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【事例解説】他人が置き忘れられた財布を盗る行為で成立する罪は窃盗罪?占有離脱物横領罪?

2023-10-25

【事例解説】他人が置き忘れられた財布を盗る行為で成立する罪は窃盗罪?占有離脱物横領罪?

他人が置き忘れたものを取った場合、成立する罪は窃盗罪占有離脱物横領罪のどちらが成立するかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説致します。

【事例】

ある日の昼下がり、Aが東京都世田谷区の公園のベンチで休憩していたところ、向かいのベンチに座っていたVが財布を置き忘れていったことに気付きました。
そこで、Aはベンチに2分ほど座ったままVが戻ってこないことを確認し、Vが置き忘れた財布を持ち去りました

Aの行為には、どのような罪が成立するのでしょうか。
(※この事例は全てフィクションです。)

【Aに成立する可能性がある罪】

結論から言うと、本事例においてAには窃盗罪占有離脱物横領罪のどちらかが成立する可能性があります。
窃盗罪については刑法第235条、占有離脱物横領罪については刑法第254条で以下のように規定されています。

  • 刑法第235条(窃盗)
    他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
  • 刑法第254条(遺失物等横領)
    遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。

窃盗罪と占有離脱物横領罪の違いは、簡潔に言えば「被害者の占有があったかどうか」です。

窃盗罪は、「人の財物を窃取した者」と規定しています。
ここにいう「窃取」とは、他人の占有する財物を、占有者の意思に反して、その占有を侵害し自己又は第三者の占有に移転させることと解されています。

これに対して占有離脱物横領罪は占有を離れた他人の物」と規定しています。
又、どちらも他人の物を自己の占有に移すという点では共通していますから、被害者による占有が失われていれば占有離脱物横領罪失われていなければ窃盗罪が成立することになるわけです。

【占有とは】

刑法上、占有とは「財物に対する事実上の支配であると解されています。

占有といった場合に物の現実の握持まで要求すると、例えば家の前の自転車や、タンスの中の現金にも占有が及ばないということになってしまい、不都合だからです。
そこで、占有の存否は、客観的な財物の支配主観的な財物に対する占有の意思を総合的に判断することになります。

では、本件ではどのような判断がなされるでしょうか。
最高裁判所の判例には、公園のベンチに置き忘れられたポシェットを領得した行為は、被害者がベンチから約27メートルしか離れていない場所まで歩いて行った時点で行われたことなどの事実関係の下では、窃盗罪に当たると判示した事例があります。

本件についても、2分程度であれば距離としてもそれほど遠くはありませんから、未だに支配意志があるといえ、占有を肯定することができると判断される可能性があります。
Vの占有が肯定されれば、今回の事例は上記の判例に類似する事案であると言えますから、Aには占有離脱物横領罪ではなく窃盗罪が成立することになると考えられます。

【窃盗罪で逮捕されてしまったら】

窃盗事件の場合、被害額が小さかったり、初犯であったりする場合には、その後の交渉次第で不起訴になることがあります。
不起訴の可能性を少しでも高めるために、逮捕後にできる活動として、被害者との示談が重要なポイントになります。
被害弁償をして被害者に謝罪をした上で示談を成立させることができた場合、起訴前であれば起訴猶予などの不起訴処分となる可能性が上がります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件の豊富な弁護経験を持つ、刑事事件少年事件に特化した法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と交渉を行うことで、不起訴処分、罰金刑、執行猶予付判決などより軽い処分にできる可能性がございます。

特に起訴前に示談が成立すれば不起訴処分となり前科を回避することができるかもしれませんので、東京都内で窃盗事件を起こしてしまった場合は、まずは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。
ご連絡は、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)にてお待ちしております。

【事例解説】覚醒剤を営利目的で密輸すると成立する罪は?逮捕される可能性と逮捕後の流れ

2023-10-22

【事例解説】覚醒剤を営利目的で密輸すると成立する罪は?逮捕される可能性と逮捕後の流れ

覚醒剤を密輸した場合、どのような問題が生じるかについて、あいち刑事事件総合法律
事務所が解説いたします。

【事例】

外国から覚醒剤約2キロを営利目的で密輸したとして、東京都新宿区に住むAさんは覚醒剤取締法違反(営利目的輸入)の疑いで逮捕されました。
(※事例はフィクションです)

