」などのことを指すと思ってください。
2 仮想通貨交換用情報の譲り受け等(犯罪収益移転防止法30条)
①「他人になりすまして仮想通貨交換業者との間における仮想通貨交換契約に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、仮想通貨交換用情報の提供を受けた者」又は、「相手方に上記目的があることの情を知りながら、相手方に仮想通貨交換用情報を提供した者」には、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が科されます。
また、②通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、仮想通貨交換用情報の提供を受け又は提供をした者も同様の刑罰を受けます。
上記①②に当たる行為を業として行った者には、3年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、又はその両方が科されます。
さらに、①②に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者には、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が科されます。
次回はシリーズ最終回として、犯罪収益移転防止法が問題となりやすい場面について事例を交えて解説します。
★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ7:罰則④(為替取引カード等の譲り受け等)~
★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ7:罰則④(為替取引カード等の譲り受け等)~
今回は、犯罪収益移転防止法の罰則のうち、為替取引カード等の譲り受け等について解説します。
1 為替取引カード等とは
犯罪収益移転防止法にいう「為替取引カード等」とは、為替取引に係る送金の受取用のカード、送金又はその受取に必要な情報その他資金移動業者との間における為替取引による送金又はその受取に必要なものとして政令で定めるものをいいます。
「資金移動業者」とは、資金移動業者として内閣総理大臣の登録を受けた者をいい、「資金移動業」とは、銀行等以外の者が為替取引(少額の取引として政令で定めるものに限る。)を業として営むことをいいます(資金決済に関する法律2条2項、3項)。
2 為替取引カード等の譲り受け等(犯罪収益移転防止法29条)
①「他人になりすまして資金移動業者との間における為替取引により送金をし若しくは送金を受け取ること又はこれらを第三者にさせることを目的として、為替取引カード等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者」又は、「相手方に上記目的があることの情を知りながら、相手方に為替取引カード等を譲り渡し、交付し、又は提供した者」には、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が科されます。
また、②通常の商取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、「為替取引カード等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者」又は、「為替取引カード等を譲り渡し、交付し、又は提供した者」も同様の刑罰を受けます。
上記①②に当たる行為を業として行った者には、3年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、又はその両方が科されます。
なお、「業として」とは、「反復継続する意思をもって」ということで、営利性の有無は問いません。前回のシリーズ6及び次回のシリーズ8で出てくる「業として」も同じ意味です。
さらに、①②に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者には、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が科されます。
次回は、仮想通貨交換用情報の譲り受け等について解説します。
★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ6:罰則③(預貯金通帳等の譲り受け等)~
★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ6:罰則③(預貯金通帳等の譲り受け等)~
今回は、犯罪収益移転防止法の罰則のうち、預貯金通帳等の譲り受け等について解説します。
1 預貯金通帳等とは
犯罪収益移転防止法にいう「預貯金通帳等」とは、預貯金契約に係る預貯金通帳、預貯金の引き出し用のカード、預貯金の引き出し又は振り込みに必要な情報その他特定事業者との間における預貯金契約に係る役務の提供を受けるものとして政令で定めるものをいいます。
たとえば、暗証番号も預貯金の引き出しに必要な情報として預貯金通帳等に含まれます。
2 預貯金通帳等の譲り受け等(犯罪収益移転防止法28条)
①「他人になりすまして特定事業者との間における預貯金契約に係る役務の提供を受けること又はこれを第三者にさせることを目的として、預貯金通帳等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者」又は、「相手方に上記目的があることの情を知りながら、相手方に預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者」には、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が科されます。
