Archive for the ‘財産事件’ Category

窃盗事件で自首

2021-05-06

窃盗事件で自首

窃盗事件を起こした場合の罪と、自首の要件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都品川区大井在住のAは、品川区大井にある会社に勤める会社員です。
ある日、Aが品川区大井の道を歩いていたところ、飲食店の裏口に、酒屋が届けたビール瓶がケースに入れられ置いてあることに気が付きました。
それを見たAは、無意識のうちにそのビール瓶3本をバッグに入れ、自宅に持ち帰ってしまいました。
しかし、Aの家族がそのビール瓶を見て、Aに問うたところ、Aは盗んでいったことを認めました。
そこで、Aの家族はAを説得し、品川区大井を管轄する大井警察署に自首するよう説得しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【窃盗事件について】

ケースの場合、Aは、酒屋が飲食店の裏口に商品を納品したビール瓶を3本、盗っています。
酒屋は、飲食店との取り決めでビール瓶を裏口に納品している(置いている)と考えられますので、この場合のビール瓶は飲食店の占有下にあるものと考えられます。
よって、そのビール瓶を持ち去る行為は、窃盗罪に当たると考えられます。
窃盗罪の条文は以下のとおりです。

刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

【自首について】

事件を起こしてしまった当事者が警察などに行くことを自首と呼びます。
自首は、刑法42条1項で「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。」と規定されています。
ここでしばし問題となるのが、「捜査機関に発覚する前に」という点です。
この点について、判例は「犯罪の発覚前」又は「犯人の誰であるかが判明する前」を意味するとしています。(最判昭24.5.14)
例えば、街中で貼られている氏名手配のポスターなどで手配されている被疑者が警察に行ったとしても、それは出頭であり自首にはあたりません。
暫し、自分が今から警察に行けば自首になるのでしょうかという質問を頂きますが、これについては「捜査機関による捜査の進捗次第」となります。
もっとも、御自身の携帯電話に警察署から連絡が来ている場合や、(一軒一軒ではなく)御自宅にピンポイントに警察官が来た場合には、既に「犯人の誰であるかが判明」していると考えられます。

【自首した際の手続】

自首した場合には逮捕される場合と、在宅で捜査が進められる場合があります。
いずれの場合でも、警察官などの捜査機関は自首したことについての調書を作成する必要があります。(刑事訴訟法245条、同241条、同242条)
また、自首した際に警察官が員面調書(司法警察員面前調書、俗に供述調書と呼ばれるもの)を作成することが多いです。
員面調書は被疑者の他に関係者が対象となる場合がありますが、被疑者の場合、員面調書の作成に際して取調べが行われるため、その前に弁護士に相談・依頼をすることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、自首する前の御相談についても承っております。
東京都品川区大井にて、窃盗事件を起こしてしまい自首を検討している方、自首した後の流れについて知りたいという方がおられましたら、捜査機関への発覚前に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御連絡ください。
事務所にて無料で御相談いただけます。
無料相談予約窓口:0120-631-881

車上荒らしで少年院へ

2021-04-08

車上荒らしで少年院へ

未成年者が車上荒らし事件を起こしてしまい、少年院送致される場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都大田区池上在住のAは、高校を卒業後アルバイトをして実家暮らしをしている18歳です。
Aは車に興味があるため高級スポーツカーを買いたいと思っていたのですが、アルバイトではなかなか収入が得られないため、手っ取り早く金を得たいと考えていました。
そこで、Aは高校生時代の後輩3人を引き連れ、夜な夜な大田区池上付近の路上や駐車場に駐車されていた車を狙い、窓ガラスを金属パイプで叩き割って中から金品を奪う車上荒らしをしていました。

大田区池上を管轄する池上警察署の警察官は、一連の車上荒らし事案の捜査を行い、Aらによる犯行であるとの裏付けをとったうえでAらを逮捕しました。
Aの家族は、Aが逮捕されたことから少年院に送致されてしまうのか不安になり、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士に初回接見を依頼しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【車上荒らしについて】

ケースのような事案については、車上荒らし・車上狙い・車上盗など、様々な呼称があります。
手口としては、バールや金属パイプなどで窓ガラスを割ってドアを開け、車内にある金品を奪うというものです。
車上荒らしは他人の家や事務所などに侵入して行われる窃盗事件とは異なるため、「非侵入盗」と区分されます。
警察庁ホームページ掲載の統計資料を見ると、平成22年には12万4608件が発生していましたが、令和元年には3万7425件にまで減少しています。
ただし車上荒らしは検挙が難しく、検挙件数は20%台に留まっています。

車上荒らしをした場合には、どのような罪にあたるのでしょうか。
まず、その目的であるものを盗む行為が問題になります。
他人の財物を窃取するという行為は窃盗罪に当たります。
また、仮に車上荒らしをしたものの車内から金目のものが見つからなかったため何も盗らずに逃げた場合や、金目のものはあったが盗る前に人が来たのであきらめた場合などには、窃盗未遂罪が成立します。
条文は以下のとおりです。
刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
(未遂犯処罰規定については刑法243条)

