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NHK総合おはよう日本で則竹理宇弁護士が取材協力及びコメント映像出演

2021-07-20

2021 年 7 月 17 日(土) 午前 7 時~放送のNHK総合おはよう日本「特集けさのクロース゛アッフ゜」で、児童ポルノ事件に詳しい弁護士として弊所代表の則竹理宇弁護士が取材協力及びコメント映像出演を致しました。

 

【番組 URL】 https://www.nhk.jp/p/ohayou/ts/QLP4RZ8ZY3/blog/bl/pzvl7wDPqn/

 

番組では、「児童ポルノ被害 拡散背景に違法サイト」という特集の中で、コロナ禍て゛拡大する児童ポルノビジネスの様相、犯罪摘発の現場、そして被害者救済の現場から長期化する被害の実態や被害をなくすために社会は何か゛出来るのか考える内容となっております。
弊所代表の則竹理宇弁護士は、児童ポルノ事件を多数取り扱ってきた刑事弁護士としての立場から、一般人でも気軽に参入できる児童ポルノの売買の実態や、児童ポルノ及び自撮り被害の現状について取材協力及びコメント映像の提供をしております。

保護責任者遺棄致死罪で上訴(控訴/上告)

2021-07-15

保護責任者遺棄致死罪で上訴(控訴/上告)

保護責任があるにもかかわらずその責務を怠った結果被害者が死亡してしまった保護責任者遺棄致死罪についての罪と、上訴の手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都北区王子在住のAは、北区王子にある会社に勤める会社員です。
Aはひとり親で、生まれて間もない子どもVと2人で生活していました。
そのためAは普段は就業後は自宅に帰っていましたが、子育てに疲れてしまい、Vを家に残したまま数日家に帰らない生活をしていました。
通っていた保育施設からの通報を受けて臨場した北区王子を管轄する王子警察署の警察官は、Aの自宅でVの死亡が確認されたため、Aを保護責任者遺棄致死罪で逮捕しました。

Aは起訴され、一審で懲役4年の実刑判決を受けました。
判決言い渡しの際、裁判官から「不服がある場合には14日以内に手続きをしてください。」と言われ、上訴を検討しています。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【保護責任者遺棄致死罪とは?】
同居している未成熟の子ども、高齢者、身体障碍者や、自分が怪我をさせた相手、一緒に酒を飲んでいた泥酔者など、保護(食事を与える、空調を整備する、病院に連れていく/救急通報する等)の義務があると認められる者を、保護責任者と呼びます。
保護責任者がその責務を放棄した結果、対象者が死亡してしまった場合には、保護責任者遺棄致死罪が適用されます。
条文は以下のとおりです。

刑法218条 老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、またはその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。

【上訴(控訴/上告)の手続きについて】
・上訴とは?
我が国では三審制が採られています。
簡単に説明すると、はじめに言い渡される判決を一審(原審)と呼び、それに対する不服がある場合は控訴を申し立て二審(控訴審)を受け、それに対しても不服がある場合には上告を申し立てて三審(上告審)に移ります。
この控訴上告をあわせて上訴と呼びます。
上訴は、被告人自身やその弁護人、法定代理人等が行うことができます。
また、上訴は検察側にも認められているので、検察官が上訴することも可能です。
弁護人/検察官の双方が上訴するというケースもあります。

・控訴審
一審の判決に不服がある場合には、控訴をすることができます。
控訴は、一審の判決を受けた日の翌日から数えて14日以内に「控訴申立書」という書類を提出する必要があります。
その後、控訴した側(弁護人/検察官)は控訴趣意書という書類を提出しなければなりません。
控訴趣意書の提出期限は、控訴申立書の提出から3ヶ月程度経った後を指定されます。

控訴するためには、控訴理由が必要です。
控訴理由には、一審での手続きの瑕疵(ミス)のほか、法令解釈の誤り、事実誤認、量刑不当などがあります。
控訴審では、控訴趣意書に記載した控訴理由についてのみ審理を行うことが原則です。
そのため、控訴趣意書の内容は極めて重要です。

控訴審では、(被告人が死亡した場合などの公訴棄却、控訴した者が取下げた控訴取下げを除き)「公訴棄却」か「破棄自判」にするか、「破棄差戻」というかたちで審理をやり直すという判決があります。