たとえば、AがBからC銀行のキャッシュカードを譲り受けた際、AがBとしてそのキャッシュカードでBの口座にある預金を引き出そうと考えていた場合、Aには譲受罪が成立し、Aにその目的があることを知りながらBがキャッシュカードをAに渡していた場合には、Bには譲渡罪が成立します。
また、②通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、「預貯金通帳等を譲り受け、その交付を受け、又はその提供を受けた者」又は、「預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者」も同様の刑罰を受けます。
たとえば、Aが不動産を購入する際に資金があるように装うためBの預金通帳を不動産業者に提示しようと考え、Bの預金通帳を2万円で買い受けた場合、Aには譲受罪が、Bには譲渡罪が成立します。
上記①②に当たる行為を業として行った者には、3年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、又はその両方が科されます。
さらに、①②に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者には、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が科されます。
次回は為替取引カード等の譲り受け等について解説します。
★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ5:罰則②(取引時確認事項の虚偽申告、両罰規定)~
★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ5:罰則②(取引時確認事項の虚偽申告、両罰規定)~
今回は、犯罪収益移転防止法の罰則のうち、取引時確認事項の虚偽申告と両罰規定について解説します。
1 取引時確認事項の虚偽申告(犯罪収益移転防止法27条)
本シリーズ2でも解説しましたが、特定事業者は特定取引等をする際、本人特定事項等(取引時確認に係る事項)について顧客等に確認する義務を負っています(犯罪収益移転防止法4条1項、2項、4項)。この確認のことを「取引時確認」といいます。
取引時確認を行う場合において、特定事業者に対して顧客等及び代表者等が、取引時確認に係る事項を偽ることは禁止されています(犯罪収益移転防止法4条6項)。
顧客等又は代表者等の本人特定事項を隠ぺいする目的で、取引時確認に係る事項のうち当該顧客等又は代表者等の本人特定事項を偽った場合、その行為をした者には、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又はその両方が科されます(犯罪収益移転防止法27条)。
2 両罰規定(犯罪収益移転防止法31条)
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して犯罪収益移転防止法25条から27条の罪に該当する行為をしたときは、その行為者が罰せられるほか、その人に対しては25条から27条のうち当該行為を処罰している条文に規定されている罰金刑が科され、法人に対しては①25条に当たる行為については3億円以下の罰金刑、②26条に当たる行為については2億円以下の罰金刑、③27条に当たる行為については100万円以下の罰金刑がそれぞれ科されることになっています(犯罪収益移転防止法31条)。
次回は、預貯金通帳等譲受け等についての罰則について解説します。
★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ4:罰則①(特定事業者に対する罰則)~
★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ4:罰則①(特定事業者に対する罰則)~
今回は、犯罪収益移転防止法に罰則が規定されている罪の内、特定事業者に対する罰則の定めがある罪について解説します。
1 是正命令違反(犯罪収益移転防止法25条)
特定事業者には、その事業の種類に応じて、①取引時の本人特定事項等の確認(取引時確認等)義務、②確認記録や取引記録等の作成・保存義務、③疑わしい取引の届出等義務、④外国所在為替取引業者との契約締結の際の確認義務、⑤外国為替取引に係る通知義務が課されていますが、行政庁は、特定事業者がその業務に関して①~⑤の義務に違反していると認めるときは、当該特定事業者に対し、当該違反を是正するため必要な措置をとるべきことを命ずることが出来ます(犯罪収益移転防止法18条)。
行政庁が特定事業者に対して違反是正のために必要な措置をとるよう命ずることを「是正命令」といいます。
そして、この是正命令に違反した者には、2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、またはその両方が科されることになります(犯罪収益移転防止法25条)。
2 報告・資料提出拒否等(犯罪収益移転防止法26条1号)
行政庁や国家公安員会は、特定事業者に対して必要な限度で、その業務に関して報告や資料の提出を求めることが出来ます(犯罪収益移転防止法15条、19条2項)。
この報告や資料の提出をしなかったり、虚偽の報告や虚偽の資料を提出した場合には、1年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はその両方が科されます(犯罪収益移転防止法26条1号)
3 答弁・検査拒否等(犯罪収益移転防止法26条2号)