次に、車上荒らしのため車のガラスを破砕するという点が問題となります。
これは、他人の物を毀損することですので、器物損壊罪の成立が問題となります。
条文は以下のとおりです。
刑法261条 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

ただし、器物損壊罪については、物を盗る(窃盗罪)という目的のための手段に過ぎないため、牽連関係となりより重い罪である窃盗罪のみの刑で処罰されることになると考えられます。

【少年院とは?】

少年院は、20歳未満の少年が家庭裁判所で審判を受け、裁判官が少年院送致を言い渡した場合に送致される施設です。
少年院にいる法務教官等の指導を受け乍ら、自分の問題を見つめ、改善して社会復帰するための施設です。
そのため、本人の内省を深めるための授業だけでなく、生活指導や義務教育・高校卒業程度認定試験受験の指導、職業指導などが行われています。
少年院での生活期間は様々で、最短で4ヶ月、最大で24ヶ月です。
但し、規律違反などが続くとその期間はさらに長くなる可能性があります。
少年院には年齢制限があり、原則として20歳までとなっていますが、手続をすることで26歳まで収容することができます。

少年院に送致された場合、これまでの環境を調整・改善する機会になるというメリットがあります。
一方で、少年院での収容期間中は社会から断絶されるため、その後の生活への影響が懸念されます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。

東京都大田区池上にて、お子さんが車上荒らしなどの事件を起こしてしまい逮捕され、少年院に送致される可能性がある場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御連絡ください。
弁護士が接見でお子さんからお話を聞いた上で、少年院送致の可能性や回避のための弁護活動・付添人活動について御説明致します。

落し物を拾ったら何罪?

2021-04-05

落し物を拾ったら何罪?

落し物を拾い、警察署や交番に届け出ずに使ってしまった場合の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都荒川区荒川在住のAは、荒川区荒川にある飲食店に勤めるアルバイト店員です。
ある日、Aは荒川区荒川にある図書館を利用していたところ、共有スペースの机に財布が置いてあることに気が付きました。
Aはその財布を注視して5分ほど待ち続けましたが、持ち主は現れませんでした。
そこで、Aは財布を手にしてトイレに向かい、財布と現金を抜いてカード類はトイレに流し、図書館からの帰り道に財布は捨てて帰りました。
後日、Aの自宅に荒川区荒川を管轄する荒川警察署の警察官が来て、図書館で財布が無くなった件について警察署で話を聞きたいと言いました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【落し物に関する罪】

誰しも一度は、落し物を届けたという経験があるかと思います。
御案内のとおり、落し物をした場合には最寄りの交番や警察署に行き、届出する必要があります。
では、それを届け出ずにその落し物を持ち去った場合にはどのような罪に問われるのでしょうか。
以下で検討します。

〇遺失物横領罪・占有離脱物横領罪
基本的に、落し物を届け出ずに持ち去った場合には遺失物横領罪・占有離脱物横領罪が適用されます。
条文は以下のとおりです。

刑法254条 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

ここで規定されているのは、占有離脱物横領罪であり、遺失物横領罪はその例示であるとされています。
持ち主がその場に忘れて行った物を盗った場合には遺失物横領罪が、意識して置いた上でその場を立ち去っていた場合などには占有離脱物横領罪の罪名が、それぞれ付くと考えられます。

〇窃盗罪
上述のとおり、基本的には落し物を盗んだ場合には占有離脱物横領罪・遺失物横領罪が適用されますが、それを拾得した場所によっては窃盗罪が適用される可能性があります。
窃盗罪の条文は以下のとおりです。

刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

確かに、どのような場所であれ忘れ物である以上は占有を離れたものと言えそうです。
しかし、例えば商業施設やパチンコ店、ケースのような図書館などの場合、たとえ落し物であってもその占有は商業施設やパチンコ店、図書館にあるとされ、窃盗罪が適用される可能性があります。
なお、例え占有する商業施設やパチンコ店、図書館などの担当者が落し物についての認識がなかったとしても、占有は認められ窃盗罪が適用されます。

【落し物を盗んで弁護士へ】

御案内のとおり、昨今は防犯カメラ・監視カメラの普及により被疑者が特定されやすく、出来心とはいえ落し物を盗んだことで警察が捜査を行い被疑者を特定するということは多々ございます。
その場合に、上記の遺失物横領罪・占有離脱物横領罪が適用されるのか、窃盗罪が適用されるのかは、その罰条の違いから極めて重要です。
加えて、取調べでの応答や示談交渉の有無などが終局処分を左右する場合が多いです。
そのため、落し物を盗んでしまった場合、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士に弁護を依頼することが望ましいと言えるでしょう。

東京都荒川区荒川にて、落し物や忘れ物の財布を盗んでしまい、警察官から呼び出しを受けたり既に取調べを受けたりしている方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で御相談いただけます。

