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【事例解説】個人情報をリスト化した行為、何が問題になった?(後編)
【事例解説】個人情報をリスト化した行為、何が問題になった?(後編)

前回記事に引き続き、個人情報をリスト化した行為の問題点について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説していきます。
今回は、前回解説した情報の流出・漏洩が刑事事件となる2つのパターンの内の1つとなる顧客の情報管理としての問題について詳しく見ていきましょう。
前編をまだご覧になっていない方は、こちらから記事をチェックしてください。
【事例解説】個人情報をリスト化した行為、何が問題になった?(前編)
【顧客の情報管理としての問題】
それでは顧客視点から流用の問題を見てみましょう。
郵便局のゆうちょ銀行を利用したお客さんの通常の意思としては、「ゆうちょ銀行」ないしは「郵便局」に対して個人情報(氏名や住所、連絡先や資産の状況)を提供していたのであって、保険会社に対して情報を提供していたわけではありません。
このように顧客の個人情報を取り扱う事業主は、「個人情報の保護に関する法律」の「個人情報取扱事業主」に該当し、個人情報を取り扱う目的を定める必要がある(個人情報保護法17条)他、事前の同意なく目的外に利用することや(同法18条)、第三者に対して提供することを制限されます(個人情報保護法27条)。
個人情報保護法は、平成15年、個人情報の保護が社会的な課題となったことを受けて制定された法律であり、行政機関のみならず、民間企業に対しても個人情報の取り扱いについて規制を設けています。
生命保険会社における個人情報の取り扱いに関しては、法律上の制限に加えて、業界団体内における指針も策定されています(参考:『生命保険業における個人情報保護のための取扱指針』)
日本郵政に話を戻すと、銀行を利用していた顧客に対して、「収集した個人情報を同じグループの保険営業のためにも使います」と利用目的を明示していない限りは目的外の利用に該当しますし、事前の同意なく「ゆうちょ銀行」ないしは「郵便局」から「かんぽ生命」に対して情報を開示していたとすれば違法な情報提供に該当する可能性があります。
更に、これらの規定に反するのみならず、個人情報保護法には罰則規定もあります。
個人情報取扱事業主の役員やその従業員(元従業員も含む)が、職務上知り得た個人情報のデータベース(個人情報を一体のものとして取りまとめたもの)を不正な利益を得る目的で提供した場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます(同法179条)。これは個人に対する罰則に加えて、法人に対する両罰規定も定めており、法人に対しては1億円以下の罰金が科せられる可能性があります(同法184条1号)。
今回報道されている事案について、個別の情報流用について結局誰が敢行したのかという点については調べきることが難しいでしょうから、個人情報保護法違反の刑事事件として捜査がなされるという実際の見込みは低いようにも思われます。
日本郵政グループは調査の報告書を公表するようですから、今後の進展も待たれます。
【まとめ】
報道にあった事例をもとに、「情報の流出、漏洩、流用」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が、刑事事件の視点から検討を加えました。
このような問題については、
・情報管理者に対する責任(前記でいう、内部としての問題)
・顧客に対する責任
に二分して考えることができます。
特に、目に見えない“情報”という比較的新しい概念を法律で扱う以上、規定が一層複雑になっている部分もあります。
情報の流出、漏洩、流用の問題についてお困りのことがある方や不安なことがある方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
ご相談・ご予約に関するお問い合わせは、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にてお待ちしております。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、東京を中心とする関東一円の刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
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【事例解説】個人情報をリスト化した行為、何が問題になった?(前編)
【事例解説】個人情報をリスト化した行為、何が問題になった?(前編)

2024年10月10日、郵便局で顧客情報が流用されたという問題に関して、日本郵政グループが再発防止策を発表したという報道がありました。(参考:NHK『郵便局でゆうちょ銀顧客情報流用 システム改修など再発防止策』)
この問題は、ゆうちょ銀行の情報が、同じグループ内のかんぽ生命という生命保険会社の営業のために利用されたというものでした。
報道においては「法令の違反があった」とされていますが、具体的にはどのような問題があり得たのでしょうか。
今回は、個人情報をリスト化した行為の問題点について、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
本記事を前編、次回記事に後編として解説しますので、ぜひ参考にしてください。
【「情報の流出」は刑事事件となりうるのか】
個人、会社(企業)を問わず、情報の流出・漏洩について刑事事件となりうる場合があります。
情報の流出・漏洩が刑事事件となるパターンとしては大きく分けると2パターンです。
1つ目は会社の情報統制、内部規制としての問題、2つ目は顧客の情報管理としての問題です。
それぞれどういうことなのか、具体的に解説していきましょう。
【会社内部の問題としての「情報漏洩」に対する刑事罰等】
まずは、1つ目の会社の情報統制、内部規制としての問題について検討をしていきます。
これは平たく言うと、社外に情報を持ち出すことによって会社に損失を与えたかどうか、つまり、会社を被害者とした犯罪が成立するかどうか、という視点です。
この視点から見て、成立する可能性がある犯罪は2つあります。
会社法上の特別背任罪と、不正競争防止法における営業秘密の侵害です。
特別背任とは、以下の①だれが、②どんな目的で、③何をして、④どんな結果になった、という要件で構成されています。
①会社の取締役や監査役のような一定の立場にある人が
②自分や第三者の利益のために又は会社の利益を害する目的で
③会社から与えられた任務に背いて
④会社に損害を与えた
場合に、特別背任が成立します。
典型的な例が、会社の代表取締役等が自分の親族や知人に対して回収の見込みのない高額な貸し付けを行い、会社に不良債権を負わせたという場合です。
会社に損害を負わせるのが犯罪なのではなく、②どんな目的なのか、③任務に背いたと言えるかという点で判断が難しいケースがあります。
一方、不正競争防止法における営業秘密の侵害とは、簡単に要約すると、
①ある状況下で営業秘密を知っている人が
②自分や第三者の利益のために又は会社の利益を害する目的で
③勝手に営業秘密を利用したり、保有したり、第三者に開示したりすること
です。
企業が保有する情報の全部が営業秘密に該当するのではなく、法律上保護される情報には一定の条件があります。(参考:『不正競争防止法と「営業秘密」』)
事業において有用な情報を盗み出す、いわゆる産業スパイがイメージしやすいものになります。
その他、退職時に顧客情報を持ち出す場合等も、営業秘密の侵害として不正競争防止法違反に問われる場合があります。(参考:『【報道解説】営業秘密が不正取得されたため損害賠償請求』)
それではこれらの法令に照らして、刑事罰に該当し得るかどうかを考えてみます。
まず、特別背任罪の適用についてですが、いずれの要件についても該当しない可能性が高いでしょう。
特に、①顧客情報を流用していたのが一般の従業員であった場合、特別背任となる余地がなくなります。また、④顧客情報の流用自体によって会社に損害を与えたとは言い難いでしょう。
確かに、社会問題化したことによって会社の信用が揺らいだかもしれませんが、特別背任罪は「財産上の損害」を犯罪としていますから、損害の要件も満たさない可能性が高いです。
次に、不正競争防止法上の営業秘密の侵害についてですが、これも、成立しない可能性が高いでしょう。
というのも、不正競争防止法は「営業秘密を管理している人にとって、想定外の情報の流出、漏洩を防止する」という目的で作られている法律です。
本件のような情報の「流用」の場合、情報を持っている人(本件で言うと株式会社ゆうちょ銀行に相当)が、自らの意思で日本郵政株式会社ないしは日本郵便株式会社等のグループ企業に情報を開示していたということになります。
そのため正当な権限の下で営業秘密を受け継いだことになり、不正競争防止法違反とはなりません。
本件のような情報の流用については、「会社に対して財産上の損害を与えたのか」、「情報の流用がどのような経路でなされたのか/不正な方法ではないか」という点が、ポイントになります。
【まとめ】
今回は、個人情報をリスト化した行為の問題点に関する解説記事の前編として、「情報の流出」は刑事事件となるのか、情報の流出・漏洩が刑事事件となる2つのパターンの内の1つとなる会社の情報統制、内部規制としての問題について解説しました。
残りのパターンについては次回記事で後編として解説します。
気になる方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
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【事例解説】性的姿態等撮影罪とは?盗撮で逮捕される可能性が高くなった?
