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色情盗事件で示談交渉

2021-09-06

色情盗事件で示談交渉

洗濯物など他人の衣服を盗む色情盗事件で問題となる罪とその際の示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都江戸川区在住のAは、江戸川区内の会社に勤める会社員です。
Aは、過去にコインランドリーで置き忘れられていた女性用の下着を持ち帰ったことをきっかけに、女性用下着に興味を抱くようになりました。
ある日、Aは会社からの道中、江戸川区内のマンション1階のベランダに、女性ものの下着が干していることに気づき、手を伸ばしてうち数枚の下着を取り、持ち帰ろうとしました。
しかし、被害女性がAの色情盗行為に気づき、すぐに通報しました。

その後、Aが現場付近をうろついていたところで江戸川区内を管轄する小岩警察署の警察官が職務質問し、Aは犯行を認めました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【色情盗について】

性欲を満たす目的で下着をはじめとした衣服を盗む色情盗事件は、事件を繰り返し起こす傾向のある性犯罪の一種です。
色情盗事件では、以下の2つの罪が問題となる場合が多いです。
①窃盗罪

他人の衣服を盗む行為は、窃盗罪に当たります。
窃盗罪は、刑法235条で「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定されています。
財物とは、財産(お金)だけでなく有体物全般を指すと考える説が通説的見解ですので、下着などの衣服についても財物と判断されることになります。

②建造物侵入罪

ケースについて見ると、Aは色情盗を目的としてベランダに手を伸ばしています。
もしこれが、被害女性の部屋があるマンションの敷地に侵入していた場合には、建造物侵入罪に当たる可能性があります。
建造物侵入罪は、刑法130条で「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」と定められています。

ただし、建造物侵入罪は窃盗の目的で行ったとして窃盗の罪についての立証が出来た場合には、建造物侵入罪では刑罰を受けないことになります。

【示談交渉について】

ケースのように、被害者がいる事件での弁護活動の一つに、示談交渉が挙げられます。

示談とは、被疑者・被告人が被害者に対して謝罪と賠償をすることで赦しを求める和解のための合意です。
一言で示談といっても、その内容は様々です。
以下で一例を挙げます。

・被害弁償:被害者に対して示談金などの形で弁償を行う。
示談締結:被害者との間で示談書を締結する。
・宥恕(ゆうじょ):被害者が、被疑者・被告人に対して厳しい処罰を求めない旨を示談書に明記する。
・被害届取下:被害者が捜査機関に提出した被害届を取り下げる。
・告訴取消:被害者が被疑者・被告人に対して厳しい刑事処罰を求める「刑事告訴」を取り消す。

これらの示談については、弁護士以外の一般の方でも作成は可能です。
しかし、痴漢事件や強制わいせつ事件、今回のような色情盗事件のような性犯罪の被害者は、被疑者・被告人やその御家族などに連絡先を教えたくないと思う方が多いでしょう。
そのため、法律の専門家である弁護士が間に入り、刑事手続の流れや示談交渉について丁寧に御説明をした上で、被疑者・被告人の希望に沿った示談交渉を行うことが有効です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所には、示談交渉についての相談が日々多く寄せられています。
示談交渉は、被害者の方に真摯に謝罪し丁寧に説明をすることが肝要ですので、示談交渉の経験が豊富な弁護士に相談することをお勧めします。
東京都江戸川区にて色情盗事件を起こしてしまい、示談交渉について知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。

令状なしでの家宅捜索

2021-09-02

令状なしでの家宅捜索

大麻を売買した場合の罪と、令状なしに家宅捜索を行うなどの違法捜査について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都港区赤坂在住のAは、港区赤坂の会社に勤める会社員です。
Aは小遣い稼ぎの感覚で、大麻を栽培しているXから安くで大麻草を購入し、SNSなどで知り合った者に対して大麻草を販売していました。
ある日、Aが港区赤坂の路上を歩いていたところ、港区赤坂を管轄する赤坂警察署の警察官から声をかけられ、職務質問を求められました。
Aは一目散に逃げて自宅に辿り着きましたが、警察官はドアに足を挟んでAにドアを閉めさせず、部屋の中を覗き込みました。
Aは外出前に大麻草を小分けにする作業をしていましたが、その大麻草が机の上に置いたままになっていたところ、警察官は大麻だろうと指摘し、部屋の中に入り大麻を手に持ちました。
その後、応援で駆け付けた警察官により捜索差押許可状を取得し、大麻は押収されAは逮捕されるに至りました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【大麻の営利目的譲渡について】

御案内のとおり、我が国では大麻は法禁物として、その所持や栽培、輸入などを厳しく制限しています。
ケースの場合は①自分で大麻草を所持していること、及び②第三者に対して譲り渡したこと、について捜査の対象となり得ます。

