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【少年事件】火遊びが放火に
学校での火遊びが放火になった少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
事件
東京都文京区の私立中学校に通うA君は、授業の休み時間などに、友人と一緒に、ライターでティッシュペーパーに火を点け、それを振り回すなどして遊んでいました。
その際、A君は教室の床に引火させてしまい、消防車が出動する騒ぎになりました。火はすぐに消火されたものの四方約1平方メートルを焦がしてしまいました。
消防から警察に事件が報告されたことから、A君は友人と共に、警視庁大塚警察署に呼び出されて放火の容疑で取調べを受けています。
(フィクションです。)
ちょっとした悪戯が重大犯罪に?
火を使用すれば刑法上は放火の罪や失火の罪に問われかねません。
放火して、人がいる建造物等を焼損した場合は現住建造物等放火罪(刑法108条、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役)
に、
人がいない建造物等を焼損した場合は非現住建造物等放火罪(刑法109条、2年以上の有期懲役)
に問われる可能性があります。
また、
失火した建造物等を焼損した場合は失火罪(刑法116条、50万円以下の罰金)
に問われる可能性があります。
建造物等を全焼しなくても「焼損」
ちなみに、「焼損」の意義に関しては様々な説がありますが、判例は、
火が媒介物を離れて目的物に燃え移り、目的物が独立して燃焼を継続し得る状態に達すること
をいう独立燃焼説に立っています。この説によると、目的物全焼しなくても、その一部のみを燃やした場合でも「焼損」に当たることになります。
しかし、これでは木造建築の場合、放火罪の既遂時期が早くなりすぎてしまうとの批判から、
・目的物の重要な部分、あるいは本来の効用が失われたことが必要とする効用喪失説
・目的物の重要な部分の燃焼開始を必要とする燃え上がり説
・効用喪失説を基調としつつ、目的物が毀棄罪における損壊の程度に達することを必要とする毀棄説
が提唱されています。
退学処分の可能性は
お子さまが学校で非行を働いたという場合、
退学処分となるのではないか
と不安になられる親御様もおられるかと思います。そこで、学校教育法を確認すると、その11条では
校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。
とされています。そして、「文部科学大臣の定めるところにより」というのは、学校教育法施行規則のことを指しており、その26条1項から3項では
1項 校長及び教員が児童等に懲戒を加えるに当つては、児童等の心身の発達に応ずる等教育上必要な配慮をしなければならない。
2項 懲戒のうち、退学、停学及び訓告の処分は、校長(大学にあつては、学長の委任を受けた学部長を含む。)が行う。
3項 前項の退学は、公立の小学校、中学校(学校教育法第七十一条の規定により高等学校における教育と一貫した教育を施すもの(以下「併設型中学校」という。)を除く。)、義務教育 学校又は特別支援学校に在学する学齢児童又は学齢生徒を除き、次の各号のいずれかに該当する児童等に対して行うことができる。
1 性行不良で改善の見込がないと認められる者
2 学力劣等で成業の見込がないと認められる者
3 正当の理由がなくて出席常でない者
4 学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者
とされています。つまり、3項によれば、公立の小学生、中学生等以外の同行1号から4号に該当した者を退学処分とすることができます。
この点、A君は私立中学校に通う生徒です。さらに、今回、放火に当たり得る行為をしていますから4号に当たる者と判断され、退学処分を受ける可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は、まずは、0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの受け付けを行っております。

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強盗容疑で逮捕 示談交渉に強い弁護士
強盗容疑で逮捕された事件の示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
強盗容疑で逮捕
Aさんは、東京都大田区池上の夜間人通りの少ない路上で、女性をナイフで脅して、女性に着用していた下着を脱がせ、その下着を奪い取りました。
女性からの通報を受けた警視庁池上警察署の捜査によって、Aさんは事件から3週間後に強盗容疑で逮捕されたようです。
逮捕の知らせを聞いたAさんの家族は、強盗罪に強いと評判の弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