【事例解説】性的姿態等撮影罪とは?盗撮で逮捕される可能性が高くなった?

2023年7月13日から、性犯罪関連について改正された法律が施行されています。
法律案自体はもっと前に国会で可決されていましたが、施行されたことにより、2023年7月13日以降の実際の行為に対して法律が適用されることになるのです。
改正された性犯罪関連の法案については、大きく分けると2つあります。
1つは、不同意わいせつ、不同意性交等罪についての規定です。
これは刑法の改正によるもので、元々は「強制わいせつ、強姦、強制性交等」と呼ばれていたものが「不同意~」へと名称が変わり、その内容も大きく変わったのです。
「強制」の文言がなくなり、暴行・脅迫による明らかな「無理やり」の行為以外にも、相手が断りずらい状況での行為、虐待などの影響下での行為等も犯罪として処罰するようになったものです。
2つ目は、「性的姿態等撮影罪」です。
これまで、各都道府県の「迷惑行為防止条例」という、いわゆる痴漢・盗撮防止条例、メイボウ、と呼ばれていたものが、法律として全国一律に適用されるものになったのです。
条例だと各都道府県によって処罰されるのかどうか(極論、同じ行為に対しても有罪となったり無罪となったりする)、刑罰の重さに違いがある(懲役が1年の場合や2年の場合がある)など、種々の差異がありました。
今回は、性的姿態等撮影罪による逮捕事例から、新設された性的姿態等撮影罪の規定について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【目次】
【事例】
以下の事例はフィクションです。
Aさん(30代・男性)は東京都内のスタジアムで開催されたスポーツの観戦へ行った際、望遠レンズ付きのカメラを持参し、遠くの観客席に座っていた女性のスカートの中を盗撮してしまいました。
不審に思った周囲の人がAさんを取り押さえ、Aさんは警視庁原宿警察署に連行され、性的姿態等撮影罪によって逮捕されてしまいました。
【性的姿態等撮影罪の成立する場合】
性的姿態等撮影罪は、4つの類型があります。
| 処罰対象になる行為 | |
| 1号(ひそかにする盗撮) | 通常は服を着ている場所で、性的姿態等をひそかに撮影すること(被写体が周囲の人見られるのを許容した場合を除く) 例)電車内でスカートをスマホで撮影する |
| 2号(同意しないうちに盗撮) | 不同意わいせつの事案のように同意することが困難な状態で性的姿態等を撮影すること 例)寝ている人の裸を勝手に撮影する |
| 3号(勘違いさせてする盗撮) | 性的な行為ではないと勘違いさせたり、誰にも見られないと勘違いさせた状態で性的姿態等を撮影すること 例)医師が診察中に患者の裸を勝手に撮影する |
| 4号(16歳未満の者への盗撮) | 16歳未満の者の性的姿態等を撮影すること(これは、被写体が公衆の面前で見られると許容した場合も犯罪) 例)小学生の子供が道で着替えているところを撮影する |
性的姿態等とは、身体の部位のうち性的な部位や性的な部位を覆っている下着部分、また、わいせつ行為や性交をしている様子を指しています。
これまでの条例では、「どこで撮影したか」という点が犯罪成立の条件となっていることが多く、公共の場や電車での行為が条例違反の対象となり、個室や居室内での行為は処罰されないというケースがありました。
ですが、性的姿態等撮影罪では、場所の条件は付されておらず、不特定多数の人が行き来する公共の場所であっても、自宅であっても、例えばカラオケの個室の中であっても、ひそかに、性的姿態等を撮影していた場合には性的姿態等撮影罪が成立するということになります。
また、「誰にも見せない」という約束をしておきながら、それを反故にして性的姿態等を撮影する行為も性的姿態等撮影罪に該当します。
友達同士の裸や着替えの様子を、TiktokやX等のSNSに投稿されないと思わせておきながら撮影し、その後SNSに勝手にアップロードする行為は、性的姿態等撮影罪と別に性的姿態等影像送信罪も成立してしまいます。
性的姿態等撮影罪に対しては3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が、性的姿態等影像送信罪に対しては5年以下の懲役又は500万円以下の罰金が科せられる可能性があるのです。
これまで、盗撮画像をアップロードする行為自体は処罰の対象となりにくい(名誉毀損やリベンジポルノ、わいせつ物頒布等)ものとされていましたが、性的姿態等撮影罪が新設されたことにより、アップロード行為も独自の犯罪となり、しかも、盗撮行為それ自体よりもはるかに刑の重たい犯罪として規定されました。
「5年以下の懲役又は500万円以下の罰金」という定め方から、仮に初犯であっても正式裁判で起訴されたり、場合によっては一発で実刑判決を受けてしまう可能性もある犯罪になっています。
【条例から法律に変わったことで逮捕されやすくなった?】
条例から法律に変わったことで、処罰の範囲が広がり、処分の重さも格段に重くなりました。
これに伴って、逮捕や勾留のような身体拘束の可能性については影響があるのでしょうか。
この点について、まだ明確な統計がとられていないため、客観的な数字は明らかではないのですが、現場の実感としては逮捕される事例が増えているように感じられます。
性的姿態等撮影罪が制定される前、盗撮行為が各都道府県の条例違反に留まっていた場合には、早期に弁護士が介入して検察官や裁判官に対して適切な対応をすることができれば、逮捕から48時間、ないし72時間以内の釈放が認められる場合もありました。
また、事案によってはそもそも逮捕されないままで捜査が進むということもありました。
しかし、性的姿態等撮影罪が新設されて以降、逮捕事案が多く報道されています。
<性的姿態等撮影罪施行後の逮捕報道>
・『Yahoo!JAPANニュース』:「列車内で女子高校生のスカートの中を盗撮しようとした疑い 32歳の男を逮捕」
・『サンテレビNEWS』:「「きれいな女性だったので撮影したかった」CT検査中に女性を盗撮か 放射線技師の男を逮捕」
この傾向は、性的姿態等撮影罪が条例違反と比べて厳罰化されたことや、処罰の範囲が広がったこととも関連すると思われます。
【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が性的姿態等撮影罪の逮捕事例について解説致しました。
身体拘束のリスクが格段に上昇している事件類型ですから、もしも盗撮をしてしまったという方や、ご不安なこと、お心当たりがあるけれども会社や学校のことがあるので身体拘束を回避するために弁護士に依頼をしたいという方は、早急に弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
性的姿態等撮影罪でご家族が警察に逮捕されてしまった方や、過去の盗撮行為でご不安なことがある方やご心配なことがある方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。
逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に弁護士を警察署まで派遣する「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、東京を中心とする関東一円の刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
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【事例解説②】児童福祉法違反事件における示談の重要性は?
