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【解決事例】職務質問で軽犯罪法違反を疑われるも不起訴に③

2023-01-24

【解決事例】職務質問で軽犯罪法違反を疑われるも不起訴に③

職務質問を受けた際、武器に当たる可能性があるものを所持していたとして軽犯罪法違反を疑われたものの不起訴処分となった、という事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

Aさんは東京都千代田区に住み、公務員として勤務していました。
Aさんは事件当日、千代田区内の護身用具などを販売している店を出て数十メートル歩いたところで、千代田区内を管轄する神田警察署の警察官から声掛けをされ職務質問を受けました。
Aさんは職務質問で公務員であることや、やましいことはないと説明しましたが、警察官は護身用具を販売している店から出てきていることを理由に、所持品を全て出すよう求めました。
その際に出てきた物のひとつに、以前に購入した物Xがありました。

Xについて、商品紹介ページを見たところ、護身用具にもなるしストラップとしても人気、と書かれていました。
実際、Aさんは誰かを傷つけたり、護身のために所持していたわけではなく、単にストラップとしてカッコ良いと思い、キーケースに外から見える状態で身に着けていました。

しかし、神田警察署の警察官は、Xが他人を傷つけることができる物であると判断し、Aさんに対し神田警察署に任意同行を求め、調書の作成などを指示しました。
Aさんは、そもそもXが凶器などではないこと、職務質問や所持品検査が強引であったこと、取調べについても意に反して作成及び署名捺印を求められたことに不安を抱き、当事務所の弁護士による無料相談を受け、その後弁護を依頼されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や警察署名、一部事件内容を変更しています。≫

【武器の所持で問題となる罪】

≪前回のブログをご覧ください。≫

【職務質問について】

≪前回のブログをご覧ください。≫

【所持品検査について】

また、ケースでAさんは職務質問と併せて所持品検査を求められています。
所持品検査については、明文の規定がありませんが、職務質問に付随する行政警察活動という位置づけにあります。

判例は、所持品検査について「所持人の承諾を得てその限度で行うのが原則である」が、「捜索に至らない程度の行為は、強制にわたらない限り」「所持品検査の必要性、緊急性、これによって侵害される個人の法益と保護されるべき公共の利益との権衡などを考慮し、具体的状況のもとで相当と認められる限度において許容されるものと解すべき」としています。(最判昭和53年6月20日)

この判例から言えることは、職務質問や所持品検査は原則として任意であり、警察官から求められても拒否する権利はあります。
しかし、所持人が拒否した場合であっても、その必要性や緊急性、公共の利益などと個人の法益を検討した結果、(捜索差押許可状などの令状による)捜索に至らない限り、所持品検査が適法であると認められる場合があります。
そして、所持品検査が適法に行われたかどうかは、事件の具体的な状況がどのようなものであったか、過去の判例も併せて慎重に検討する必要があるということです。

過去には、所持品検査の適法性が争われた裁判で所持品検査の結果が違法であるとして、証拠能力はないと評価され、無罪判決を言い渡されたという事例もあります。
ただし、所持品検査が違法であっても他の証拠についての証拠能力を認め、有罪としたという事例もあります。

【不起訴処分を求める弁護活動】

最後に、Aさんの終局処分について検討します。

刑事事件を起こした場合には、警察官や検察官による捜査が行われ、被疑者(いわゆる犯人)の犯罪を証明することができるだけの証拠が集められた場合、検察官は起訴をし、刑事裁判に発展します。
他方で、検察官は、捜査の結果被疑者に刑事罰を科すほどの事件ではない、被疑者を起訴することができるだけの証拠が揃っていない、などの事件では、被疑者に対し不起訴を言い渡します。

被疑者が罪を認めている事件で最も一般的な弁護活動として、被害者との示談交渉が挙げられます。
被害者が実際に財産・精神等の面で被害を受けているため、道義的な理由から行う必要がある点、且つ(その後に行われる可能性のある)民事訴訟のリスクの芽を予め摘むことができるからです。
しかし、銃刀法や軽犯罪法に違反して凶器などを所持する行為は、直接の被害者がいるわけではないため、示談はできません。
そのような場合には、弁護人による意見書を提出する、あるいは贖罪寄附をするなどして、不起訴を目指すことになります。

今回の事例では、
・そもそもAさんが持っていた物Xが、軽犯罪法のいう「他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具」に該当するのか
・仮に上記に該当したとしても、Aさんはキーホルダーとして使用していたためキーチェーンにつけていて、「隠して携帯していた」とは言えないのではないか

