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【報道事例】新宿区歌舞伎町でせき止め薬を無許可譲渡したとして少年を逮捕|医薬品医療機器法違反とは?
【報道事例】新宿歌舞伎町でせき止め薬を無許可譲渡したとして少年を逮捕|医薬品医療機器法違反とは?
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が、せき止め薬を無許可譲渡したとして逮捕された報道事例をもとに、医薬品医療機器法違反について解説致します。
【参考事例】
若い世代で市販薬の過剰摂取(オーバードーズが問題となるなか、東京都新宿区歌舞伎町にある「トー横」でせき止め薬を無許可で女子高校生に譲り渡した疑いで、少年A(19)が逮捕されました。
(中略)
警視庁によりますと、去年12月、新宿区歌舞伎町の「トー横」で、許可を受けずに17歳の女子高校生に市販のせき止め薬40錠、16歳の女子高校生にせき止めの処方薬50錠を無償で譲り渡したとして、医薬品医療機器法違反の疑いが持たれています。
女子高校生は深夜にはいかいしていたところを補導され、「薬をもらった」と話したことから、警視庁が捜査を進めていました。
調べに対し、容疑を認めたうえで、「女の子と知り合うきっかけになるし、仲よくなれると思った。ほかの女の子にもただであげたり売ったりした」と供述しているということです。
(※2/16に『NHK NEWSWEB』で配信された「トー横でせき止め薬を無許可で譲り渡したか 19歳容疑者逮捕」記事の一部を変更して引用しています。)
【解説】
■医薬品医療機器法違反とは?
まず、「医薬品医療機器法」(以下、法令名省略)とは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の略称です。
「薬機法」などと略されることも多いです。
今回の報道事例では、「許可を受けずにせき止めの処方薬を無償で譲り渡した」とされているところ、医薬品医療機器法24条1項では、「薬局開設者または医薬品販売業の許可を受けた者」以外が、業として、医薬品の販売・授与・授与目的の貯蔵・陳列することを禁止しています。
ここで、「授与」とは、ある物について所有権を有する者が対価を得ないで、その物の所有権を他人に移転すること、つまり所有権の無償譲渡を意味します。
24条1項を簡単に言い換えると、許認可を受けてない人が、自分の物だからと薬などを売ったり、譲渡することは医薬品医療機器法違反となり犯罪となることを規定しています。
■医薬品医療機器法違反の刑罰
許可を得ずに薬を他人に譲渡する行為は、医薬品医療機器法の24条1項違反であり、本規定に違反した者については、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処される、又はこれを併科されることになります(84条9号)。
■医薬品医療機器法など刑事事件で逮捕されたら弁護士に相談
今回の報道事例のような若い世代を中心に問題となっている薬の過剰摂取(オーバードーズ)などを助長するような悪質な医薬品医療機器法違反の場合には、厳しい処罰となる可能性も高くなるでしょう。
厳しい処罰を回避するには、弁護士に依頼し、深い反省を警察や検察、裁判の中で示してもらうなどの情状弁護を行ってもらう必要があります。
早急に弁護士に相談して対処してもらわなければ、事態が勝手に良くなることはないでしょう。
■参考条文
- 第24条(医薬品の販売業の許可)
薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列(配置することを含む。以下同じ。)してはならない。ただし、医薬品の製造販売業者がその製造等をし、又は輸入した医薬品を薬局開設者又は医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者に、医薬品の製造業者がその製造した医薬品を医薬品の製造販売業者又は製造業者に、それぞれ販売し、授与し、又はその販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列するときは、この限りでない。
(※第2項省略)
- 第84条
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(※第一号~八号省略)
九 第24条第1項の規定に違反した者
(※第十号~二十九号省略)
【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が医薬品医療機器法違反について解説致しました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、医薬品医療機器法違反などの刑事事件・少年事件を数多く扱う法律事務所です。
なんらかの事件を起こしてしまった方、警察から取調べを受けている、呼び出しを受けている方は,弊所へお越しいただいての初回無料相談をご利用いただけます。
また、既に逮捕されている方へは、お申込み後、最短当日中に弁護士が接見をして、今後の対応についてのアドバイスや状況を確認する初回接見サービス(有料)がございます。
東京都内及び周辺に在住の方やそのご家族で、刑事事件の被疑者として捜査されているという方などは、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。
無料相談、初回接見サービスをご希望の方は、24時間365日受付中のフリーダイヤル0120-631ー881でご予約をお取りできますので、ご連絡をお待ちしております。
【報道事例】同居する母親の遺体を放置したとして男性を死体遺棄罪の疑いで逮捕|放置も「遺棄」に該当する?