【事例解説②】児童福祉法違反事件における示談の重要性は?

前回に引き続き、示談福祉法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
今回は児童福祉法違反事件における示談の重要性について見ていきましょう。
【事例】
前回同様、児童相談所に勤務しているAさんが10代のVさんと性的な接触を持ってしまったという事例(参照記事)を基に、児童福祉法違反の事例での示談について解説します。
【児童福祉法違反事件における示談の必要性】
「児童に淫行をさせる行為」に対しては、児童福祉法違反のなかで最も重い10年以下の懲役又は300万円以下の罰金もしくはその両方という刑罰が定められています。
児童福祉法違反を犯してしまうと、仮に前科がないという方の場合であったとしても、正式裁判で起訴されてしまったり、場合によっては実刑判決を受けてしまうということがあります。
罪を認めて争わないという事件の場合、具体的な処分(起訴される/されない、の判断や実刑になる/執行猶予で出られる、の判断)がどのようになるかという点は大きな分かれ道です。
児童福祉法違反の事案でも、示談ができているかどうかという点は処分にある程度の影響を及ぼす要素であるといえます。
刑の重さが争点となって争われた事件として令和4年1月31日に福岡地方裁判所で判決が言い渡された事例があります。
この事例は、デイサービス事業を営んでいた被告人が、そこに通っていた当時18歳未満の児童と性交をしたとして児童福祉法違反として起訴された事案です。
この裁判では事実関係は争われず、専ら刑の重さが争点となりました。
検察官は裁判の中で、2年6か月の実刑判決を求めていましたが、裁判所は、「反省していること、私選で弁護士をつけて示談の申し出をしていること、一度断られていても示談の話し合いは継続するつもりであること」を考慮して、5年間の執行猶予付きの判決を言い渡しました。
示談としてまとまった、というところまでいかなくても、示談をしようとしたという態度が非常によく評価された判決であるといえます。
【示談を行う上での注意点】
既にここまでで、児童福祉法違反の事例においても示談交渉をしたり示談を締結すること自体が非常に重要であることは理解いただけたかと思います。
刑事事件の処分においては非常に大きな意味を持つ示談ですが、いくつか注意すべき点もあります。
①誰と示談するのか
示談も、私人同士が話し合いの結果、生じた事件や紛争を合意の下で解決するという契約行為です。そのため、事件の当事者が未成年の場合、その親権者法定代理人と示談しなければなりません。
当人同士で示談をしたとしても意味がない可能性があります。
②どのように示談金を定めるのか
児童福祉法違反は、法律の建前としては「児童の健全な育成が害された」という犯罪になります。
一方、示談とは、究極的に言うと、示談金を支払うことによって当事者で解決する、というものです。
ここで、児童福祉法違反の事例の場合、「示談金をどのように設定するのか」という点で大きな争いが生まれることがあります。
というのも、殴られた(=治療費)、物を盗まれた(=物の価格)といった事例のように、被害の結果を金銭で評価することが難しいのです。
また、児童福祉法違反の事例は、あくまで児童の同意に基づいた性交等を前提とします。
仮に同意がないとなれば、不同意わいせつ罪であるとか、不同意性交等罪という別の犯罪になります。
同意の下でした行為について「慰謝料」を考えることになるわけですから、明確な基準もなく、示談交渉では示談金の設定が非常に困難になります。
③どのような示談書の記載にするのか
示談金の問題をクリアしたとして、示談書にどのような記載をするかが次の問題となります。
ただお金を払ってごめんなさいをした、というだけでは、示談が刑事裁判に与える影響は限定的です。
示談ができた結果や被害者の処罰意思が和らいだことについて、的確に記載しなければいけません。
④公務員の方の場合
この点は、普段から児童に関わる方固有の問題になりますが、示談書において、事件のことをどの程度記載するのかという点も悩ましいポイントです。
教職の方や公務員の方の場合、刑事事件とは別で資格や公務員としての地位について懲戒等の処分が下される可能性もあり、示談書の記載もその資料となることがあるためです。
このあたりは事件の内容に応じた非常にセンシティブな問題でもあるため、弁護士とよくご相談いただくのが良いでしょう。
以上のような示談の注意点に気を配りつつ、「加害者ー被害者」という関係の中で、より有利に示談交渉を進めていく、というのは一般の方にとってはほぼ不可能であると思われます。
児童福祉法違反の示談交渉については、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
示談交渉のために必要となる、
- 被害者情報の取得
- 被害者との交渉
- 示談書の作成
- 捜査機関や裁判所への提出、処分軽減のための主張
は、一連の流れで行うのが最も効果的です。
示談交渉についてはなるべく早い段階から弁護士に相談、依頼して対応してもらうのが良いでしょう。
東京支部(新宿駅最寄り)でのご相談は弊所フリーダイヤル(0120−631−881)にて受け付けています。
【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が児童福祉法違反事件における示談の重要性について解説致しました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
児童福祉法違反事件でご家族が警察に逮捕されてしまった方や、児童福祉法違反事件で相手から慰謝料を請求されている等、ご不安なことがある方やご心配なことがある方は、まずは弊所までご連絡ください。
逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に弁護士を警察署まで派遣する「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。
新宿警察署までの初回接見は33、000円(令和6年1月1日時点、東京支部の場合)で行っています。
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刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
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【事例解説①】児童福祉法違反とはどのような犯罪?逮捕される可能性は?裁判になった場合はどうなる?
