特殊詐欺グループのアジトを賃貸借契約

2019-01-05

~事件~

無職のAさんは、半年ほど前に、パチンコ店で知り合った知人に頼まれて、東京都練馬区内のワンルームマンションを賃貸借契約しました。
知人から「来月、刑務所から出所してくる友達が住む家を契約して欲しい。必要な書類は用意するので3万円でやってくれないか。家賃はきちんと支払うので君には迷惑はかけない。」と頼まれたAさんは、報酬目当てで賃貸借契約をすることにしたのです。
Aさんは、不動産会社に出向いて、自分が住居として使用する虚偽の申告をし、知人が用意した給料明細(実在する会社の給料明細)を不動産会社に提出して賃貸借契約を締結しました。
しかし先日、テレビのニュースで、この部屋が特殊詐欺グループのアジトとして使用されていて、警察の摘発を受けたことを知りました。
この部屋は、特殊詐欺グループのメンバーが被害者に電話するのに使用されていたようです。
Aさんは、自分も特殊詐欺事件共犯として逮捕されるのではないかと不安で、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

◇特殊詐欺事件の共犯◇

まずAさんが心配しているように、Aさんが特殊詐欺事件の共犯としての刑責を負うのかについて検討します。
一見すれば、Aさんは、特殊詐欺グループにアジトを提供しているので、特殊詐欺グループの犯行に加担したり、手助けしたりしているように思われます。
しかし上記の内容からすれば、Aさんは、自身が賃貸借契約をして借りた部屋が特殊詐欺グループのアジトとして使用されることを知らなかったようです。
少なくとも特殊詐欺グループの共犯は、Aさんが借りた部屋で特殊詐欺の犯行が行われていることを知った上で賃貸借契約をしていなければ、共謀が存在しないので成立しないでしょうが、知人から報酬を受けているので、警察等の捜査当局は「何らかの事情を知っていたのではないか」と疑いをもって捜査、取調べを行います。
Aさんに依頼を持ちかけた知人が特殊詐欺グループのメンバーであったり、不動産会社に提出した給料明細を発行した会社が特殊詐欺グループのメンバーに関係する会社であった場合など、Aさんと特殊詐欺グループのメンバーに接点がある場合は、Aさんが特殊詐欺事件共犯として逮捕される可能性は十分に考えられます。
このように、特殊詐欺事件の共犯として警察に逮捕された場合は、逮捕当初から、特殊詐欺グループとの関りを否認しなければなりません。
特に最近の裁判所は、特殊詐欺事件に対して非常に厳しい刑事罰を決定しているので、警察等の捜査当局による厳しい取調べに屈してしまうと、不利な内容の書類が、後の裁判で証拠となってしまい、必要以上に厳しい刑事罰が科せられるおそれがるのです。
警察等の捜査当局の取調べ対応に不安のある方は、事前に、刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

◇詐欺罪~刑法第246条第2項~◇

特殊詐欺事件の共犯が成立しない場合でも、Aさんの行為は詐欺罪(2項)が成立します。
一般的に詐欺罪とは、人から財物を騙し取ることですが、2項詐欺罪は、人を騙して財産上不法の利益を得たり、他人に得させたりすることによって成立します。
賃貸借契約を締結する際に、Aさんが、自分が住居として使用する虚偽の申告をしたり、知人が用意した虚偽の給料明細を不動産会社に提出した行為は、詐欺罪でいう欺き行為にあたります。
そして今回の事件では、この欺き行為によって賃貸借契約が締結されています。
賃貸借契約を締結させることは、賃借権という財産上の利益、及び現実に不動産を利用するという財産上の利益の2個の利益を得ることになるので、これらを欺き行為によって得れば2項詐欺罪が成立するのは当然でしょう。
2項詐欺罪の場合、その法定刑は一般的な詐欺罪(1項詐欺)と同様「10年以下の懲役」です。

法定刑の同じ詐欺事件でも、その内容によって起訴される可能性や、刑事裁判で言い渡される刑事罰は全く異なります。
特に組織犯罪化している特殊詐欺事件の場合、被害者が多数存在する場合があり、その被害額も高額に及ぶために、示談の締結が非常に困難となります。
無関係の特殊詐欺事件に巻き込まれそうな方や、東京都練馬区の刑事事件でお困りの方、賃貸借契約の詐欺事件で警察の取調べを受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所無料法律相談をご利用ください。
初回法律相談:無料
警視庁練馬警察署までの初回接見費用:35,900円

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