【覚醒剤を密輸するとどうなる?】

覚醒剤の輸出入については、覚醒剤取締法第13条で以下のように規定されています。

  • 覚醒剤取締法第13条(輸入及び輸出の禁止)
    何人も、覚醒剤を輸入し、又は輸出してはならない。

条文で規定されているように、覚醒剤の輸入及び輸出は全面的に禁止されています。
これは、自国ないし輸出先の国において、覚醒剤濫用の危険が生じ、又は保健衛生上の危害が生じることを防ぐためです。
覚醒剤を輸入し、覚醒剤取締法違反が成立した場合の処罰内容は、覚醒剤取締法第41条で以下のように規定されています。

  • 覚醒剤取締法第41条(刑罰)
    覚醒剤を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第四十一条の五第一項第二号に該当する者を除く。)は、一年以上の有期懲役に処する。

     営利の目的で前項の罪を犯した者は、無期若しくは三年以上の懲役に処し、又は情状により無期若しくは三年以上の懲役及び一千万円以下の罰金に処する。

     前二項の未遂罪は、罰する。

第2項により営利目的が重く処罰される理由としては、所持・使用よりも営利目的の場合の方が薬物が社会に蔓延する危険性が高いからです。

今回の事例では、Aさんは営利目的で覚醒剤を輸入したとして、覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されています。
営利目的による覚醒剤輸入であるため、Aさんには無期若しくは三年以上の懲役に処される可能性があるということになります。

【覚醒剤取締法違反で逮捕される可能性は?】

警察が被疑者を逮捕する事件の多くは、罪を犯した疑いのある人が証拠を隠滅したり、逃亡する恐れがあったりする場合です。
上記のような逮捕するかどうかについての判断は、刑事訴訟法第60条第1項の規定をもとに考慮されます。

  • 刑事訴訟法第60条
    裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
     被告人が定まつた住居を有しないとき。
     被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
     被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

上記条文は勾留についての規定ですが、逮捕をするかどうかもこの事情を考慮して決せられます。

今回のような覚醒剤事犯などの薬物事件は、トイレに流したり、隠したりといった方法により証拠となる覚醒剤などを簡易かつ迅速に処分できてしまうため、その証拠の隠滅がされるおそれが高いと判断され、早いうちに逮捕に踏み切られる可能性があります。

したがって、逮捕される場合が非常に多く、それに引き続く勾留も長期化することが一般的です。
そして、身柄拘束が長期化した場合、職場や学校に出席できず、日常生活に支障がでたり、逮捕されたことが職場等に発覚すれば、退職に追い込まれたりすることが考えられます。
また、事件が報道されれば社会的信用を失い、社会復帰が困難になる可能性もあります。

【覚醒剤取締法違反で逮捕されてしまったら】

ご自身で覚醒剤取締法違反による薬物事件を起こしてしまったり、ご家族が逮捕されてしまった場合、できるだけ早期に刑事事件に精通した弁護士に相談することをお勧めします。

覚醒剤取締法違反による逮捕の場合には、身柄拘束が長期化する場合が多いです。
弁護士に相談して刑事弁護活動を依頼することで、早期の身柄解放不起訴処分執行猶予付き判決減刑を獲得できる可能性が高まります。

【事務所紹介】

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が覚醒剤取締法違反について解説致しました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件に強い事務所であり、今回のような事例に対しても豊富な弁護経験があります。

東京都及び周辺に在住の方やそのご家族で、刑事事件の被疑者として捜査されているという方などは、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。

初回無料の法律相談や、最短当日に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)をご希望の方は、24時間365日受付中のフリーダイヤル0120-631ー881でご予約を承っておりますので、ご連絡をお待ちしております。

【事例解説】SNSで知り合った未成年者を家に泊めてたら未成年誘拐罪?刑罰や要件は? 

2023-09-16

【事例解説】SNSで知り合った未成年者を家に泊めてたら未成年誘拐罪?刑罰や要件は? 

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が未成年者誘拐罪について解説致します。

【事例】

ある日、東京都新宿区在住の会社員Aさん(男性31歳)は、SNSを通じて知り合いになった同じ新宿区内に在住の高校生Vさん(女性17歳を自宅に招きしばらく泊めていました。

その夜、Vさんの両親が、Vさんが帰って来ないことを心配して戸塚警察署に捜索届を出したことをきっかけに事件が発覚し、後日、Aさんは未成年者誘拐罪の疑いで戸塚警察署の警察官により逮捕されました。
(※事例はフィクションです。)

【解説】

1.未成年者誘拐罪とは?