という点で、軽犯罪法に違反しないという主張を行いました。
結果的に、Aさんは嫌疑不十分で不起訴となりました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、凶器を所持するなどにより銃刀法違反や軽犯罪法違反に問われている場合の弁護活動の経験も数多くございます。
特に被害者がいないこれらの事件では、示談交渉がなく、事件ごとに主張の内容が変わってきます。
東京都千代田区にて、職務質問と所持品検査を受けた際に凶器などを所持していて銃刀法違反や軽犯罪法違反に問われている方は、刑事事件・少年事件のみを扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合はコチラ。

【解決事例】職務質問で軽犯罪法違反を疑われるも不起訴に②

2023-01-21

【解決事例】職務質問で軽犯罪法違反を疑われるも不起訴に②

職務質問を受けた際、武器に当たる可能性があるものを所持していたとして軽犯罪法違反を疑われたものの不起訴処分となった、という事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

Aさんは東京都千代田区に住み、公務員として勤務していました。
Aさんは事件当日、千代田区内の護身用具などを販売している店を出て数十メートル歩いたところで、千代田区内を管轄する神田警察署の警察官から声掛けをされ職務質問を受けました。
Aさんは職務質問で公務員であることや、やましいことはないと説明しましたが、警察官は護身用具を販売している店から出てきていることを理由に、所持品を全て出すよう求めました。
その際に出てきた物のひとつに、以前に購入した物Xがありました。

Xについて、商品紹介ページを見たところ、護身用具にもなるしストラップとしても人気、と書かれていました。
実際、Aさんは誰かを傷つけたり、護身のために所持していたわけではなく、単にストラップとしてカッコ良いと思い、キーケースに外から見える状態で身に着けていました。

しかし、神田警察署の警察官は、Xが他人を傷つけることができる物であると判断し、Aさんに対し神田警察署に任意同行を求め、調書の作成などを指示しました。
Aさんは、そもそもXが凶器などではないこと、職務質問や所持品検査が強引であったこと、取調べについても意に反して作成及び署名捺印を求められたことに不安を抱き、当事務所の弁護士による無料相談を受け、その後弁護を依頼されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や警察署名、一部事件内容を変更しています。≫

【武器の所持で問題となる罪】

≪前回のブログをご覧ください。≫

【職務質問について】

次に、今回Aさんの事件が発覚するきっかけとなった職務質問(及び所持品検査)について検討します。

警察官が通行人等に声掛けする「職務質問」という手続きを見たことがある、あるいはドラマなので見たという方も多いでしょう。
職務質問は、警察官職務執行法という法律で、以下のとおり規定されています。

警察官職務執行法2条
1項 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。
2項 その場で前項の質問をすることが本人に対して不利であり、又は交通の妨害になると認められる場合においては、質問するため、その者に附近の警察署、派出所又は駐在所に同行することを求めることができる。
3項 前二項に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。
4項 警察官は、刑事訴訟に関する法律により逮捕されている者については、その身体について凶器を所持しているかどうかを調べることができる。

その他、各法律や施行規則によりルールが定められています。

条文から分かるように、具体的にどのような嫌疑(疑い)があるというわけではないものの、何らかの犯罪をしたりしようとしていると疑われる場合には、対象者を停止させて職務質問をすることができます。(1項)
また、その場所が交通の妨げになるような場合などには、別の場所に移動させることもできます。(2項)
但し、何の理由もなく逮捕したり、無理やり警察署に連れて行かれたり、強引に供述をせまることはできません。(3項)

この職務質問は犯罪予防のための行政警察活動と呼ばれ、日本国憲法や刑事訴訟法等との兼ね合いから慎重に行われています。

【所持品検査について】

≪次回のブログに続きます。≫

【不起訴処分を求める弁護活動】

≪次回のブログに続きます。≫

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当事務所では、凶器を所持するなどにより銃刀法違反や軽犯罪法違反に問われている場合の弁護活動の経験も数多くございます。
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【解決事例】職務質問で軽犯罪法違反を疑われるも不起訴に①

2023-01-18

【解決事例】職務質問で軽犯罪法違反を疑われるも不起訴に①

職務質問を受けた際、武器に当たる可能性があるものを所持していたとして軽犯罪法違反を疑われたものの不起訴処分となった、という事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

Aさんは東京都千代田区に住み、公務員として勤務していました。
Aさんは事件当日、千代田区内の護身用具などを販売している店を出て数十メートル歩いたところで、千代田区内を管轄する神田警察署の警察官から声掛けをされ職務質問を受けました。
Aさんは職務質問で公務員であることや、やましいことはないと説明しましたが、警察官は護身用具を販売している店から出てきていることを理由に、所持品を全て出すよう求めました。
その際に出てきた物のひとつに、以前に購入した物Xがありました。

