【報道事例】八王子市内にあるビルの壁にスプレーで落書きをした男性2人を逮捕|問われる罪は?

【報道事例】八王子市内にあるビルの壁にスプレーで落書きをした男性2人を逮捕|問われる罪は?

街中で壁やガードレール、電柱などに落書きがされている光景を見たことがある方も多いはずです。
このような行為は、一体どのような罪に問われる可能性があるのでしょうか。

今回は、東京都八王子市で起きた落書きによる刑事事件の事例をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

【事例】

東京・八王子市のビルの壁にスプレーで落書きをしたとして、男2人が逮捕されました。

職業不詳の男性A(23)と電気工の男性B(21)は、6日深夜、八王子市内のビルの壁にスプレー式の塗料を使って落書きをした疑いが持たれています。

警視庁によりますと、防犯カメラの映像などから2人の関与が浮上しました。
2人は容疑を認めていて、Bは「落書きは自分がその場所にいた証拠を残せて、魅力を感じた」と話しています。

八王子駅の周辺では他に4カ所で同じ様な特徴的な色使いの落書きが確認されていて、警視庁が余罪を調べています。
(※9/28に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「「自分がその場所にいた証拠」ビルの壁にスプレーで落書き 男2人逮捕 東京・八王子市」記事の一部を変更して引用しています。)

【問われる可能性がある罪】

今回の事例では、男性2人が逮捕されたと報道されていますが、具体的な罪名は記載されていません。
自分が所有していない物や建物に対して落書きをする行為は、立派な犯罪行為です。

具体的には、以下のような犯罪に該当する可能性があります。

  • 建造物損壊等罪
  • 器物損壊等罪
  • 軽犯罪法違反
  • 迷惑防止条例違反

それぞれ、どのような場合に成立する可能性があるのか見ていきましょう。

【建造物等損壊罪】

建造物等損壊罪は、刑法第260条で以下のように規定されています。

  • 刑法第260条(建造物等損壊及び同致死傷)
    他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

建造物等損壊罪は、他人の家やビルなどの建造物に対して落書きを行った場合に成立する可能性があります。

「損壊」とは、物理的に壊すような行為だけでなく、「本来の効用を滅却あるいは減損させる一切の行為」を指します。
落書きをすることで、建造物の外観が損なわれ、本来の効用が失われていると判断されれば、落書き行為も「損壊」に該当します。

【器物損壊等罪】

器物損壊等罪は、刑法第261条で以下のように規定されています。

  • 刑法第261条(器物損壊等)
    前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

器物損壊等罪は、刑法第258条~第260条に該当するもの以外の他人が所有している物を損壊した場合に成立する可能性があります。
器物損壊等罪における「損壊」の定義も、前述した建造物等損壊罪の「損壊」と同様です。

【軽犯罪法違反】

落書きの程度や範囲が軽微な場合は、軽犯罪法違反に該当する可能性があります。
落書き行為に関しては、軽犯罪法第1条33号で以下のように規定されています。

  • 軽犯罪法第1条
    左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
    三十三 みだりに他人の家屋その他の工作物にはり札をし、若しくは他人の看板、禁札その他の標示物を取り除き、又はこれらの工作物若しくは標示物を汚した者

【迷惑防止条例違反】

迷惑防止条例とは、都道府県や市区町村などの各自治体で定められる条例を指し、迷惑防止条例に落書き行為を処罰する旨を記載している自治体もあります。

落書き行為の処罰を迷惑防止条例で規定している都道府県や市区町村で落書きをした場合、迷惑防止条例違反として処罰される可能性があります。

他にも、国の文化財に指定されているものに落書きをした場合は文化財保護法違反選挙ポスターに落書きをした場合は公職選挙法違反が成立する可能性もあります。

【落書きが発覚した場合は弁護士へ】

落書き行為は、落書きした場所や程度、範囲などにより成立する可能性がある罪が変わります。
また、今回の事例のように、落書き行為で逮捕される可能性は十分にあります。

逮捕されてしまえば、最大23日間身柄を拘束されるおそれがあり、その後起訴されてしまえば、懲役刑罰金刑を言い渡される可能性もあり前科がついてしまいます。
このようなリスクを少しでも回避するためには、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士に相談することで、現在ご自身がおかれている状況や今後の見通しなどが鮮明になり、今後どのような対応をしていけばいいかのアドバイスを受けることもできます。
刑事弁護活動を依頼すれば、弁護士が代理人となり、早期の身柄解放不起訴処分の獲得などの弁護活動に尽力してくれます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件で弁護を担当した実績を持つ、刑事事件少年事件に特化した専門の法律事務所です。
東京都内で刑事事件を起こしてしまった方や、ご家族が逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。

24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて、ご連絡をお待ちしております。

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