【解決事例】万引きの再犯事件でクレプトマニアとの診断
万引き事件の前科が多数あるにもかかわらず再び事件を起こしてしまったという窃盗の再犯事件に於て、弁護士のアドバイスにより心療内科を受診したところクレプトマニア(窃盗症)の診断を受け、更なる万引き事件を防ぐとともに裁判で執行猶予判決を受けたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都足立区在住のAさんは、足立区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、足立区内の小売店で万引き事件を起こしてしまい、警備員に止められました。
その後警備員の通報を受けて臨場した足立区内を管轄する竹ノ塚警察署の警察官は、Aさんを万引きによる窃盗事件として
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地等や一部事件内容を変更しています。≫
【万引きによる窃盗罪】
今回のAさんの事例は、万引き行為が問題となりました。
万引きは、小売店で未精算の商品を持ち出すことを意味し、窃盗罪に当たります。
条文は以下のとおりです。
刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
【クレプトマニアの診断】
万引きなどの窃盗について、自分では支払う金がないものの商品が欲しくて窃取した、あるいは転売の目的で窃取したという場合が多いことでしょう。
しかし、病的窃盗症・クレプトマニアと呼ばれる精神疾患の診断を受ける方は、窃盗をしなくても購入することができるだけの所持金がある場合や、もとより自分には必要のないものを窃取して盗品は破棄する、といった行為に及ぶ場合があるようです。
これは、商品そのものを手に入れることが目的ではなく、万引きをする際に感じる緊張感・達成感を得ることが目的になっている可能性があるほか、摂食障害などの別の精神疾患が起因している場合があります。
クレプトマニアの方による万引き事件では、刑事罰を科しても再発防止には繋がらず、専門医や臨床心理士による中長期的な治療やカウンセリングが必要不可欠です。
しかし、警察官・検察官だけでなく被疑者・被告人自身にクレプトマニアの認識がなく、万引き事件を繰り返す事例が多々見受けられます。
弁護士としては、クレプトマニアの疑いがある万引きの再犯事件では、専門医や臨床心理士を紹介して適切な治療・カウンセリングを繰り返すよう促す必要があります。
今回のAさんは、これまでに裁判になった事件はありませんでしたが、罰金刑が科された万引き事件の前科が数多くあり、担当検察官と交渉はしてみたものの起訴せざるを得ないと言われました。
そこで弁護士は、裁判にて、Aさんが罪を認めていることや被害店舗に弁済を試みたがお断りされたため贖罪寄附をしたこと、クレプトマニアの診断を受けて以降は通院等を繰り返していること、を主張しました。
結果的に裁判官は、Aさんが再犯防止のため真剣に取り組んでいることを考慮し、Aさんに対しては執行猶予付きの判決を宣告しました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、これまでに数多く万引き事件の弁護活動を経験してきました。
中にはAさんのように万引きを止めたくても止められないクレプトマニアの診断を受ける方もおられ、依頼を受けた事件では各事件の性質やお住いの場所を考慮したうえで中長期的な通院やカウンセリングが可能なクリニック等をご案内しています。
東京都足立区にて、万引きの再犯事件で捜査を受けていてクレプトマニアが疑われる場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
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