【報道事例】同居する母親の遺体を放置したとして男性を死体遺棄罪の疑いで逮捕|放置も「遺棄」に該当する?
今回は、東京都世田谷区のマンションで起きた死体遺棄事件をもとに、死体遺棄罪とはなにか、遺体を放置することも「遺棄」に該当するのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【参考事例】
東京都世田谷区のマンションの一室で、同居する母親とみられる女性の遺体を遺棄したとして、男性A(43)が逮捕されました。
Aは1月、世田谷区のマンションの一室に70代の母親とみられる女性Vの遺体を遺棄した疑いが持たれています。
警視庁によりますと、連絡が取れないことを不審に思った親族が通報し、警察官が駆け付けたところ、布団の中で仰向けの状態のVを発見したということです。
取り調べに対して、Aは容疑を認めています。
また、「母を亡くした喪失感で無気力状態となった。どうして良いか分からず、そのままにしてしまった」と話しているということです。
警視庁はVが死亡した経緯や身元などについて調べを進めています。
(※2/12に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「同居する母親か 東京・世田谷区のマンションで女性の遺体遺棄容疑 男を逮捕」記事の一部を変更して引用しています。)
【死体遺棄罪とは】
今回、Aは死体遺棄罪の疑いで逮捕されています。
死体遺棄罪については、刑法第190条で以下のように規定されています。
- 刑法第190条(死体損壊等)
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。
死体遺棄罪は、「死体」を「遺棄」した場合に成立します。
「死体」とは死亡した人の身体を指し、これには死胎も含まれます。
「遺棄」とは、通常の埋葬と認められない方法で死体等を放棄する行為を指します。
今回のAは母親とみられるVの遺体をそのまま放置しましたが、これは死体遺棄罪が成立する「遺棄」に該当するのでしょうか。
通常、死体等を移動させたり隠匿したりする行為が「遺棄」に該当しますが、埋葬の手続きを行う義務がある人がそのまま死体を放置する行為は、不真正不作為犯としての「遺棄」が成立すると解釈されています。
不真正不作為犯とは、「何かをしない」ことで犯罪が成立することをいいます。
AがVの家族であれば、Vが死亡した場合、Vを埋葬する義務を有するにもかかわらず、Aは埋葬の手続きを行わずに放置していたため、不真正不作為犯として死体遺棄罪が成立したと考えられます。
【死体遺棄罪で逮捕されたら弁護士へ】
死体遺棄事件を起こした場合、今回のAのように逮捕される可能性が高いです。
また、逮捕後も勾留される可能性があり、勾留が決定すれば最大20日間身柄が拘束されることになります。
さらに、死体遺棄罪の罰則規定は「3年以下の懲役」のみで、罰金刑による罰則規定はありません。
つまり、死体遺棄罪で起訴されると公判請求されることになり、刑事裁判が開かれることになります。
なるべく早期の釈放や、起訴された場合に少しでも軽い判決を獲得したいという場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することが重要になります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご予約に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
東京都内で刑事事件を起こしてしまった方や、ご家族が刑事事件を起こして逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。
【報道事例】発売前のマンガを撮影・複写してネットに違法アップロードした男性2人を逮捕|著作権法違反とは?
【報道事例】発売前のマンガを撮影・複写してネットに違法アップロードした男性2人を逮捕|著作権法違反とは?
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が、違法アップロードによる著作権法違反について解説致します。
【事例】
熊本県警などは、発売前のマンガを撮影・複写し、その画像をインターネット上で公開した疑いで、東京都に住む外国籍の男2人を著作権法違反の疑いで逮捕しました。
男らは撮影したことについては容疑を認めているものの、インターネット上で公開したことについては否認しているということです。
(※2/5に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「発売前のマンガをインターネット上に公開した疑い 外国籍の男2人逮捕」記事を引用・参照しています。)
【解説】
■違法アップロードとは?
