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【解決事例】盗撮後に逃走し逮捕された事件で謝罪同席

2023-04-21

【解決事例】盗撮後に逃走し逮捕された事件で謝罪同席

盗撮事件を起こしてしまい、それを見咎めた被害者の友人から追いかけられ逃走した際に揉み合って怪我をさせた嫌疑で逮捕されたという事例で、謝罪に同席するなどの弁護活動について解説致します。

【事例】

東京都八王子市在住のAさんは、八王子市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、友人との待ち合わせのため八王子市内の路上に車を止めていたところ、短いスカートを履いた女性Vさんが歩いてくることに気付きました。
そこでAさんは車から降りて、Vさんの後ろを歩いてスマートフォンのカメラでスカート内を盗撮していたところ、Vさんの友人XさんがAさんの盗撮に気付き、Aさんの腕を掴みました。
Xさんから逃れようと手を振りほどいたAさんですが、車に乗り込んだ際に再びXさんから腕を掴まれ、Aさんは動揺してXさんの腕を挟む形で勢いよく車のドアを閉め、Xさんに怪我を負わせました。
後日、Aさんは八王子市内を管轄する高尾警察署の警察官によって、傷害の嫌疑で通常逮捕されました。

逮捕されたAさんの家族から初回接見の依頼を受けた弁護士は、Aさんから事件の詳細を聞き、その後弁護を依頼されました。
弁護士はすぐに勾留の判断を担当する裁判官に対して勾留が不要である旨をまとめた意見書を作成して提出した結果、Aさんは勾留されることなく逮捕から3日で釈放されました。
その後の弁護活動の中心となったのは、示談交渉でした。
VさんもXさんも被害感情が強く、示談交渉は難航しました。
その際、XさんはAさんからの対面での直接の謝罪を求めました。
そのためAさんは弁護士とともにXさんの勤務先を訪れ、対面での謝罪を行いました。
結果的に、VさんもXさんも示談に応じてくださいました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【盗撮の問題】

まず、今回Aさんがトラブルを起こしたきっかけとして、公道でVさんのスカート内を無断で撮影するいわゆる盗撮の問題があります。
盗撮は、各都道府県の定める迷惑防止条例に違反します。
今回Aさんは東京都八王子市で盗撮をしていますので、東京都の定める迷惑防止条例(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)に違反します。
条文は以下のとおりです。

条例5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
 1号 略
 2号 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ (略)
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

罰条:1年以下の懲役又は100万円の罰金(同8条2項1号)
(常習の場合は2年以下の懲役又は100万円以下の罰金(同8条7項))

【傷害罪の問題】

次に、AさんがXさんのから逃れようとして、Xさんが車のドアに手を入れたところで勢いよくドアを閉めたことが問題となります。
これは暴行に当たり、更にXさんは怪我をしてしまいましたので傷害罪が適用されます。
条文は以下のとおりです。

刑法208条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

【示談交渉について】

刑事事件における示談交渉は、被害者がいる事件で、被害者に対して謝罪と賠償の意を示して被害届の取下げや刑事告訴の取消を求める活動です。
決まったフォーマットがあるわけではありませんが示談書や合意書といった書類に署名捺印することで示談を証する場合が一般的です。

この示談交渉は、当然のこと乍ら被害者の意向を最優先に考える必要があります。
被害者の中には、
・そもそも示談交渉に応じたくない
・示談交渉は弁護人限りで行いたい
という方が多い印象ですが、中には
・まずは加害者からの謝罪文を受け取りたい
・対面での謝罪を希望する
というケースもあります。

謝罪の気持ちがあっても謝罪文にするのが苦手という方もおられるでしょうし、自分では一生懸命に作成した文章でも相手方(あるいは第三者)が見ると怒りを覚えるような内容を書いてしまう場合もあるでしょう。
謝罪文を作成する場合、被害者にお渡しする前に、適切な内容であるか弁護士に確認してもらうことが望ましいでしょう。

また、対面での謝罪については、被害者から一方的に責められたり、感情的になり新たなトラブルを引き起こす懸念があります。
この場合にも弁護士が同行し、調整したり宥めたりといった対応が有効になるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで盗撮傷害罪など数多くの弁護活動を経験しており、示談交渉も数多く担当してきました。
東京都八王子市で、盗撮や逃走のための暴力行為で暴行罪・傷害罪に問われている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合は初回接見サービス(有料)をご案内致します。

【解決事例】泥酔してナンパで強制わいせつ罪―勾留を回避し釈放

2023-04-18

【解決事例】泥酔してナンパで強制わいせつ罪―勾留を回避し釈放

泥酔していわゆるナンパ行為をした際にわいせつな行為をしたとして強制わいせつ罪で逮捕されたものの、早期の弁護依頼・弁護活動により勾留を回避し釈放され、その後不起訴になったという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都杉並区在住のAさんは、杉並区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、杉並区の飲食店ではしご酒をして泥酔し、杉並区内で帰宅途中の女性Vさんに声掛けし「ホテルに行こう」「お金はあげるから」と言い、拒否したVさんに対し無理やり手を掴んで接吻するというわいせつ行為をしました。
Vさんの通報を受けて臨場した杉並区内を管轄する高井戸警察署の警察官は、Aさんを強制わいせつ罪で逮捕しました。