要予約:0120-631-881

国際ロマンス詐欺で保釈

2021-03-11

国際ロマンス詐欺で保釈

国際ロマンス詐欺と呼ばれる犯罪と、その場合の保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都北区神谷在住のAは、北区神谷にある会社に勤める会社員です。
Aには借金があり、その借金を返済するために詐欺行為をしようと考えました。
そこで、Aは会社の同僚である北区神谷在住のVが職場で席を外した際にVの机上にあったスマートフォンを起動し、SNSのアカウントを知りました。
その後、SNSでVと接触し、「自分は日本に憧れていて日本人と結婚したいと思っている。しかし、自分が日本に行くためには母国での人間関係を清算する必要があり、その為にお金が必要だ」というメッセージとともに、インターネット上で探した外国人の写真を添付しました。
Vは、「結婚してくれるなら送金するよ」と返答し、Aが「手切れ金として30万円が必要」「友人から借りた金を返すために100万円が必要」などと言い、その都度金を送金していました。
しかし、Vの話を聞いたVの友人は不審に思い、Vとその友人とは北区神谷を管轄する赤羽警察署に行って話をし、そこで国際ロマンス詐欺である可能性を指摘されました。
Vは被害届を提出し、後日、捜査の結果Aによる犯行であると裏付けを取った赤羽警察署の警察官はAを国際ロマンス詐欺をしたことによる詐欺罪で通常逮捕しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【国際ロマンス詐欺について】

国際ロマンス詐欺という言葉を御存知でしょうか。
しばし報道でも取り上げられるこの詐欺事件は、現代特有の事件の一種と言えます。

国際ロマンス詐欺は、その国から日本に来るためにお金が必要、あるいは自分は軍人で退役するためには金が必要などと嘘をつき、そのお金があれば貴方と結婚が出来ると嘘をついて金をだまし取るという手法で、日本国内だけでなく海外のどの場所に居てもスマートフォン一つで連絡が取り合えるこの時代だからこそ生じる得る犯罪です。

国際ロマンス詐欺は、SNSやいわゆる婚活サイトを通じて外国人(あるいは外国人を名乗る日本人)からフォローをされたり、DMが送られてくることから始まるようです。
報道などでよく聞く手口としては、現役軍人や医師であるなどと身分を偽り、妻とは死別したので退役して貴方と結婚したいなどの甘言で被害者を騙し、渡航費用や荷物の郵送費などの名目で金銭を要求してきます。
特殊詐欺全体を見ると未だオレオレ詐欺などの手口が大多数を占めますが、国際ロマンス詐欺で億単位の被害が出ている事例もあるため、十分に注意が必要です。

国際ロマンス詐欺は、被害者が被疑者・被告人と結婚するあるいは結婚を前提に交際するなどという嘘を前提に、偽りの名目で相手に金員を要求して被害者を錯誤に陥らせた上で、送金等させるという手口で行われるため、詐欺罪が適用される可能性があります。

刑法246条1項 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

【保釈について】

刑事事件を起こした場合、在宅で捜査を進める場合もありますが、逮捕・勾留をして身柄を拘束したうえで捜査を進める場合があります。
両者の違いは、証拠隠滅の恐れがあるか否か、逃亡の恐れがあるか否か、といった点が挙げられます。

被疑者が逮捕された場合、裁判官の判断により、勾留請求された日から最大で20日間、警察署の留置施設などで勾留されます。
勾留満期日になると、検察官は被疑者を起訴するか、処分保留で(又は略式手続による罰金納付後に)釈放する必要があります。
ここで起訴された場合、被疑者は被告人という立場になり、刑事裁判を受けることになります。
勾留された被疑者が起訴されて被告人になった場合、その多くは起訴後勾留というかたちで引き続き身柄を拘束されます。
その際、被疑者勾留の時点で警察署の留置施設での身柄拘束を受けていた方は、拘置所という場所に移送される可能性があります。
起訴後勾留は2ヶ月ですが、その後も1ヶ月毎に延長をすることができるため、判決言渡しまで身柄拘束が続くことも考えられます。
それを回避するため、弁護士は保釈請求を行い、保釈金を納付することで被告人の身柄の釈放を求める必要があります。

東京都北区神谷にて、御家族が国際ロマンス詐欺事件を起こしてしまい保釈についてお考えの方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御連絡ください。

民家に押し入って泥棒 共犯事件に強い弁護士②

2021-02-11

民家に押し入って泥棒した事件を例に、共犯事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

~前回からの流れ~

東京都西多摩郡に住むAさんは、先日会社を解雇され、無職となりお金に困っていました。
そんな中、Aさんは数年ぶりにパチンコ店で会った知人の男Bさんから、「お金に困っているの?」「空き巣の家を見つけたから家に入って貴金属を盗ってそれを売って金にしよう」ともちかけられ、この話に乗ることにしました。
犯行日当日、犯行場所で、AさんはBさんから「俺が中に入ってやるから、誰も来ないかどうか外で見張りをしていてくれ」と言われました。
そして、Aさんは外で見張りをしていたところ、被害者宅から貴金属を盗ってきたBさんから「中におばさんがいた。貴金属の在りかを吐かなかったので、ナイフで脅した」と言われました。
その後、AさんとBさんは現場から逃走しました。
そして、数か月後、警視庁青梅警察署に、Aさんは邸宅侵入罪と窃盗罪の共犯、Bさんは住居侵入罪と強盗罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