未成年者誘拐罪とは、その名の通り、未成年者を誘拐した場合に成立する犯罪です。
未成年者誘拐罪は刑法224条に次のように規定されています。

  • 刑法224条(未成年者略取及び誘拐)
    未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

「未成年者」とは、18歳未満の者を意味します(民法4条)。
「誘拐」とは、欺罔または誘惑を手段として、人を生活環境から離脱させ、自己または第三者の事実的・実力的支配におくことです。

2.未成年者誘拐罪の刑罰

未成年者誘拐罪が成立した場合には、3月以上7年以下の懲役に処されます。

3.未成年者の同意の有無

本罪は、たとえ未成年者が同意していたとしても、監護者である保護者の同意なく連れ去った場合、未成年者誘拐罪が成立します。

4.親告罪

本罪は、未成年者の名誉保護のため、「告訴がなければ公訴を提起することができない」親告罪(刑法229条)であるとされています。

【事務所紹介】

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が未成年者誘拐罪について解説致しました。

未成年者誘拐罪のように被害者側の告訴を必要とする場合、経験豊富な刑事弁護士による示談交渉により早急に告訴を取り下げてもらう必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。

未成年者誘拐罪などなんらかの事件を起こしてしまった方、警察から取調べを受けている、呼び出しを受けている方は、弊所へお越しいただいての初回無料相談をご利用いただけます。
また、既に逮捕されている方へは、お申込み後、最短当日中に弁護士が接見をして、今後の対応についてのアドバイスや状況を確認する初回接見サービス(有料)がございます。

東京都新宿区及びその周辺に在住の方やそのご家族で、刑事事件の被疑者として捜査されているという方などは、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。

無料相談、初回接見サービスをご希望の方は、24時間365日受付中のフリーダイヤル0120-631−881でご予約をお取りできますので、ご連絡をお待ちしております。

【事例解説】公務執行妨害罪で逮捕|刑罰や成立要件は?

2023-09-13

【事例解説】公務執行妨害罪で逮捕|刑罰や成立要件は?

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が公務執行妨害罪の逮捕事例について解説致します。

【事例】

24日朝早く、東京池袋駅前の交番で男が警察官に包丁を突きつけるなどして暴れ、その場で逮捕されました。
けがをした人はいませんでした。

24日午前5時半ごろ、池袋駅東口にある交番で、男が外に立っていた女性警察官に「すみません」などと声をかけたあと、リュックサックから取り出した刃渡りおよそ15センチの包丁を突きつけました。

ほかの警察官たちが駆けつけると包丁を振り回して暴れましたが、取り押さえられ、公務執行妨害罪と銃刀法違反の疑いで、その場で逮捕されました。

警視庁によりますと、逮捕されたのは自称、東京練馬区に住む無職のA(43)で、調べに対し「死にたかった。警察官に包丁を差し向ければ拳銃で撃ち殺してくれると思った」などと供述しているということです。

警視庁が詳しいいきさつを調べています。
(※8/24に『NHK NEWS WEB』で配信された「東京 池袋駅前の交番で警察官に包丁突きつけるなどした男 逮捕」記事を一部変更して引用しています。 

【解説】

1.公務執行妨害罪とは? 

公務執行妨害罪は公務の円滑な遂行を保護するために、刑法95条に規定されている犯罪になります。

①「公務員が職務を執行するに当たり」、②「これに対して暴行又は脅迫を加えた」場合に犯罪が成立します。

公務員とは、役所の職員なども含まれますが、実際に事件に関わってくる職種の公務員とは、警察官、消防士、救急隊員、教員などです。
今回の事例では、警察官が本罪の対象の「公務員」となっています。

「執行するにあたり」とは、職務を執行する際にという意味です。

  • 刑法第95条(公務執行妨害及び職務強要)
    公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

2.公務執行妨害罪の刑罰

公務執行妨害罪で有罪となった場合には以下のような法定刑が科されることとなります。

3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金

【事務所紹介】

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部公務執行妨害罪の逮捕事例について解説しました。

公務執行妨害罪は、被害者が国であるため示談などを行うことができません
しかし、弁護士などを通じで反省の意思を示すことが起訴不起訴などの処分に影響してくると考えられます。
そのため、弁護士にすぐに依頼して捜査機関などに働きかけてもらうことが大切でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を数多く扱う法律事務所です。