逮捕の知らせを受けたAさんの家族は、逮捕後すぐに当事務所の初回接見サービスを利用されました。
弁護士が初回接見を行ったところ、Aさんは泥酔して覚えていなかったが警察官からは○○と説明された、旨を聞きました。
そこで、取調べでのアドバイスをしたうえで、事務所に戻り家族に報告して、その後弁護の依頼を受けました。
弁護士は依頼を受けた当日中に意見書を作成し、Aさんの事件では勾留が不要である旨主張しました。
結果として、検察官は勾留が必要であるとして勾留請求しましたが、裁判官は勾留が不要であると判断して勾留請求を却下しました。
また、検察官からの準抗告(不服申し立て)はありませんでした。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【強制わいせつ罪について】

今回のAさんの事件では、無理やり手を掴んで接吻するという行為について、強制わいせつ罪での捜査を受けることになりました。
強制わいせつ罪の条文は以下のとおりです。

刑法176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。(略)

事例で、⑴暴行又は脅迫が行われたか、また⑵わいせつな行為をしたと言えるのか、が検討されます。
⑴について、強制わいせつ罪のいう暴行は「正当な理由なしに、他人の意に反して、その身体髪膚に力を加えることをいい、その大小強弱を問わない」とされているため(大判大13・10・22)暴行に当たると考えられます。
また、⑵について、わいせつは「相手方の女性が接吻を承諾することを予期し得る事情がないのに、相手方の感情を無視し、暴行を以て敷いて接吻を求めることは、強制わいせつ行為に当たる」とされているため(東京高判昭32・1・22)、今回のAさんの事例は強制わいせつ罪に当たると言えるでしょう。

【早期の釈放を求める弁護活動】

刑事事件では、手続きに要する時間の制限を厳格に設けていることから、逮捕から勾留までの手続きは2~3日以内に行われます。
一度勾留が付いた場合、延長の期間を含め捜査段階で20日間とされ、更に勾留中に起訴された場合は裁判が行われ判決が言い渡されるまでは拘束が続くことが考えられます。
起訴されてから一回目の裁判が行われるまでの期間は早くても2ヶ月ほどで、余罪がある場合などは証拠開示が遅れます。
また、裁判は通常一回では終わらず、事件によっては起訴から判決までに数年を要する場合もあります。

よって、身柄拘束を回避する、あるいは一度身柄拘束された場合の早期釈放を求める、という弁護活動は極めて重要です。
早期の釈放を求める場合、起訴される前(被疑者段階)であれば
①そもそも勾留請求をしないよう、検察官に求める
②勾留請求された場合に裁判官に対し勾留しないよう求める
③勾留決定した場合に、不服申し立て手続きである準抗告を求める
④勾留決定した場合に、勾留決定後に生じた事情により勾留が不要になったとして勾留取消を求める
という手続きが考えられます。

この4つの手続きのうち①②については、勾留決定される前でなければできませんが、先述のとおり、勾留の手続きは逮捕から2~3日で行われるため、逮捕後すぐに弁護士に依頼をして書類を作成したり検察官・裁判官と面談したりして勾留を回避する必要があります。
なお、③④の手続きもありますが、③については一度裁判官が決めた決定を(別の裁判官3人が判断するとはいえ)覆すことは容易ではありません。
④については、別の犯人が見つかった、示談交渉により被害者が刑事告訴を取り消した等の理由が必要です。
よって、現実的に勾留の回避を目指すためには、①②を目指す必要があると言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の弁護士は、これまで数多くの弁護活動を経験していて、勾留の回避に成功した事例も多々ございます。
東京都杉並区にて、家族が強制わいせつ事件で逮捕されてしまい、勾留の回避を求める場合、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の弁護士による初回接見サービス(有料)をご利用ください。

【解決事例】飲酒運転で人身事故

2023-04-15

【解決事例】飲酒運転で人身事故

酒を飲んだ状態で運転したいわゆる飲酒運転をしてしまい人身事故を起こしたという事件での弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都足立区在住のAさんは、足立区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事故の前日に飲酒した後、当日も運転の3時間前に飲酒をし、その後自動車を運転したところ、追突事故を起こしてしまいました。
目撃者がすぐに通報し、臨場した足立区内を管轄する千住警察署の警察官によってAさんの呼気検査が行われたところ、Aさんの呼気からは0.8mg/Lのアルコールが検知されました。
その後警察官はAさんの受け答えや歩行検査などを総合考慮し、Aさんを酒気帯び運転と人身事故(過失運転致傷)の罪で取調べ等をし、その後検察官送致しました。