Xについて、商品紹介ページを見たところ、護身用具にもなるしストラップとしても人気、と書かれていました。
実際、Aさんは誰かを傷つけたり、護身のために所持していたわけではなく、単にストラップとしてカッコ良いと思い、キーケースに外から見える状態で身に着けていました。

しかし、神田警察署の警察官は、Xが他人を傷つけることができる物であると判断し、Aさんに対し神田警察署に任意同行を求め、調書の作成などを指示しました。
Aさんは、そもそもXが凶器などではないこと、職務質問や所持品検査が強引であったこと、取調べについても意に反して作成及び署名捺印を求められたことに不安を抱き、当事務所の弁護士による無料相談を受け、その後弁護を依頼されました。

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【武器の所持で問題となる罪】

まず前提として、いわば武器に当たる物を所持・携帯していた場合に、法律に違反する可能性があります。
代表的なものとして、拳銃や刃体の長さが6cmを超える刃物をみだりに所持していた場合などで適用される銃刀法が挙げられます。
包丁などを自宅から持ち出した場合などが多く見受けられますが、例えば仕事でカッターナイフを使う機会がありその後も車に乗せたままにしていた、等の理由で銃刀法違反に問われるようなケースもあります。

他方で、Aさんが所持していた物Xは、銃や刃物ではなく、銃刀法でみだりに所持することを禁止されている物ではありませんでした。
しかし、いわゆる護身用具としても用いられる物であることから、軽犯罪法のいう「他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具」に該当する恐れがありました。
問題となる条文は以下のとおりです。

軽犯罪法第1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
一号 (略)
二号 正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
(以下略)

【職務質問と所持品検査】

≪次回のブログに続きます。≫

【所持品検査について】

≪次回のブログに続きます。≫

【不起訴処分を求める弁護活動】

≪次回のブログに続きます。≫

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、凶器を所持するなどにより銃刀法違反や軽犯罪法違反に問われている場合の弁護活動の経験も数多くございます。
特に被害者がいないこれらの事件では、示談交渉がなく、事件ごとに主張の内容が変わってきます。
東京都千代田区にて、職務質問と所持品検査を受けた際に凶器などを所持していて銃刀法違反や軽犯罪法違反に問われている方は、刑事事件・少年事件のみを扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
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【解決事例】盗撮事件で早期の釈放

2023-01-15

【解決事例】盗撮事件で早期の釈放

20歳未満の少年が盗撮事件を起こしてしまい逮捕されたものの、勾留請求を回避して釈放に成功したという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都千代田区神田在住のAさんは、事件当時東京都内の高校に通う高校2年生(17歳)でした。
Aさんは、千代田区内のゲームセンターにて、いわゆるプリクラ機で撮影をしていた女性のスカート内にスマートフォンを差し向ける方法で下着を撮影する、いわゆる盗撮行為をしました。
その際、店員がAさんの盗撮行為に気付き、Aさんはその場で取り押さえられ臨場した神田区内を管轄する万世橋警察署の警察官によって現行犯逮捕されました。

Aさんの家族は、逮捕された当日に万世橋警察署の警察官から連絡を受けましたが、事件の詳細は説明されず、今後の流れなども分からなかったため当事務所の弁護士による初回接見サービスを利用されました。
弁護士は、万世橋警察署に行き初回接見を行ったうえで、依頼者に上記事件の内容を報告し、弁護を依頼されました。
弁護士は、依頼を受けた当日にAさんの釈放を求める書類を作成し、翌日行われた検察官送致のタイミングでその書類を提出しました。
検察官は、Aさんに勾留は必要ないと判断し、裁判官に対し勾留請求することなく、自らの判断でAさんを釈放しました。
その後、Aさんは在宅で捜査を受けたのち、家庭裁判所に送致されました。
家庭裁判所では調査官による調査を経て審判が行われましたが、Aさんが事件後に反省していることや保護者の監督が充分に期待できることなどを主張した結果、Aさんは「不処分」を言い渡されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【盗撮事件について】

今回のAさんの事例では、千代田区内のゲームセンターでの盗撮行為ですので、東京都の定める迷惑防止条例(正式名称を公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例と言います。)が問題となります。
条文は以下のとおりです。

条例5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
 1号 略
 2号 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ (略)
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

【釈放を求める弁護活動】

20歳以上の成人が刑事事件を起こしたと疑われる場合、あるいは14歳以上20歳未満の少年が犯罪に該当することをしたと疑われる場合、捜査をするにあたってやむを得ない場合には対象者(被疑者)を逮捕することができます、
被疑者を逮捕した場合、その後48時間以内に検察庁に送致し、逮捕から72時間以内に勾留の手続きを行うか釈放する必要があります。