①と②の両方に言えることですが、大麻などの薬物事案では、営利目的であったか否かが重要になります。
営利目的とは、「犯人がみずから財産上の利益を得、又は第三者に得させることを動機・目的とする場合をいう」とされています(最決昭57年6月28日)。
当然のこと乍ら、営利の目的があればより重い罪に処せられる可能性があります。

第24条の2第1項 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。
2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、七年以下の懲役に処し、又は情状により七年以下の懲役及び二百万円以下の罰金に処する。

【令状なしでの家宅捜索】

警察官等の捜査機関が被疑者の自宅などに入って証拠品を探す行動を捜索と言います。
また、捜索の結果見つかった証拠品は押収という形で保全することができます。
これらの行動は強制処分と呼ばれ、原則として裁判所の令状が必要になります。(令状主義)
ただし、被疑者本人が承諾した場合には、令状なしで家宅捜索を行うことができます。

そのため、家宅捜索を行う場合には、通常であれば捜索差押許可状(又は捜索許可状+押収許可状)を裁判所に請求し、裁判所が下した決定に基づき行われる必要があります。
逮捕とは異なり、たとえ緊急性があるからと言って先に押収した後追って令状を請求するということは出来ません。
ケースのように、令状もなく、また家主が断ったにも拘わらず家宅捜索をする行為は、違法な捜査と言えます。
違法な捜査によって得られた証拠については、たとえ実際に大麻草が出てきたとしても、証拠能力が否定される場合があります(とはいえ違法捜査を認めつつ証拠能力を肯定する判例も少なくありません。)。

令状なしに家宅捜索が行われた場合、刑事事件専門の弁護士に早急に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、大麻などの薬物事件を含む多くの刑事事件を担当して参りました。
東京都港区赤坂にて、御家族が大麻の有償譲渡し事件で逮捕され、令状なしに家宅捜索が行われるなどの事情がありましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御連絡ください。
まずは弁護士が接見に伺い、家宅捜索が適法行われたのか確認致します(有料)。

薬物事件の使用・所持

2021-08-23

薬物事件の使用・所持

薬物事件で問題となる使用(施用・吸食)と所持という罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
Xの配偶者である東京都世田谷区松原在住のAは、世田谷区内の会社に勤める会社員です。
Aはいつも自宅に帰ってくるのですが、その日は自宅に帰ってこず、Xが電話をするもAは電話に出なかったため、世田谷区内を管轄する北沢警察署に行って捜索願を出そうとしました。
すると、警察官から「とある薬物事件でAを逮捕しています。裁判所から通知が届くと思うので、それまで待ってください。」と言われました。
不安になったXは、薬物事件について調べることにしました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【薬物事件の所持罪・使用罪】

我が国では、濫用により保健衛生上の危害を防止する等の目的で、指定した薬物について制限を設けています。
対象となる薬物と主な規制法は以下のとおりです。
※罰条は、単純所持罪、単純使用罪です。営利目的と認められた場合はさらに厳しい刑事罰が科せられます。

・覚醒剤:覚醒剤取締法
⇒アンフェタミンやメタンフェタミンと呼ばれる成分を含む薬物
昏睡やうつ病状態の改善などに用いる「ヒロポン錠」などの医薬品として用いられます。
最も、処方に基づかない濫用は心身に害を及ぼすことに繋がりますので、当然に禁止されています。

・大麻:大麻取締法
⇒大麻草に含まれるテトラヒドロカンナビノール(THC)という成分を含む薬物(あるいは大麻草そのもの。)。
現行法では使用罪は禁止されていませんが、厚生労働省は使用罪の条文を設けるための法改正が検討しています。
海外ではてんかんや認知症等の様々な病気の治療薬として用いられています。我が国では大麻取締法により規制されていますが、2022年に医療用大麻を解禁するための法改正を目指して検討がなされています。

・MDMA:麻薬及び向精神薬取締法
⇒メチレンジオキシメタンフェタミンと呼ばれる成分を有する合成麻薬。
覚醒剤(アンフェタミン)に類似した成分を含んでいて、覚醒剤同様の効用があると言われています。

・コカイン:麻薬及び向精神薬取締法
⇒アルカロイドと呼ばれる成分を有する薬物
コカの木に含まれるもので、濫用は禁止されていますが、局所麻酔などの薬にも用いられています。
(所持罪・施用罪:7年以下の懲役)

・あへん:あへん法
⇒ケシの実に含まれるオピエートと呼ばれる成分を有する薬物
アヘン戦争で御存じのとおり、古くから栽培され使用されていた薬物の一つです。
生成しなくても薬効があると言われていますが、多くはヘロイン等のように加工される場合が少なくありません。
(所持・吸食:7年以下の懲役)