はじめに(前回のおさらい)

前回は、共犯の概要についてご説明いたしました。
おさらいすると、共犯は次のように区分されました。

最広義の共犯 ――――― 必要的共犯
         |        (広義の共犯)        
         | 
         |―― 任意的共犯 ―――― 共同正犯 
                   |
                   |――― 教唆犯
                   |        (狭義の共犯)
                   |――― 幇助犯

今回は、まず、教唆犯、幇助犯についてご説明いたします。

教唆犯(刑法61条1項) 

教唆犯とは、人を教唆して犯罪を実行させた者をいいます。
教唆犯が成立するには、

・人を教唆すること
・それに基づいて被教唆者が犯罪を実行すること

の2つの要件がそろうことが必要です。

* 教唆とは *
教唆とは、まだ犯罪に対する実行の決意をしていない他人を唆して、犯罪実行の決意を生じさせることをいいます。
この点が、すでに犯罪の実行を決意している者の犯行を容易にする幇助と大きくことなるところです。
教唆犯は、自ら犯罪を実行した者(正犯者といいます)と同様の地位にあることから、教唆犯にも正犯者と同様の刑を科すとされています。
教唆は、特定の犯罪の実行を決意させるに足りるもでなければなりませんから、単に「やってこい」とか「殺人をせよ」などと漠然と言っても教唆には当たりません。

幇助犯(刑法62条1項) 

幇助犯とは、正犯を幇助した者をいいます。
幇助犯が成立するには、

・人を幇助すること
・被幇助者が犯罪を実行すること

の2つの要件がそろうことが必要です。

* 幇助とは *
幇助とは実行行為以外の行為をもって正犯を援助し、その実行行為を容易にすることをいいます。
上でご説明いたしましたが、幇助は、すでに犯罪実行の決意のある者の犯行を容易にする点が教唆と異なるところです。
そのため、正犯者より責任が軽いと考えられており、幇助犯の刑は正犯の刑を減軽する(必要的減軽)とされています(刑法63条)。

Aさんに強盗罪は成立しないのか? 

最後に、本件の、Aさんの罪責、Bさんの罪責についてご説明いたします。
前回のコラムでは、Aさんには、邸宅侵入罪、窃盗罪が成立するとご説明いたしました。
では、Bさんは強盗罪に当たることをしていることから、Aさんにも強盗罪に問えないかが問題となります。
しかし、判例の考え方は、「Aさんが窃盗罪の認識であれば、強盗罪と『重なり合う』窃盗罪の範囲でのみ刑責を負う」としています。
何をもって重なり合うとするのかは別の機会に解説を譲ることにして、Aさんとしては、Bさんが強盗罪を犯すことは意外だったのですから、強盗罪まで責任を負わせるのは酷だという考えです。
ごく当たり前といえば当たり前の結論です。

一方の、Bさんは強盗罪についてはAさんと共謀していないのですから、邸宅侵入罪、強盗罪の単独犯としての責任を負うことになります。

共犯事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
共犯事件についてのご相談も受け付けております。
刑事事件少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
無料法律相談、初回接見サービスのお問い合わせを24時間受け付けております。

民家に押し入って泥棒 共犯事件に強い弁護士①

2021-02-08

民家に押し入って泥棒した事件を例に、共犯事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

民家に押し入って泥棒

東京都西多摩郡に住むAさんは、先日会社を解雇され、無職となりお金に困っていました。
そんな中、Aさんは数年ぶりにパチンコ店で会った知人の男Bさんから、「お金に困っているの?」「空き巣の家を見つけたから家に入って貴金属を盗ってそれを売って金にしよう」ともちかけられ、この話に乗ることにしました。
犯行日当日、犯行場所で、AさんはBさんから「俺が中に入ってやるから、誰も来ないかどうか外で見張りをしていてくれ」と言われました。
そして、Aさんは外で見張りをしていたところ、被害者宅から貴金属を盗ってきたBさんから「中におばさんがいた。貴金属の在りかを吐かなかったので、ナイフで脅した」と言われました。
その後、AさんとBさんは現場から逃走しました。
そして、数か月後、警視庁青梅警察署に、Aさんは邸宅侵入罪と窃盗罪の共犯、Bさんは住居侵入罪と強盗罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

共犯とは

Aさんは共犯として逮捕されていることから、まずは、共犯の意義についてご説明いたします。

最も広い意味での共犯(最広義の共犯)とは、2人の以上の行為者が犯罪に加功した場合をいいます。
最広義共犯は任意的共犯と必要的共犯とにわけられます。
任意的共犯とは、本来は単独犯による犯罪実現が予定されている通常の構成要件(犯罪成立のための要件)を2人の以上の行為者が実現する場合をいい、広義の共犯ともいいます。
広義の共犯には

・共同正犯(刑法60条)
・教唆犯(刑法61条)
・幇助犯(刑法62条)

があり、教唆犯と幇助犯を狭義の共犯といいます。
必要的共犯とは、構成要件上、2人以上の行為者による犯罪実現を予定して規定されている犯罪をいいます。
例として、

・内乱罪(刑法77条)
・騒乱罪(刑法106条)
・贈賄罪(刑法198条)と収賄罪(刑法197条ないし197条の4)