下着泥棒と強盗罪
本件では、Aは強盗罪により逮捕されてしまっています。
この点、刑法は236条1項において「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する」と、「財物」に対する強盗罪(いわゆる1項強盗)を定めています。
まず、強盗罪の手段である「暴行又は脅迫」とは、被害者の反抗を抑圧するに足りる暴行・脅迫である必要がありますが、本件ではナイフという危険性の高い凶器つきつけており、反抗を抑圧するに足りる「脅迫」であるといえます。
そして、下着も財産的価値のある有体物ですから、強盗罪の客体たる「財物」に当たります。
もっとも、多くの財産犯(領得罪)には、犯罪を行う故意(刑法38条本文)の他に、不法領得の意思が必要とされると解されています。
ここで「不法領得の意思」とは、権利者を排除して他人の物の自己の所有物として、その経済的用法に従い利用処分する意思をいうと解されています。
本件では、権利者排除意思が認められることは明らかなので、利用処分意思があるかどうかが主に問題になります。
窃盗罪や強盗罪などに利用処分意思が必要とされるのは、財物の効用を享受しようとするいわば物欲に基づくこと犯罪を、器物損壊罪などよりも重く処罰する点にあります。
そして判例・実務上は、利用処分意思は単純な毀棄隠匿(器物損壊等)の意思によるものでなければ認められるといわれており、本件のように脅迫を手段にして下着を盗む行為にも、利用処分意思が認められることになるでしょう。
したがって、Aは脅迫を手段とした強盗罪の刑事責任を問われることなると考えられるのです。
強盗罪における刑事弁護活動
刑事訴訟法は、248条において「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる」と、検察官の訴追裁量を認めています(起訴便宜主義)。
したがって、「犯罪後の情況」として被害者との示談を成立させることによって、起訴猶予等の不起訴処分を得る可能性も出てきます。
強盗罪は「5年以上の懲役」と重い刑罰が定められた重大犯罪で、起訴されれば刑事裁判を受けることになりますし、その法定刑の重さから執行猶予を獲得することも難しい犯罪です。
ですから、被害者との示談を成立させることで主張できる事情を増やすことは、加害者である被疑者にとって極めて重要です。
示談にあたっては、被害者の財産的被害のみならず精神的被害の回復を目指した示談交渉が必要となります。
また、本件のように被疑者が身体拘束を受けている場合には、検察官が身体拘束の期限に際して起訴・不起訴の決断を出す前に示談交渉をまとめる必要があり、常に時間的制約が伴います。
逮捕・勾留されてしまった場合(勾留延長含む)には、検察官も原則として最大23日以内に起訴するかどうかの判断をすることになるからです。
強盗罪に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、強盗罪を含む暴力・粗暴事件に強い刑事事件専門の法律事務所です。
示談交渉等にあたっては、刑事事件は上述のように時間との闘いでもあるため、経験豊富な刑事事件に強い弁護士に相談することが重要です。
強盗事件で逮捕された方のご家族は、まずは通話料のかからない弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせして頂くことをおすすめいたします。
刑事事件に強い弁護士による接見(面会)サービスなどのご案内や、刑事事件に関する流れについて平易にご説明いたします。

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覚醒剤使用事件で逆転無罪
覚醒剤使用事件における逆転無罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
東村山市に住むAさんは、第一審で懲役2年6月の実刑判決を受けたのですが、逆転無罪判決が言い渡されました。採尿前の職務質問の現場において、警察官が男性の下半身を露出させており、この行為に対して裁判官は「手続きに違法があった。」と認定しました。そして覚醒剤反応が陽性であるとした鑑定書が、この違法手続きと密接な方法で得られたとされて、証拠から排除されたことによって無罪判決が言い渡されました。
(フィクションです。)
◇覚醒剤取締法違反◇
覚醒剤取締法では、覚醒剤の使用、所持、譲り受け、譲り渡し、輸出入等が禁止されています。
今回の裁判で無罪を得た男性は、覚醒剤の使用で起訴されています。
覚醒剤の使用については、起訴されて有罪が確定すれば10年以下の懲役が科せられることになりますが、初犯の場合は、よほどの事情がない限り、非常に高い確率で執行猶予付きの判決が言い渡され、実刑判決になることはほとんどありません。
◇覚醒剤使用事件で逮捕されるまで◇
覚醒剤使用事件で逮捕されるまでについて解説します。