【事例解説①】児童福祉法違反とはどのような犯罪?逮捕される可能性は?裁判になった場合はどうなる?

今回は、児童福祉法違反について、事例をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【事例】
Aさんは東京都内の児童相談所で一時保護された児童の面接などを行う児童相談所の職員として働いていました。
ある時、Aさんは、受け持った10代の児童であるVさんから好意を持たれ、抱きつかれたり体を触られたりすることがありました。
Aさんも、やや不適切な行為であることを感じつつも、好意を持たれることに悪い気がしなかったこともあり、あまり注意せずにいました。
Vさんの行為を受けて、Aさんからも身体接触するようになり、ついには施設内の個室でキスをしたり、VさんにAさんの陰部を触らせ、口淫するということにまで至りました。
Vさんが施設を出所したあと、家族にAさんとのことを話した結果、Vさんの家族が児童相談所に対して「不適切な性的接触があった、児童福祉法違反として警視庁麻布警察署に被害届を出す」と言われてしまいました。
Aさんは自身の行為について不安に思い、弁護士に相談することにしました。
警視庁麻布警察署の児童福祉法違反事件については、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部の弁護士にご相談ください。
東京支部(新宿駅最寄り)でのご相談は、フリーダイヤル(0120−631−881)にて24時間365日受け付けています。
【児童福祉法違反とは】
Aさんのように、18歳未満の未成年の人に対して一定の影響力がある人が、その未成年と性交等の淫行をする行為は、児童福祉法に違反する可能性があります。
児童福祉法は次のような規定を定めています。
- 児童福祉法第34条
何人も次に掲げる行為をしてはならない。
六 児童に淫行をさせる行為
「させる」とあると、未成年に対して第三者と行為をさせる(強いる)というようにも見えますが、自分との行為をさせることも児童福祉法の違反になります。
上記の事例で言うと、AさんがVさんに対して「Aさんと淫行」させた、といえれば児童福祉法の違反になります。
児童福祉法の違反に対しては10年以下の懲役または300万円以下の罰金もしくはその両方が科せられる可能性があります。
児童福祉法の淫行をさせる行為については最高裁判所の裁判例も複数あり、「どのような場合に児童福祉法の違反になるのか」という点について論点も複雑になっています。
法律上は「させた」と言えるのかどうかが争われることが多くあり、後述のような無罪の判決が言い渡された事例もあります。
児童相談所の職員や学校の教員、保育施設の職員、警察官など、日常的に児童(18歳未満の未成年)と関わる職務にある人によるわいせつ行為に対して、適用されることが多い法律です。
近年、刑法の規定が大幅に改正され、不同意わいせつ罪、不同意性交等罪という規定もできました。
これまで、強制わいせつ罪や強制性交等罪(旧強姦罪)と言われていたものが、更に名称が変わり、処罰範囲も広がりました。
その中でも特に大きな改正が、性交同意年齢が引き上げられた、というものです。
これまで、「13歳」とされていた同意可能年齢が「16歳」にまで引き上げられたのです。
そのため、16歳未満との性交やわいせつ行為は、たとえ同意があったとしても犯罪になる可能性が広がったということです。
これを、青少年健全育成条例との兼ね合いも絡めてみると、同意があった場合の未成年との性交に対する処罰は、次のような図になります。
| 18歳未満との性交 | 13歳未満 | 13歳以上16歳未満 | 16歳以上18歳未満 |
| 改正前 | 強制性交等 | 児童福祉法違反or条例違反 | 児童福祉法違反or条例違反 |
| 改正後 | 不同意性交等 | 不同意性交等 | 不同意性交等or児童福祉法違反 or条例違反 |
| 改正後の変化 | 変わりなし | 実刑可能性↑ | 実刑可能性↑ |
上記の表の通り、16歳未満の未成年との性交に関しては初犯でも実刑の可能性が高い不同意性交等罪が成立することになるため、相当重くなったと言えます。
また、従来は児童福祉法か条例違反が成立するのみであった16歳から18歳の間の未成年との性交に対しても、不同意性交等が成立する可能性がある規定にもなっています。
児童福祉法違反というのは、暴行や窃盗などと違って、あまり耳馴染みのない犯罪かもしれません。
また、実際の事件の中でも、適用例は少ない法律です。
ただ、刑法が改正されたあとでも、児童相談所の職員や学校の教員、保育施設の職員、警察官など、日常的に児童(18歳未満の未成年)と関わる職務にある人に対しては、依然として適用されるケースが多くあるようです。
児童福祉法違反の事例では、職務上関わる未成年の人が被害者となる犯罪であるため、加害者が被害者に対して不当な働きかけをすることが疑われやすいといえます。
上記のAさんのような事例では、AさんがVさんに対して「あのときのことは秘密だよ/誰にも言ってはいけないよ」と言えば、Vさんは親や警察に対しても被害申告することをためらわれるとみなされるのです。
そのため、警察に被害申告があった場合には、逮捕されることが多い事案であると言えます。
【児童福祉法違反の成立が否定された事例】
前述の通り、児童福祉法は単純な文言ゆえに解釈が複雑であり、近年でも児童福祉法が成立しないという判断が出された事例があります。
ここでは福岡地方裁判所が令和2年6月22日に言い渡した判決の事例を紹介します。
この事案も、児童相談所の職員が施設で担当した18歳未満の児童と口淫をしたという事件で、「口淫をした」ということ自体は争われませんでしたが、「させた」と言えるか、児童福祉法の違反と言えるのかどうかが争われました。
裁判所は具体的な事実関係を認定して、「本件の場合には児童福祉法が成立すると言えるほどの影響力はなく、児童が真に自分の意思に基づいて行動した可能性もあるのだから、児童に口淫をさせた、とまで評価できない」として、児童福祉法が成立するという検察官の主張を退けました。
なお、口淫をしたこと自体は間違いがなかったため、青少年健全育成条例の限度では有罪の判決が言い渡されています。
【児童福祉法違反により有罪判決となった場合】
一方、児童福祉法違反の成立を争わず、有罪の判決を前提として刑の重さを争った場合にはどの程度になるのでしょうか。
いくつかの裁判例でも判断が分かれていて、初犯であっても1〜2年程度の実刑判決を言い渡しているもの、ギリギリの執行猶予を付しているものが見られます。
これは不同意性交等罪ができる前の裁判例ですから、今後の動向としてはより刑罰としては重くなる(同じような事案で執行猶予が付きにくくなる)とも考えられます。
刑罰を決める要素としては、どのような行為を、どれくらいの期間にわたって繰り返していたのか、児童との関係はどのようなものか、といった点をベースとして捉え、示談ができているかどうか、再犯の可能性はあるのか、家族が監督を引き受けているかといった点を考慮して最終的は刑の重さが決まります。
【児童福祉法違反事件を起こしたら弁護士へ】
児童福祉法は条文の解釈が複雑であるということもあり、適用される場面が流動的に変化している事件類型です。
しかし、適用される事件では逮捕されやすく、初犯であっても実刑になる可能性が高い類型であるとも言えます。
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が児童福祉法違反の裁判、量刑事例について解説致しました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
児童福祉法違反でご家族が警察に逮捕されてしまった方や、ご不安・ご心配なことがある方は、まずは弊所までご連絡ください。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、東京を中心とする関東一円の刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
当事務所では、土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスのお電話を受け付けております。お急ぎの方につきましては、お電話をいただいたその日中に相談・接見等の弁護サービスをご提供しております。ぜひご相談ください。
【事例解説】不正競争防止法とは?元勤務先のデータを保管しておくと営業秘密の侵害に該当して罪に問われる?