・ヘロイン:麻薬及び向精神薬取締法
⇒ジアセチルモルヒネと呼ばれる成分を有する薬物
あへんが含有するオピエートを加工することで作られます。

癌などの痛みに使用される鎮痛剤や鎮咳剤に使われている成分ですが、極めて強い効用があるため、濫用することは固く禁止されていて、罰則規定も厳しいものになっています。
(所持罪・施用罪:10年以下の懲役)

・向精神薬:麻薬及び向精神薬取締法
⇒中枢神経に作用して精神に影響を及ぼす薬品の総称で、その対象となる薬品は麻薬及び向精神薬取締法の別表第三掲げられている。
密輸や違法製薬によるものもありますが、多くは医薬品として正規に流通しているものです。
睡眠薬や精神安定剤などがあり、医師の処方に従って服薬することは問題がありませんが、濫用することで耐性が付き、依存度が高くなる特徴があります。
向精神薬については、使用罪や単純所持罪はなく、譲受、譲渡し目的で所持していた場合には以下の罪に問われます。
(譲渡・譲渡目的所持罪:3年以下の懲役)

・シンナー等有機物:毒物及び劇物取締法
⇒トルエンを主として酢酸メチルなどを含む有機溶剤。
粘度の高い塗料を薄めて粘度を下げる目的で使用されます。
しかし、吸引することで神経が抑制され、身体の様々な部位に悪影響を及ぼす危険な薬品でもあります。
(摂取・吸入・摂取目的の所持・吸入目的の所持:1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金、又はその併科)

・危険ドラッグ:医薬品医療機器等法
⇒覚醒剤や大麻等の規制薬物と類似した化学物質を混入させた植物片等で、体内摂取により、これら規制薬物と同様の有害性が疑われる薬物
脱法ドラッグ、合法ハーブ、お香などと聞こえの良いものですが、その実は覚醒剤と同様の害をもたらす薬物です。以前は法の規制が行われては少し構造が少し異なる薬物に作り変えるなどして、いたちごっこが続いていました。
しかし、2013年の法改正で「包括指定」がなされるようになり、いたちごっこはなくなりました。
(使用罪・所持罪:3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はその併科)

【まとめ】

このように、薬物事件と一言で言ってもその内容は対象となる薬物の種類によって大きく異なり、罰条も変わってきます。
しかし、ケースのように、捜査機関によってはたとえ家族であっても事件の詳細は教えてくれないという場合は少なくありません。
罪名や詳細を確認するためには、面会の制限がない弁護士に初回接見を依頼し、逮捕・勾留されている家族の方との接見で内容を聞いたうえで、事件の内容や見通しについて確認する必要があります。

東京都世田谷区にて、ご家族が薬物事件で逮捕されたものの、詳細が分からないという場合、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御連絡ください。(初回接見は有料です。)

学割適用のために学生証を偽造

2021-08-19

学割適用のために学生証を偽造

学生証を紛失してしまい、学生証偽造してしまった場合の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都千代田区神田在住のAは、都内の私立大学に通う大学生(20歳)です。
ある日、Aは千代田区内にある飲食店の前を通りかかったところ、学生割引があることに気づきました。
そのコースを適用するためには学生証の提示が必要になるのですが、Aは学生証を携帯していませんでした。
そこで、一緒に歩いていた友人Xから学生証を借りてカラーコピーし、それを飲食店の会員カードに貼りつけし、学生証を持っているかのように見せて学割を適用しようとしました。
しかし、店員が偽造に気づいて警察署に連絡し、臨場した千代田区神田を管轄する神田警察署の警察官によって任意同行を求められました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【文書偽造はどのような罪に?】

紙の書類はもちろんのこと、免許証やパスポートなどのカードの形態をしたものについても、文書偽造の罪の対象になります。
具体的にどのような罪に当たるのかについては、偽造した書類が公的なものかそれ以外か、印を押されているかいないかが問題となります。

①有印公文書偽造
身分証明書のうち、運転免許証やパスポート、健康保険証などの公的機関が作成するものなかで公務員が署名や押印をする必要があるものを偽造した場合、有印公文書偽造罪にあたります。
有印公文書偽造罪の客体(対象)となる書類や身分証明書は、その性質上保護すべき度合いが極めて高いことからも、法定刑は文書偽造の罪の中で最も厳しいものとなっています。
この罪で起訴された場合、罰金刑が用意されていないことから略式手続をとることはできず、正式な裁判になります。