があります。
このうち前二者を集合的犯罪(同一の目標に向けられている数人の行為者の集団的行為を独立の構成要件とするもの)と呼ぶのに対し、贈賄罪と収賄罪のように、相反する数人の行為者の対立的行為を独立の構成要件とする犯罪を対立的犯罪とも呼びます。
以上を図にすると以下のとおりとなります。

最広義の共犯 ――――― 必要的共犯
         |        (広義の共犯)        
         | 
         |―― 任意的共犯 ―――― 共同正犯 
                   |
                   |――― 教唆犯
                   |        (狭義の共犯)
                   |――― 幇助犯

共同正犯とは?

以上、一言で共犯といっても様々な種類があり、分類されることはお分かりいただけたと思います。
必要的共犯の場合は、犯罪そのものが共犯の形式を取りますから、任意的共犯、つまり、共同正犯、教唆犯、幇助犯が適用される余地はありません。
では、その他の犯罪の場合、任意的共犯が適用されるのはどんな場合なのでしょうか?
まずは、共同正犯から見ていきたいと思います。

共同正犯は刑法60条に規定されています。

刑法60条
2人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

正犯あるいは正犯者とは、犯罪(基本的構成要件)に該当する行為(実行行為)を行う者のことをいいます。
刑法60条は、意思の連絡(共謀)の下に複数の者が関与した事案において、自己の犯罪を犯したと評価し得る重要な関与者を正犯とし、他人(Bさん)の実行行為及び結果につき、共同して行えば全て帰責される(刑事責任を負わされる)という「一部行為の全部責任の原則」を認める規定です。

共同正犯の成立要件 

それでは、共同正犯が成立するためにはいかなる要件が必要なのでしょうか?
言い換えれば、他人が行った行為及びそれによって作出された結果を仲間内である共犯者にも帰責させるための要件とはいかなるものなのでしょうか?
共同正犯が成立するためには、主観的要件としての「共同実行の意思(意思の連絡=共謀)」、客観的要件としての「共同実行の事実」が必要です。

= 共同実行の意思 =
共同実行の意思とは、共同して実行行為をしようという意思のことをいいます。
共同加工の意思ともいわれます。
共同実行の意思は、2人以上の行為者全員が相互に持たなければなりません。
したがって、甲がVに暴行を加えている間、甲の知らない間に乙がVの財布を盗んだという場合、窃盗罪(あるいは暴行罪)の共同正犯は成立しません。

= 共同実行の事実 =
共同実行の事実とは、共謀した行為者が実行行為を分担することであり、共同加功とか行為の分担ともいわれています。

* 共謀共同正犯 *
ところで、共同して犯罪を行う場合、一部の者が指示役、残りの者が実行役というように、役割分担が決められている場合があります(近年、はやりの特殊詐欺がまさにこれに当たります)。
しかし、指示役は実際に犯罪を実行していませんから「共同実行の事実」が認められず、刑事責任を問えないかのようにも思えます。

そこで、判例は共謀共同正犯という理論を用いて、指示役にも共同正犯としての刑事責任を負わせています。
共謀共同正犯とは、2人以上の者が犯罪の共謀をし、そのうちある者が実行をすれば、実行を分担しなかった者の含めて共謀者の全員が共同正犯となるとする理論です。

今回の事件を検討

では、上記要件を本件に当てはめてみましょう。
まず、「共同実行の意思」ですが、AさんはBさんから「空き巣に入って貴金属を盗ってそれを売って金にしよう」ともちかけられ、Aさんはそれに対し「承諾」しています。
Bさんの誘いは、要は邸宅侵入罪及び窃盗罪の誘いであって、相互に意思連絡があると認められます。
ですから「共同実行の意思」の要件は満たします。

次に、「共同実行の事実」ですが、本件の実行行為を行っているのはBさんです。
しかし、上記でご説明したとおり、実行行為を分担していなくても共同正犯の成立を認めるのが現在の実務です。
しかも、Aさんは現場周辺で見張りをしています。
したがって、「共同実行の事実」の要件も満たしそうです。

以上より、Aさんは邸宅侵入罪、窃盗罪共犯(共同正犯)で逮捕されています。

本件の疑問点

しかし、ここで一つの疑問がわきます。

・Bさんは強盗の罪を犯した
・Aさんには影響はないのか?Aさんの罪責は?