【事例解説】不正競争防止法とは?元勤務先のデータを保管しておくと営業秘密の侵害に該当する?

不正競争防止法という法律をしっかりと理解できているという方は少ないかもしれません。
ただ、この不正競争防止法は、多くの人にとって意図せずに違反して罪に問われてしまう可能性がある法律なんです。
そこで、今回は不正競争防止法について、事例をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【事例】
東京都中央区に住んでいるAさん(30代男性)は、とある製造業に勤めていましたが、キャリアアップのために同業他社へ転職することにしました。
その際、Aさんは勤めていた会社で調べた論文などのデータを一式、インターネット上のクラウドサーバーにアップロードして、何かあったときの参考にしようと思って保管していました。
転職後、Aさんが勤務を開始してしばらく経った頃、自宅に警視庁中央警察署の警察官が「不正競争防止法違反の疑いがある」と、捜索差し押さえ令状を持ってやってきました。
突然のことで動揺してしまったAさんですが、転職先で元勤務先のデータを勝手に使うなどの情報ろう行為をしていたわけではありませんでした。
不安に思ったAさんは、弁護士に相談することにしました。
(※この事例は全てフィクションです。)
【不正競争防止法違反とは】
不正競争防止法とは、企業間の公正な競争を確保し、産業の発展を目指すという目的のもとで作られた法律です。
難しく感じるかもしれませんが、ざっくりと言ってしまうと、他人の商品をパクったり、情報を漏洩したり、データを改ざんしたりするような不公正な競争行為はやめようね、正々堂々と企業間競争をしようねという法律です。
不正競争防止法では、「不正競争行為」として禁止されている行為の類型がいくつかあり、そのうちの一つに、営業秘密の侵害があります。
いわゆる、産業スパイ行為を禁止するものです。
元々、「情報」というものは目に見えず、法律上も保護が難しいものでした。
しかし、情報化社会が進み、目に見える財産と同じくらい「情報」が重要視されるようになり、その保護の必要性も高まっていったことから、営業秘密の侵害が法律でも規制されているのです。
営業秘密の侵害に対しては、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、もしくはその両方が課せられる可能性があります。
Aさんの行為が不正競争防止法の営業秘密の侵害に該当してしまうとなると、それだけの懲役刑や罰金刑に課せられるリスクが生じることになってしまうのです。
警察からの取り調べを受けるようになったということは、これらのリスクと隣り合わせの状態になったということです。
特に不正競争防止法の営業秘密の侵害が疑われる事案は単なる喧嘩や万引きの事案などとは異なり、特別刑法犯としてしっかりと専門知識のある弁護士の助言を受けながら対応すべき事件になります。
営業秘密の侵害の事案では、警察への取り調べももちろんですが、合わせて民事事件のことも考えた動きをしなければなりません。
営業秘密の侵害に関連した訴訟では、数百万円単位の損害賠償請求を受けるということも珍しくありません。
大企業感の営業秘密の侵害であれば、数億円以上の裁判になるのです。
ソフトバンク、楽天モバイル間では1000億円もの損害賠償を巡る裁判になっています。
(※参照記事:『楽天モバイルと楽天モバイル元社員に対する訴訟を提起 1,000億円規模の損害賠償請求権を主張』)
ここまで大きな裁判は稀ですが、いまや営業秘密はそれだけ大きな価値を有している会社の財産とも言えるのです。
【営業秘密の侵害とはなにか?】
ここで、「営業秘密ってどこまでの情報なんだ?」と思われる方もいるかもしれません。
不正競争防止法では、営業秘密について、次のように規定されています。
- 不正競争防止法第2条(定義)
(※第1~5項省略)
6 この法律において「営業秘密」とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。
(※第7~11項省略)
営業秘密に当たる情報かどうかは、①秘密管理性、②有用性、③非公然性という要素をすべて満たすものを指すとされています。
①秘密管理性
秘密管理性というのは、当該情報を事業主が「秘密にしたい」という意思を持って管理している状況であるかどうかという点で判断されます。
例えば、資料に「社外秘」と書かれていたり、会社内の金庫付きのロッカーに保管されていたり(鍵は管理職のみが保持ないし持ち出すときには決裁が必要になるなど)という状況であれば、「会社にとっての秘密なのだな」と誰からもわかる状態です。
このような状況であれば、秘密管理性があると言えます。
逆に、会社の受付に資料として掲示されているものや、社内で誰でも見られる棚に置かれているというのであれば、秘密管理性を満たさない場合があります。
②有用性
有用性というのは、その情報が事業にとって意味のあるかどうかという点です。
秘密に管理している情報なのであれば、おおよそ事業にとって意味のある情報ですから、有用性があると言えます。
有用性がない情報というのは、従業員の私生活上の情報であるとか、会社の不祥事などの情報(有害物質を工場で垂れ流しているという情報など)については、事業に関連しない、秘密として保護するに値しない情報であるため、有用性がない情報であると言えます。
③非公然性
非公然性とは、世の中で知られていないということです。
例えば、自然化学の世界における法則や、数学の計算公式など、学術的に広く知れ渡っている情報は公然の情報であると言えます。
また、ニュース、雑誌、インターネットなどの情報媒体に載っている場合にも、非公然性を満たさない情報であると言えます。
これらの要素(①~③)が全て満たされた情報が営業秘密に該当するものであり、営業秘密をコピーしたり、社外に持ち出したり、第三者に提供したり、売買したり、利用させたりした場合には、営業秘密の侵害が成立することになってしまうのです。
Aさんのケースで具体的に考えてみましょう。
Aさんは、論文などのデータをインターネットクラウド上にアップロードしたということでした。
これらを、例えば自宅のPCでダウンロードしていたとなれば、情報の複製があったとなります。
そこで、そのデータが営業秘密に該当するかどうかが問題になります。
メーカーにとっても化学や物理学の論文は、事業への応用可能なものもあるでしょうから、有用性がある情報でしょう。
この情報が、社内で秘密に管理されていたものなのか、会社が作成して未公表の論文なのか、学術誌などにも掲載されているような論文なのかに応じて、営業秘密に該当するかどうかの判断が別れてくるでしょう。
【元勤め先との示談は?】
営業秘密の侵害が高額な損害賠償訴訟にまで発展するおそれがあるとなると、示談交渉をどうしたら良いかわからないという方もいらっしゃるでしょう。