Aさんは検察官からの取調べを受けた際、「この事件は酒気帯び運転ではなく酒酔い運転又は危険運転致傷罪の可能性も視野に捜査する」旨の説明と、厳しい口調での取調べを受けたことで、当事務所の弁護士による無料相談をお受けになりました。

なお、追突された乗用車を運転していたVさんは、むち打ち症状が見受けられましたが命に別状はありませんでした。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【飲酒運転での問題】

まず、お酒を飲んだあとに運転をしたいわゆる飲酒運転での問題について検討します。
飲酒運転の禁止については、以下のとおり規定されています。

道路交通法65条1項 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

よって、例えば呼気検査で0.01mg/Lのアルコールが検知されたとしても、運転することはできないことになります。
他方で、刑事事件にとしては、以下の「酒気帯び運転」「酒酔い運転」のいずれかに該当する場合となっています。

・酒気帯び運転(呼気中のアルコール濃度が0.15mg/L以上の場合)

道路交通法117条の2の2 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
 3号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等…を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの

・酒酔い運転(酩酊状態で、直進歩行ができない、受け答えができない、呼気中のアルコール濃度が極めて高い場合など)

同117条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
1号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの

今回のAさんの事件では、警察官は「呼気検査は基準値の約5倍の数値が出たが、受け答えや歩行検査に問題がなかったため、酒酔い運転には問えず酒気帯び運転になるだろう」と判断した一方、送致を受けた検察官は「この数値で歩行検査や受け答えに問題がなかったというのは不自然であり酒酔い運転の可能性がある」と判断したと考えられます。

【飲酒運転と人身事故】

更にAさんは、運転している乗用車を別の乗用車に接触させてしまう事故を起こしてしまい、それによりVさんに怪我を負わせています。
人身事故により被害者に怪我を負わせた場合、まずは過失運転致傷罪の成立が検討されます。
条文は以下のとおりです。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

一般的な人身事故については、この過失運転致傷罪が成立します。
但し、

今回の事件は飲酒運転での人身事故でした。
アルコールの影響下で運転して事故を起こした場合、より重い危険運転致死傷罪が成立します。
関連条文は以下の2条です。

同法2条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
1号 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

同法3条1項 アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は12年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は15年以下の懲役に処する。

両者は違いが分かりにくいですが、人身事故を起こした際の状態が
正常な運転が困難な状態        :15年以下の懲役(同法2条1号)
正常な運転に支障が生じる恐れがある状態:12年以下の懲役(同法3条1項)
となっています。

とりわけ酒酔い運転と判断されるような状態で運転をして被害者を死傷させるような事故を起こした場合には、過失運転致傷罪ではなく、危険運転致傷罪の成立が検討されます。

今回のAさんについては、いわゆる酒に強い方で、呼気検査の数値は高いものでしたがそこまでの酩酊状態ではありませんでした。
結果的に、Aさんは過失運転致傷罪と酒気帯び運転の両罪で処分されました。
このうち過失運転致傷罪については、被害者がいる事件ですので、示談交渉を行いました。
Aさんは任意保険に加入していて、今回の事件でもVさんに対し補償がなされましたが、それとは別途謝罪と賠償を行い、刑事事件化を望まない旨の条項(宥恕条項)を設けた示談書を締結して頂きました。
最終的にAさんは、過失運転致傷罪については不起訴となり、酒気帯び運転については略式手続による罰金刑となりました。

東京都足立区にて、飲酒運転の状態で人身事故を起こしてしまい、酒気帯び運転・酒酔い運転・過失運転致傷罪・危険運転致死傷罪などで捜査を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合はこちら。

【解決事例】強制性交等事件で示談交渉

2023-04-12

【解決事例】強制性交等事件で示談交渉

暴行を用いて無理やり性行為をしたという強制性交等事件で逮捕された事件での示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都世田谷区在住のAさんは、世田谷区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、SNSで知り合ったVさんと会い、食事をしました。
その後、Vさんは忘れ物をしたため一度世田谷区内のVさんのアパートに立ち寄るということになり、Vさんのアパートに着いたところいきなりAさんがVさんの腕を掴んで下着を脱がし、性行為をしたという事件でした。
翌日、Vさんは世田谷区内を管轄する世田谷警察署の警察官に相談をして被害届を提出し、後日Aさんは世田谷警察署の警察官によって通常逮捕されました。

Aさんの家族からの依頼を受けて弁護士が初回接見サービスを行った際、最初Aさんから「性行為はしたが同意があり、Vさんも抵抗していなかった」とお話ししていました。
しかし、口頭での合意がないことは勿論、法律家の立場でお話を聞いたところVさんが不安を感じる言動・行動が見られ、「Vさんが抵抗できない状態であった」と評価される可能性が極めて高いことが分かりました。
その後弁護士は家族からの依頼を受け、Aさんに法律家としての意見を伝えたところ、最終的に罪を認めVさんに謝罪と賠償を行う示談交渉をすることになりました。