刑事裁判の場合、一審が簡易裁判所で行われても地方裁判所で行われても、控訴審は高等裁判所で行われます。

・上告審
控訴審の結果に不服がある場合、被告人(弁護)側/検察側はそれぞれ上告を申し立てることができます。
上告審は控訴審よりも要件が厳しく、「憲法違反があった」あるいは「判例違反があった」場合にのみ行うことができ、控訴審の場合の理由として挙げられる量刑不当や事実誤認などは上告の理由となり得ません。
但し、裁判所の職権で量刑不当や事実誤認による原判決の破棄が認められています。
実務上、「憲法違反」「判例違反」の主張は上告全体の30%で、量刑不当による職権発動を求める上告は少なくありません。

上告審は最高裁判所で行われます。

【上訴は刑事事件専門の弁護士へ】
ここまで、上訴控訴上告)の概要について説明致しました。
先に触れたとおり、控訴上告は要件が厳しいため、一審での対応が極めて重要です。
とはいえ、一審で思うような主張ができなかったという場合もあるでしょう。
上訴はある意味でのラストチャンスですので、後悔のない弁護活動を行うためには、刑事事件専門の弁護士に弁護を依頼することをお勧めします。

東京都北区王子にて、御家族が保護責任者遺棄致死罪で実刑判決を受け、上訴控訴上告)を検討されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御連絡ください。

【お客様の声】覚せい剤事件で執行猶予判決

2021-07-12

【お客様の声】覚せい剤事件で執行猶予判決

【事案の概要】

ご本人様(30代女性)は同居していた男性との間で,覚せい剤を使用したとの嫌疑で逮捕された事件。

【弁護活動】

ご本人様のお母さまから当初にご依頼があり,弁護士として接見に向かいました。
ご本人様とご依頼者様は別居していたようで,ご依頼者様は詳しい事情をご存知内容でした。
そこで,弁護士がご本人様とお話ししたところ,ご依頼者様たち家族との関わり方に問題があるようにうかがわれ,薬物と関わってしまうことと家族関係の問題がつながっているように思われました。
そのため,接見時にはご本人様から家族とのかかわり方についてよくお話を聞き,ご依頼者様たちご家族とも時間をかけて話し合いました。
最終的にはご依頼者様たち家族が,ご本人様を今後も支えていくことで意見が合致し,再び家族が一つに戻ることができました。
家族が今後支えていくという姿勢が評価され,早期に保釈を獲得でき,裁判も無事に執行猶予を得ることができました。

【まとめ】

覚せい剤については,所持だけでなく使用の罪があります。
弁護士としては,刑事手続きに関する弁護活動だけでなく,再犯の恐れがなくなるよう調整を図る必要があります。
今回の事案については,家族関係を調整することが重要であると考えられたため,接見でご本人様とお話をするだけでなく依頼者様ご家族とも時間をかけて話をすることで,家族の関係を改善させることができ,結果として家族がご本人様を支えていく姿勢を評価されました。
それにより,早期の保釈や執行猶予判決を得ることができました。

覚せい剤所持事件で保釈について知りたい,執行猶予判決を受けたいという方がおられましたら,まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご相談ください。

事件について詳細に確認をとったうえで保釈の可能性や執行猶予判決が下されるかどうかの見通しについてご説明致します。

【お客様の声】大麻所持で不起訴を獲得

2021-07-10

【お客様の声】大麻所持で不起訴を獲得

◆事件概要◆

東京都在住の対象者(30代男性)は,大麻所持での前科がありました。
前科の判決を受けた後,しばらくは大麻を断つことができていましたが,ストレス発散のため再び大麻に手を出してしまったという事案でした。

事件当日,対象者が乗っていた車から(以前に使用した)大麻片が自動車内から見つかったため,大麻取締法違反で現行犯逮捕されました。

◆事件経過と弁護活動◆

この事案は,対象者の勾留手続前にご依頼いただきました。

弁護士は,まず,勾留手続に際して対象者の釈放を求める弁護活動と同時に,証拠隠滅の恐れがないことを主張し,接見禁止決定を出さないよう,裁判官に申し入れました。
薬物事件の場合,多くは接見禁止決定が付きます。