弁護士は、勾留が必要ではない事案については、
①勾留の決定前であれば「意見書」などにより
・検察官に勾留が必要ないので勾留請求をしないよう
・勾留請求された場合には裁判官に勾留が必要ないので勾留を認めないよう
主張します。また、
②勾留の決定後であれば
・裁判所に対し、勾留を認めた勾留裁判に対する不服申立てである準抗告申立
・裁判所に対し、勾留決定後に事情の変更があったとして勾留取消(示談が成立した、被害者が遠方に転居した等の理由で被疑者が被害者に接触するなどして証拠隠滅を図る恐れがない等)
を行う方法で、釈放を求めます。

少年事件であっても、捜査に際し必要であると判断された場合には逮捕・勾留が行われます。
他方で、Aさんのような高校生が被疑者の場合、未だ保護者の監督下にあるとして、保護者の監督能力を主張することで、釈放される可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は、これまで数多くの刑事事件・少年事件で、釈放を求める弁護活動を行ってきました。
事件の性質によっては釈放が認められない、という場合もありますが、釈放が認められた事例も多々ございます。
東京都千代田区にて、お子さん盗撮事件を起こしてしまい逮捕された釈放を求める等の希望がある場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の初回接見サービス(有料)をご利用ください。

【解決事例】盗撮事件で実名報道

2023-01-12

【解決事例】盗撮事件で実名報道

某有名企業の従業員が盗撮事件で逮捕され実名報道されてしまったものの、早期釈放が認められ、会社対応により懲戒処分は受けたが職場復帰できたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都葛飾区在住のAさんは、都内の有名企業に勤務する会社員です。
事件当日、Aさんは葛飾区内の駅構内エスカレーターにて、前方に立っていた女性Vさんのスカート内にスマートフォンを差し向ける方法でいわゆる盗撮をしました。
後ろに立っていた目撃者がAさんの盗撮行為に気付き、駅員に伝え、Aさんは駅員の通報により臨場した葛飾区内を管轄する亀有警察署の警察官によって逮捕されました。
葛飾警察署員より逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、当事務所の弁護士による初回接見サービスを利用し、その後弁護を依頼されました。

弁護士は担当検察官に対してAさんの釈放を求めました。
当初検察官は、既にAさんの事件が大々的に報道されていることからAさんがショックを受けて自傷行為に走るのではないかと危惧していましたが、接見時の様子と、家族の監督体制が整っていることを説明し、釈放しても捜査に支障を来さないことを主張した結果、担当検察官は勾留請求することなくAさんを釈放しました。

その後弁護士は、被害者に対しAさんに代わって謝罪し、示談交渉を行った結果、示談締結に至りました。
担当検察官は示談締結を踏まえ、Aさんを不起訴処分としました。

本件で特筆すべきは、Aさんが有名企業に勤務していて、逮捕直後に大々的に報道されました。
会社は報道で初めて事件を知ることになりますが、事件の詳細や見通しは分かりません。
そのため弁護士はすぐにAさんの上司や人事関係者に連絡し、随時状況の報告を行いました。
また、Aさんの釈放後は会社訪問し、Aさんが起こした事件は単純かつ一般論として比較的軽微と考えられる事件で、余罪もなく、示談交渉により被害者対応も行っていることを伝え、Aさんに対して行われる懲戒処分は寛大なものであるよう求めました。
結果的に、Aさんは地方転勤などの処分は受けましたが、会社に残ることが出来ました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【盗撮事件について】

今回、Aさんは東京都葛飾区にて、女性のスカート内にスマートフォンのカメラを差し向けて下着を撮影しようとするいわゆる盗撮事件を起こしました。
この場合、東京都の定める迷惑行為防止条例(正式名称は公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)に違反します。
条文は以下のとおりです。

東京都迷惑防止条例
5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
 1号 略
 2号 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ (略)
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

上記条例に違反した場合の罰条は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。(同条例8条2項1号)

【会社対応の必要性】

刑事事件を起こしてしまった場合に、必ずしも会社に連絡される、というわけではありません。
一般論として、
・身分確認が必要な場合
・公務員の場合
・会社内での事件事故を起こした場合
については、捜査機関から会社に連絡されます。
他方で、それ以外の事件では、多くの場合は会社に連絡されることはありません。