当然のこと乍ら、強制性交の被害者であるVさんは怒りと恐怖を感じておられましたが、電話・対面で数時間というお時間を頂戴し、Aさんや家族の反省の様子や示談交渉の意図などを丁寧にお伝えした結果、最終的に示談に応じてくださることになりました。
示談成立はAさんの勾留満期日の前日でしたが、示談締結を以て検察官検事はAさんを処分保留で釈放し、その後不起訴処分となりました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地等や一部事件内容を変更しています。≫

【強制性交事件について】

刑法177条 13歳以上の者に対し、暴行は又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交…をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

強制性交等罪は、まず被害者が13歳以上の者であるかどうかが問題となります。
13歳の誕生日を迎えた相手に対しての性行為等は「暴行又は脅迫」を要件としていますが、13歳の誕生日を迎えていない相手に対しての性行為等は、それ自体が罪になります。
今回のAさんの事件では、被害者の方が18歳以上でしたので、「暴行又は脅迫」を要件としています。

次に、暴行又は脅迫の存在が問題となります。
これは、被害者が「この人と性交等をしたくない」と思うだけではなく、具体的な行動が必要になることを意味します。
この暴行又は脅迫について、判例は「相手方の抗拒を著しく困難ならしめる程度のもので足りる」とされています。(最判昭24・5・10)
よって、被害者の手足を縛り付ける等の明らかに抵抗できないような状況で性行為をする場合に「暴行又は脅迫」があると評価されるのは勿論のこと、「騒いだら殺すぞ」と言ったり、「騒いだら暴力を加えられるのではないか」と恐怖を感じるような言動・行動が認められる場合にも、暴行又は脅迫があると評価される可能性があるのです。

なお、法改正以前は「強姦罪」とされていて性行為のみを対象としていましたが、2017年の刑法改正により「強制性交等罪」と改められ、性行為だけではなく肛門性交(いわゆるアナルセックス)や口腔性交(フェラチオ)なども対象となりました。
よって、性行為以外の行為も規制の対象となったほか、被害者が男性だった場合にも適用することができる、ということになりました。

【示談交渉について】

強制性交等罪のような被害者がいる事件に於て、重要な弁護活動の一つに示談交渉があります。
示談交渉は、被害者に対して謝罪と弁済を行うことを指し、多くは示談書や合意書などと称される書面を取り交わします。
示談交渉は法律行為である当事者間での合意であるため、当事者間(本人同士)又は弁護士によって行うことができます。
そのため当事者間で示談交渉をしようとする方が居られますが、
・そもそも被害者が加害者や家族などに連絡先を教えたくないと考える場合が一般的
・当事者間で示談交渉ができたとしても、法的に有効な書面の締結ができない可能性がある
・脅迫や強要により示談締結に至ったのではないかとの疑いを持たれる
といった懸念事項が挙げられます。

とりわけ強制性交等事件などの性犯罪事件では、弁護士に弁護を依頼することとして、当事者間での示談交渉は避けることをお勧めします。

東京都世田谷区にて、家族が強制性交等罪で逮捕・勾留されていて示談交渉などの弁護を依頼したいという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。

【解決事例】邸宅侵入事件での取調べ対応

2023-04-09

【解決事例】邸宅侵入事件での取調べ対応

邸宅侵入事件で逮捕・勾留された事件での取調べ対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都杉並区在住のAさんは、杉並区内の会社に勤務していた会社員です。
Aさんは生活に困り、いわゆる闇バイトに応募しました。
Aさんが任された内容は、マンションの空き部屋の一室であたかも住人のようにして、宅配便で届いた宅配物を受け取るというものでした。
Aさんは中身も知らずに受け取ったのですが、不審に思った運送会社のドライバーさんが通報し、Aさんは臨場した杉並区内を管轄する杉並警察署の警察官によって邸宅侵入罪で現行犯逮捕されました。

Aさんの行為は、オレオレ詐欺などで受け子が受け取ったキャッシュカードを空き部屋に郵送するという方法で、Aさんが郵送物を受け取り、それを別の者(出し子)に渡し、出し子が現金を引き出すというものでした。
Aさんは知らずに受け取ったのですが、捜査機関としては特殊詐欺グループの一員の疑いがあるとして捜査を行いました。
そのため、取調べも厳しいものでした。
弁護士は繰り返し接見を行い、取調べの内容や様子を逐一確認し、その都度アドバイスを行いました。
最終的にAさんは邸宅侵入罪で起訴されましたが、執行猶予判決が言い渡されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地等や一部事件内容を変更しています。≫

【邸宅侵入について】

今回問題となったのは、邸宅侵入罪です。
先ずは条文を確認します。

刑法130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

Aさんは、マンションの空き部屋に居ましたが、空き家とはいえマンションの管理人(管理会社)が管理している部屋である以上、「人の看守する邸宅」に該当します。
よって、邸宅に侵入したという罪に問われるのです。