刑法155条1項 行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

②(無印)公文書偽造
公文書のうち押印がないものについては、この罪にあたります。
物品税表示証紙がこれにあたるとされています(最決昭35・3・10)。

刑法155条3項 …公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造…した者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

③有印私文書偽造
公的機関以外が作成する身分証明書などの書類のうち、署名や捺印を必要とするものを偽造した場合、有印私文書偽造罪が適用される可能性があります。
例えば、Aが大学や会社の在籍を証明する身分証明書を作成した場合には、この罪に当たる可能性があります。

刑法159条1項 行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

④(無印)私文書偽造
公的機関以外が作成する身分証明書などの書類のうち、署名や捺印を必要としていない物についてはこの罪が成立します。

刑法159条3項 前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

ケースについて検討すると、Aは私立大学の学生証を偽造しています。
私立大学の作成した学生証は私文書にあたり、多くは学校長の印を押されていることから、Aは有印私文書偽造の罪に当たる可能性が高いです。
なお、国立大学の場合、公文書管理法の適用対象となる機関にあたるため、国立大学の学生証を偽造した場合には有印公文書偽造罪が適用されます。
Aのように、実際には証明証を持っているにもかかわらず忘れてしまったため偽造した、という場合でも、文書偽造罪は適用されます。

【行使によりさらに厳しい罪が成立することも】

仮に自分で偽造していないとしても、偽造した文書を譲り受ける等して利用した場合には偽造私文書行使等の罪が適用されます。
また、学生ではないにもかかわらず学割を適用させるために偽造した学生証を使った場合には、詐欺罪(いわゆる2項詐欺)にあたることもあります。
東京都千代田区にて、学生証などの偽造により有印私文書偽造などの罪で捜査対象になっている方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料でご相談を受けることができます。

偽計業務妨害罪~被害を受けた会社との示談交渉

2021-08-16

偽計業務妨害罪~被害を受けた会社との示談交渉

いたずら・嫌がらせ目的で予約をして無断キャンセルする場合に成立する偽計業務妨害罪などの罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都大田区蒲田在住のAは、大田区内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aは大田区内の飲食店で酒を飲んで酔っ払ってしまい、大田区内の路上で泥酔していました。
Aの友人は、Aの家まで帰るには時間がかかることから、大田区内にあるホテルを探してそこに一泊させようと考えました。
しかし、ホテルの従業員Xは、Aの様子を見て泥酔していることを確認したうえで、トラブルになると考え、Aの宿泊を拒否しました。

怒りを覚えたAは、翌日以降、毎日のように電話とホテルのホームページにある予約フォームから架空の名前で予約を入れ、宿泊することを装い実際には宿泊しないという行為を繰り返していました。
被害店舗の責任者は大田区を管轄する大田警察署の警察官に相談をしたうえで被害届を提出し、捜査官は捜査の結果Aによる犯行であるとしてAを偽計業務妨害罪で逮捕しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【予約の無断キャンセルについて】

ケースのAが行ったいたずら、嫌がらせ目的で予約を取ったうえ、無断でキャンセルするという行為は、偽計業務妨害罪にあたります。
偽計業務妨害罪の条文は以下のとおりです。

刑法233条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

まず、偽計業務妨害罪に当たる行為には「偽計」が用いられるという要件があります。
偽計業務妨害罪のいう「偽計」とは、「人を欺き、あるいは、人の錯誤・淵を利用したり、人を誘惑したりするほか、計略や策略を講じる等、威力以外の不正な手段を用いる」こととされています。
偽計を用いる方法について、過去の判例を見ると、(昭和の事件ではありますが)弁当屋の商品が不衛生だなどと鉄道事業課長に郵送したり、バスの乗客に対して「このバスの運転手は癇癪を起すから用心するように」と叫ぶような事件のほか、電話料金の支払いを免れるための装置を設置したり、電力メーターの機械を弄って使用量を少なく見せるなどした物理的な犯行もあります。
また、今日ではインターネットの普及に伴い、ブログやSNSなどに偽りの情報を記載・掲載した場合にも、この罪が成立します。
ケースのような場合には、宿泊する目的がないにもかかわらず予約のための電話やホームページの予約フォームからの予約を行っているため、偽計があったと考えられます。

次に、偽計業務妨害罪では「業務を妨害した」ことが必要です。
これは、実際に業務遂行が妨害されることは必要ではありません。
今回想定しているケースについて考えると、Aが宿泊の意図がないにも関わらず予約を申し出たとこで、被害に遭ったホテル側は応対に時間を要しただけでなく、その後に本当に宿泊したいと考えている方が予約を取ろうと思い連絡した場合にはAが入れた噓の予約があるために断らざるを得なかった、という事態が想定されます。
実際にそのような客がいたか否かは問わず、Aが予約をした時点で業務を妨害したと評価され、偽計業務妨害罪が成立すると考えられます。