接見禁止決定は,原則として被疑者に認められている一般面会(弁護士接見以外の面会)の権利を制限するもので,裁判官の裁量で決定することができます。
薬物事件の場合,まだ押収されていない薬がある,あるいは薬物の売人などと口裏合わせをする可能性がある,などの理由で,勾留裁判官は勾留手続と併せて接見禁止決定を下す場合が多いです。
しかし,ご家族が作成した上申書などの内容を踏まえ,結果として対象者には接見禁止決定がつきませんでした。

20日間の勾留段階で,対象者が心配していたのが,仕事ができないため取引先との信頼関係が崩れるのではないかという点です。
弁護士は,接見にしっかりと時間を割き,事件の内容や取調べ対応だけでなく,家族を通じて取引先に対して連絡する必要がないかなど,逐一確認し,毎回依頼者に報告していました。

担当する検察官は,勾留満期日に対象者を「不起訴(起訴猶予)」としたため,依頼者はすぐに社会復帰することができました。

◆まとめ◆

以前に使用していた大麻片などが車内に落ちていた場合でも,大麻所持の嫌疑で逮捕されることがあります。
薬物事件の場合,勾留と併せて接見禁止がつく場合が多いです。
接見禁止決定がついた場合,勾留期間中は弁護士以外の方との面会ができなくなってしまう場合があります。

勾留期間は職場や得意先などに直接連絡することができないため,弁護士が間に入るなどの場合もあります。

大麻所持事件は,「必ず起訴される」というものではありません。
捜査の結果,不起訴になったという事例もあります。

東京都内で,大麻所持事件でご家族が逮捕された場合,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。

【お客様の声】逮捕された少年事件で審判不開始を獲得

2021-07-08

【お客様の声】逮捕された少年事件で審判不開始を獲得

◆事件概要◆

少年(10代)は,無人販売所のような場所で,商品を万引きしたことで逮捕されました。
弁護士は連絡を受け,逮捕の当日に初回接見に行き,翌日には検察官に意見書を送ったところ,少年は勾留請求をされずに釈放されました。
釈放後も処分が決まるまでは刑事事件・少年事件は続くため,被害店舗の方との示談交渉や家庭裁判所調査官との打合せを行った結果,審判不開始という結果になりました。

◆事件経過と弁護活動◆

・釈放のための弁護活動
少年は,これまでこの被害店舗で繰り返し万引きを行っていました。
そのため,被害店舗付近に張り込んでいたであろう私服警察官による現行犯逮捕がされた事案でした。

少年が逮捕された当日に少年の保護者(依頼者)から連絡をいただいたため,その数時間後には弁護士が初回接見に行き,当日中に報告し,ご依頼頂きました。

警察署に確認したところ,逮捕の翌日には検察官に送致される予定となっていました。
少年事件の場合,検察官には①釈放する,②成人事件と同様に勾留請求する,③家庭裁判所に直送する,という選択肢があります。
③の場合,家庭裁判所が少年鑑別所に送致(観護措置決定)する可能性があります。

逮捕・勾留は刑罰ではなく,捜査に必要と判断された場合にのみ行われる強制捜査です。
弁護士としては,このケースは身柄拘束せずに捜査を受けることができる事案であると考え,検察官に対して①を求める弁護人意見書を一晩で作成し,検察官送致のタイミングで提出しました。
検察官は,弁護人意見書を踏まえ,少年を釈放しました。

・示談交渉
万引きの被害者に対し,少年もその保護者も当初から謝罪の意を示していて,弁済をしたいと考えていたため,弁護士は捜査機関を通じて被害店舗の担当者に連絡しました。
そして,少年やその保護者による謝罪の意向を伝え,示談交渉を行った結果,家庭裁判所送致前に示談を締結していただくことができました。

・審判不開始に向けた活動
少年が家庭裁判所に送致されたのち,家庭裁判所の裁判官は,まず家庭裁判所調査官に少年の調査を命じます。
調査官は,少年との面談や保護者との面談を通じて少年の調査を行い,裁判官に対して「審判で少年院送致の言い渡しが相当である」「審判を開始する必要がない」などの意見を裁判官に提出します。