【取調べ対応について】

Aさんの事例のように、空き家・空き部屋が特殊詐欺や違法薬物等の受け渡しに利用されるという事件は少なからずあります。
捜査機関としては、侵入した被疑者が特殊詐欺や違法薬物の密輸などの具体的な内容や指示役についての情報をも知っていると考え、取調べで様々な事情を聞かれることが考えられます。
Aさんとしては、知っていることは話すが知らないことは知らない、という当然の主張になりますが、捜査機関としては「もしかしたら特殊詐欺に加担しているのではないかと認識していたのではないか」等の質問が繰り返されました。
Aさん自身は邸宅侵入については(明らかに空き部屋であるアパートの一室に居るよう言われていることから)その認識があるとして認めましたが、詐欺に加担している認識は全くなかったため、その部分については争いました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
東京都杉並区にて、家族が闇バイトに応募し空き部屋にて郵便物・宅配物を受け取ったことで邸宅侵入罪で逮捕・勾留されていて、特殊詐欺や薬物などの法禁物のやり取りの関与が疑われている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。

【解決事例】学校内での喧嘩で事件化を回避

2023-04-06

【解決事例】学校内での喧嘩で事件化を回避

中学生のお子さんが学校内で喧嘩をしたことで警察官が捜査を行ったものの、事件化を回避したという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都世田谷区在住のAさんは、世田谷区内の高校に通う中学2年生でした。
Aさんは同級生のVさんと日頃から仲が良くなかったところ、ある日AさんとVさんとで喧嘩になり、お互いに暴力を振るい、Vさんは切り傷を負いました。
Vさんが怪我したと聞いたVさんの保護者は世田谷区内を管轄する成城警察署の警察官に相談し、警察官はAさんとVさんの双方に話を聞くということになりました。
Aさんの保護者は、Aさんの暴力行為は認めたものの、事件前の言動・行動についてAさんとVさんとで話が食い違っている点があるほか、学校でも問題となっているため、刑事事件、少年事件、及び学校対応について弁護活動・付添人活動を依頼したいと考え、当事務所の弁護士による無料相談を受けたのち弁護を依頼されました。

弁護士はAさんから入念に聞き取りを行ったうえで、Aさんの主張を整理し警察官とも協議を行いました。
結果的に警察官はAさんに対する口頭での注意はしたものの検察官送致する事実はないと判断しました。
また、学校対応についても弁護士が直接学校を訪問して校長らに説明を繰り返した結果、Aさんは学内での処分等も受けることはありませんでした。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地等や一部事件内容を変更しています。≫

【喧嘩で刑事事件に】

今回のAさんの事件については、喧嘩が問題となっていました。
喧嘩は、一般的に双方が暴力行為をした場合を指します。
武器などを用いてない喧嘩については、怪我をしていない場合には暴行罪が、怪我をしている場合には傷害罪が成立すると考えられます。
条文はそれぞれ以下のとおりです。

(傷害罪)
刑法204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(暴行罪)
刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

双方が暴力に出ている以上、双方が被疑者(加害者)であり被害者であると言えます。
他人が見ていない中で1対1で喧嘩した場合、客観的な証拠が少ないことから、加害者と被害者とで意見が食い違う場合もあり、捜査機関は双方から慎重に話を聞くことになります。

【学校対応について】

今回の事件では、Vさんの保護者が極めて厳しい態度で、捜査機関等に対しAさんの少年事件として処分を求めるほか、学校側にもAさんに処分を課すべきであるとの意見でした。
そのため、Aさんが学校内での処分を受けないための学校対応も必要不可欠でした。

とりわけ私立中学校や高校では、学校側の裁量が大きいため、退学や停学といった処分のほか、進学や就職に不利益が生じるおそれがありました。
弁護士はAさんに対しそれらの処分が課されないよう、学校に対し丁寧な説明を繰り返し、必要に応じて意見しました。
結果的に、Aさんの事件では検察庁・家庭裁判所に送致されることも学校内での処分を受けることもなく、すべての手続きが終了しました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は、成人の刑事事件だけではなく20歳未満の少年事件の弁護活動・付添人活動の経験も豊富です。
少年事件の場合、Aさんのように学校内での事件の場合はもちろんのこと、学外で事件を起こした場合にも捜査機関や家庭裁判所から学校に通知されることが多いため、学内での不利益が生じないための学校対応が重要になる事案も少なくありません。
東京都世田谷区にて、お子さんが喧嘩などの事件で捜査を受けている、学校からの調査を受けているという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の弁護士による無料相談をご利用ください。
お子さんが喧嘩などで逮捕・勾留されている場合はこちら。

【解決事例】東京都外在住の少年が特殊詐欺で警視庁に逮捕②

2023-04-03

【解決事例】東京都外在住の少年が特殊詐欺で警視庁に逮捕②

東京都以外の場所にお住まいの少年が特殊詐欺に関与したとして警視庁の警察官に逮捕されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