現在、日本の捜査機関は覚醒剤の使用を尿の鑑定によって立証する方法を採用しています。(毛髪による鑑定が行われることもあるが非常に稀で、実際はほとんど行われていない。)
警察官による職務質問や、捜査機関による内偵捜査によって覚醒剤を使用している疑いがある人に対して警察官は採尿を求めることができます。
最初は任意の採尿を求められますが、この任意採尿を拒否すれば、裁判官が発付する「捜索差押許可状」を基に強制採尿されることとなります。
こうして採尿された尿は、覚醒剤成分が含まれているかどうかを鑑定されることになります。
緊急性がある場合には、警察署に設置されている専用の機械や、簡易の検査キットを使用して警察官によって簡易鑑定が行われ、その鑑定で陽性反応が出ると、その時点で逮捕されます。
緊急性がない場合や、採尿した尿の量が少なければ簡易鑑定は行われずに、科学捜査研究所における尿鑑定を受けることになります。
科学捜査研究所における尿鑑定は、科学捜査研究所の鑑定員によって行われるため、検査結果が出るまでに時間を要します。そのため、採尿した後はいったん解放されて帰宅することができます。
科学捜査研究所における尿鑑定で覚醒剤の陽性反応が出ると、鑑定員によって「鑑定書」が作成されます。
警察官による簡易鑑定によって逮捕された場合であっても、その後、残りの尿が科学捜査研究所の鑑定員によって鑑定されて、最終的には「鑑定書」が作成されます。
そして、覚醒剤使用事件の刑事裁判では、科学捜査研究所の鑑定員の作成する「鑑定書」が、被告人の有罪を決定づける重要な証拠となります。
◇鑑定書の証拠能力◇
覚醒剤使用事件の刑事裁判では、覚醒剤を使用したか否かの判断は、尿の鑑定結果が記載された「鑑定書」によって証明されます。
鑑定書に証拠能力が認められるのは、作成までの刑事手続きが適法に行われていたことが前提ですので、それまでの刑事手続きが違法であった場合には、今回の刑事裁判のように、鑑定書の証拠能力が認められない可能性があります。
今回の刑事裁判では、男性を職務質問した警察官が、男性に対して下着を脱がせて身体検査を行ったり、下半身に触れたことを認定し、それについて裁判官は「プライバシーを尊重せず、手続きには違法がある」と批判したようです。さらに、その違法手続き後に行われた採尿によって収集された尿の鑑定書を、証拠から排除したのです。
覚醒剤の使用を証明するはずの鑑定書が、裁判の証拠から排除されたことによって、男性が覚醒剤を使用していたことを証明する証拠がなくなったので、男性の無罪が言い渡されたと言えます。
薬物事件に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部では、これまで数多くの薬物事件の刑事弁護活動を行ってきた実績がございます。
薬物事件でお困りの方、覚醒剤使用事件の刑事裁判でお困りの方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。

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児童買春で逮捕されるの?事前に弁護士相談を
児童買春で警察に逮捕されるのか?事前に弁護士に相談することについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
児童買春で警察から呼び出し
Aさんは、SNSで援助交際を希望している女性を探しているうち、女子高生(16歳)を見つけ、その女子高生と、国立駅で待ち合わせの約束をしました。
当日、女子高生と落ち合った後、性交の対価として5万円を要求されたので、女子高生に5万円を支払い、、ラブホテルで性交しました。
女子高生の両親がこの事実を知ることになり、激怒した両親は交番に被害届を提出したようで、後日、Aさんは警察署から呼び出しを受けました。
Aさんは逮捕されてしまうのではないかと不安です。
(フィクションです)
児童買春の罪について
児童買春の罪とは
(1)①児童、②児童に対する性交等の周旋をした者、③児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいいます)又は児童をその支配下に置いている者に対し
(2)対償を供与し、又はその供与の約束をして、
(3)当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいいます)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいいます)をする
ことをいいます。
Aさんの事件を検討
「児童」とは18歳未満の者を指します。
女子高生は16歳ですから、「児童」に該当します。
児童であるVに性交の対価として5万円を供与して性交を行ったのですから、Aさんの行為が児童買春の罪を構成する可能性は極めて高いと思われます。
もしAさんが起訴され、裁判で有罪が確定すれば、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処せられます。
今後の捜査はどのように進むか?