公務執行妨害罪などなんらかの事件を起こしてしまった方、警察から取調べを受けている、呼び出しを受けている方は、弊所へお越しいただいての初回無料相談をご利用いただけます。

また、既に逮捕されている方へは、お申込み後、最短当日中に弁護士が接見をして、今後の対応についてのアドバイスや状況を確認する初回接見サービス(有料)がございます。

東京都豊島区及び池袋の周辺に在住の方やそのご家族で、刑事事件の被疑者として捜査されているという方などは、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。

無料相談、初回接見サービスをご希望の方は、24時間365日受付中のフリーダイヤル0120-631−881でご予約をお取りできますので、ご連絡をお待ちしております。

【事例解説】物を壊さなくても器物損壊罪が成立することがある?

2023-08-17

【事例解説】物を壊さなくても器物損壊罪が成立することがある?

他人の物を壊すと成立する器物損壊罪ですが、実は物を壊さなくても器物損壊罪が成立してしまうケースもあります。

今回は、物を壊さなくても器物損壊罪が成立するのはどんな場合なのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が詳しく解説します。

【事例】

東京都世田谷区にある会社で勤務している男性A(42)は、同僚の男性V(40)と仕事のことで少し口論になりました。
Vに対する怒りが収まらなかったAは、給湯室にVが普段使用しているマグカップがあることに気が付き、マグカップをトイレに持ち込み、嫌がらせ目的でマグカップに放尿しました。

たまたまトイレに来たVが目撃し、VはAに対して「このマグカップはもう使えない、これは器物損壊罪だ。警察に通報する」と言いました。
これに対し、Aは「マグカップを壊していないから器物損壊罪ではない」と反論しましたが、AのVに対する行為は、器物損壊罪が成立するのでしょうか。
(※この事例は全てフィクションです)

【器物損壊罪とは】

器物損壊罪については、刑法第261条で以下のように規定されています。

  • 刑法第261条(器物損壊等)
    前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

条文に記載されている「前3条」とは、公用文書等毀棄罪(刑法第258条)私用文書等毀棄罪(刑法第259条)建造物等損壊及び同致死傷罪(刑法第260条)を指します。

上記の3つの罪に該当するもの以外の他人の物を損壊した場合に、器物損壊罪が成立します。
器物損壊罪が成立した場合、3年以下の懲役刑又は30万円以下の罰金刑若しくは科料で処罰される可能性があります。

【物を壊さなくても器物損壊罪が成立する?】

器物損壊罪について規定している刑法第261条で記載されている「損壊し、又は傷害した」とは、物や動物の効用を害する一切の行為を指しています。
つまり、物理的に損壊していなくても、その物本来の効用を害する行為であれば器物損壊罪が成立するということです。

今回の事例で考えると、AはVのマグカップを物理的に壊してはいないものの、放尿したことで、Vはマグカップを使用できなくなっています。
今回の事例と同様のケースの判例(大審院明治42年4月16日判決)では、事実上又は感情上その物を再び本来の用途に使えないようにしたときも損壊に当たるとされました。

なので、今回のAのVに対する行為は、器物損壊罪が成立するということになります。

【器物損壊罪の刑事弁護活動】

器物損壊罪は、被害者による告訴がないと検察官が事件を起訴できない親告罪であると刑法第264条で規定されています。

  • 刑法第264条(親告罪)
    第259条、第261条及び前条の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

告訴とは被害者が加害者に対して処罰をしてほしいという意思表示をすることを指しますが、逆に言えば、被害者から告訴されなれば不起訴になるということです。

被害者から告訴されることを防ぐためには、示談を締結することが重要なポイントになります。
ただ、壊した(事実上使えないようにした)物を弁償すればいいというものではありません。
すでに告訴がされていれば、被害者の加害者に対する処罰感情が大きいと考えられるため、当事者間で示談交渉を行おうとすると、被害者の気持ちを逆撫でしてしまうおそれがあります。

なので、器物損壊罪で被害者と示談を締結したい場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをお勧めします。
弁護士が代理人として被害者との示談交渉を行うため、被害者の気持ちを汲み取りながらスムーズに示談交渉を進めることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、器物損壊罪はもちろん、様々な刑事事件で被害者と示談を締結した実績を持つ弁護士が多数在籍しています。
初回無料の法律相談を行っていますので、お困りの方は24時間受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご相談ください。

【事例解説】風俗店での本番行為は犯罪?当事者間での示談は危険?