北海道札幌市在住のAさんが、上京した際、東京都豊島区で特殊詐欺事件に加担してしまい、逮捕・勾留されたという事件です。
捜査後、Aさんは一旦は東京少年鑑別所に送致されましたが、その後の移送決定により法務少年支援センターさっぽろ(札幌少年鑑別所)での観護措置が行われました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地等や一部事件内容を変更しています。≫

【特殊詐欺の受け子について】

≪前回のブログをご覧ください。≫

【居住地以外の都道府県で事件を起こした場合】

≪前回のブログをご覧ください。≫

【居住地と事件地が違う場合の弁護士の選び方】

前章で紹介したように、少年事件で住居地と事件地が異なる場合、捜査は事件地で行われ、家庭裁判所送致後は居住地に移送されることが一般的です。
この期間について、仮に事件が1件で、家庭裁判所送致後に観護措置(収容観護)が行われる場合
・捜査の期間(逮捕から最大で23日程度、再逮捕があれば更に長期に亘る)
・観護措置の期間(原則28日間で、それまでに審判が行われることが原則)
となります。
つまり、いずれも3週間程度、別々の都道府県に身柄拘束される可能性があるのです。
捜査段階においても、観護措置の期間においても、弁護士による弁護人・付添人としての活動は必要不可欠ですが、物理的距離が離れているのでは同じ弁護士が担当することは容易ではありません。
このような場合に、捜査段階は捜査段階で弁護士が弁護人として担当し、観護措置の期間には別の弁護士が付添人として担当する必要があります。
しかし、別々の弁護士にそれぞれ依頼をすると、引継ぎがうまくいかなかったり、着手金等の費用負担が嵩んだりするデメリットが考えられます。
よって、事件地と居住地の両方で弁護活動・付添人活動ができる弁護士事務所を探すことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所で、全国に本部/支部合わせて12ヶ所に事務所がございます。
北は札幌から南は福岡まで事務所があり、その周辺地域を含め広域で活動ができます。
東京都豊島区にて、お子さん特殊詐欺事件に加担してしまい、今後の見通しを知りたい、弁護を依頼したいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。

【解決事例】東京都外在住の少年が特殊詐欺で警視庁に逮捕①

2023-03-30

【解決事例】東京都外在住の少年が特殊詐欺で警視庁に逮捕①

東京都以外の場所にお住まいの少年が特殊詐欺に関与したとして警視庁の警察官に逮捕されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

北海道札幌市在住のAさんは、事件当時、北海道内の高校に通う18歳でした。
Aさんは長期休暇を利用して友人とともに東京都豊島区に遊びに来て、未成年ではあるものの、酒を提供する飲食店を訪れ酒を飲んでいました。
その際、客と思われる年上の者Xさんから、海外製の高級車を持っているが乗らないかと誘われ、Aさんと友人はXさんが運転する車に乗りました。
するとXさんはAさんらに対して「乗車料は15万な」「高級車に乗っているんだから当たり前だろ」と言い、Aさんらは持ち合わせがないと伝えたところ「なら働いて返せ」と厳しい口調で言いました。
その際にAさんが指示されたのは、銀行員と称して東京都豊島区内の高齢者宅に行ってキャッシュカードなどを騙し取る、いわゆる特殊詐欺の受け子でした。
Aさんは特殊詐欺に加担しているであろうことは理解していましたが、乗車料と称する負債の帳消しに加え、北海道札幌市まで帰る交通費も支給されると言われたため、受け子に加担してしまいました。
2件の被害者宅で事件に成功したAさんですが、3件目の被害者宅にて豊島区内を管轄する巣鴨警察署の警察官が騙されたフリ作戦を敷いていて、Aさんは特殊詐欺に加担した詐欺未遂罪で現行犯逮捕されました。

Aさんは、巣鴨警察署で再逮捕の勾留を含めて1ヶ月以上留置されたのち家庭裁判所送致され、観護措置決定を受けて一旦は練馬区にある東京少年鑑別所で収容鑑別が行われましたが、その後すぐ居住地である札幌の少年鑑別所に移送されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地等や一部事件内容を変更しています。≫

【特殊詐欺の受け子について】

今回のAさんの場合、特殊詐欺の受け子をしてしまいました。
その手口は、Aさんが銀行員でキャッシュカードを提出する必要があると誤信させ、被害者がそれを信じてしまい、Aさんに対しキャッシュカードを渡してしまう、という手口でした。
この場合、詐欺罪が適用されます。
また、3件目の事例では、上記詐欺事件を行おうとしたものの警察官による騙されたフリ作戦により現行犯逮捕されたため、詐欺未遂罪に問われます。
条文は以下のとおりです。

(詐欺)
刑法246条1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
(未遂罪)
同第250条 この章の罪の未遂は、罰する。