Aさんと同様の立場になった方は、今後逮捕されてしまうのかどうか、とても気になると思います。
もっとも、一旦被疑者になったら、必ず逮捕されてしまう、というわけではありません。
ケースのAさんがもし逮捕されるとすれば、「通常逮捕」がなされる可能性があります。
「通常逮捕」とは、捜査機関が裁判官から発付を受けた逮捕状を被疑者に呈示して執行するものです。
通常逮捕が認められる要件として
①被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること
②逮捕の必要性があること(逃亡のおそれ、罪証隠滅のおそれ)
が必要です。
そのため、捜査機関が被疑者を拘束する必要がなく、在宅での捜査が可能であると判断した場合には、逮捕状を請求せず、日時を決めて被疑者を呼びだし、取調べをするなどして捜査を続けていくことになります。
もし逮捕されてしまうと・・・
当然ですが、同じ事件であっても、逮捕されてしまう場合と在宅で捜査が進行する場合では、後者の方が被疑者にとって有利です。
一旦逮捕され、勾留・勾留延長されると、捜査段階で最長23日間身体拘束を受けることになり、Aさんはその間勤務先にも出勤できませんし、学校に登校することもできません。
さらに、勾留されたまま起訴されれば、自動的に起訴後勾留に移行し、さらに身体拘束が継続することになります。
こうなると、よほど理解のある勤務先でなければ、クビになったり、学校を留年するなど、Aさんの社会復帰後にも多大な悪影響が生じます。
事前に弁護士相談を
Aさんは警察に呼ばれていますが、できれば取調べに臨む前に、弁護士と相談することをおすすめします。
法律相談では、今後の見込み、取調べの対応策について助言を受けることができます。
この時点で弁護活動を依頼すれば、早期にVとの示談交渉を開始することができ、示談が成立すれば逮捕される可能性も低くなり、不起訴処分の獲得も期待できます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部には、刑事事件に熟練した弁護士が多数在籍しており、児童買春事件の解決実績も豊富です。
児童買春事件を起こし、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。

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民家に押し入って泥棒 共犯事件に強い弁護士②
民家に押し入って泥棒した事件を例に、共犯事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
~前回からの流れ~
東京都西多摩郡に住むAさんは、先日会社を解雇され、無職となりお金に困っていました。
そんな中、Aさんは数年ぶりにパチンコ店で会った知人の男Bさんから、「お金に困っているの?」「空き巣の家を見つけたから家に入って貴金属を盗ってそれを売って金にしよう」ともちかけられ、この話に乗ることにしました。
犯行日当日、犯行場所で、AさんはBさんから「俺が中に入ってやるから、誰も来ないかどうか外で見張りをしていてくれ」と言われました。
そして、Aさんは外で見張りをしていたところ、被害者宅から貴金属を盗ってきたBさんから「中におばさんがいた。貴金属の在りかを吐かなかったので、ナイフで脅した」と言われました。
その後、AさんとBさんは現場から逃走しました。
そして、数か月後、警視庁青梅警察署に、Aさんは邸宅侵入罪と窃盗罪の共犯、Bさんは住居侵入罪と強盗罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
はじめに(前回のおさらい)
前回は、共犯の概要についてご説明いたしました。
おさらいすると、共犯は次のように区分されました。
最広義の共犯 ――――― 必要的共犯
| (広義の共犯)
|
|―― 任意的共犯 ―――― 共同正犯
|
|――― 教唆犯
| (狭義の共犯)
|――― 幇助犯
今回は、まず、教唆犯、幇助犯についてご説明いたします。
教唆犯(刑法61条1項)
教唆犯とは、人を教唆して犯罪を実行させた者をいいます。
教唆犯が成立するには、
・人を教唆すること
・それに基づいて被教唆者が犯罪を実行すること
の2つの要件がそろうことが必要です。
* 教唆とは *
教唆とは、まだ犯罪に対する実行の決意をしていない他人を唆して、犯罪実行の決意を生じさせることをいいます。
この点が、すでに犯罪の実行を決意している者の犯行を容易にする幇助と大きくことなるところです。
教唆犯は、自ら犯罪を実行した者(正犯者といいます)と同様の地位にあることから、教唆犯にも正犯者と同様の刑を科すとされています。
教唆は、特定の犯罪の実行を決意させるに足りるもでなければなりませんから、単に「やってこい」とか「殺人をせよ」などと漠然と言っても教唆には当たりません。
幇助犯(刑法62条1項)
幇助犯とは、正犯を幇助した者をいいます。
幇助犯が成立するには、
・人を幇助すること
・被幇助者が犯罪を実行すること
の2つの要件がそろうことが必要です。
* 幇助とは *
幇助とは実行行為以外の行為をもって正犯を援助し、その実行行為を容易にすることをいいます。
上でご説明いたしましたが、幇助は、すでに犯罪実行の決意のある者の犯行を容易にする点が教唆と異なるところです。
そのため、正犯者より責任が軽いと考えられており、幇助犯の刑は正犯の刑を減軽する(必要的減軽)とされています(刑法63条)。
Aさんに強盗罪は成立しないのか?