まず、映画・ドラマ・アニメなどの映像作品や写真集・雑誌・マンガなどの出版物は「著作物」として、著作権や出版権が存在しています。
そして、ネットなどにこのような著作物を無断でアップロードすることは著作権等を侵害する行為に該当します。
このように、著作権者に無断でインターネット上にマンガや映画・ドラマなどをアップロード(投稿)する行為が一般的に違法アップロードと言われる行為です。
この違法アップロードは、法律上は著作権法違反として著作権法という法律によって処罰されることになります。
- 著作権法第119条1項
著作権、出版権または著作隣接権を侵害した者は、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金に処し、またはこれらを併科する。
■著作権法違反となる行為
著作権法119条1項違反の成立要件は、①著作権、出版権または著作隣接権を②侵害したということです。
「侵害」とは、著作権者に無許可で著作物のコピーや、投稿・配信、上映、改変、切除(切り抜きなど)を行うことを意味します。
■違法アップロードで逮捕になるケース
SNSなどのネット上に他人の著作物を違法アップロードしただけではすぐに逮捕されるわけではありません。
これは、違法アップロードは著作権者による刑事告訴がなければ罪に問われない親告罪という犯罪であるためです。
もっとも、以下のような要件を満たす悪質な著作権法違反については、非親告罪として著作権者の告訴なしに著作権侵害者を罪に問うことが可能です。
①:対価を得る目的または権利者の利益を害する目的があること
②:有償著作物等(有償で公衆に提供され、又は提示されているもの)を原作のまま譲渡・公衆送信またはこれらの目的のために複製すること
③:有償著作物等の提供・提示により得ることが見込まれる権利者の利益が不当に害されること
発売前のマンガをネット上にアップロードする行為は、マンガを購入しなくても無料で読めるからと読者の購買意欲がなくなることで売上を下げる結果にもつながるため、原作者や出版社の利益を不当に害する行為であり、このようなケースは悪質な著作権法違反として逮捕されるおそれがあると考えられます。
■著作権法違反の刑罰
10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金に処し、またはその両方
【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が違法アップロードによる著作権法違反について解説致しました。
違法アップロードなどは、証拠隠滅の恐れなどから、逮捕後も勾留され最大20日間身柄が拘束される可能性も十分にあります。
早急に弁護士に相談して対処してもらわなければ、事態が勝手に良くなることはないでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を数多く扱う法律事務所です。
なんらかの事件を起こしてしまった方、警察から取調べを受けている、呼び出しを受けている方は,弊所へお越しいただいての初回無料相談をご利用いただけます。
また、既に逮捕されている方へは、お申込み後、最短当日中に弁護士が接見をして、今後の対応についてのアドバイスや状況を確認する初回接見サービス(有料)がございます。
東京都内及び周辺に在住の方やそのご家族で、刑事事件の被疑者として捜査されているという方などは、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。
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【報道事例】AVに出演した女性に契約書を交付しなかったとして男性をAV出演被害防止・救済法違反の疑いで逮捕
【報道事例】AVに出演した女性に契約書を交付しなかったとして男性をAV出演被害防止・救済法違反の疑いで逮捕
令和4年6月から施行された「AV出演被害防止・救済法」を知っている方はあまり多くありません。
今回は、AVに出演した女性に対して契約書を交付しなかったとしてAV出演被害防止・救済法違反の疑いで男性が逮捕された事例をもとに、AV出演被害防止・救済法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【参考事例】
アダルトビデオ(AV)に出演した女性に契約書などを交付しなかったとして、佐賀北署は1日、AV出演被害防止・救済法違反の疑いで東京都渋谷区在住の男性A(44)を逮捕しました。
同法の2022年6月の施行後、佐賀県警による摘発は初めてとなります。
逮捕容疑は昨年8月、県内のホテルで、20代の女性出演者Vに対して契約事項を記載した書面を出して説明せず、契約書を交付しなかった疑いがもたれています。
同署によると、Aは容疑を認めているとのことです。(以下略)
(※2/1に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「アダルトビデオの契約書交付せず 被害救済法違反容疑で東京都の40代男を逮捕 佐賀県警初摘発」記事の一部を変更して引用しています。)
【AV出演被害防止・救済法とは】
AV出演被害防止・救済法とは、令和4年6月に施行された「性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律」の略称です。
他にも、「AV新法」や「AV被害救済法」などとも呼ばれています。
AV出演被害防止・救済法は、AV(アダルトビデオ)の出演者がAVに出演したことで生ずるおそれのある重大な被害の発生や拡大の防止、または被害を受けた出演者の救済を目的とした法律です。
今回、AはAVに出演したVに契約書を交付しなかったとしてAV出演被害防止・救済法違反の疑いで逮捕されています。
契約書の交付に関しては、同法第6条で以下のように規定されています。
- AV出演被害防止・救済法第6条(出演契約書等の交付等義務)
制作公表者は、出演者との間で出演契約を締結したときは、速やかに、当該出演者に対し、出演契約事項が記載され又は記録された出演契約書等を交付し、又は提供しなければならない。