2023-08-05

【事例解説】風俗店での本番行為は犯罪?当事者間での示談は危険?

風俗店トラブルのほとんどは、禁止されている「本番行為」をしてしまうことです。
本番行為を行ったことが店に発覚した後に当事者間で示談を締結しようとすると、別の問題が発生する危険性もあります。

今回は、風俗店トラブルを示談締結によって事件化阻止できた事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が詳しく解説します。

【事例】

東京都台東区にある風俗店を利用していた男性A(32)は、従業員の女性V(23)に対して、禁止されているにも関わらず本番行為を行ってしまいました
Vが店長に「Aが本番行為をしてきた」と伝えたことで発覚し、店長はAに対して「300万円払えば示談してやる。払えない場合は警察に被害届を出す。」と金銭を要求しました。

300万円も持ち合わせていなかったAは、とりあえず財布に入っていた現金5万円を店長に渡し、後日連絡するとして店を後にしました。
今後どうなっていくのか不安に感じたAは、店に連絡をする前に弁護士に相談することにしました。
(※この事例は全てフィクションです。)

【風俗店で本番行為を行うと犯罪?】

原則、本番行為が認められている風俗店はありません。
本番行為を認めてしまうと、店や従業員が売春防止法違反で処罰されてしまうからです。
なので、本番行為禁止というルールを定めている風俗店がほとんどで、これに違反してしまうと違反金が請求される恐れがあります。

今回の事例では、AがVに対して禁止されている本番行為を行ったことで、店長から「違反金を払わないと警察に被害届を出す」と言われています。
では、警察に被害届を出されてしまった場合、Aは何罪に問われるのでしょうか。
この場合、Aは不同意性交等罪に該当する可能性があります。
不同意性交等罪については、刑法第177条で以下のように規定されています。

  • 刑法第177条(不同意性交等)
    前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。
    • 2 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。
    • 3 十六歳未満の者に対し、性交等をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。

条文に記載されている「前条第一号各号に掲げる行為」とは、刑法第176条で規定されている以下の行為です。

一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

不同意性交等罪は、上記の行為やこれらに類似する行為によって、相手が同意しない意思を形成することや表明すること、全うすることが困難な状態にさせ、性行為等をすることで成立します。
わかりやすく説明すると、相手が同意していないにも関わらず性行為等をすることで、不同意性交等罪が成立するということです。

今回の事例で考えると、そもそも店のルールとして本番行為は禁止されているため、Vに同意はありません。
ですが、プレイ中にAが勢い余って本番行為をしてしまったとすると、Vは嫌だ(同意しない)という意思表示をする「いとまがない」ため、刑法第176条1項5号に該当し、AのVに対する行為は不同意性交等罪が成立する可能性があります。

【示談で事件化阻止ができる?】

当事者間で示談を締結し、被害者が被害届を提出しなければ、刑事事件になることを阻止することはできます。
事件化阻止ができれば、逮捕されたり処罰されることもありませんが、当事者間で示談を進めることは難しいです。

当事者間で示談を進めてしまうと、示談金を支払ったのに被害届を提出されてしまったり、示談したはずなのに追加で金銭を要求されてしまったりといった問題が発生する危険性があります。

なので、風俗店トラブルを起こしてしまい、示談で事件化阻止を目指したいという場合は、弁護士に代理人として示談交渉を行ってもらうことをお勧めします。

今回の事例でも、Aは弁護士に依頼して、弁護士がAの代理人として、店長やVと示談交渉を行った結果、被害届を提出しないことや今後金銭を要求しないといった旨を記載した示談を締結することができ、無事に事件化阻止することができました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、風俗店トラブルはもちろん、様々な刑事事件で被害者との示談締結を行った実績を持つ刑事事件に特化した法律事務所です。

風俗店トラブルを起こしてしまって今後どうなるか不安に思っている方は、まずは24時間受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご相談ください。

【事例解説】他人の家の門を壊すと建造物損壊罪が成立する?

2023-07-30

【事例解説】他人の家の門を壊すと建造物損壊罪が成立する?