最後に、本件の、Aさんの罪責、Bさんの罪責についてご説明いたします。
前回のコラムでは、Aさんには、邸宅侵入罪、窃盗罪が成立するとご説明いたしました。
では、Bさんは強盗罪に当たることをしていることから、Aさんにも強盗罪に問えないかが問題となります。
しかし、判例の考え方は、「Aさんが窃盗罪の認識であれば、強盗罪と『重なり合う』窃盗罪の範囲でのみ刑責を負う」としています。
何をもって重なり合うとするのかは別の機会に解説を譲ることにして、Aさんとしては、Bさんが強盗罪を犯すことは意外だったのですから、強盗罪まで責任を負わせるのは酷だという考えです。
ごく当たり前といえば当たり前の結論です。
一方の、Bさんは強盗罪についてはAさんと共謀していないのですから、邸宅侵入罪、強盗罪の単独犯としての責任を負うことになります。
共犯事件に強い弁護士
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共犯事件についてのご相談も受け付けております。
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民家に押し入って泥棒 共犯事件に強い弁護士①
民家に押し入って泥棒した事件を例に、共犯事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
民家に押し入って泥棒
東京都西多摩郡に住むAさんは、先日会社を解雇され、無職となりお金に困っていました。
そんな中、Aさんは数年ぶりにパチンコ店で会った知人の男Bさんから、「お金に困っているの?」「空き巣の家を見つけたから家に入って貴金属を盗ってそれを売って金にしよう」ともちかけられ、この話に乗ることにしました。
犯行日当日、犯行場所で、AさんはBさんから「俺が中に入ってやるから、誰も来ないかどうか外で見張りをしていてくれ」と言われました。
そして、Aさんは外で見張りをしていたところ、被害者宅から貴金属を盗ってきたBさんから「中におばさんがいた。貴金属の在りかを吐かなかったので、ナイフで脅した」と言われました。
その後、AさんとBさんは現場から逃走しました。
そして、数か月後、警視庁青梅警察署に、Aさんは邸宅侵入罪と窃盗罪の共犯、Bさんは住居侵入罪と強盗罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
共犯とは
Aさんは共犯として逮捕されていることから、まずは、共犯の意義についてご説明いたします。
最も広い意味での共犯(最広義の共犯)とは、2人の以上の行為者が犯罪に加功した場合をいいます。
最広義共犯は任意的共犯と必要的共犯とにわけられます。
任意的共犯とは、本来は単独犯による犯罪実現が予定されている通常の構成要件(犯罪成立のための要件)を2人の以上の行為者が実現する場合をいい、広義の共犯ともいいます。
広義の共犯には
・共同正犯(刑法60条)
・教唆犯(刑法61条)
・幇助犯(刑法62条)
があり、教唆犯と幇助犯を狭義の共犯といいます。
必要的共犯とは、構成要件上、2人以上の行為者による犯罪実現を予定して規定されている犯罪をいいます。
例として、
・内乱罪(刑法77条)
・騒乱罪(刑法106条)
・贈賄罪(刑法198条)と収賄罪(刑法197条ないし197条の4)
があります。
このうち前二者を集合的犯罪(同一の目標に向けられている数人の行為者の集団的行為を独立の構成要件とするもの)と呼ぶのに対し、贈賄罪と収賄罪のように、相反する数人の行為者の対立的行為を独立の構成要件とする犯罪を対立的犯罪とも呼びます。
以上を図にすると以下のとおりとなります。
最広義の共犯 ――――― 必要的共犯
| (広義の共犯)
|
|―― 任意的共犯 ―――― 共同正犯
|
|――― 教唆犯
| (狭義の共犯)
|――― 幇助犯
共同正犯とは?