【会社相手の示談交渉】

ケースの事件についてはホテルという会社が相手の事件になります。
被害者がいる事件である以上、示談交渉は重要な弁護活動のひとつになりますが、通常、ホテルなどの会社は弁護士と顧問契約を結んでいて、弁護士を介しての示談交渉ということになると考えられます。
しかし、Aのように逮捕・勾留されている場合にはそもそも本人が示談交渉することができないうえ、示談交渉ができたとしても、会社側は実際の事件より多い回数、あるいは高額な損害を主張してくる場合が考えられるため、一般の方の交渉は容易ではありません。
特に会社のように顧問弁護士が間に入る可能性が高い事件での示談交渉の場合、弁護士を通じて示談交渉を行い、事実や被害金額などについてしっかりと確認をとったうえで、示談金額などの交渉を行うことが望ましいでしょう。

東京都大田区にて、ご家族がホテルに対していたずら・嫌がらせ目的で予約を繰り返し行ったために偽計業務妨害罪で逮捕されてしまい、示談交渉などの弁護活動をお求めの方がおられましたら、刑事事件・少年事件のみを行う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。

覚醒剤使用で保釈請求へ

2021-08-12

覚醒剤使用で保釈請求へ

覚醒剤を使用していた場合に問題となる罪と保釈請求について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都葛飾区在住のAは、葛飾区内の会社に勤める会社員です。
Aは知人の勧めを受け、覚醒剤を注射器を使って濫用していました。
ある日、葛飾区内の路上で待ち合わせをしていたところ、葛飾区内を管轄する葛飾警察署の警察官がAに近寄り、職務質問に協力してくださいと説得をされました。
Aは、当時薬物は持っていなかったため職務質問と併せて所持品検査に応じましたが、その際に警察官はAの肘裏にある注射痕を見つけ、尿検査に応じるよう説得しました。
Aは頑なに拒否しましたが、警察官は長きに亘り説得した結果、Aは尿を提出することとなりました。
検査結果が出たら連絡すると言われたAは、不安になり、覚醒剤の使用で問題となる罪や保釈請求のタイミングについて、刑事事件専門の弁護士に無料相談しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【覚醒剤の使用について】

覚醒剤(かくせいざい)とは、「フエニルアミノプロパン、フエニルメチルアミノプロパン及び各その塩類」や「同種の覚せい作用を有する物であって政令で指定するもの」と定義されています。(覚醒剤取締法2条1項1号)
多くは結晶、あるいはそれを砕いて粉末にした状態で所持し、液体に溶かして注射器などで打つという方法で濫用される場合が一般的です。
また、ヤーバーなどと呼ばれる錠剤タイプの覚醒剤もあります。

覚醒剤は神経を興奮させる効力があるため、一時的な快楽を得られる場合もあるようですが、幻覚や幻聴に悩まされるなどの悪影響が大きいという特徴があります。
また、依存性が高いという特徴もあるため、一度手を出してしまうと、自分の意志ではやめられないという場合も少なくありません。

そのため、我が国では医師など一部の認められている者を除き、覚醒剤の使用や所持、密輸入、製造などを禁止しています。
Aの場合は覚醒剤の使用が問題となっていますので、覚醒剤取締法19条に違反します。
罰条は「10年以下の懲役」です。(覚醒剤取締法41条の3第1項1号)

なお、覚醒剤取締法違反の嫌疑で尿を提出した場合、捜査機関は、簡易検査の結果をもとに身柄拘束する場合もありますが、採取した尿を科学捜査研究所に送り、正式な検査結果を踏まえて逮捕するという場合もあります。

【保釈請求について】

事件を起こした被疑者とされている者は、逮捕されてから48時間以内に検察官に送致され、送致を受けた検察官は装置から24時間以内に勾留請求するか、釈放する必要があります。
検察官が勾留の必要があると判断した場合、裁判所に対して勾留請求を行い、勾留請求を受けた裁判所は被疑者の勾留が必要か、被疑者の話を聞く機会を設けたうえで勾留についての判断を行います。
勾留の期間は10日間ですが、1度に限り延長することができるので、最大で20日間、勾留されることになります。

担当検察官は、勾留の満期日までに捜査あるいは捜査指揮を行い、被疑者を起訴するか処分保留で釈放しなければなりません(もっとも、処分保留で釈放した後に別件での逮捕により引続き身柄拘束が続くという場合もあります。)。
検察官が起訴した場合には刑事裁判にかけられることになりますが、身柄はどうなるかというと、起訴後勾留という手続きに切り替えられることになります。
起訴後勾留の期間は2カ月と定められていますが、その後も1か月ごとに更新をすることができて、判決の言い渡しを受けるまで続けることができます。