このように、AVの出演者に対して契約書を交付することは義務として定められています。
VはAから契約書を交付されていないため、AはAV出演被害防止・救済法違反が成立したと考えられます。
契約書等の交付義務に違反した場合の罰則は、同法第21条第2項で以下のように規定されています。
- AV出演被害防止・救済法第21条
次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、6月以上の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(第1項省略)
2 第6条の規定に違反して、出演契約書等を交付せず若しくは提供せず、又は出演契約事項が記載され若しくは記録されていない出演契約書等若しくは虚偽の記載若しくは記録のある出演契約書等を交付し若しくは提供したとき。
つまり、今回逮捕されたAは6月以上の懲役もしくは100万円以下の罰金で処罰される可能性があります。
【事務所紹介】
今回は、AV出演被害防止・救済法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説しました。
AV出演被害防止・救済法の施行により、AV出演者に対する契約書等の交付は義務となっています。
事例のAのように、契約書を交付しなければAV出演被害防止・救済法違反となり処罰を受けることになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご予約に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
東京都内で刑事事件を起こしてしまったという方や、ご家族が逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。
【事例解説】「金が払えないなら暴力団に話す」と言って現金20万円を脅し取った男性を恐喝罪の疑いで逮捕
【事例解説】「金が払えないなら暴力団に話す」と言って現金20万円を脅し取った男性を恐喝罪の疑いで逮捕
今回は、路上でトラブルになった男性に「金が払えないなら暴力団に話す」と言って現金20万円を脅し取った恐喝事件の事例をもとに、恐喝罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【事例】
東京都渋谷区内の路上を歩いていた男性V(34)は、すれ違いざまに男性A(42)の肩にぶつかってしまいました。
ぶつかった拍子にAは持っていたスマートフォンを落とし、Vが謝罪しようとしたところ、AはVに対し「スマートフォンが壊れたから20万円弁償しろ」と要求しました。
Vは20万円も持っていなかったところ、Aから「俺は暴力団に顔が利く、金が払えないなら暴力団に話すぞ」と言われ、怖くなったVは口座から現金20万を引き出し、Aに渡しました。
その後、Vが渋谷警察署に相談し、Aは恐喝罪の疑いで逮捕されました。
(※この事例は全てフィクションです。)
【恐喝罪とは?】
今回の事例で、Aは恐喝罪の疑いで逮捕されています。
恐喝罪については、刑法第249条で以下のように規定されています。
- 刑法第249条(恐喝)
人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させたものも、同項と同様とする。
恐喝罪は、人を「恐喝」して「財物を交付」させることで成立します。
より具体的に説明すると、恐喝罪が成立する流れは、①恐喝行為→②相手(被害者)の畏怖→③畏怖に基づく財物の交付→④財物・財産上の利益の移転となります。
恐喝罪における「恐喝」とは、相手の反抗を抑圧するに至らない程度の暴行や脅迫を用いて財物を脅し取ろうとする行為を指します。
暴行や脅迫が相手の反抗を抑圧するに足りる程度で会った場合は、恐喝罪ではなく強盗罪が成立します。
恐喝罪における脅迫とは人を畏怖させるに足りる害悪の告知を指し、暴行とは相手を畏怖させる程度で犯行を抑圧するに足りない程度のものを指します。
今回の事例で考えると、AはVに対して「金が払えないなら暴力団に話す」と言っています。
具体的にVに危害を加える旨を告知しているわけではありませんが、暴力団に話すと言われれば、暴力団から危害を加えられると考えてもおかしくありません。
間接的な内容でも、危害が加えられるような内容が相手に伝われば脅迫に該当します。
つまり、AがVに言った内容は脅迫に該当し、この脅迫に畏怖したVは現金20万円をAに交付しています。
恐喝罪が成立する要件の流れを満たしているので、Aに恐喝罪が成立する可能性が高いということになります。
【恐喝罪で逮捕されてしまったら弁護士へ】
恐喝罪による刑事事件を起こしてしまうと、逮捕される可能性は十分にあります。
逮捕後も勾留が決定されて最大20日間身柄が拘束されるかもしれません。
また、恐喝罪の処罰規定に罰金刑はないため、起訴されると公判請求となり刑事裁判が開かれることになります。
ご家族が恐喝事件を起こして逮捕されているけど早期釈放してほしい、不起訴処分を獲得して前科を避けたい、起訴されても量刑を少しでも軽くしてほしい、といった場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、恐喝事件はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご家族が逮捕されている場合は、最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)を提供しています。
弁護士がご本人から直接事実関係などを確認した上で、現在の状況や今後の見通しについて詳しい説明を受けることができます。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
東京都内でご家族が刑事事件を起こして逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。
【相談事例】怪我を負わせた相手から被害届を提出すると言われた…刑事事件化を阻止することは可能ですか?