しかし、Aさんのように有名企業に勤務している場合や悪質な事件の場合、その他報道の価値があると判断されるような場合、マスメディアが被疑者の実名報道を行うことで、会社に知られてしまう場合があります。
会社側としては、報道される以上の内容は分からず、事件の詳細や身柄拘束の期間、結果の見通し、法的に見た悪質性の程度などについて知りたいと思うことでしょう。
そのような場合、弁護士は逮捕されている方自身と相談をしたうえで、会社の担当者に適切な説明を行うことで、会社内での厳しい処分を回避することができる場合があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は、これまで数多くの刑事事件・少年事件を担当してきました。
Aさんのように、実名報道されたことで会社対応が必要になった、という事例も多々ございます。
会社対応は適切かつ丁寧に行う必要があり、経験が求められる部分でもあります。
東京都葛飾区にて、家族が盗撮事件で逮捕されてしまい、実名報道されたことにより会社対応が必要という場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
まずは弁護士が初回接見サービスを行い、逮捕されているご本人に事件の詳細等について伺ったうえで、今後の見通しや会社対応で重要になるポイントなどについてご説明致します。(有料)

【解決事例】人身事故で前科を回避したい②

2023-01-09

【解決事例】人身事故で前科を回避したい②

人身事故を起こしてしまい問題となる罪と、前科を回避したい、不起訴を目指す弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都大田区蒲田在住のAさんは、公務員として勤務していました。
事件当日、Aさんは大田区蒲田の路上にて、わき見運転をしてしまい、前方に停車中の車両に衝突する車同士の人身事故を起こしてしまいました。
事故後Aさんはすぐに通報し、臨場した大田区内を管轄する蒲田警察署の警察官による取調べを受け、逮捕などはされることなく帰宅しました。
Aさんは任意保険に加入しているからと安心していましたが、同僚に人身事故を起こしたという話をしたところ「保険会社に任せていただけでは前科が付く可能性がある」と言われ、刑事事件を専門とする当事務所の無料相談を利用されました。
弁護士は、任意保険で「対人対物無制限」の契約をしていた場合でも、刑事上の責任に問われる可能性があり、保険会社とは別途の対応が必要であることを説明しました。
Aさんはお仕事の関係もあり、前科を回避したいということで当事務所に依頼されました。

弁護士は、被害者の方に対しAさんが謝罪と賠償を行いたいという意向を伝えたところ、示談に応じてくださいました。
弁護士は、担当検察官に対し、被害者との示談が成立していること、Aさんが反省をしていること等を説明した結果、Aさんは不起訴となり、前科が付くことなく解決に至りました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【人身事故で生じる責任】

≪前回のブログをご覧ください。≫

【前科を回避するための弁護活動】

刑事事件の手続きに発展したが前科を回避したいという場合、担当検察官の終局処分が「不起訴」処分にすることが必要となります。
不起訴を目指すためには、被害者が「加害者の刑事処罰を求めない」というお気持ちであることが最も有効です。
そのために、被害者との間で「加害者に対し寛大な処分を求める」意味での「宥恕」と呼ばれる文言を設けた示談書を締結する方法があります。

示談交渉には応じないという被害者の方もおられます。
特に任意保険に加入している場合には、保険会社を通じて被害弁償が行われるため、示談が必要ない、あるいは対応が億劫に感じる等の理由で、拒否された経験もあります。
そのような場合に、
・自動車学校で講習を受ける
・反省文の作成
・車両の廃車や免許証の自主返納
・贖罪寄附

などのかたちで反省を表現し、それらの事情を書面化して弁護人の意見書として検察官に提出する、といった弁護活動が考えられます。

【人身事故で弁護士に相談】

これまでに説明してきたとおり、人身事故を起こした場合には刑事事件に発展し、前科が付く恐れがあります。
人身事故を起こし前科を回避したいという場合、任意保険に加入しているからといって安心することなく、刑事事件専門の弁護士に無料相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、これまで人身事故等の交通事件事故の弁護活動を数多く経験してきました。
東京都大田区にて、不注意による人身事故を起こしてしまい、前科を回避したいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。

【解決事例】人身事故で前科を回避したい①

2023-01-06

【解決事例】人身事故で前科を回避したい①

人身事故を起こしてしまい問題となる罪と、前科を回避したい、不起訴を目指したいという場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都大田区蒲田在住のAさんは、公務員として勤務していました。
事件当日、Aさんは大田区蒲田の路上にて、わき見運転をしてしまい、前方に停車中の車両に衝突する車同士の人身事故を起こしてしまいました。
事故後Aさんはすぐに通報し、臨場した大田区内を管轄する蒲田警察署の警察官による取調べを受け、逮捕などはされることなく帰宅しました。
Aさんは任意保険に加入しているからと安心していましたが、同僚に人身事故を起こしたという話をしたところ「保険会社に任せていただけでは前科が付く可能性がある」と言われ、刑事事件を専門とする当事務所の無料相談を利用されました。
弁護士は、任意保険で「対人対物無制限」の契約をしていた場合でも、刑事上の責任に問われる可能性があり、保険会社とは別途の対応が必要であることを説明しました。
Aさんはお仕事の関係もあり、前科を回避したいということで当事務所に依頼されました。