起訴後勾留されている方の身柄を解放するためには、保釈請求を行うことで釈放を求めるというケースが一般的です。
保釈は、被告人側(被告人自身や親族、弁護人)が裁判所に対して請求を行い、裁判官は検察官の意見を聞いた上で保釈をするか否かの判断を下します。
裁判官が保釈を認め、そこで言い渡された保釈金を納付することで、身柄を解放されます。
保釈請求は被告人本人が行うこともできますが、逃亡や罪証隠滅の恐れがないことを書面で主張する必要があるため、一般の方が行う場合はハードルが高いと言えます。

東京都葛飾区にて、覚醒剤使用の事件で家族が逮捕されたり、鑑定の結果を踏まえて逮捕される可能性があるという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご相談ください。

同意があったのに性犯罪?

2021-08-09

同意があったのに性犯罪?

同意があったと考えていたものの刑事事件に発展し性犯罪に問われる可能性がある場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都江戸川区東葛西在住のAは、江戸川区東葛西にある会社に勤める会社員です。
Aはこれまでに、SNSや出会い系サイトなどで知り合った不特定多数の者と性行為などをしていました。

ある日、江戸川区を管轄する葛西警察署の警察官が自宅に来て、Aを逮捕する旨の説明を受けました。
Aとしては、これまでの性行為は全て同意があると思っていただけに、納得がいきません。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【同意がある性行為で刑事事件に】

性行為は、両者の同意が必要であることは御案内のとおりです。
そのため、(不貞などの民事・倫理の問題は別として)両者の同意があれば、問題になりません。
しかし、以下のような場合には、性犯罪に発展する可能性があります。
●同意を誤信していたパターン
一方が同意があったと考え性行為をしたにもかかわらず、一方は同意がなかったという場合のほか、同意の範囲に性行為が入っていなかった(被害者としては性的な行為には同意があったが、性行為には同意がなかった)という場合も考えられるでしょう。

相手の性行為についての同意がなかったにも関わらず、同意があると誤信して性行為をした場合、強制性交等罪に問われる可能性があります。
条文は以下のとおりです。
刑法177条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。(略)

●相手が同意の判断をできる状況になかったパターン
被害者が酒に酔っていた場合や睡眠薬を使われるなどして判断や応答、拒絶ができないような状況で性行為をした場合、あるいは被害者が知的障碍をお持ちで判断や拒絶ができない中で性行為をした場合には、準強制性交等罪が成立します。
条文は以下のとおりです。

刑法178条2項 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。

●相手が未成年者だったパターン
相手が未成年者だった場合、同意の有無にかかわらず犯罪になります。
≪相手が13歳以上18歳未満≫
相手が13歳~17歳(以下、被害児童)であれば、被害児童の同意が明確であったとしても、各都道府県の定める青少年保護育成条例違反や児童買春にあたり、処罰されます。
ケースについては東京都江戸川区を想定していますので、東京都の条例が問題となります。
条文は以下のとおりです。

東京都青少年の健全な育成に関する条例18条の6 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。

≪相手が13歳未満≫
相手が~12歳だった場合(以下、被害児童)の場合、被害児童の同意が明確であったとしても強制性交等罪が適用されます。
昨今、性的同意年齢という言葉が一般的にも広く知れ渡ることになりましたが、我が国の刑法では13歳以上には性的同意年齢が備わっているとされています。
換言すると、13歳未満の児童については、そもそも性的同意ができない年齢であり、その被害児童が行った同意そのものが同意にはならないと言えるのです。
条文は以下のとおりです。
刑法177条  十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

【同意の有無は立証が困難】

このように、性行為についての同意があったと誤信している場合、あるいは未成年者が相手だった場合には、刑事事件に発展して刑事罰を受けることに繋がります。
他方で、性行為についての同意が明示的に残されている場合は少なく、密室での「言った/言わない」という水掛け論に発展する場合も少なくありません。

また、強制性交等罪については暴行または脅迫の有無についても重要になりますが、やはり密室という目撃者がいない中での事件ですので、客観的な証拠が乏しい場合もあり、取調べでの供述が重要になる場合も少なくありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部では、このように、「同意があると誤信して性行為に及んだ」、あるいは「実際に同意があったが事後的に同意がなかった旨の主張がなされている」といった相談を受ける場合があります。
東京都江戸川区東葛西にて、性行為の同意が問題で刑事事件に発展している、あるいは今後刑事事件に発展する可能性があるという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けて頂くことができます。

万引き事件が強盗扱いに?