【相談事例】怪我を負わせた相手から被害届を提出すると言われた…刑事事件化を阻止することは可能ですか?
「怪我を負わせてしまった相手から被害届を提出すると言われてどうすればいいか分からない、、」という不安な気持ちを抱いている場合、弁護士に相談することをおすすめします。
今回は、上記のような相談に関する見解や弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【相談事例】
東京都調布市に在住の男性A(25)は、同じ職場の同僚男性V(25)と仕事終わりに居酒屋で飲むことになりました。
お互いにお酒が入っていたこともあり、ちょっとしたことから口論になり、AはVの身体を押してしまい、Vは転倒しました。
Aは慌ててVの身体を起こして謝罪し、その日は何事もなく終わりました。
後日、Vから「先日の件で病院に行ったところ、全治2週間の怪我を負っていた。被害届を警察に提出する。」といった連絡が来ました。
Vに対する申し訳ない気持ちはあるものの、今後どうなるか心配になったAは、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(※この事例は全てフィクションです。)
【Aに問われる可能性がある罪】
今回の相談事例において、Aは傷害罪に問われる可能性が高いです。
傷害罪については、刑法第204条で以下のように規定されています。
- 刑法第204条(傷害)
他人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
殴る・蹴るなどの暴行を加えて相手に怪我を負わせることが傷害罪が成立する典型的な例ですが、傷害罪が成立する可能性がある行為はこれだけではありません。
判例では、傷害罪における「傷害」とは、「他人の生理的機能を侵害する行為」であるとされています。
つまり、暴行以外の行為でも「他人の生理的機能を侵害する行為」だと認められると傷害罪が成立するということです。
暴行行為以外で傷害罪が認められた行為には、以下のような行為があります。
- 相手に執拗な嫌がらせ電話をして精神を衰弱させた行為
- 騒音などによって相手に精神的ストレスを与えて睡眠障害に陥れた行為
- 相手に性病であることを隠して性交渉を行い感染させた行為
今回の相談事例で考えると、AがVの身体を押した結果、Vが転倒して怪我を負っているため、Aの行為は傷害罪が成立する可能性があります。
【Aに対する弁護活動】
今回の相談事例では、VはAに対して「被害届を警察に出す」と言っていますが、実際にはまだ警察に被害届を提出していません。
そのため、Aから弁護依頼を受けた場合、弁護士は刑事事件化を阻止することを第一の目標として活動を行います。
刑事事件化を阻止するためには、被害者であるVとの示談を締結することが重要なポイントになります。
当事者間での示談交渉は、適切な金額での示談が行えなかったり、正しい示談書が作成できずに後々トラブルになったりすることもあるため、法律のプロである弁護士に代理人として示談交渉を行ってもらうことをおすすめします。
Aは弁護士に弁護活動を依頼していたため、弁護士がAの代理人としてVと示談交渉を行い、結果として適切な示談金でVとの示談を締結することに成功しました。
示談も無事に締結できたことで、刑事事件化を阻止することにも成功し、Aにとって一番良い結果で終了することができました。
このように、ご自身が刑事事件の当事者になるかもしれないという場合は、まずは弁護士に相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
様々な刑事事件の弁護活動を担当し、被害者との示談を締結して刑事事件化を阻止した実績を多数持つ経験豊富な弁護士も多く在籍しています。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
東京都内で刑事事件を起こしてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。
【事例解説】未成年者誘拐罪とは?未成年者からの同意があった場合でも未成年者誘拐罪は成立する?
【事例解説】未成年者誘拐罪とは?未成年者からの同意があった場合でも未成年者誘拐罪は成立する?
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が、新宿警察署において未成年者誘拐罪で逮捕されたという事例を想定して、未成年者誘拐罪について解説致します。
【事例】
警視庁新宿警察署は、女性V(16)が未成年者であることを知りながら、マッチングアプリを使用して同女性を誘い出し、自動車に乗車させ連れ去り、翌日朝まで自宅等に滞在させたとして、未成年者誘拐罪の疑いで男性A(27)を逮捕しました。
(※事例は全てフィクションです。)
【解説】
■未成年者誘拐罪とは?