弁護士は,家庭裁判所に送致されたのち,改めて少年・保護者と綿密な打合せを行いました。
そこでは,単に今回の事件を反省するだけではなく,どうしてこのような事件に至ったのか,今後少年が生きていくうえで必要なことは何か,といったことを考えていただく時間を設けました。
そして少年と保護者には,打合せで出した結論を踏まえ,調査官面談に臨んでいただきました。
調査官は面談後,審判不開始相当の意見を裁判官に伝え,裁判官は速やかに審判不開始の決定を下しました。

◆まとめ◆

少年事件であっても,逮捕されることがありますし,捜査に必要だと判断された場合には勾留される場合があります。
弁護士は,逮捕された事案の場合,勾留の回避を求める弁護活動を行う弁護活動が可能です。
釈放を求める場合,逮捕されてからすぐに弁護士に依頼し,勾留請求される前に検察官や裁判官と掛け合って,勾留を回避することが望ましいと言えます。

被害者がいる事件では,示談交渉などの弁護活動も重要になります。

少年事件の場合,捜査が終了した時点で家庭裁判所に送致されます。
送致された少年は,裁判所調査官の調査を受け,調査官は調査をもとに裁判官に審判が必要かどうか,必要な場合にはどのような処分が妥当か,といった意見を提出します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
東京都内で,お子さんが万引きなどの刑事事件にあたる行為をしてしまい,逮捕されてしまった場合,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。
刑事事件・少年事件を専門とする弁護士が接見に行き,釈放や審判不開始獲得の可能性などについて説明致します。

【お客様の声】余罪多数の盗撮事件で不起訴獲得

2021-07-06

【お客様の声】余罪多数の盗撮事件で不起訴獲得

◆事件概要◆

神奈川県在住の依頼者(40代男性)は,鉄道の車内で対面に座っている女性のスカート内を撮影するという盗撮事件を起こしてしまいました。
スマートフォンやデジタルカメラの中にはこれまでに行った盗撮データが多数見つかりました。

◆事件経過と弁護活動◆

今回のように,発覚した事件がきっかけとなって捜査をした際に発覚した刑事事件を,俗に余罪と言います。
盗撮や万引きなどの事件では,事件発覚後に余罪が多数見つかることが少なくありません。

・事件内容についての把握
まず,弁護士は依頼者から余罪を含めた事件の内容・状況をしっかりと聴き取りました。
その中で,依頼者は以前は盗撮行為に興味がなかったものの,初めて盗撮を行ってから短期間に,繰り返し盗撮行為を行っていることがわかりました。
依頼者自身もその点に不安を感じていたことから,心療内科での診断やカウンセリングを開始しました。
弁護士は,カウンセリング・通院状況を逐一把握したうえで,医師の見解を確認しました。

被害者対応
盗撮事件の場合は被害を受けた被害者の方がおられます。
依頼者は事件についてとても反省していて,おわびをしたいという意向でした。
弁護士は捜査機関を通じて被害者の方に謝罪や示談交渉の申し入れを行ったのですが,被害者の方としては謝罪や示談を受け入れる意向がないということでした。

それでも謝罪の意を示している依頼者に対し,弁護士は贖罪寄附の案内をしました。
贖罪寄附は,日本弁護士連合会や法テラスが実施しているもので,寄附金は被害者支援制度などに用いられ,贖罪寄附証明書が交付されます。
説明を受けた依頼者は,贖罪寄附をする意向があったことから,弊所の方で贖罪寄附の手続を行いました。

・不起訴の獲得
盗撮事件の場合,示談ができているかどうかに加え,前科や余罪の有無を踏まえて起訴するかどうかを判断します。

依頼者の場合,示談ができておらず,余罪が多数あった点が悪情状(刑事罰などを決めたりするうえで良くない事情)にはたらくことから,不起訴は極めて難しい状況でした。

しかし,弁護士が①示談交渉を希望したものの,被害者の方がそれを望まなかったこと,②しかしながら謝罪の意思があるため,贖罪寄附を行ったこと,③事件が病気による影響の可能性が否定できず,再犯防止のためにカウンセリング・通院を行っていることを主張しました。
結果として,担当検察官は(上司である検察官と打合せをしたうえで)不起訴の判断を下しました。