弁護士は、被害者の方に対しAさんが謝罪と賠償を行いたいという意向を伝えたところ、示談に応じてくださいました。
弁護士は、担当検察官に対し、被害者との示談が成立していること、Aさんが反省をしていること等を説明した結果、Aさんは不起訴となり、前科が付くことなく解決に至りました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【人身事故で生じる責任】

車やバイクを運転していて事故を起こしてしまい、その事故が原因で被害者が死傷してしまった場合、俗にいう人身事故として取り扱われます。
人身事故の場合、刑事上の責任/民事上の責任/行政上の責任の3つの責任が問題となります。
以下で、その概要を説明します。

・刑事上の責任
刑事上の責任は、各種法律に規定されている罪を犯した場合に問題となります。
飲酒運転や無免許等の運転の場合を除き、運転手の不注意によって発生させた人身事故の場合には「過失運転致死傷罪」という罪に問われます。
この罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称、自動車運転処罰法)に規定されています。
人身事故が発生した場合、運転手(=被疑者)は逮捕される場合もありますし、逮捕されずに在宅で捜査を受けることもあります。
いずれの場合でも、被疑者は警察官や検察官からの捜査・取調べを受け、証拠が揃って検察官が起訴した場合、刑事裁判や略式手続により刑事罰を科せられることになります。

罰条:7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

・民事上の責任
人身事故の場合、事故により怪我をした方、死亡した方がおられます。
また、歩行者にあっては事故の衝撃で持ち物が壊れた、運転手にあっては車やバイクが損傷した、といった金銭的な被害を受けることがあります。
この場合、加害者側が被害者側にその損害を補償する必要があります。

自動車やバイク等を運転する場合、自動車損害賠償責任保険(通称、自賠責)に加入することが義務付けられています。
もっとも、自賠責の場合は補償の金額に上限があるため、任意保険に加入して対人・対物無制限にする等、予め対応されている方もおられるでしょう。

・行政上の責任
刑事上の責任、民事上の責任に加え、人身事故を起こした場合には行政上の責任を負うことにもなります。
御案内のとおり、自動車やバイクを運転する場合には運転免許が必要となるところ、交通違反や事故を起こした場合には反則点数が加点され、一定以上の点数に達した場合には免許停止や取消といった処分を受けることになります。
人身事故については、不注意の程度と被害者の怪我の程度により、加点される点数が異なります。
免許停止や免許取消といった行政処分は刑事事件のような裁判は行われず淡々と手続きが行われて通知書が届きますが、90日以上の免許停止や免許取消といった行政処分を受ける場合、聴聞(意見の聴取)という手続が行われ、弁明をする機会が与えられます。

【前科を回避するための弁護活動】

≪次回ブログに続きます。≫

【人身事故で弁護士に相談】

≪次回ブログに続きます。≫

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、これまで人身事故等の交通事件事故の弁護活動を数多く経験してきました。
東京都大田区にて、不注意による人身事故を起こしてしまい、前科を回避したいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。

【解決事例】同じ女性に繰り返し痴漢

2023-01-03

【解決事例】同じ女性に繰り返し痴漢

同じ女性に対し繰り返し痴漢行為を行った少年事件で保護観察処分を獲得したという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都葛飾区在住のAさんは、事件当時、都内の高校に通う高校生でした。
Aさんは通学で鉄道を利用していましたが、早朝の同じ列車に同じ年代の女子児童Vさんが毎日のように乗車していることに気付きました。
AさんはVさんに興味を抱き、最初はVさんの隣に座るだけでしたが、次第にVさんの太ももなど身体に触れる行為を始めました。
その間、VさんとVさんの保護者は葛飾区内を管轄する葛飾警察署の警察官に相談をし、葛飾警察署の私服警察官が見張っていたところでAさんが痴漢行為をしたため、Aさんはその場で警察官に検挙されました。
Aさんは逮捕されることなく在宅で捜査を受けることになりましたが、検察官送致され、家庭裁判所から通知が来たことではじめて、当事務所の無料相談をお受けになり、その後付添人活動を依頼されました。

Aさんの保護者が当事務所に依頼された時点で、事件から既に数ヶ月が経っていたという状況でした。
弁護士はすぐに被害者であるVさんの保護者の方に連絡をとり、Aさんの保護者が謝罪と賠償を行いたい旨を伝えましたが、Vさんの保護者はとてもお怒りでした。
そこで、弁護士は電話・対面で何度も丁寧に説明を行い、AさんがVさんと再び会うことのないよう乗車区域や時間帯の制限を設けるなどの提案を繰り返した結果、最終的に示談に応じて頂けることになりました。