未成年者誘拐罪とは、刑法第224条に定められている犯罪です。
未成年者誘拐罪が成立し実刑判決となった場合には、3月以上7年以下の懲役に処されることになります。
- 刑法第224条(未成年者略取及び誘拐)
未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。
未成年者誘拐罪の成立要件は以下のようになります。
①「未成年者」を
②「誘拐」した
③未成年者であることの認識(故意)
「未成年者」とは、18歳未満の者を指します(民法第4条)。
「誘拐」とは、欺罔・誘惑などの手段を用いて、他人をその生活環境から不法に離脱させ、自己又は第三者の事実的支配下に置くことを意味します。
本罪は、未成年者を成人であると誤認していた場合には、本罪の故意は認められません。
また、誘拐の手段が欺罔・誘惑等ではなく、暴行・脅迫であった場合は「略取」と呼ばれます。
■未成年者本人の同意があってもだめ?
未成年者誘拐罪は、未成年者本人の同意があったとしても罪を免れることはできません。
今回の事例では、Aは未成年者だと認識しているVから同意を得た上で誘い出し、車で移動して自宅に滞在させていますが、16歳の女性の保護者などには了承を得ていなかったと考えられるため「誘拐」と評価されたと考えられます。
【事務所紹介】
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が未成年者誘拐罪について解説致しました。
未成年者誘拐罪は、たとえ未成年者本人の同意があったとしても罪を免れるわけではないので、「お互い了承の上だったので問題ないと思った」というような言い分は通用しません。
また、未成年者誘拐罪には罰金刑がなく、実刑となった場合は懲役に処される可能性が極めて高い重大な犯罪です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件に特化した法律事務所です。
なんらかの事件を起こしてしまった方、警察から取調べを受けている、呼び出しを受けている方は、弊所へお越しいただいての初回無料相談をご利用いただけます。
また、既に逮捕されている方へは、お申込み後、最短当日中に弁護士が接見をして、今後の対応についてのアドバイスや状況を確認する初回接見サービス(有料)がございます。
東京都内及び周辺に在住の方やそのご家族で、刑事事件の被疑者として捜査されているという方などは、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご連絡ください。
無料相談、初回接見サービスをご希望の方は、24時間365日受付中のフリーダイヤル0120-631ー881でご予約をお取りできますので、ご連絡をお待ちしております。
【報道事例】路上で女性を連れ去った男性を監禁罪の疑いで現行犯逮捕|逮捕・監禁罪とは?
【報道事例】路上で女性を連れ去った男性を監禁罪の疑いで現行犯逮捕|逮捕・監禁罪とは?
今回は、東京都足立区で起きた監禁事件をもとに、逮捕・監禁罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
<事例>
東京・足立区竹の塚の路上で20代の女性から「嫌だ助けて」などと助けを求める110番通報がありました。
捜査関係者によりますと、20代の女性Vが男性Bと一緒にいたところ、別の20代の男Aに乗用車に乗せられ、連れ去られたということです。
警視庁は八王子市内にいたAを発見し、監禁の疑いで現行犯逮捕しました。
VはAと一緒にいて、無事だということで、警視庁は女性が連れ去られたいきさつを調べています。
(※1/16に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「東京・足立区で女性連れ去りか 監禁の疑いで20代の男を現行犯逮捕 別の男性といたところ連れ去ったか…すでに女性を保護 警視庁」記事の一部を変更して引用しています。)
<逮捕・監禁罪とは>
今回の事例でAは監禁罪の疑いで現行犯逮捕されています。
監禁罪については、刑法第220条で以下のように規定されています。
- 刑法第220条(逮捕及び監禁)
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。
監禁罪は「不法に人を監禁」した場合に成立します。
一方で、「不法に人を逮捕」した場合は逮捕罪が成立します。
「不法」と規定されているように、逮捕・監禁罪に該当する行為であったとしても適法であれば犯罪にはなりません。
適法な逮捕・監禁行為については、警察官が刑事訴訟法に従って行う逮捕などが挙げられます。
逮捕も監禁も人の行動の自由を奪う行為ではありますが、「逮捕」は人の身体に対して直接的な拘束をする行為を指し、「監禁」は人が一定の区域からの脱出を不可能な状態にしたり著しく困難にしたりする行為を指します。
例えば、ロープなどを使って人の手足を縛る行為は逮捕に該当し、部屋の出入り口に鍵をかけて閉じ込める行為は監禁に該当します。
今回の事例で考えると、AはVを乗用車に乗せて連れ去っています。
車内(一定の区域)に乗せて走行しているため、Vが走行中の車内から脱出することは極めて難しいと考えられるため、AのVに対する行為は監禁に該当すると考えられます。
AのVに対する監禁行為は適法とはいえないため、今回のAの行為は監禁罪が成立する可能性が高いということになります。
<逮捕・監禁罪で逮捕されたら弁護士へ>
逮捕・監禁罪の罰則は「3月以上7年以下の懲役」で、罰金刑による罰則規定はありません。
つまり、逮捕・監禁罪による刑事事件を起こして起訴されると検察官から裁判所に対して公判請求がされ、刑事裁判が開かれることになります。
また、今回のAのように逮捕・監禁罪で逮捕された場合、逮捕後も勾留されて最大20日間身柄が拘束される可能性も十分にあります。
刑事事件で逮捕された場合、逮捕後48時間以内に身柄が警察から検察に送致され、送致後24時間以内に検察官が裁判所に勾留請求をするかどうか判断します。
時間が決まっているため、いかに迅速な対応をするかどうかが重要なポイントとなります。
そのためにも、ご家族が逮捕されてしまった場合は早急に弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
すでにご家族が逮捕されている場合には、最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)を提供しています。
実際に弁護士が本人から事実関係などを確認し、現在の状況や今後の見通しについて詳しい説明を受けることができます。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
東京都内でご家族が逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。
【報道事例】自宅で母親の遺体を遺棄した疑いで男性を逮捕|遺体をそのままにするだけでも罪になる?