以上、一言で共犯といっても様々な種類があり、分類されることはお分かりいただけたと思います。
必要的共犯の場合は、犯罪そのものが共犯の形式を取りますから、任意的共犯、つまり、共同正犯、教唆犯、幇助犯が適用される余地はありません。
では、その他の犯罪の場合、任意的共犯が適用されるのはどんな場合なのでしょうか?
まずは、共同正犯から見ていきたいと思います。
共同正犯は刑法60条に規定されています。
刑法60条
2人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
正犯あるいは正犯者とは、犯罪(基本的構成要件)に該当する行為(実行行為)を行う者のことをいいます。
刑法60条は、意思の連絡(共謀)の下に複数の者が関与した事案において、自己の犯罪を犯したと評価し得る重要な関与者を正犯とし、他人(Bさん)の実行行為及び結果につき、共同して行えば全て帰責される(刑事責任を負わされる)という「一部行為の全部責任の原則」を認める規定です。
共同正犯の成立要件
それでは、共同正犯が成立するためにはいかなる要件が必要なのでしょうか?
言い換えれば、他人が行った行為及びそれによって作出された結果を仲間内である共犯者にも帰責させるための要件とはいかなるものなのでしょうか?
共同正犯が成立するためには、主観的要件としての「共同実行の意思(意思の連絡=共謀)」、客観的要件としての「共同実行の事実」が必要です。
= 共同実行の意思 =
共同実行の意思とは、共同して実行行為をしようという意思のことをいいます。
共同加工の意思ともいわれます。
共同実行の意思は、2人以上の行為者全員が相互に持たなければなりません。
したがって、甲がVに暴行を加えている間、甲の知らない間に乙がVの財布を盗んだという場合、窃盗罪(あるいは暴行罪)の共同正犯は成立しません。
= 共同実行の事実 =
共同実行の事実とは、共謀した行為者が実行行為を分担することであり、共同加功とか行為の分担ともいわれています。
* 共謀共同正犯 *
ところで、共同して犯罪を行う場合、一部の者が指示役、残りの者が実行役というように、役割分担が決められている場合があります(近年、はやりの特殊詐欺がまさにこれに当たります)。
しかし、指示役は実際に犯罪を実行していませんから「共同実行の事実」が認められず、刑事責任を問えないかのようにも思えます。
そこで、判例は共謀共同正犯という理論を用いて、指示役にも共同正犯としての刑事責任を負わせています。
共謀共同正犯とは、2人以上の者が犯罪の共謀をし、そのうちある者が実行をすれば、実行を分担しなかった者の含めて共謀者の全員が共同正犯となるとする理論です。
今回の事件を検討
では、上記要件を本件に当てはめてみましょう。
まず、「共同実行の意思」ですが、AさんはBさんから「空き巣に入って貴金属を盗ってそれを売って金にしよう」ともちかけられ、Aさんはそれに対し「承諾」しています。
Bさんの誘いは、要は邸宅侵入罪及び窃盗罪の誘いであって、相互に意思連絡があると認められます。
ですから「共同実行の意思」の要件は満たします。
次に、「共同実行の事実」ですが、本件の実行行為を行っているのはBさんです。
しかし、上記でご説明したとおり、実行行為を分担していなくても共同正犯の成立を認めるのが現在の実務です。
しかも、Aさんは現場周辺で見張りをしています。
したがって、「共同実行の事実」の要件も満たしそうです。
以上より、Aさんは邸宅侵入罪、窃盗罪の共犯(共同正犯)で逮捕されています。
本件の疑問点
しかし、ここで一つの疑問がわきます。
・Bさんは強盗の罪を犯した
・Aさんには影響はないのか?Aさんの罪責は?