という点だと思います。
そこで、次回は、教唆犯、幇助犯についてご説明した上で、この点についてもご説明したいと思います。

共犯事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
無料法律相談、初回接見サービスのお申し込みを24時間受け付けております。

フリマアプリを利用した詐欺事件で取調べ

2021-01-28

フリマアプリを利用した詐欺事件警察の取調べを受けた場合について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

詐欺罪で逮捕

Aさんは,東京都府中市に住むVさんに販売終了となっているグッズの偽物を本物と偽って,いわゆるフリマアプリを通じて売りました。
Aさんの口座に代金を振り込み商品を手にしたVさんは,グッズが偽物であることに気付き警視庁府中警察署に被害を届けました。
現在,捜査にあたった警視庁府中警察署でAさんは詐欺事件の被疑者として取り調べを受けています。
(フィクションです)

詐欺罪とは

詐欺罪は刑法第246条に規定されている犯罪です。
詐欺罪は一般にも比較的罪名も知られている犯罪ではないでしょうか。

刑法第246条
第1項 人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。
第2項 前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,前項と同様とする。

財物を交付させる類型の詐欺罪=刑法第246条第1項に規定されている詐欺罪と区別するため,財産上の利益を得る類型の詐欺罪=刑法第246条2項に規定されている詐欺罪二項詐欺罪詐欺利得罪などと言ったりします。
反対に,財物を交付させる類型の詐欺罪一項詐欺罪とよばれたりします。
今回のケースでは,AさんはVさんにフリマアプリを通じて偽のグッズを売り、その代金を支払わせています。
つまり,Aさんは売上金をVさんに支払わせたということですから,売上金という財物を交付させた一項詐欺罪に当たると考えられるでしょう。

一項詐欺罪が成立するためには,行為者に不法領得の意思が必要であるとされています。
不法領得の意思とは,権利者を排除し,他人の物を自己の所有物と同様に利用しまたは処分する意思であると説明されます。
今回のAさんがVさんから支払われた売上金を自分で使用するつもりであったなら,まさにそのお金を「自己の所有物」として使用するわけですから,この不法領得の意思があると考えられるでしょう。

また,詐欺罪の要件となる欺く行為(欺罔行為)があったというためには,欺かれる人(被欺罔者)が財物の交付などの財産を処分する動機となる事項に関し錯誤(勘違い)を生じさせ得る行為がなければなりません。
今回のケースでは,Aさんは偽物のグッズを本物と偽って販売しており,この欺罔行為で勘違いをしたVさんが支払った代金を得ています。

よってAさんの行為が詐欺罪に問われる可能性は十分にあると考えられるでしょう。

フリマアプリを利用した詐欺事件の弁護活動

詐欺事件で被疑者となってしまった場合,逃亡や犯罪の証拠の隠滅のおそれがあるとして逮捕されるケースは少なくないです。
今回のようなフリマアプリ詐欺事件では,同様のフリマアプリ詐欺行為を複数回行っていることも考えられ,そうなればより逮捕・勾留のリスクが発生することになるでしょう。
逮捕・勾留により身体拘束されていると,会社に行くことはおろか家族と会うことも容易ではありません。

だからこそ,詐欺事件の被疑者となってしまったら,逮捕・勾留されてしまったら,弁護士に相談・依頼することがおすすめです。
事件の依頼を受けた弁護士は,被疑者が逮捕・勾留されている場合は拘束状態からの早期の解放のために活動を始めます。
具体的には,身元引受人を探したり,家族の方等を協力し,犯罪の証拠を隠滅するおそれがないこと等を示していくことになるでしょう。
また,弁護士取調べの対応について法的なアドバイスをすることで,意図せず不利な調書をとられたりすることを防止することが期待できます。
そして,フリマアプリ詐欺事件では被害者との示談交渉も行ことになるでしょう。
このような被害者と締結した示談内容などを示すことのほか,被疑者の反省の姿勢や更生のための計画を示すことで不起訴や執行猶予の獲得を目指します。

詐欺事件の弁護活動に強い弁護士

詐欺事件の被疑者となってしまった方,警視庁府中警察署で取調べを受けることになってしまった方は,お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。

東京都新宿区での給付金不正受給の刑事事件を解説

2021-01-11

給付金の不正受給をし、刑事事件化してしまった場合の刑事責任と刑事事件の展開について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説いたします。

給付金の不正受給で逮捕

東京都在住のAさんは、友人とともにコロナ禍で収入が激減した経営者を装い、帳簿を偽造することで架空の売り上げを計上し、中小企業庁に対して持続化給付金の申請を行い現金100万円を受け取りました。
しかし、その後の国税庁の調査により虚偽の申請とばれ、Aさんらは警視庁新宿警察署に逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

給付金の不正受給

帳簿の偽造などにより不正に給付金を受け取った場合、詐欺罪(刑法〈以下略〉246条1項)又は詐欺利得罪(246条2項)が成立する可能性があります。
人を欺き、誤信をさせ財物を交付させた場合(欺罔行為と言います。)には、詐欺罪が成立します。また、欺罔行為により支払いを免れるなど財産上の利益を得た場合には、詐欺利得罪が成立します。給付金詐欺の場合には、収入が激減した経営者であるという事実がないにもかかわらずそのように装って申請をしている点が欺罔行為として詐欺罪が成立する可能性があります。
また、特に官公庁に提出する文書や銀行口座など本人が誰であるかが重要になる文書で、申請書の名義人欄に架空の名前を使うなど、文書の作成者と名義人の人格の同一性を偽った場合には別途有印私文書偽造罪(159条1項)や偽造私文書行使罪(161条1項)が成立することもあります。