ですが、前述のように、「そもそも営業秘密の侵害が成立しているのかどうか」をよく検討しなければならない場合があります。
よく見られる対応として、「元勤務先からデータの持ち出しを指摘されたので、慌てて消してしまい、会社からの請求に全て応じた」というものがあります。
必ずしも間違いであるとは言い切れないのですが、持ち出したデータによっては「営業秘密の侵害」が成立しないという場合もあり得るのです。
不正競争防止法の違反だと言われたり、警察が自宅に捜索差し押さえ令状を持ってやってきた、ということから、安易に判断をして事態を悪化させてしまうという方も、中にはいらっしゃいます。
刑事事件において示談は非常に重要ですが、事件の内容を正確に吟味したうえで行わなければなりません。
相手の言うままに示談に応じようとしたところ、とんでもない金額の損害賠償請求を受けてしまうという事案もあります。
不正競争防止法違反の事件で相手方と対応をするときにも、早めに弁護士にご相談・ご依頼ください。
不正競争防止法違反によって取調べを受けている、元勤務先から営業秘密の侵害をしたと疑われているという方は、刑事事件に特化した専門の法律事務所である弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
警視庁中央警察署の不正競争防止法違反事件の事件については、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部の弁護士が対応いたします。
東京支部(新宿駅最寄り)でのご相談・ご依頼についてのお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120−631−881)にて24時間365日受付中です。
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【事例解説】交際相手とのトラブルが刑事事件に発展!?交際後は逮捕されやすくなるって本当?
【事例解説】交際相手とのトラブルが刑事事件に発展!?交際後は逮捕されやすくなるって本当?

交際中の相手と些細なことから喧嘩になってしまうことは少なくありません。
ですが、交際相手とのトラブルが思わぬ形で刑事事件に発展することもあります。
今回は、交際相手との間で起きやすいトラブルや弁護士を介入するメリット、逮捕される可能性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【事例】
東京都豊島区に住んでいるAさん(20代男性)は、交際していたBさん(10代女性)と同棲していました。
ある日、AさんはBさんが他の男性と二人きりで外出していたことを咎めて喧嘩になってしまい、掴み合いの喧嘩になってしまいました。
その時、AさんはBさんに怪我を負わせてしまいましたが、仲直りをして交際を続けました。
しかし、その後も喧嘩が絶えず、半年後、AさんとBさんは交際関係を解消し、同棲も解消することになりました。
別れて半年ほど経った頃、Bさんの友達を名乗る人物から、Aさんのインスタグラムに「BへのDVについて慰謝料100万円を払え、1週間以内に払わないと警察に被害届を出す」というDMが届きました。
Aさんはどうしたらよいかわからなくなり、弁護士に相談することにしました。
(※この事例は全てフィクションです。)
【交際期間中のトラブルについて】
交際期間中のトラブルは、好き同士で付き合っている間は問題になりにくいものの、別れたあとに再燃するというケースが時折見受けられます。
交際期間中のトラブルとして上記のケースのようなDV・喧嘩に限らず、金銭関係を巡ったトラブル、性暴力、別れたあとのストーカー事案など、枚挙に暇がありません。
そしてそのほとんどが、「その時は和解をした」という状況なのです。
しかし、破局後に相手の対応が180度変わってしまうということも珍しくありません。
たとえ交際期間中であったとしても、故意に相手に怪我をさせてしまった場合には傷害罪が成立します。
傷害罪に対しては、15年以下の懲役または50万円以下の罰金という刑罰が定められています。
交際期間中の喧嘩から派生した傷害事件で、罰金の前科が課されるというケースも珍しくはありません。
交際期間中の事件とはいえ、被害届が出されることを回避するために、早期の示談交渉が重要です。
顔見知り以上の間柄で、弁護士を介さないで示談交渉することは基本的におすすめできません。
何かしらの「加害者ー被害者」という関係性になってしまっている以上、たとえ知人であっても、むしろ、知人以上の関係性であるからこそ、感情的な対立が全面に出てしまい、示談に向けた建設的な話し合いができないという場合が多くあります。
感情的な対立が慰謝料の金額にも大きく影響するため、仮に軽微な事件であっても数十万円、100万円といった慰謝料の請求になってしまう場合があるのです。
円満な示談による解決を望むのであれば、間に弁護士を介した形で、かつ書面上も後腐れがないような形で示談をまとめあげなければなりません。
弊所では、刑事事件化する前の示談交渉も得意とする刑事事件を専門に扱う弁護士が対応します。
【交際後は逮捕される可能性が上がる!?】
また、元交際相手という事案では注意しなければならないポイントがあります。
それは、逮捕される可能性が他の事案よりも高いという点です。
傷害事件というと様々なものがあり、お酒に酔っ払って居酒屋で喧嘩したというものやタイマンを張って怪我をさせたというもの、路上で口論になって相手を殴ったというものなど、色々な場面があります。
その中でも、顔見知り同士、知り合い同士の事案というのは、逮捕される可能性が他の事案よりも高いのです。
その理由は、当人同士でトラブルの蒸し返しが起きやすいので、逮捕する必要が高い、と見られてしまうからです。
元交際相手、それも同棲していた間柄とまでなると、お互いの連絡先や現在の住所を知っているというケースもあるでしょう。
場合によっては、親同士も連絡先を交換している場合もあります。
これが警察署に事件として持っていかれてしまった場合、警察官としては「加害者が被害者に対して更に危害を加えるかもしれない、そうでなくとも不当な働きかけや脅しをするかもしれない」と見ることがあり、逮捕に踏み切られてしまうのです。
被害届が出されて逮捕されるという最悪の事態を避けるためにも、事件化する前の対応や事件化したときのことを踏まえた初期の対応が非常に重要です。
【元交際相手とのトラブルはどうしたらいい?】
交際期間中のこととはいえ、刑事事件に該当するような事件については警察に被害届を出される前の対応が重要です。
初期の対応を当人同士でやってしまい、より悪化しきった状態でやっと弁護士に相談するという方もいますが、最悪の事態を避けたいと思うのであれば、できる限り早く弁護士に相談することをおすすめします。