その後Aさんは家庭裁判所で審判を受けましたが、保護観察処分を言い渡されたため、不拘束で日常生活を送りつつ保護観察官や保護司による指導に服することとなりました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【痴漢行為について】

いわゆる痴漢行為は、厳密にいうと法律ではなく、各都道府県の定める迷惑防止条例に違反する行為です。
今回は、東京都葛飾区で発生した事件であるため、東京都の定める「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(以下、東京都迷惑防止条例)に違反します。
問題となる条文は以下のとおりです。

東京都迷惑防止条例5条1項
何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
1号 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。(以下、略)

東京都迷惑防止条例8条
次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
 1号 略
2号 第5条第1項又は第2項の規定に違反した者(次項に該当する者を除く。) ※次項とは、盗撮した場合を指します。

【同じ女性に繰り返し痴漢をして保護観察処分に】

今回の事件で特筆すべきは、複数回に亘り、別の日に同じ女性に対し痴漢行為を繰り返した、という点です。
被害女性の感じる恐怖は想像に絶するものであり、当然、少年に対する保護処分を検討するうえで重要な事情になります。
弁護士としても当然、事態の重要性を認識しており、少年自身やその保護者に対し、繰り返し説明を行いました。
そして、振り返りワーク等を通じて、被害者や被害者家族の不安や恐怖を想像したり、自身の行為を客観的に検討する等して、どうして事件を起こしてしまったのか、今後事件を繰り返さないためにはどうすれば良いのか、真剣に考えてもらいました。

【事例】で紹介したとおり、被害者に対しての示談交渉も難航しましたが、最終的には合意に至りました。

裁判所に対しては、少年や保護者の認識の甘さがあったことは認めつつ、その後少年自身や保護者に大きな心情の変化が生じ、現在では少年院送致や児童自立支援施設送致といった施設内処遇は不要であるばかりか、少年のその後の人生に不利益が生じ得るという点を主張しました。
最終的に、Aさんに対しては、保護観察処分が言い渡されたため、社会内処遇によりAさんのその後の成長を見守るという結果になりました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件のみならず少年事件も数多く取り扱ってきました。
東京都葛飾区にて、お子さんが同じ女性に対し繰り返し痴漢をしてしまい捜査を受けているという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
保護観察処分等のどのような保護処分が検討されるか、どのような流れで示談交渉を行っていく必要があるか等について、丁寧にご説明致します。

【解決事例】酔って痴漢事件を起こすも不起訴処分に

2022-12-30

【解決事例】酔って痴漢事件を起こすも不起訴処分に

酒に酔って痴漢事件を起こしてしまったものの弁護活動の結果不起訴処分になったという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都江戸川区在住のAさんは、江戸川区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、酒に酔ってしまい、江戸川区内の路上で塾帰りのVさんの臀部(お尻)を触る痴漢事件を起こしてしまい、Vさんの通報によって臨場した江戸川区内を管轄する葛西警察署の警察官に任意同行を求められました。
Aさんは逮捕されることなく家に帰ることができましたが、酔っていて事件を起こしたこと自体を覚えていませんでした。
そこでAさんは、
・記憶がないとはいえ実際に迷惑をかけている以上謝罪したい
・会社や家族に知られたくない
と考え、当事務所の無料相談をお受けになりました。
Aさんは一度自宅に持ち帰り検討されましたが、やはり当事務所に依頼したいとして、数日後に契約されることになりました。

弁護士は、すぐに捜査機関に連絡をして、家族や会社に連絡をしないよう申入れを行うとともに、被害者に対し謝罪と賠償を行いたいことを伝え、被害者であるVさんの保護者の方に「弁護士限りで」連絡先をお伺いすることができないか確認して頂きました。
連絡先を伺うまでに時間を要しましたが、最終的にVさんの保護者の方は連絡先を教えてくださいました。
その後も、繰り返し電話を行ったりVさんの家の近くまで行って説明を行うなどした結果、最終的に示談に応じてくださることになりました。

担当検察官は、Aさんを不起訴(起訴猶予)とし、Aさんは事件について会社や家族に説明することなく事件を終えることができました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【痴漢事件について】

Aさんは、酒に酔ってしまい、路上で女性の臀部に触れるという俗に痴漢と呼ばれる行為をしました。
いわゆる痴漢は各都道府県の定める迷惑行為防止条例に違反するものであり、Aさんの事件は東京都江戸川区で発生しているため、東京都の定める「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(以下、東京都迷惑防止条例)」が問題となります。
根拠となる条文は以下のとおりです。