他人の建造物を壊す行為は、建造物損壊罪が成立します。
では、「建造物」とは、どこまでが建造物として認められるのでしょうか。
壊したものが建造物でなければ、建造物損壊罪ではなく器物損壊罪が成立します。

今回は、他人の家の門を壊した事例をもとに、建造物損壊罪が成立するための「建造物」の定義について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所がわかりやすく解説します。

【事例】

東京都調布市のアパートに住んでいる男性A(43)は、近所の一軒家に住んでいる男性V(48)を良く思っていませんでした。
ある日、Aが仕事から帰る道中でV宅を通り過ぎる際、普段からVが気に食わなかった腹いせに、V宅のを蹴り、扉部分を壊しました

次の日、自宅の門が壊されていることに気づいたVは、警視庁調布警察署に通報しました。
自宅の防犯カメラを確認したところ、AがV宅の門を蹴っている姿が写っていたため、後日、A宅に警察が来て、任意の取調べを受けることになりました。

Aの行為は、建造物損壊罪器物損壊罪のどちらが成立するでしょうか。
(※この事例は全てフィクションです)

【建造物損壊罪とは】

建造物損壊罪については、刑法第260条で以下のように規定されています。

  • 刑法第260条(建造物等損壊及び同致死傷)
    他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

建造物損壊罪は、他人の建造物や艦船を損壊した場合に成立します。
建造物損壊罪については、刑法第260条の前段で規定されており、後段には建造物損壊によって人を死傷させた場合に関する規定がされています。

建造物損壊罪が成立すると、5年以下の懲役によって処罰されます。

【器物損壊罪とは】

器物損壊罪については、刑法第261条で以下のように規定されています。

  • 刑法第261条(器物損壊等)
    前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

器物損壊罪の条文に記載されている「前三条」とは、刑法第258条(公用文書等毀棄)刑法第259条(私用文書等毀棄)刑法第260条(建造物等損壊及び同致死傷)を指し、これらに該当しないものを損壊した場合に器物損壊罪が成立します。

器物損壊罪が成立すると、3年以下の懲役30万円以下の罰金科料によって処罰されます。

【「建造物」の定義】

今回の事例では、AはV宅の門を蹴って壊しています。
Aの行為が、建造物損壊罪と器物損壊罪のどちらに該当するのかについて考えるためには、「門」が「建造物」として認められるかどうかがポイントになります。
門が建造物として認められれば建造物損壊罪が成立し、門が建造物として認められなければ器物損壊罪が成立します。

「建造物」について、判例では「屋根を有し、壁又は柱によって支えられ、土地に定着し、その内部に人の出入りが可能なもの(大審院大正13年5月31日判決)」と定義されています。

今回Aが壊した「門」は、単に人が通行するものにすぎず、人が出入りするような内部もありません。
つまり、門は建造物として認められないため、今回のAの行為は器物損壊罪が成立するということになります。

【建造物損壊罪・器物損壊罪による事件を起こしてしまったら弁護士へ】

建造物損壊罪や器物損壊罪による刑事事件を起こしてしまった場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをお勧めします。

刑事事件を起こして、警察から逮捕されたり任意の取調べを受けることになると、検察官に送致され、その後検察官が起訴するかどうかの判断をします。
起訴されてしまうと、懲役刑罰金刑が言い渡されたり、前科が付いてしまったりと、今後の人生に大きな影響を及ぼす可能性があります。

起訴を免れて不起訴処分を獲得するためにも、弁護士に刑事弁護活動を依頼することがお勧めです。
弁護士が代理人となって、被害者と示談交渉を行ったり、検察官と意見を交わして不起訴処分を獲得するための活動に尽力してくれます。

今回の事例のように、建造物損壊罪や器物損壊罪は被害者と示談を締結することが不起訴処分を獲得するためにも重要なポイントになります。
示談を締結できれば不起訴処分を獲得できる可能性も高まりますが、当事者間で示談を行うとトラブルが起きてしまう恐れもあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、建造物損壊罪や器物損壊罪による刑事事件はもちろん、様々な刑事事件で被疑者との示談締結を行い、不起訴処分を獲得した実績を持つ経験豊富な弁護士が多数在籍しています。

建造物損壊罪や器物損壊罪による事件を起こしてしまった方や、ご家族が逮捕されてしまって不安に感じている方は、まずは24時間受付中のフリーダイヤル(0120-631-881)までご相談ください。