◆まとめ◆

盗撮事件の場合,その事件以前にも事件を起こしている「余罪」が発覚する可能性があります。

検察官は,盗撮事件の被疑者が被害者と示談を行ったか,本件に加えて余罪があるかなどを踏まえ,起訴するかどうかを判断します。

盗撮事件などでは,被害者が示談交渉を希望しないという場合もあり,その場合には示談交渉はできません。
その代替手段として,贖罪寄附を行うという方もおられ,贖罪寄附が起訴するかどうかの判断材料の一つになる場合があります。

余罪が多数ある盗撮事件で取調べを受けている方がおられましたら,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【お客様の声】刑事事件となって国家資格を失わないために

2021-07-04

【お客様の声】刑事事件となって国家資格を失わないために

◆事件概要◆

東京都在住の依頼者(30代男性)は, 友人夫婦と一緒にお酒を飲み,そこで酔っ払ってしまって、友人の女性といわゆる不貞行為に及んでしまいました。
友人男性は、依頼者が自分の妻と不貞な行為をしたと知り,依頼者と揉み合いの喧嘩になりました。
その喧嘩の最中、依頼者が反撃をした結果,相手の鼻骨を骨折させてしまいました。

依頼者としては,直後の謝罪も受け入れられていたので穏便に済んだと考えていましたが,数ヶ月経ったのち,被害者代理人からの通知が来たため,自分も弁護士に依頼したほうが良いのではないかと考え,ご相談・ご依頼いただきました。
なお、ご相談・ご契約来所は年末年始でした。

弁護士が相手方との示談交渉の末,示談が成立したことで,刑事事件化を回避し、国家資格の取消等を免れることができたという事案でした。

◆事件経過と弁護活動◆

・被害者代理人との示談交渉
刑事事件にあたる行為をしたからといって,すぐに捜査機関が捜査を開始するわけではありません。
捜査機関が捜査を開始することを「捜査の端緒」と呼びますが,9割程度は被害者やその家族からの届出によるものです。
そのため,被害者からの届出がされる前であれば,当事者間で示談を締結して,被害届や刑事告訴をしないように話をまとめる余地があります。そのようにすることで刑事事件となってしまうことを回避できる可能性があります。

今回の依頼者は,事件が発生してから数ヶ月経ったのちに被害者代理人から連絡が来て,事の重大さに気付きました。
その時点で,被害者は被害届などの届出をしていなかったので,捜査機関は捜査を開始していませんでした。

この事案の被害者代理人は弁護士でした。
提示された金額は非常に高額でしたが,弁護士同士,双方の主張を確認したうえで,示談書の内容について被害者の意向を汲み,依頼者の支払い能力についても説明した結果,最終的には依頼者が支払える額での示談を締結することができました。

・欠格事由
また,依頼者は国家資格を有していました。
我が国には様々な国家資格がありますが,その中には,刑事罰を言い渡されることで資格の停止や取消しといった処分を受けるものがあります。
これは「欠格事由」と呼ばれるもので,各種法律に規定されています。
例えば,弁護士であれば,弁護士法に「禁錮以上の刑に処せられた者」は「弁護士となる資格を有しない。」と定められているため,懲役刑・禁錮刑に処せられた場合,司法試験に合格して司法修習を経て二回試験に合格していても,弁護士としての資格を取り消され,弁護士として仕事をすることができなくなってしまいます。

依頼者の国家資格の場合,刑事罰を受けた場合には資格取消しとなってしまう恐れがありました。
最終的に刑事事件に発展しなかったため,未然に国家資格の取消しを回避することができました。
反対に,示談が成立していなければ,依頼者は国家資格を取り消され,失職していたかもしれません。

◆まとめ◆

依頼者の傷害事件をもとに,示談交渉と国家資格の欠格事由についてご説明しました。

罪に当たる行為をしたからといってすぐに警察等の捜査が開始されるわけではなく,被害届など各種届出が行われて初めて,捜査機関が捜査を開始するという場合が一般的です。
示談交渉により,被害届等の届出を行わないという約定を盛り込んだ示談を締結することで,刑事事件化を回避することができる場合があります。