東京都迷惑防止条例
5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
1号 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。

罰条:6月以下の懲役又は50万円以下の罰金

【不起訴処分に向けた弁護活動】

刑事事件を起こしてしまった場合に行う弁護活動は事件によって様々ですが、痴漢事件のような被害者がいる事件では被害者に謝罪や弁済を行うことは、道義的な責任を果たすだけにとどまらず
・刑事事件での刑事処罰の減軽を目指す
・その後の民事上の問題(損害賠償請求などを受ける等)をなくす

といったメリットが考えられます。
しかし、上記のメリットを享受できるような法的に効力がある示談書が締結できるのか疑問ですし、そもそも性犯罪の被害者の方が加害者側に連絡先を教えてくださるかという問題もあるため、示談交渉を行いたいという場合には弁護士に依頼をすることをお勧めします。

東京都江戸川区にて、酒に酔って痴漢事件を起こしてしまい、会社や家族に知られたくない、示談交渉をしてほしい、不起訴処分を目指したいという方は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。

【解決事例】万引き事件で事件化を阻止

2022-12-27

【解決事例】万引き事件で事件化を阻止

万引き事件を起こしてしまったものの、示談交渉により刑事事件化を阻止することができたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都杉並区桃井在住のAさんは、杉並区内で主婦として生活をしていました。
Aさんは金銭面で苦労があったわけではないのですが、家庭内外でのストレスを解消するため杉並区内のスーパーマーケットなど複数の店舗で商品を万引きしていました。
事件当日、Aさんは杉並区内のスーパーマーケットで商品の万引きをして店を出たところ、警備員に止められました。
その警備員は、Aさんに対し、「自分は万引き事件について一任されているので警察に行くことも見なかったことにすることもできる」「それ相応の誠意を見せろ。同じような立場で身体を売った女もいた」といった脅迫・強要未遂の被害に遭いました。
とはいえ、Aさんとしては万引きをした事実もあるため、刑事事件化することもまた恐怖でした。
そこでAさんは当事務所の無料相談を利用し、その後弁護を依頼されました。
弁護士は、まずAさんから余罪を含め、いつ・どこで・どれくらいの金額の商品を万引きしたのか等、複数回に亘り丁寧に聞き取りを行い、それを弁護人面前聴取書といった書類にまとめました。
そして、本件を含め被害店舗に連絡を行い、謝罪と賠償の意思があることを伝えました。
被害店舗によっては「証拠がないので謝罪は受け入れるが賠償等は不要」という回答でしたが、弁済や示談締結に応じてくださる被害店舗もありました。
最終的に、Aさんが万引き事件を起こしてしまった被害店舗にはすべて申入れを行い、各々でどのような対応を行ったかという書類を作成し、万が一捜査機関による捜査が行われた場合でも、すぐに提出ができるような状況を整え、無事終了となりました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【万引きで問題となる罪】

万引きは、商業施設等で商品を盗む行為であり、窃盗罪に当たります。
条文は以下のとおりです。

刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

【万引き事件での弁護活動】

万引き事件のように、被害者・被害会社がいるような事件の場合、謝罪と賠償を行い示談締結により被害届の不提出・取下げ、あるいは刑事告訴取消といった対応を目標にしていく弁護活動が一般的です。
但し、ただ「示談すれば良い」と言えるほど、単純ではありません。
まず前提として、万引き事件の場合は相手が店舗・法人であるという性質上、一般の方が連絡したからといって相手にされない場合が多く、弁護士が介入しても、示談に応じない姿勢を示す場合が少なくありません。(それほどに、小売店にとって万引きは重大な問題であり、チェーン店などでは本部の方針で示談や被害品の買取を拒否する、という事例は多いです。)

次に、Aさんのように万引き事件を繰り返しているような場合には、治療や家族の監督体制が必要不可欠です。
そのため、事件を起こした方とその家族との話し合いの場を設け、弁護士の口から、事件の顛末や余罪の有無、今後の監督について説明したり、窃盗症(クレプトマニア)などの依存症を専門に取り扱う心療内科・クリニック等を紹介し、診断を受け、通院して頂くというケースもあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部では、これまで数多くの万引き事件の弁護活動を行ってきました。
万引き事件は全国で数多く発生していますが、その弁護活動は事件の性質や内容によって異なります。
自身が万引き事件を繰り返してしまった、あるいは家族が万引き事件等で逮捕・勾留されている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
無料相談初回接見を行い、刑事事件化を阻止するために必要となる弁護活動についてご説明します。

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