【事例紹介】少年が原則逆送対象事件の強盗罪で逮捕

2023-07-24

【事例紹介】少年が原則逆送対象事件の強盗罪で逮捕

原則逆送対象である強盗罪で逮捕された少年について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

【参考事例】

25日、東京・江東区の住宅に3人組が押し入り、高齢女性を脅して現金を奪った事件で、警視庁は30歳の男18歳19歳の少年2人のあわせて3人を逮捕しました。
警視庁によりますと、強盗などの疑いで逮捕されたのは職業不詳の…容疑者(30)と沖縄県那覇市の18歳と19歳の少年2人です。
3人は25日午後、江東区南砂の住宅に押し入り、この家に住む70代の女性の口をふさいで「騒いだら殺すぞ」などと脅し、金庫から現金およそ240万円を奪った疑いがもたれています。

警視庁は逃走していた3人組の行方を追っていましたが、その後、事件に関わったとみられる3人の身柄を確保し、さきほど強盗などの疑いで逮捕したということです。
警視庁は3人の関係性や役割などについて詳しく調べています。

(※日テレNEWS 令和5年5月26日(金)18時08分配信「江東区住宅強盗 18歳少年ら3人逮捕」より引用)

【強盗罪について】

強盗罪の条文は以下のとおりです。

  • 刑法236条1項
    暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

参考事例の場合は「騒いだら殺す」などと被害者を脅して現金を強取した嫌疑ですので、強盗罪が適用されているものと考えられます。
なお、その他にも被害者の方宅に押し入っている点で住居侵入罪についても成立すると考えられます。

【未成年者の取扱い】

事件を起こしたとされている3名のうち2名については、少年法のいう少年に該当します。
14歳以上の20歳未満の少年が刑事事件を起こした場合には、犯罪少年として扱われます。
犯罪少年の場合、捜査段階では成人の刑事事件と同様の手続きが採られるため、捜査上やむを得ない場合には逮捕されたり勾留されたりすることもあります。
捜査が終了した時点で、少年は家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所では調査官による調査が行われ、少年に対し保護処分(少年院送致や保護観察処分など)が検討されます。

【原則逆送事件について】

参照事例では、少年らは強盗罪に問われています。
本来であれば前章で紹介したとおり、家庭裁判所で保護処分を課すことが検討されるのですが、令和4年4月1日施行の改正少年法では18歳・19歳の場合は特定少年とされ、通常の少年事件とも異なる取り扱いがなされます。
関連条文は以下のとおりです。

  • 少年法20条(検察官への送致)
    • 1項 家庭裁判所は、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
    • 2項 前項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すとき16歳以上の少年に係るものについては、同項の決定をしなければならない。ただし、調査の結果、犯行の動機及び態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、この限りでない。
  • 少年法62条(検察官への送致についての特例)
    • 1項 家庭裁判所は、特定少年(18歳以上の少年をいう。以下同じ。)に係る事件については、第20条の規定にかかわらず、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
    • 2項 前項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、特定少年に係る次に掲げる事件については、同項の決定をしなければならない。ただし、調査の結果、犯行の動機、態様及び結果、犯行後の情況、特定少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、この限りでない。
      • 1号 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すとき16歳以上の少年に係るもの
      • 2号 死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であつて、その罪を犯すとき特定少年に係るもの(前号に該当するものを除く。)

参考事例のうち2名の少年は、18歳と19歳なので、どちらも特定少年に該当します。
そして、特定少年の場合、強盗罪(=短期1年以上の懲役刑に該当する罪)については「検察官に送致しなければならない」とされています。(少年法62条2項2号ほか)
この検察官に送致するという手続きを俗に逆送と言います。

逆送の手続きについて、少年法62条2項各号に該当する場合を原則逆送と呼びます。
言い換えると、2項のいう「犯行の動機、態様及び結果、犯行後の情況、特定少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるとき」に該当しなかった場合、すべて逆送されることになります。

逆送されたのち、改めて検察官が捜査を行い、起訴するべき事案であると判断した場合には起訴され、成人の刑事手続きと同様に公開の法廷で刑事裁判を受け、有罪だった場合には刑事罰(死刑・懲役刑・禁錮刑・罰金刑・拘留・科料)が言い渡されます。