給付金の不正受給の刑事責任と刑事事件の展開

詐欺罪で起訴され、有罪判決が出た場合、10年以下の懲役が科されます。罰金刑が無く重い犯罪と扱われています。他方で有印私文書偽造罪・同行使罪で有罪判決が出た場合には3月以上5年以下の懲役が科されます。これらの犯罪は、私文書偽造罪と偽造私文書行使罪とが、偽造私文書行使罪と詐欺罪とが、手段・目的の関係にあるため牽連犯(54条1項)の関係にあり、重い詐欺罪の法定刑で処罰されることになります。 

上記刑事事件例のように、詐欺罪で逮捕され起訴された場合、初犯や2・3犯であれば執行猶予がつくことが多いです。しかし、前科が多かったり被害額が極めて高額だった場合の他、社会的な影響の大きく一罰百戒のため厳罰が必要とされる事件の場合には実刑判決が出ることもあります。

不起訴処分を獲得したり、執行猶予を獲得するためにはいち早く不正受給したお金を返還し、自首をすることが必要です。自首する際の上申書の作成や自首後の刑を軽くする弁護活動のサポートには、刑事事件の弁護士を代理人に立てることを強くお勧めいたします。

給付金不正受給でお困りの方は

東京都新宿区で給付金不正受給による詐欺罪で逮捕され、又は自首を検討しお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部への無料法律相談をご検討ください。

東京都台東区の準詐欺事件

2020-09-21

東京都台東区の準詐欺事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

準詐欺容疑で取調べ

東京都台東区にある認知症対応型グループホームの職員であったAさんは、入居者のVさん(当時72歳)が認知症で事物の判断をするのに十分な普通人の知能を欠く状態であることに乗じて、Vさんから現金の交付を受けようと考えました。
Aさんは東京都台東区内の郵便局においてVさんに対し、Vさん名義の通常貯金口座から現金1000万円を払い戻させた上、その頃、同所において、郵便局員を介し、Vさんから前記現金1000万円の交付を受け、もって人の心神耗弱に乗じて財物を交付させました。
後日、事態を知ったVさんの家族から通報を受けた警視庁下谷警察署の警察官によってAさんは取調べを受けることになりました。
(フィクションです)

準詐欺罪

準詐欺罪は刑法第248条に規定されている犯罪で、判断能力が十分でない等の人に対して、その判断能力が十分でない等の事情に乗じて財物を交付させるという犯罪です。

刑法第248条
未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させた者は、10年以下の懲役に処する。

10年以下の懲役という法定刑は、詐欺罪(刑法第246条)恐喝罪(刑法第249条)などと同じです。
しかし、詐欺罪がその成立に欺罔行為(人を欺く行為)を求めているのに対し、準詐欺罪では詐欺罪にいう欺罔行為がなくとも処罰可能となる点が重要です。
通常の詐欺罪にいう欺罔行為とは、財産を処分させる手段として、財産についての処分権限をもつ相手方において、財産処分の判断の基礎となる重要な事項に関し、錯誤(思い違いや勘違い)を生じさせる行為です。
準詐欺罪では、相手方が知慮浅薄な未成年者や心神耗弱者である場合に限って、欺罔行為がなくとも未成年者の知慮浅薄や人の心神耗弱を利用して財物の交付や財産上の利益を取得することを処罰可能にしています。

準詐欺罪にいう「知慮浅薄」とは、知識が乏しく、思慮の足りないことをいいます。
そして「心神耗弱」とは、一時的・継続的な精神状態の不十分さにより一般通常人程度の知識・物事の判断力を備えていないことをいい、刑法第39条第2項の心神耗弱とは同一でないことに注意してください。

今回の被害者であるVさんは認知症ですが、相手方が認知症患者であることが直ちに準詐欺罪における心神耗弱であることの認定につながるわけではなく、心神耗弱やさらには未成年者の知慮浅薄はその症状の程度などを総合考慮してなされます。

また、相手方が知慮浅薄な未成年者や心神耗弱者であっても、欺罔行為を手段として財産の処分を行わせた場合は準詐欺罪ではなく詐欺罪に問われます。
加えて、意思能力がない者から財物を取得するときは相手方が財産処分の判断をしているとはいえないため窃盗罪(刑法第235条)となり、同じく相手方が知慮浅薄な未成年者や心神耗弱者であっても、欺罔行為や欺罔行為に至らない程度の偽り・誘惑を手段とせずに財物を取得した場合も窃盗罪となります。
窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。

量刑判断の考慮事項としては、計画性の高さ、被害額の多さ、犯行の動機、初犯であるかどうか、十分に反省しているといえるかどうか、被害補償をしているかどうかなどがあります。

いずれにしても、刑事事件の知識・経験のある弁護士に相談し、自身のケースではどういった見通しが考えられるか、どういった活動が可能か詳しく聞いておくことが大切といえるでしょう。

準詐欺事件の弁護活動

Aさんは今回、警視庁下谷警察署で取調べを受けることになっています。
取調べを受けるにあたり、弁護士は黙秘権などの法的なアドバイスや、予想される質問内容に対する答え方などを提供することで依頼者様に不当に不利にはたらく内容の調書の作成を阻止します。
取調べを受ける前にご依頼いただくことによりその効果は最大に発揮されますが、時機が遅くなればなるほど、当初期待された結果につながりにくくなってしまいますので、お早めにご相談いただくことが何より重要です。