2021-08-05

万引き事件が強盗扱いに?

20歳未満の少年が万引きをしようとしたところ店員等に見つかってしまい、逃走する際に暴行を加えるなどした結果「強盗」扱いされる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都荒川区に住むAは、都内の高校に通う17歳の高校生です。
Aは事件の数か月前から、荒川区内にある書店に行き、欲しい漫画を繰り返し万引きしていました。
事件当日も、Aは鞄を持っていき漫画コーナーで人がいないことを確認して、自分のバッグに未購入の漫画本3冊を入れて店を出ようとしました。
しかし、以前からAが万引きをしていることに気づきマークしていた店員Vは、Aが店を出たタイミングで声掛けし、バッグの中を見せるよう言いました。
Aは万引きが発覚したことを察知し、逃げようとしましたが、Vに手を握られて逃げるタイミングを逸しました。
そこで、Vの腕に蹴りを入れ、Vが転倒した隙にAはその場を離れました。

荒川区を管轄する尾久警察署の警察官は、Vの通報を受けて付近のパトロールを開始し、Vの言う被疑者と特徴が酷似していたAが見つかったため声掛けし、Aの取調べを開始しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【万引き行為】

御案内のとおり、万引きは窃盗罪にあたります。
窃盗罪の条文は以下のとおりです。
刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

万引き事件について、軽く考えている方・少年も多くいるようですが、捜査するうえでやむをえないと判断された場合には逮捕・勾留されることがあります。
また、万引き事件の場合、被害店舗は買取には応じるが示談には応じないという態度を示す場合も少なくないため、初犯でも略式起訴による罰金刑で前科が付く場合もあり、転売目的で繰り返し万引きをしていたような事案であれば初犯でも公判請求ということが十分に考えられます。

【万引きが強盗に?】

Aは万引きをしたうえで、更に制止しようとした店員Vに対して暴行を加えています。
これは、万引き窃盗罪)ではなく「事後強盗」という罪に当たります。
条文は以下のとおりです。

刑法238条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために暴行または脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

万引きをした被疑者が、店員や警備員、目撃者などの制止を振り切り逃走しようとすることは、少なくありません。
しかし、その過程で被害者に暴行を加えたり、脅迫したりして逃走した場合には、もはや窃盗罪ではなく、事後強盗罪として扱われることになるのです。
事後強盗罪は強盗として論ずると定められていますので、
被害者が怪我をしていない:五年以上の有期懲役
被害者が怪我をした   :無期または六年以上の懲役
被害者が死亡した    :死刑または無期懲役
という厳しい刑罰が科せられます。

【少年事件での弁護・付添人活動】

万引き事件は、少年事件でもよく見られる罪の一つです。
ある程度身体が大きくなっている少年であれば、制止された店員や警備員、目撃者に対して暴行を用いるなどして逃走を図ることは十分に考えられます。

少年事件も、成人の刑事事件と同様に捜査段階で逮捕・勾留される可能性があるほか、捜査が終了した段階で家庭裁判所に送致されたのち、観護措置決定が下され少年鑑別所に入所することになる可能性があります。
少年事件の場合
・身柄対応(事件の内容や少年の環境を総合考慮し、釈放を目指す主張。身柄拘束が長期に亘る場合の頻繁な接見、心理的ケア。)
・取調べ対応(少年に手続きや言葉の意味などを説明し、間違った供述調書を作らせないための活動。)
・示談交渉(被害者との示談交渉。)
・環境調整(少年を社会内で更生させるための環境調整。)
・学校対応(学校に対して寛大な措置を求める等の対応。)
・調査官対応(家庭裁判所送致後、少年の事件後の内省や環境調整ができていることの主張等。)
など、様々な弁護活動・付添人活動があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は、刑事事件・少年事件のみを扱っている弁護士事務所です。
東京都荒川区にて、お子さんが万引きをしたところ店員等に見つかってしまい、逃走する際に暴行するなどして事後強盗事件に発展した場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。

DVで逮捕

2021-08-02

DVで逮捕

家庭内暴力、いわゆるDVで問題となる罪と弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都杉並区在住のAは、杉並区内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aは自宅で夫婦喧嘩をしてしまい、怒ったAはVを平手打ちで4度叩いた上で、台所から包丁を持出し、配偶者Vに「どっちかが死ぬしかないんじゃないか」と言いました。
Vは怖くなって通報し、臨場した杉並区を管轄する荻窪警察署の警察官は、Aを現行犯逮捕しました。
その後、冷静になったVはAの釈放を求めるべく警察官に伝えましたが、それはできない旨言われてしまいました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【DVについて】