国家資格をお持ちの方が刑事事件の加害者として捜査を受け,刑事罰を言い渡された場合,欠格事由に該当して国家資格を停止されたり,取り消されたりする可能性があります。

被害者代理人から通知が届き,示談交渉により事件化回避を目指している方,国家資格を有していて欠格事由に該当する懸念がある方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご相談ください。
在宅事件の場合,事務所にて無料でご相談いただけます。

【お客様の声】学校内でのトラブルで審判不開始

2021-07-02

【お客様の声】学校内でのトラブルで審判不開始

◆事件概要◆

事件対応を行った少年(当時、中学生)は、他の同級生と一緒に被害者をからかった際に次第にエスカレートしてしまい、最終的に傘で叩いて全治数日を要する怪我を負わせてしまいました。 

◆事件経過と弁護活動◆

①捜査段階
少年はまだ中学生ですが、14歳以上ですので「犯罪少年」という立場になり、被疑者(いわゆる容疑者)として捜査機関による取調べを受けます。

・少年への対応
弁護士はまず、時間をかけて少年の話に耳を傾け、事件の経緯や反省状況だけでなく、普段の生活状況やストレスの発散方法、進路などについて丁寧に聴取しました。
少年は当初から反省と謝罪の意を示していました。
それを踏まえ、弁護士は、どのようにすれば事件を回避できたのか、今後このような事件を起こさないためにはどうすれば良いか、といったことを考える機会を設けました。

・被害者への対応
次に被害者対応について、少年の両親は、事件直後から被害者の保護者に謝罪や弁済を申し入れていましたが、被害者の保護者の処罰感情が強いことから対応に難航していました。
そこで、弁護士が被害者の保護者に連絡したところ、少年の両親とは話をしたくないが、弁護士からの話であれば聞いてみてもよいという姿勢でした。
弁護士が間に入ることで交渉が円滑に進み、最終的には、治療費用を受け取るという意向を確認できました。

②家庭裁判所送致後
捜査機関は、犯罪少年の捜査が終了したのち、家庭裁判所に送致することになります。
家庭裁判所の裁判官は、少年の調査を行い、審判を開始するかどうかを判断します。
・裁判所調査官への対応
少年事件においては、家庭裁判所の調査官が中心となって調査を行います。
調査官は、捜査機関から送られた捜査記録や少年が所属する学校の成績・生活状況を確認するとともに、少年自身との面談・少年の保護者との面談を行います。
弁護士は、家庭裁判所送致直後に調査官に連絡し、少年と調査官との面談日程を調整し、当日は弁護士も同席しました。

最終的に、弁護士から事件の内容や少年の事件後の内省状況、両親による監督体制、被害者への謝罪の意向などを踏まえ、保護処分は必要ないので審判を開始しないよう求める意見を書面で提示した結果、家庭裁判所の裁判官は、早々に審判不開始の決定を下しました。

◆まとめ◆

弁護士は、対象者が少年だった場合、成人の刑事事件以上にしっかりと話を聞き、少年の内省を深めたり、今後同じような事件を起こさないためにどうすれば良いかを考えたりする機会を設ける必要があります。

少年事件では、最終的に家庭裁判所に送致され、裁判所調査官による調査を踏まえて保護処分を下すかどうかの判断をします。
弁護士は家庭裁判所に対し、少年に保護処分が必要か否か、必要な場合にはどのような保護処分が妥当かなどの意見を述べることができます。

中学生などのお子さんが学校内でトラブルを起こしてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
今後の手続きの流れや審判不開始の可能性などについて、丁寧にご説明します。

【お客様の声】組織犯罪処罰法違反で執行猶予判決

2021-06-30

【お客様の声】組織犯罪処罰法違反で執行猶予判決

◆事件概要◆
東京都在住の対象者(30代男性)は, いわゆる詐欺集団の一員として,実際には購入手続きをしていない商品を一方的に送り付けて料金を支払わせるという「送り付け商法」に携わっていました。
被害者が非常に多く,被害金額も高額で,実刑判決も見込まれる事案でした。