【報道事例】自宅で母親の遺体を遺棄した疑いで男性を逮捕|遺体をそのままにするだけでも罪になる?
今回は、埼玉県で起きた死体遺棄事件をもとに、死体遺棄罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【事例】
今回は、さいたま市内にある自宅で母親とみられる高齢女性の遺体を遺棄したとして、48歳の男が逮捕されました。
調べに対し、男は「わからない」と容疑を否認しているということです。
逮捕されたのは、無職の男A(48)です。
警察によりますと、遺体はAの母親B(86)と見られ、死亡してから長い時間が経っていました。
Aは、県営住宅に母親と二人暮らしで、管理者から「女性をしばらく見かけていない」と連絡を受けた警察官が遺体を見つけたということです。
警察は司法解剖して死因を調べる方針です。
(12月29日に「テレ朝news」で配信された『自宅で母親の遺体を遺棄か「女性を見かけない」と連絡 男を逮捕』記事の一部を変更して引用しています。)
【Aに問われる犯罪は?】
今回の報道事例では、Aには死体遺棄罪が成立する可能性があります。
死体遺棄罪については、刑法第190条で以下のように規定されています。
- 刑法第190条(死体損壊等)
死体、遺骨、遺髪又は棺におさめてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。
遺棄とは、死体等を移動させてから放棄・隠匿することですが、本件ではBの遺体をAは移動させておらず、単に放置していたに過ぎない可能性が高いです。
では、このような事情においても、死体遺棄罪は成立しうるのでしょうか。
この点について、判例は、法令・慣習上葬祭の義務を有する者(つまり、お葬式などを率先してあげるべき人)の場合は、場所的移転を伴わない単なる放置も不真正不作為犯として本罪の遺棄にあたる、としています(大判大正6年11月24日)。
不真正不作為犯とは、何もしていない(不作為)ことで実行行為が認められる犯罪類型のことです。
不真正不作為犯は、一定の要件をクリアすることで認定されます。
例として、赤ちゃんに対して母親が育児を何もしないで、結果として赤ちゃんが死んでしまったケース等が挙げられます。
ここで、本件を見てみましょう。
男Aは、母親Bと二人暮らしをしていました。
この事情から、母親Bにとって「法令・慣習上葬祭の義務を有する者」は、男Aと言えるのではないでしょうか。
そうすると、男Aは死体遺棄罪の主体であると結論付けることができます。
そして、男Aが家の中で母親Bの遺体を放置したことは、「場所的移転を伴わない単なる放置」であると考えられ、「遺棄」にあたると解することができます。
よって、男Aには死体遺棄罪が成立する可能性があります。
【死体遺棄罪が成立したら、刑罰はどのくらい?】
死体遺棄罪を規定する刑法第190条には、「~者は、三年以下の懲役に処する」とあります。
ですので、もし起訴され有罪にされるのであれば、三年以下の懲役の刑罰が課されることになります。
しかし、三年以下の懲役刑(又は禁固刑)には、一定の条件を満たす場合に、情状により執行猶予が付されることがあります。
執行猶予とは、以前に懲役刑や禁錮刑に処せられたことがないなど一定の条件を満たす場合に、判決で3年以下の懲役刑又は禁錮刑を言い渡すとき、情状により、刑の全部の執行またはその一部の執行を猶予することのできる制度です。
よって、男Aが一定の条件を満たす場合は、執行猶予になる可能性があります。
死体遺棄が犯罪に該当すると知らずに今までやっていたという方もいるかもしれません。
突然警察から逮捕されてしまったり、任意の取調べを受けることになってしまった場合は、早い段階で弁護士に相談してアドバイスやサポートをしてもらうことが大切です。
早期に弁護士に相談しておくことで、今後の取調べ対応の具体的なアドバイスや今後の見通しについて説明を受けることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件その他事件の弁護活動を担当した実績を持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
東京都内で刑事事件その他事件を起こしてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。
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【報道事例】東京都秋葉原駅で女性が刃物を振り回し4人が負傷|刺傷事件で問われる可能性がある罪は?