【居住地以外の都道府県で事件を起こした場合】

今回の事件について、少年は北海道札幌市在住で、東京都豊島区で事件を起こしています(前述のとおり、事件地等は変更しています。)。
まず前提として、捜査は、事件地を管轄する警察署の警察官等が行う場合が一般的です。
Aさんの事件については、豊島区の被害者宅で行われた事件ですので、事件地を管轄する巣鴨警察署の警察官が捜査を行いました。

次に、逮捕された被疑者については、逮捕後48時間以内に事件地の管轄である検察庁(一部の重大事件や、土日祝日などで対応できない支部の場合は検察庁本庁)に送致されます。
基本的に、勾留が認められた「身柄事件」であれば、その後管轄の裁判所に起訴され、裁判を受けます。
よって、東京地方検察庁が捜査し、被疑者が成人であれば東京地方裁判所に起訴され、東京地方裁判所で裁判を受ける場合が一般的です。

在宅の捜査を受けていた場合も、事件地を管轄する警察署が捜査を行ったのち、事件地を管轄する検察庁に送致されます。
その後も送致を受けた検察庁の検察官が捜査を続ける場合もありますが、被疑者の居住地が遠い場合などでは、「移送」という手続きをとり、被疑者の居住地を管轄する検察庁の検察官が捜査を行う場合もあります。
この辺りは、最終的には担当検察官の判断に委ねられます。

もっとも、今回事件のAさんは20歳未満の少年です。
少年事件の場合、捜査段階は成人の刑事事件と同じ手続きで捜査が行われますが、捜査が終了した時点で、地方裁判所・簡易裁判所に起訴されるわけではなく、家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所の送致については、基本的には捜査を行った検察庁と同じく管轄地の家庭裁判所となります。
Aさんの事例でも、捜査が終了した段階で、東京家庭裁判所に送致されました。
しかし、少年事件の場合、多くの事件で調査官により調査が行われるのですが、対象は少年だけではなく少年の保護者等も含まれます。
事件地と少年の居住地とが離れている場合、事件地を管轄する家庭裁判所が調査を行うことは容易ではありません。
そのため、一旦は事件地を管轄する家庭裁判所に送致されるものの、その後少年の居住地を管轄する家庭裁判所に「移送」される場合が一般的です。
Aさんの事件についても、東京家庭裁判所から、Aさんの居住地である札幌家庭裁判所に事件が移送されました。
事件の移送に伴い、Aさんの身柄も、東京少年鑑別所から法務少年支援センターさっぽろ(札幌少年鑑別所)に移送されました。

【居住地と事件地が違う場合の弁護士の選び方】

≪次回のブログに続きます。≫

東京都以外の場所にお住いのお子さんが、東京都豊島区で特殊詐欺などの事件を起こしてしまい逮捕・勾留されたという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
弁護士が逮捕・勾留されているお子さんのもとに接見に伺う初回接見サービス(有料)をご利用いただけます。
在宅事件の場合の無料相談についてはこちら。

【解決事例】初犯の万引き事件で裁判に

2023-03-27

【解決事例】初犯の窃盗事件で裁判に

前科前歴がないいわゆる初犯の万引き事件であったにもかかわらず刑事裁判になったという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都新宿区在住のAさんは、新宿区内の会社にて、非正規雇用で労働していました。
Aさんは借金を抱えていて、その借金を返済するため、新宿区内の玩具店で陳列された商品を繰り返し万引きし、被害品をインターネットオークションサイトやフリーマーケットアプリで転売していました。
事件当日も同様の目的で玩具店で万引きをしたところ、店員が万引き行為に気付き、警察署に通報しました。
通報を受けて臨場した新宿区内を管轄する新宿警察署の警察官は、Aさんを窃盗罪で逮捕しました。

逮捕された家族からの依頼を受けて初回接見を行った当事務所の弁護士は、Aさんに話を聞いたところ、転売目的での窃盗行為を認めた上で、余罪も複数件あり既に警察官に剝がされていることが分かりました。
その後に弁護の依頼を受けた弁護士は、繰り返し接見を行い、毎回の取調べで言われた内容を確認したうえで黙秘を含めたアドバイスをしました。
また、被害店舗に対しては弁護士が連絡を取り、謝罪と弁済を行いました。
最終的にAさんは複数の事件で起訴されましたが、実際に起こした事件に比べて(示談等の結果被害届が取下げる等して)少ない件数での起訴となり、裁判では執行猶予判決を獲得することが出来ました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【繰り返しの万引き】

今回のAさんは、万引きにより逮捕されています。
万引きで問題となる罪として、まずは窃盗罪が考えられます。
条文は以下のとおりです。

刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

棚に陳列された商品は「他人の財物」であり、それを清算せずに持ち去る行為は「窃取する」ことになるため、窃盗罪が適用されます。

次に、万引きを目的として玩具店に入店する行為は、建造物侵入罪に該当します。
条文は以下のとおりです。

刑法130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物…に侵入し、…た者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