という点だと思います。
そこで、次回は、教唆犯、幇助犯についてご説明した上で、この点についてもご説明したいと思います。
共犯事件に強い弁護士
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未成年を雇用 風営法違反で逮捕
未成年を雇用したとして風営法違反の容疑で警察に逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
新宿区でスナック等の飲食店を経営しているAさんは、数ヶ月前から、知人に紹介された17歳の少女をキャバクラで働かせていました。
キャバクラが開店する20時ころから深夜まで、お客さんの横に座ってお酌等の接待業務を任せていたのですが、違法であることを知っていたAさんは、少女に、客には20歳と年齢を偽るように指示していました。
しかし、少女が多額の現金を所持していることを不審に思っていた両親が警察に相談していたらしく、Aさんのキャバクラは1ヶ月前から警視庁の内偵捜査を受けていました。
そして昨日、警視庁新宿警察署がAさんのキャバクラを捜索し、Aさんは風営法違反で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
Aさんは18歳未満の少女を、キャバクラで働かせたとして、風営法違反の疑いで逮捕されています。
18歳未満の少年、少女を風俗店で働かせると、以下のような犯罪に該当し、刑事責任を問われる可能性があります。
◇風営法違反◇
「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」、通称「風営法」は、風俗店や風俗営業に関する規制を定めています。
風営法で風俗営業とされているのは、接待行為をして客に遊興・飲食をさせる営業等です。
風俗営業を行う風俗店は、風営法の規制を守らなければなりません。
キャバクラは、客を接待して飲食させる営業(1号営業)となり、風営法の規制対象である風俗店となります。
風営法では、22条1項柱書において、許可を得て風俗営業を営む者に対する禁止行為を定めています。
その禁止行為の中に、同条同項3号の「営業所で、18歳未満の者に客の接待をさせること」があります。
18歳未満の者をキャバクラ(風俗店)で働かせる行為は風営法違反となり、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金又はその併科が科される可能性があります。(風営法第50条1項4号)
風営法第50条1項4号はこの禁止規定に違反した者を、「1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」としています。
また、風営法では、「客の接待」といえる行為まではさせていなくても、風俗営業を営む者が、「営業所で午後10時から翌日の午前6時までの時間において18歳未満の者を客に接する業務に従事させること」を禁止しています。
「客に接する業務」とは、客の案内や飲食の運搬が含まれ、直接に客の接待をしていなくても上記規定に違反することになります。
◇労働基準法違反◇
労働基準を定める法律である労働基準法は、第61条で、18歳未満の従業員を午後10時から朝5時までに勤務させることを禁止しています。
また第62条では、使用者が18歳未満の者を「福祉に有害な場所における業務」(危険有害行為)に就かせることを禁止しています。
ここでいう「福祉に有害な場所における業務」に、キャバクラ嬢の業務などが該当する「酒席に侍する業務」が含まれています。
つまり、18歳未満の年少者をキャバクラ店で働かせた場合や午後10時から朝5時までに勤務させることで労働基準法違反となりえることになります。
労働基準法第61条違反と第62条違反は、どちらも「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金」となる可能性があります。
◇児童福祉法違反◇
15歳未満の者をキャバクラなどの風俗店で働かせていた場合には、児童福祉法違反となり、3年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又は両方が科される可能性があります。
18歳未満の未成年者をキャバクラなどの風俗店で働かせた場合、風営法違反だけでなく、上記のように様々な犯罪に該当する可能性があるので注意しなければなりません。
新宿区の風営法違反事件でお困りの方や、ご家族、ご友人が警視庁新宿警察署に逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部の無料法律相談や初回接見サービスをご利用ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、東京を中心とする関東一円の刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
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フリマアプリを利用した詐欺事件で取調べ