◆事件経過と弁護活動◆

対象者は,逮捕される前の在宅捜査のタイミングで無料相談に来所され,御依頼になりました。
「事件発生=逮捕」というイメージをお持ちの方もおられるかもしれませんが,一貫して在宅捜査を進めるというケースもあります。
また,この事例のように共犯者が複数名いる事件では,まずは在宅捜査で各人の役割などを確認し,事件の全貌を確認したうえで,逮捕に至る場合もあります。

この事件は,背後にいる主犯格が数多く事件を起こしていて,対象者自身も知らない事件・事情が少なくありませんでした。
よって,弁護士は,取調べの前後で対象者と念入りに取調べ対応を行うとともに,取調官(警察官)と密に連絡を取り,捜査の進捗状況や次回の取調べ予定,送致時期などを確認していました。

対象者は,最初の取調べから半年以上経ったのち,逮捕・勾留されるに至りました。
逮捕は予想されていたことで,弁護士は逮捕の知らせを受けた当日中に警察署に行き,接見をしました。
また,共犯者が多いことから,勾留と併せて接見禁止がつくことが予想されましたが,弁護士が勾留と接見禁止を決める裁判官と事前に協議し,依頼者(対象者の両親)や交際相手の方が事件には関係していないことを主張したことから,対象者の両親と交際相手の方は接見禁止の対象から除外されました。

併せて,対象者が検察官に送致されるとすぐ,検察官を通じて被害者の方の連絡先を確認し,被害者の方に対して連絡を試みました。
弁護士が丁寧に説明し,対象者に代わって謝罪をしたことで,結果として起訴が予定されていたすべての事件の被害者の方と示談をしていただくことができました。

勾留延長の満期日,検察官が起訴したと同時に弁護士は保釈請求を行い,その翌日には保釈が認められました。

対象者は詐欺罪で起訴されましたが,組織的に事件を起こしていたという事情から,訴因変更され,より厳しい刑罰が設けられている「組織犯罪処罰法違反」で裁判を受けることになりました。
(詐欺罪:1月以上10年以下の懲役/組織犯罪処罰法違反:1年以上20年以下の懲役)

起訴後,裁判所からは弁論併合決定(複数名の被告人が一緒になって裁判を受けること)がなされました。
しかし,併合された共犯者は別の事件でも起訴される予定だったため,併合したままでは対象者もその起訴を待つことになります。
つまり,そのまま手続きが進められた場合,対象者は関与していない事件の公判手続きが終わることを待たなければならず,判決言い渡しまでに時間を要する恐れがありました。

また,検察官が請求する証拠に対し,共犯者全員の意見が同じというわけではありませんでした。

その状況も踏まえ,弁護士は裁判所と協議した結果,弁論分離され,起訴後できるだけ少ない期間で判決言い渡しを受けることができました。

裁判では,起訴された事件すべての事件で被害者の方に弁済ができていること,示談書の中に被害者の方が「対象者に対する刑事処罰を求めない」という文言が含まれていたこと,依頼者を含めた対象者の家族が更生のサポートを約束していることなどの事情を汲み,執行猶予付きの判決が言い渡されました。
対象者にとっても依頼者にとっても,非常に良い結果になったと言えるでしょう。

◆まとめ◆

関係者が複数名いるような刑事事件の場合,捜査機関はすぐに逮捕するのではなく,最初は在宅で取調べを行い,全貌が見えたところで逮捕することがあります。

いわゆる詐欺事件は一般的には刑法上の「詐欺罪」が適用されますが,組織ぐるみでの犯行の場合にはより重い「組織犯罪処罰法違反」で処罰されることがあります。

基本的に刑事裁判は1人の被告人に対して行いますが,共犯者がいる場合には弁論併合され,一緒の裁判で判決が言い渡されます。
もっとも,例えばBさんがAさんより多く事件を起こしてしまった場合,AさんとしてはBさんの事件の手続きが終わるまで待つ必要があります。
そうなると,判決言い渡しが伸びてしまうため,Aさんとしては負担になるでしょう。
弁護士としては,裁判所に対し,その調整を行う必要もあります。

東京都内で詐欺罪や組織犯罪処罰法違反で捜査を受けている方がおられましたら,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御相談ください。

【お客様の声】脅迫事件で不起訴を獲得

2021-06-28

【お客様の声】脅迫事件で不起訴を獲得

 

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