被害届の提出を避けるための早期の示談交渉を行いましょう。
また、刑事事件化してしまった場合には逮捕されるリスクがあるため、弁護士を介した交渉を進めておくことで逮捕リスクの低減を目指すことができます。
さらには弁護士が警察に直接働きかけることで逮捕を回避できるという場合もあります。
交際相手とトラブルになってしまった、傷害事件で相手に慰謝料を請求されているという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
東京23区内の事件については、あいち刑事事件総合法律事務所東京支部でご相談できます。
豊島区を管轄している池袋警察署や目白警察署管内の刑事事件について、東京支部(新宿駅最寄り)でのご相談はフリーダイヤル(0120−631−881)にて24時間365日受け付けています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、東京を中心とする関東一円の刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
当事務所では、土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスのお電話を受け付けております。お急ぎの方につきましては、お電話をいただいたその日中に相談・接見等の弁護サービスをご提供しております。ぜひご相談ください。
【事例解説】他人名義のクレジットカードを使うと詐欺罪に問われる?詐欺罪に該当する理由を徹底解説
【事例解説】他人名義のクレジットカードを使うと詐欺罪に問われる?詐欺罪に該当する理由を徹底解説

クレジットカードの規約には、多くの場合「名義人以外の者が使用してはならない」旨の記載があります。
名義人以外の者がクレジットカードを使用した場合、詐欺罪に問われる可能性があることをご存知でしょうか。
今回は、他人名義のクレジットカードを使用すると詐欺罪に該当する理由について、事例をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【事例解説】
大学生Aは、洋服会社Vのスーツを購入する際に、支払いをクレジットカードでする方が便利であると考えたが、自分はクレジットカードを持っていないことを理由に、友人Bに「クレジットカードを貸してくれないか。後で返すから」と頼みました。
Bは、Aならば必ずそのお金を返してくれるだろうと思い、これを承諾しました。
Aは、洋服会社Vの販売所を訪れ、スーツを購入し、Bのクレジットカードで支払いをしました。
後日、信販会社はVに立て替え払いをするとともに、Bの預金口座からその代金を取り立て、AはBに代金を支払いました。
Aは、後日詐欺罪で逮捕されました。
(※この事例は全てフィクションです。)
【詐欺罪とは?】
詐欺罪は、刑法第246条に規定されています。
- 刑法246条(詐欺)
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
詐欺罪が成立するには、①他人を欺く行為(欺罔行為)があり、②被行為者が錯誤に陥り、③錯誤に基づく財物又は財産上の利益の処分(交付)行為があり、④財物の移転が認められることが必要です。
【他人名義のクレジットカードを使用すると詐欺罪に該当する?】
本件においては、Bが信販会社にお金をきちんと払っているし、その後、AはBに対してその分のお金を払っています。
ですから、この記事を読んでいる人の中には、「なんでAが詐欺罪になるの?」という風に思った方もいるのではないでしょうか。
ここで、前述した4つの詐欺罪の成立要件を本件にあてはめます。
①についてですが、欺く行為とは、「交付の判断の基礎となる重要な事項を偽る行為」であると判示されています。
つまり、欺く行為がなければ被行為者がその交付行為を行わなかったであろうと認められる事実を偽ること、です。
本件では、どうでしょうか。
Aが本件で偽っている事実とは、カード利用者と名義人が同一人物であるということです。
この事実は、洋服会社にとって「交付の判断の基礎となる重要な事項」と言えるのでしょうか。
つまり、「欺く行為がなければ、被行為者がその交付行為を行わなかったであろうと認められる事実」と言えるのでしょうか。
信販会社は「名義人以外の者が使用してはならない」旨の規約を置いている場合がほとんどです。
ですので、建前上、洋服会社は「利用者が名義人でない」と知ればスーツの購入を断っていた(交付行為をしなかった)と考えられます。
そうすると、カード利用者と名義人が同一人物であるということは、「交付の判断の基礎となる重要な事項」であると考えられます。
よって、そのような事実を偽るAの行為は①の欺罔行為に該当すると考えられます。
また、Aの欺罔行為によって、Vはカード利用者と名義人が同一人物であると考えているので、錯誤に陥っているといえ(②)、その錯誤に基づいて、Aにスーツを交付しているから錯誤に基づく財物の交付行為があった(③)ということになります。
結果、スーツがAにわたっているから財物の移転があった(④)と認められるため、今回のAの行為は詐欺罪に問われる可能性が高いということです。
【詐欺罪で逮捕されたら弁護士へ】
今回のAのように、詐欺事件を起こすと逮捕される可能性が非常に高いです。
逮捕後、警察から検察に身柄が送致された後に検察官から勾留請求が裁判所にされ、裁判所が勾留請求を認めれば、勾留が決定し最大20日間身柄が引き続き拘束されることになります。
長期の身柄拘束は身体的・精神的負担が大きく、会社や学校に事件のことが発覚して解雇されたり退学処分を受けたりする可能性も十分にあります。
詐欺事件を起こして逮捕され、早期釈放を実現するためには弁護士に刑事弁護活動を依頼することが重要です。
特に、事件が起きてから72時間以内に弁護士に依頼することが非常に重要なポイントになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺罪はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご家族がすでに逮捕されてしまっている場合は、ご依頼から最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)をご案内いたします。
弁護士が直接本人から事実関係などを聞き、それらを踏まえた上での今後の見通しや流れについて、丁寧に説明してくれます。
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【事例解説】試乗車を長時間乗り回すと詐欺罪が成立する?単独試乗は占有の移転が認められる?