行政庁や国家公安員会の指示と承認を受けた都道府県警察の警視総監又は道府県警察本部長は、その職員に、特定事業者の営業所その他の施設に立ち入らせ、帳簿書類その他の物件を検査させ、又はその業務に関し関係人に質問させることが出来ます(犯罪収益移転防止法16条、19条3項)。
この質問に対して答弁をしなかったり、虚偽の答弁をしてしまったりした場合、または検査を拒否、妨害、忌避した場合については、1年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はその両方が科されます(犯罪収益移転防止法26条2号)。
次回は、特定事業者に対する罰則以外の罰則について解説します。
★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ3:用語解説②(疑わしい取引)~
★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ3:用語解説②(疑わしい取引)~
今回は、前回に引き続き用語解説です。「疑わしい取引」について解説します。
1 疑わしい取引とは
犯罪収益移転防止法では、司法書士等の士業者を除く特定事業者(但し、弁護士及び弁護士法人は含む)は、①特定業務において収受した財産が犯罪による収益である疑いがある又は②顧客等が特定業務に関し組織的犯罪処罰法第10条の罪若しくは麻薬特例法第6条の罪に当たる行為を行っている疑いがあると認められる場合には、疑わしい取引の届け出を行政庁に行うこととされています。
「疑わしい取引」とは、上記①及び②の疑いがある取引のことをいいます。
①の「犯罪による収益」は、お金に限りません。犯罪収益(たとえば、詐欺により得た被害金)や犯罪収益に由来する財産(たとえば、詐取金を預金した際の利息)、これらの財産とそれ以外の財産とが混和した財産の全てを含みます。
②の「罪に当たる行為」は、犯罪によって財産(金銭に限らない)を得た事実を誤魔化すことや、犯罪によって得た財産を隠すような行為のことです。
2 疑いがあるかどうかの判断方法
疑いがあるかどうかの判断については、取引時確認の結果、取引の態様その他の事情及び犯罪収益移転危険度調査書の内容を勘案し、取引の性質に応じて次の方法により判断します。
(1)過去に取引を行ったことのない顧客等との取引(一見取引)であって、(3)でない取引
下記チェック項目に従って、取引に疑わしい点があるかどうかを確認する方法
・ 他の顧客との間で通常行う取引の態様との比較
・ 当該顧客の過去の取引との比較
・ 取引時確認事項の結果に関して有する情報との整合性
(2)過去に取引を行ったことがある顧客等との取引(継続取引)であって、(3)でない取引
当該顧客に係る確認記録や取引記録等を精査した上で、(1)のチェック項目に従って、取引に疑わしい点があるかどうかを確認する方法
(3)マネー・ローンダリングに利用されるおそれの高い取引
(2)の方法に加えて、①顧客等に対して質問を行うといった必要な調査を行うとともに、②当該取引に疑わしい点があるかどうかを統括管理者又はこれに相当する者に確認させる方法
次回は、特定事業者に対する罰則について解説します。
★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ2:用語解説①(マネー・ローンダリング、特定取引等)~
★犯罪収益移転防止法の解説★~シリーズ2:用語解説①(マネー・ローンダリング、特定取引等)~
今回は、犯罪収益移転防止法に出てくる用語の解説をしようと思います。
1 マネー・ローンダリングとは
犯罪収益移転防止法の目的に挙げられているマネー・ローンダリングの防止ですが、マネー・ローンダリングは「資金洗浄」とも訳されています。
マネー・ローンダリングとは、犯罪行為で得た資金を正当な取引で得た資金のように見せかける行為や、口座を転々とさせたり金融商品や不動産、宝石などに形態を変えてその出所を隠したりすることをいいます。
これらの行為を放置してしまうと、犯罪収益が将来の犯罪活動や犯罪組織の維持・強化に使用されたり、犯罪組織がその資金源を元に合法的な経済に介入して悪影響を及ぼしてしまうため、犯罪収益の移転防止が重要となるのです。
2 特定取引等とは
犯罪収益移転防止法上、特定事業者において取引時確認が必要となる取引のことを「特定取引等」といいます。
「特定取引等」は、特定取引とマネー・ローンダリングに用いられるおそれが高い取引(「ハイリスク取引」)に分かれており、いずれの取引であるかによって、確認事項及びその確認方法が異なっています。
特定取引は、犯罪収益移転防止法の別表に定められている取引のうち、ハイリスク取引に該当するものを除いたものをいい、金融機関の預貯金契約の締結やクレジットカード契約の締結などが含まれています。
ハイリスク取引は、次のような取引のことをいいます。
①なりすましの疑いがある取引又は本人特定事項を偽っていた疑いがある顧客との取引(犯罪収益移転防止法4条2項1号)
たとえば、取引の相手方が、預貯金契約の締結に際して行われた取引時確認に係る顧客に成りすましている疑いがある場合の取引などです。
②特定国等に居住・所在している顧客との取引(同項2号)
マネー・ローンダリング対策が不十分であると認められる特定国等(たとえば北朝鮮)に居住している顧客との取引等のことです。
③犯罪収益移転防止のために厳格な顧客管理を行う必要性が特に高いと認められる取引として政令で定める取引(同項3号)
たとえば、外国の元首との取引などがあたります。
次回は、「疑わしい取引」について解説します。
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