DVという言葉は、多くの方がご存じかと思います。
DVはDomestic Violenceの略称で、配偶者や親、子どもなどの家族に対する暴力行為を指す言葉です。
ケースのような喧嘩、あるいは子どもに対する躾と主張する場合が多いようですが、犯罪であることに変わりありません。
なお、昨今のコロナ禍で刑事事件の認知件数は減少傾向にありますが、DVについては過去最多を数えるなど増加傾向にあるようです。

DVで問題となる罪について、喧嘩などと同様に暴行罪のほか、被害者が怪我をした場合には傷害罪に、Aのように包丁を持ち出した場合には暴力行為等処罰ニ関スル法律(暴力行為処罰法)違反にあたる可能性があります。
条文は以下のとおりです。

(暴行罪)
刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

(傷害罪)
刑法204条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(暴力行為処罰法違反)
暴力行為等処罰ニ関スル法律1条 団体若ハ多衆ノ威力ヲ示シ、団体若ハ多衆ヲ仮装シテ威力ヲ示シ又ハ兇器ヲ示シ若ハ数人共同シテ刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百八条、第二百二十二条又ハ第二百六十一条ノ罪ヲ犯シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ三十万円以下ノ罰金ニ処ス

【逮捕されると釈放は困難】

DV事件の場合、「家族同士での問題だから、すぐに釈放されるだろう」「しつけや喧嘩の一環だから、逮捕される謂れはない」と考えている方もおられるようです。
しかし、実際にDV事件を起こしてしまい、通報されて警察官が臨場した場合、逮捕されることが少なくありません。
また、逮捕されると72時間以内に今後身柄拘束をするかどうかの判断が行われますが、勾留がつく可能性は高いです。
なぜなら、勾留の要件は以下のようになっているからです。(刑事訴訟法60条1項各号)
①住所不定の場合
②罪証隠滅(証拠隠滅)の恐れがある
③逃亡の恐れがある

DV事件の場合、とりわけ②の要件が問題となります。
なぜなら、DV事件の多くは同居している者が被害に遭っているというケースが多いため、被害者と接触し、口裏合わせをすること容易であるためです。
勾留が付いた場合、勾留請求日から数えて最大で20日間行われるため、3週間程度身柄拘束が続く可能性があります。

【DV事件での弁護活動】

DV事件については、家族間の問題であるからこそ、弁護活動は重要であると言えます。
まず釈放を目指すためには、被害者と生活を分けるという主張が考えられます。
事件後しばらくの間は、実家で生活して実家の家族が監督するなどして、被害者と接触できない環境をつくる、というものです。

また、被害者が一度被害届を出した場合に、その後被害者が冷静になって取下げたいと捜査機関に連絡したとしても取り合ってもらえないということもあります。
弁護士としては、被害者の意向に従って被害届取下げ書や上申書などの書類を作成し、被害者の気持ちを捜査機関にしっかりと伝えることも重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部には、DV事件で逮捕されたという連絡を多く受けます。
東京都杉並区にて、ご家族がDV事件を起こしてしまい、逮捕されたという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
先ずは弁護士が逮捕されている方のもとへ接見に行き、事件の内容や取調べの状況などを確認したうえで今後の見通しなどについてご説明します。(有料)

則竹弁護士が取材を受けコメントが東京新聞に掲載されました

2021-07-29

則竹弁護士が取材を受けコメントが東京新聞に掲載されました

密漁について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の代表弁護士則竹理宇が取材を受け、コメントが7月15日発行の東京新聞に掲載されました。

潮干狩り感覚の密漁で摘発されるケースが多発

これからの季節、海でのレジャーに出かける方も多いかと思いますが、海に生息する魚介類をむやみに採って持ち帰ると「密漁」となり、漁業法や、各都道府県が定める漁業調整規則に違反する可能性があるので注意が必要です。
中には、潮干狩り感覚で罪の意識がないままに禁止場所で貝類を採ってしまい、密漁として摘発を受けている方もいるようなので十分にお気をつけください。
また実際に各地でこういった事件の摘発が多発しており、海上保安庁等に検挙されると、管轄の検察庁に書類送検されて、刑事罰が科せられる可能性もあります
新聞記事には、こういった「密漁」に関して、漁業協同組合への取材内容や、専門家の意見を掲載し注意を呼び掛けています。

則竹弁護士のコメント

こういった密漁事件に巻き込まれないためにどうすればいいのかについて、則竹弁護士は「管轄の漁協に確認を取ってもらうのが確実だが、それが難しければ、人がいない場所では特に採取や立ち入りを禁止した看板などがないかチェックする。潮干狩り場以外では採ることを避けるのが賢明だ。」とコメントしています。

東京新聞(7月15日発行)の記事

 

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