【原則逆送事件で弁護士に弁護を依頼】

原則逆送事件の場合、先述のとおり刑事罰が科せられるおそれがあります。
そのため、少年事件の弁護人・付添人の経験が豊富な弁護士に依頼をし、少年として保護処分を課すことが相当である事件であることを積極的に主張し、逆送を回避、あるいは逆送後に再送致(逆送を受けた検察官の判断で家庭裁判所に改めて送致する手続き)に付するべき事案であることを積極的に主張していくことが望ましいと言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、原則逆送対象事件の弁護活動・付添人活動の経験がございます。
少年事件の場合、事件の内容だけでなく家庭・生育環境などを少年や保護者からしっかりと聞くこと、学校関係者から話を聞くこと、検察官・家庭裁判所調査官・裁判官などと打合せ・調査委を行う必要があり、事件に即した活動が必要になります。

18歳、19歳の特定少年に該当するお子さんが強盗などの原則逆送事件で逮捕されてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による初回接見サービス(有料)をご利用ください。

【事例紹介】電動キックボードで起きた危険運転致傷事件

2023-06-09

【事例紹介】電動キックボードで起きた危険運転致傷事件

飲酒した状態で電動キックボードを運転して被害者を怪我させてしまったという危険運転致傷事件の報道について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【参考事件】

酒を飲んだ状態で運転していた電動キックボードが横転し、同乗の30代女性に重傷を負わせたとして、警視庁目黒署は18日、自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで、東京都目黒区の男性会社員(26)を書類送検した。
警視庁によると、電動ボードの事故で、飲酒による危険運転致傷容疑での立件は全国初とみられる。

署によると、2人は事故当日に飲酒。
男性は「酒を飲んで楽しくなって運転してしまった」と容疑を認めている。
署は起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。

書類送検容疑は2月12日午後9時25分ごろ、目黒区の都道で電動ボードを飲酒運転し横転。
同乗の女性に5週間のけがを負わせた疑い。

(共同通信 令和5年5月18日(水)12時01分配信「電動ボードを危険運転の疑い 飲酒で書類送検、全国初か」より引用)

・電動キックボードの法的性質

まず、今回問題となっている「電動キックボード」の法律上の区分について検討します。
※このルールは令和5年7月より変わります≪詳細はこちら≫
令和5年5月時点で、電動キックボードと言われる乗り物は、モーターとバッテリーを動力としていることから
・0.60kw以下の電動キックボードについては原動機付自転車
・0.60kwを超える電動キックボードは普通自動二輪などのバイク

として扱われています。

よって、参考事例がどちらに当たるにせよ、道路交通法のいう「車両」として扱われますので、自動車やバイクを運転する場合と同じルールに則って運転する必要があります。

・電動キックボードで危険運転致傷罪が成立

参考事件の男性が送致された危険運転致傷罪とは、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転処罰法」)に定められています。
自動車運転処罰法第1条ではこの法律における自動車を「道路交通法第2条第1項」における「第9号に規定する自動車」および「第10号に規定する原動機付自転車」と定めています。
Aさんが運転していた電動キックボードについてもこれに該当します。

今回の参考事例では、男性は危険運転致傷罪で在宅捜査を受けています。
これは酒に酔った状態で車両(電動キックボード)を運転したことに拠ります。
危険運転致傷罪については、以下2条で規定されています。

自動車運転処罰法2条1項
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
第1号 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

自動車運転処罰法3条1項
アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は12年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は15年以下の懲役に処する。

自動車運転処罰法2条のいう危険運転は、車両を運転している時点で「正常な運転が困難な状態」とされる場合に該当します。
自動車運転処罰法3条のいう危険運転は、「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」で運転したのちに「正常な運転が困難な状態」へと変化した場合に該当します。
どちらも飲酒や薬物のほか運転の経験がない無免許運転の場合などの危険な運転をしたことにより、事故を起こしてしまった場合に成立し、「人を負傷させた者」には危険運転致傷罪、「人を死亡させた者」の場合には危険運転致死罪が成立します。

なお、人身事故というと事故を起こした相手方の車両の乗員や歩行者・自転車などが相手方になるイメージですが、単独事故の結果同乗者が怪我をした場合にも人身事故として処理されます。
今回の参考事例では、被害者は電動キックボードに乗車していた方ですが、この場合でも人身事故として危険運転致死傷罪(あるいは過失運転致死傷等)が成立します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は、電動キックボードに関する事件など検挙例が少ない交通事故事件にも対応しています。
電動キックボードが関係する事件事故を起こしてしまった方、危険運転致死傷罪で家族が逮捕されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合はこちら。

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