アイドルグループの元メンバーが出勤途中に、飲酒運転によるひき逃げ事件を起こしたことは皆様の記憶に新しいと思いますが、最近、二日酔いによる交通事故が相次いでいます。
平成30年10月12日に配信された讀賣新聞の記事によりますと、昨年、全国で朝の時間帯(午前5時~10時)に摘発された飲酒運転の件数は4157件に及び、このうちの多くが二日酔いとみられています。
警視庁では、このような二日酔いによる交通事故が相次いでいるため、毎月5回~6回、朝の飲酒検問を実施して、飲酒運転の摘発を強化しているようです。
さて、朝の検問で飲酒運転が発覚した場合、どのような刑事罰が科せられるのでしょうか。
刑事事件に強い弁護士が解説します。
(平成30年10月12日に配信された讀賣新聞の記事を参考にしています。)
これまでこのコラムで何度か紹介してきましたが、飲酒運転には「道路交通法」が適用され、刑事罰が科せられるのは
①酒気帯び運転
②酒酔い運転
の2種類です。
飲酒運転とは、体内にアルコールが存在している状態で車等の乗物を運転することですので、お酒を飲んですぐに運転した場合でも、深酒した翌朝に、二日酔いの状態で運転した場合でも、適用される法律に違いはなく、その法定刑は
①酒酔い運転・・・3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
②酒気帯び運転・・・2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
です。
酒気帯び運転は、呼気1リットル中のアルコール濃度0.15ミリグラムといった基準値が設けられており、これを超えたら取締りの対象となりますが、酒酔い運転には基準が設けられておらず、酒に酔った状態で運転すれば適用される可能性があります。
ちなみに、酒に酔っているかどうかは、飲んだ酒の量だけではなく、運転手の酩酊の程度によって判断されるので、取締りの現場では、警察官によって様々な検査が行われます。