【報道事例】東京都秋葉原駅で女性が刃物を振り回し4人が負傷|刺傷事件で問われる可能性がある罪は?
今回は、東京都にある秋葉原駅で起きた刺傷事件をもとに、刺傷事件で問われる可能性がある罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
【事例】
3日午後11時ごろ、東京都千代田区のJR秋葉原駅で「女が刃物を振り回している」と119番通報がありました。
東京消防庁によると40代と60代の男性2人が刺し傷を負ったとのことで、いずれも意識はあるとのことです。
このほかに2人のけが人がいるとの情報もありました。
刃物で男性らにけがを負わせたとみられる女はすでに警視庁に確保されています。
(※1/3に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「東京・秋葉原駅で女が刃物振り回す 4人けがの情報、警視庁が身柄確保」記事の一部を変更して引用しています。)
【刺傷事件で問われる可能性がある罪は?】
刺傷事件で問われる可能性がある罪としては、傷害罪、殺人罪、殺人未遂罪、銃刀法違反などが挙げられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【傷害罪】
傷害罪は刑法第204条で以下のように規定されています。
- 刑法第204条(傷害)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
人に対して物理的な力を加えた結果として、傷害(怪我)を負わせた場合に傷害罪が成立します。
刺傷事件では、刃物を振り回して怪我を負わせていることが多いため、傷害罪が成立することが多いです。
今回の事例でも、刃物を振り回した結果、4人が怪我を負っているため、傷害罪が成立する可能性があると考えられます。
【殺人罪・殺人未遂罪】
殺人罪は刑法第199条で以下のように規定されています。
- 刑法第199条(殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
殺意をもって人を殺害することで殺人罪は成立します。
「誰でもいいから殺したかった」といった動機で無差別的な刺傷事件を起こすことも少なくはありません。
このように殺意をもった状態で刺傷事件を起こし、人を死亡させた場合は殺人罪が成立する可能性が高いと考えられます。
また、殺人罪は未遂でも処罰される旨が刑法第203条で規定されています。
- 刑法第203条(未遂罪)
第199条及び前条の罪の未遂は、罰する。
つまり、殺意をもって人を殺そうとしたが結果的に死亡しなかった場合に殺人未遂罪が成立するということになります。
殺人未遂罪と傷害罪は成立する要件が似ていますが、「殺意があったかどうか」が大きな違いです。
殺意があったかどうかについては、「相手を殺す」といった主観的な気持ちだけではなく、行為によって相手が死亡する可能性が高いとわかっていたにも関わらず実行したような場合でも客観的に殺意があったと認められることもあります。
今回の事例では死者は出ていないため、殺人罪は成立しませんが、殺意があったと判断されると殺人未遂罪が成立する可能性があります。
【銃刀法違反】
銃刀法(正式名称:銃砲刀剣類等取締法)第22条では、刃体の長さが6cmを超える刃物の携帯を禁止する旨が規定されています。
今回の事例で使用された刃物について具体的な説明はありませんでしたが、銃刀法で規定されている長さを超えていれば銃刀法違反が成立する可能性もあります。
規定より短い刃物を正当な理由なく持ち歩いていた場合は、銃刀法違反ではなく軽犯罪法違反が成立する可能性があります。
【家族が刺傷事件を起こしてしまった場合はすぐに弁護士へ】
今回は、刺傷事件を起こした場合に問われる可能性がある罪について解説してきました。
刺傷事件は現行犯逮捕されることが非常に高く、逮捕後も勾留されて長期的に身柄が拘束される可能性があります。
ご家族が刺傷事件を起こして逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
すでに逮捕されている場合は、弁護士に接見を依頼することで、弁護士が直接本人から事実関係などを聞き、それらを踏まえた上での今後の見通しや現在の状況などの説明を受けることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
ご家族が逮捕されている場合は、最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)をご利用いただけます。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
東京都内でご家族が刺傷事件を起こして逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部までご相談ください。