【事例解説】試乗車を長時間乗り回すと詐欺罪が成立する?単独試乗は占有の移転が認められる?

男性が試乗車を10時間ほど乗り回した後、自宅の近くに乗り捨てたとして、後日詐欺罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【参考事件】
会社員であるAさんは、ある有名海外メーカーの新車に乗ってみたいと思いましたが、あいにくそれを購入するほどのお金はなく、「試乗するふりをしてそのまま長時間乗ってしまおう」と考え、その海外メーカーを取り扱うお店に赴きました。
そして、「試乗をする」と店員にうそをいって、新車をディーラーから借りた男性は、途中自分でガソリンを入れながら、約10時間その新車で様々な場所を走り、自宅近くにその車を乗り捨てました。
後日、Aさんは詐欺罪の疑いで逮捕されました。
(※この事例は全てフィクションです。)
【詐欺罪とは】
今回、Aさんは詐欺罪の疑いで逮捕されています。
詐欺罪については、刑法246条にその規定があります。
- 刑法第246条(詐欺)
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
詐欺罪が成立するための要件(満たさなくてはならない事項)は、①「欺罔行為があること」②「相手が錯誤に陥ったこと」③「錯誤にもとづいて相手が交付行為をしたこと」④「財物の占有が移転したこと」である、と解されています。
①の「欺罔行為」とは取引に関する重要な事実について嘘をつくなどして相手を騙すこと、②の「錯誤」とは思い違いのことです。
【試乗しただけで詐欺罪が成立する?】
それでは、本件で上記の要件があてはまるか、見てみましょう。
まず、Aさんは車を返還するつもりもないのに、「試乗をする」と店員に言って車を返還する意思があるように装っているから、「欺罔行為」にあたります(①)。
そして、店員は「Aさんが試乗をする(車を返還する)」と思っているので、錯誤に陥っているといえます(②)。
ここで、③の要件について、本件では店員はうそを信じてAさんに車を貸していますから、「錯誤にもとづいた交付行為」があったと考えられます。
そして、④の要件に関して、本件では車は店員からAさんに「移転した」と言えるのでしょうか。
あくまで試乗という形式で店員は車を貸し出していますから、一見、まだ店員に占有(物に対する事実上の支配)があるようにも見えます。
しかし、試乗車を乗り逃げした事案で裁判例は、添乗員がいない単独試乗の場合は、ガソリンを補充でき長距離移動が可能になること、また他の車両に紛れて発見が困難になることなどから、「単独試乗をさせた時点で、意思に基づく占有移転が肯定される」としており(東京地八王子判平成3年8月28日)、財物の移転の要件を肯定し詐欺罪の成立を認めています。
よって、本件でも④の要件を充足し、詐欺罪が成立すると考えられます。
【この行為は詐欺罪?そんな時は弁護士へ】
今回のように、詐欺罪が成立するかどうか、判断をするのが難しい事件を起こしてしまったという場合は、早期に法律事務所へ相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を行っている刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
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【事例解説】「金が払えないなら暴力団に話す」と言って現金20万円を脅し取った男性を恐喝罪の疑いで逮捕
【事例解説】「金が払えないなら暴力団に話す」と言って現金20万円を脅し取った男性を恐喝罪の疑いで逮捕

今回は、路上でトラブルになった男性に「金が払えないなら暴力団に話す」と言って現金20万円を脅し取った恐喝事件の事例をもとに、恐喝罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【事例】
東京都渋谷区内の路上を歩いていた男性V(34)は、すれ違いざまに男性A(42)の肩にぶつかってしまいました。
ぶつかった拍子にAは持っていたスマートフォンを落とし、Vが謝罪しようとしたところ、AはVに対し「スマートフォンが壊れたから20万円弁償しろ」と要求しました。
Vは20万円も持っていなかったところ、Aから「俺は暴力団に顔が利く、金が払えないなら暴力団に話すぞ」と言われ、怖くなったVは口座から現金20万を引き出し、Aに渡しました。
その後、Vが渋谷警察署に相談し、Aは恐喝罪の疑いで逮捕されました。
(※この事例は全てフィクションです。)
【恐喝罪とは?】
今回の事例で、Aは恐喝罪の疑いで逮捕されています。
恐喝罪については、刑法第249条で以下のように規定されています。
- 刑法第249条(恐喝)
人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させたものも、同項と同様とする。
恐喝罪は、人を「恐喝」して「財物を交付」させることで成立します。
より具体的に説明すると、恐喝罪が成立する流れは、①恐喝行為→②相手(被害者)の畏怖→③畏怖に基づく財物の交付→④財物・財産上の利益の移転となります。
恐喝罪における「恐喝」とは、相手の反抗を抑圧するに至らない程度の暴行や脅迫を用いて財物を脅し取ろうとする行為を指します。
暴行や脅迫が相手の反抗を抑圧するに足りる程度で会った場合は、恐喝罪ではなく強盗罪が成立します。
恐喝罪における脅迫とは人を畏怖させるに足りる害悪の告知を指し、暴行とは相手を畏怖させる程度で犯行を抑圧するに足りない程度のものを指します。
今回の事例で考えると、AはVに対して「金が払えないなら暴力団に話す」と言っています。
具体的にVに危害を加える旨を告知しているわけではありませんが、暴力団に話すと言われれば、暴力団から危害を加えられると考えてもおかしくありません。
間接的な内容でも、危害が加えられるような内容が相手に伝われば脅迫に該当します。
つまり、AがVに言った内容は脅迫に該当し、この脅迫に畏怖したVは現金20万円をAに交付しています。
恐喝罪が成立する要件の流れを満たしているので、Aに恐喝罪が成立する可能性が高いということになります。
【恐喝罪で逮捕されてしまったら弁護士へ】
恐喝罪による刑事事件を起こしてしまうと、逮捕される可能性は十分にあります。
逮捕後も勾留が決定されて最大20日間身柄が拘束されるかもしれません。
また、恐喝罪の処罰規定に罰金刑はないため、起訴されると公判請求となり刑事裁判が開かれることになります。
ご家族が恐喝事件を起こして逮捕されているけど早期釈放してほしい、不起訴処分を獲得して前科を避けたい、起訴されても量刑を少しでも軽くしてほしい、といった場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、恐喝事件はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご家族が逮捕されている場合は、最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)を提供しています。
弁護士がご本人から直接事実関係などを確認した上で、現在の状況や今後の見通しについて詳しい説明を受けることができます。
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刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
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