また、準詐欺事件では、被害者との示談交渉を行うことも重要な活動内容の一つです。
当事者間で直接交渉することは時間も労力もかかってしまい、その間に刑事手続きが進むことが懸念されます。
刑事事件に強い弁護士が間に入ることにより、円滑に交渉を進めることができ、なおかつ依頼者様にとってより利益となる内容での示談成立が期待できます。

これらの活動などにより、不起訴や執行猶予の獲得を目指すことができます。

刑事事件専門の弁護士

詐欺罪や準詐欺罪の被疑者となってしまった方、警視庁下谷警察署で取調べを受けることになってしまった方は、お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部では、初回の法律相談を無料で承っておりますので、ご安心してフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお電話ください。

葛飾区の民家に窃盗目的で不法侵入 家人に見つかり逮捕

2020-09-14

窃盗目的で民家に不法侵入し家人に現行逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

窃盗目的で民家に不法侵入

仕事をクビになって生活費に困ったAさんは、他人の家に盗みに入ることを企て、留守の多い葛飾区の民家に忍び込んで金品を窃取する計画を立てました。
そしてある日、家人が出かけたのを確認したAさんは、リビングの掃き出し窓を割って開錠して、民家に不法侵入し計画を実行にうつしたのです。
留守の家のリビングに不法侵入したAさんは、金目の物がありそうなタンス等を見つけ、その中を物色していたところ、忘れ物を取りに帰ってきた家人に見つかり、その場で取り押さえられてしまったのです。
家人によって取り押さえられたAさんは、その後、通報で駆け付けた警視庁葛飾警察署の警察に引き渡されて、警察署に連行されました。
警察官の取調べを受けているAさんは、どのような刑事罰が科せられるのか不安でたまりません。
(フィクションです。)

不法侵入

窃盗の目的で留守の家に不法侵入すれば住居侵入罪となります。
住居侵入罪は、刑法第130条に定めらている法律で、その法定刑は「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」です。
今回の事件でAさんは、リビングの掃き出し窓を割って、閉まっていた鍵を開錠して家内に不法侵入しているので、この住居侵入罪の適用を受けるのは間違いないでしょう。

窃盗目的

Aさんは、家内から金品を窃取する目的で留守の民家に不法侵入しています。
この場合、まだ何も盗っていないAさんですが、「窃盗罪」の適用を受けるのでしょうか?

~窃盗罪~

まず「窃盗罪」について解説します。
窃盗罪とは、刑法第235条に定められている法律で、その内容は「他人の財物を窃取する(刑法抜粋)」ことです。
窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」ですので、窃盗罪で起訴されて有罪が確定すればその法定刑内の刑事処分を受けることになります。

~窃盗未遂罪~

窃盗罪は、未遂であっても処分の対象となります。(窃盗未遂罪)
窃盗未遂罪とは、窃盗の着手が認められるが、他人の財物を窃取するという結果まで発生しなかった場合を意味します。
例えば、歩いている被害者が持っているカバンをひったくろうと、そのカバンを掴んだが、被害者がカバンを放さなかったので、カバンを窃取できなかった場合や、コンビニのレジの中にある現金を盗もうと、店員がレジから離れたすきにレジを開けたが、レジの中にお金がなくて目的を遂げれなかった場合などが窃盗未遂罪となります。

窃盗未遂罪が成立するには、窃盗の着手行為がなければなりません。
窃盗罪でいうところの着手時期は、財物についての他人の占有を侵害する行為を開始したとき、又は、これに密着した行為を開始したときです。

~Aさんに窃盗未遂罪は適用されるのか?~

Aさんは、金目の物がありそうなタンスの中を物色していたところを、帰宅した家人に取り押さえられています。
タンスの中を物色する行為は、財物についての他人の占有を侵害する行為に該当するでしょうから、Aさんに窃盗未遂罪が適用されるでしょう。

住居侵入罪と窃盗未遂罪の関係(牽連犯)

これまで解説したように今回の事件でAさんは、「住居侵入罪」と「窃盗未遂罪」の2つの犯罪に抵触しています。
この2つの犯罪行為は、手段と目的の関係にあり、このように複数の犯罪が、手段と目的の関係にあることを「牽連犯」といいます。
牽連犯は、刑事罰を科せる上では一罪として扱われ、最も重い罪の法定刑によって処断されることとなります。
ですからAさんの場合ですと、窃盗未遂罪の法定刑の適用を受けることとなりますが、侵入窃盗事件では、単なる窃盗事件より厳罰化される傾向にあるので注意しなければなりません。

葛飾区の不法侵入事件でお困りの方、侵入窃盗事件に強い弁護士をお探しの方は、刑事事件を専門にしている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。
刑事事件に関する無料法律相談、逮捕、勾留されている被疑者、被告人に刑事事件専門の弁護士を派遣する初回接見サービスのご予約は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。

« Older Entries