玩具店で買い物をする(あるいは商品の購入を検討する)目的での入店は「正当な理由」に該当しますが、万引き目的での入店は「正当な理由」には当たらないため、建造物侵入罪の適用が考えられる、というものです。

【万引き事件で刑事裁判に】

万引きなど刑事事件を起こした者は、通常、検察官によって起訴するか不起訴にするかが決められます。
また、他のブログで紹介のとおり、略式手続による罰金刑・科料もあります。

通常、Aさんのように前科がない方が、比較的少額(とはいえ被害店舗のダメージは大きいものですが)の万引きをした場合、弁済の有無により、不起訴又は略式手続により罰金刑に処される場合が一般的です。
しかし、Aさんは繰り返し万引きをしていて、更にはその目的が転売であるという点で悪質性が高いと考えられる事件です。
この場合、不起訴や略式手続ではなく、正式な起訴をされ正式裁判になります。
被害金額・万引きの回数・その他の情状(被告人の反省の程度、弁済の有無)などによっては、かなり厳しい刑事罰に処せられる可能性があります。

東京都新宿区にて、家族が転売目的で万引きを繰り返し、逮捕・勾留されているという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
弁護士が初回接見サービス(有料)を行い、逮捕・勾留中の方からしっかりとお話を聞いた上で今後の見通しや再逮捕の可能性、刑罰の見通しなどについて丁寧にご説明致します。

【解決事例】強制わいせつ罪で捜査されるも青少年育成条例違反に

2023-03-24

【解決事例】強制わいせつ罪で捜査されるも青少年育成条例違反に

強制わいせつ罪で捜査が開始されたものの、青少年育成条例違反で罰金刑を受けたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都江東区在住のAさんは、江東区内で団体職員として勤務していました。
Aさんには友人がいて、その友人の子どもVさん(15歳)と遊んだり連絡を取ったりすることがありました。
ある日、AさんはVさんに2人で会おうと連絡し、江東区内の駐車場でVさんを車に乗せ、車内でAさんはVさんの陰部を触ったり胸を触ったりするなどのわいせつ行為に及びました。
VさんがVさんの保護者に相談したことで本件が発覚し、Vさんの保護者はVさんがAさんによる強制わいせつの被害に遭ったとして江東区内を管轄する城東警察署の警察官に相談し、被害届を提出しました。
Aさんから相談・依頼を受けた当事務所の弁護士は、Vさんとのやり取りなどを踏まえ強制わいせつ罪には当たらないと判断し、担当する警察官や送致を受けた検察官に対して罪名に関し意見書を提出しました。
結果的に、AさんはVさんが未成年者であることを認識して性的な行為に及んでいることから、青少年育成条例には違反するが強制わいせつ罪には当たらないとして、略式手続により罰金刑が言い渡されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【青少年育成条例違反と強制わいせつ罪】

今回のAさんの事例については、15歳のVさんと性的な行為をしたことを認める一方で、強制わいせつ罪には該当しないという主張になりました。
まず、強制わいせつ罪の条文を確認します。

刑法176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

強制わいせつ罪が適用されるためには、AさんによるVさんに対する暴行又は脅迫が存在したか否かが問題となります。
Aさんは事件前にSNSでVさんとやり取りをしていましたが、弁護士がその内容を確認したところ、Vさんが怯えたり不安を覚えたりする内容はありませんでした。
むしろ、Vさんが性的な行為に興味を抱いている様子が伺えました。
そのため、強制わいせつ罪には当たらないという主張でした。

但し、いくら性的な行為に興味を抱いていて、同意のもとでの行為であったとしても、Vさんが18歳未満である以上、各都道府県が定める青少年育成条例には違反します。
今回は東京都江東区での出来事ですので、東京都青少年の健全な育成に関する条例に違反します。
条文は以下のとおりです。

東京都青少年の健全な育成に関する条例18条の6 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。
(罰条:2年以下の懲役又は100万円以下の罰金(同条例24条の3))

【青少年育成条例違反・強制わいせつ罪で弁護士に相談】

今回のAさんの事例は、一見すると「結局罪を犯しているのだから弁護する意味があるのか」という疑問をお持ちになる方がおられるかもしれません。
しかし、青少年育成条例違反の場合は罰金刑が用意されているため、略式手続により公開の法廷に立っての裁判を経ずに罰金刑が言い渡される可能性がありますが、強制わいせつ罪には罰金刑が用意されていないため起訴されれば必ず公開の法廷での裁判が行われます。
もちろん、実刑判決を受ける可能性も、強制わいせつ罪の方が高いと言えます。


東京都江東区にて、青少年育成条例違反や強制わいせつ罪で捜査を受けていて、罪名に疑問や不満を感じている方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の弁護士による無料相談をご利用ください。
家族が青少年育成条例違反や強制わいせつ罪で逮捕・勾留されている場合はこちら。

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