フリマアプリを利用した詐欺事件で警察の取調べを受けた場合について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
詐欺罪で逮捕
Aさんは,東京都府中市に住むVさんに販売終了となっているグッズの偽物を本物と偽って,いわゆるフリマアプリを通じて売りました。
Aさんの口座に代金を振り込み商品を手にしたVさんは,グッズが偽物であることに気付き警視庁府中警察署に被害を届けました。
現在,捜査にあたった警視庁府中警察署でAさんは詐欺事件の被疑者として取り調べを受けています。
(フィクションです)
詐欺罪とは
詐欺罪は刑法第246条に規定されている犯罪です。
詐欺罪は一般にも比較的罪名も知られている犯罪ではないでしょうか。
刑法第246条
第1項 人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。
第2項 前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,前項と同様とする。
財物を交付させる類型の詐欺罪=刑法第246条第1項に規定されている詐欺罪と区別するため,財産上の利益を得る類型の詐欺罪=刑法第246条2項に規定されている詐欺罪を二項詐欺罪や詐欺利得罪などと言ったりします。
反対に,財物を交付させる類型の詐欺罪は一項詐欺罪とよばれたりします。
今回のケースでは,AさんはVさんにフリマアプリを通じて偽のグッズを売り、その代金を支払わせています。
つまり,Aさんは売上金をVさんに支払わせたということですから,売上金という財物を交付させた一項詐欺罪に当たると考えられるでしょう。
一項詐欺罪が成立するためには,行為者に不法領得の意思が必要であるとされています。
不法領得の意思とは,権利者を排除し,他人の物を自己の所有物と同様に利用しまたは処分する意思であると説明されます。
今回のAさんがVさんから支払われた売上金を自分で使用するつもりであったなら,まさにそのお金を「自己の所有物」として使用するわけですから,この不法領得の意思があると考えられるでしょう。
また,詐欺罪の要件となる欺く行為(欺罔行為)があったというためには,欺かれる人(被欺罔者)が財物の交付などの財産を処分する動機となる事項に関し錯誤(勘違い)を生じさせ得る行為がなければなりません。
今回のケースでは,Aさんは偽物のグッズを本物と偽って販売しており,この欺罔行為で勘違いをしたVさんが支払った代金を得ています。
よってAさんの行為が詐欺罪に問われる可能性は十分にあると考えられるでしょう。
フリマアプリを利用した詐欺事件の弁護活動
詐欺事件で被疑者となってしまった場合,逃亡や犯罪の証拠の隠滅のおそれがあるとして逮捕されるケースは少なくないです。
今回のようなフリマアプリ詐欺事件では,同様のフリマアプリ詐欺行為を複数回行っていることも考えられ,そうなればより逮捕・勾留のリスクが発生することになるでしょう。
逮捕・勾留により身体拘束されていると,会社に行くことはおろか家族と会うことも容易ではありません。
だからこそ,詐欺事件の被疑者となってしまったら,逮捕・勾留されてしまったら,弁護士に相談・依頼することがおすすめです。
事件の依頼を受けた弁護士は,被疑者が逮捕・勾留されている場合は拘束状態からの早期の解放のために活動を始めます。
具体的には,身元引受人を探したり,家族の方等を協力し,犯罪の証拠を隠滅するおそれがないこと等を示していくことになるでしょう。
また,弁護士は取調べの対応について法的なアドバイスをすることで,意図せず不利な調書をとられたりすることを防止することが期待できます。
そして,フリマアプリ詐欺事件では被害者との示談交渉も行ことになるでしょう。
このような被害者と締結した示談内容などを示すことのほか,被疑者の反省の姿勢や更生のための計画を示すことで不起訴や執行猶予の獲得を目指します。
詐欺事件の弁護活動に強い弁護士
詐欺事件の被疑者となってしまった方,警視庁府中警察署で取調べを受けることになってしまった方は,お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。

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痴漢事件で現行犯逮捕 早期の身柄解放を目指す弁護士
痴漢事件で現行犯逮捕された方の早期の身柄解放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
痴漢容疑で逮捕
Aさんは勤務先の最寄り駅に向かう通勤電車内において、女子高生Vをみかけ、つい出来心でスカートの上から臀部を触ってしまいました。
女子高生VはすぐにAさんが臀部を触ったことに気付き、Aさんの手を掴んで「痴漢しましたよね?」といい、Aさんを駅員に引き渡しました。
Aさんはすぐに警視庁中野警察署の警察官に引き渡され、取調べを受けることになりました。
Aさんは警察官から「現行犯逮捕は私人でもできる。あなたは既にVさんに現行犯逮捕されている」と告げられました。
痴漢とはどのような犯罪か?
いわゆる痴漢行為には、各都道府県で制定されている迷惑防止条例に規定されている犯罪類型と、刑法典の強制わいせつ罪(刑法第176条)があります。
今回のAさんは、Vさんの臀部を着衣の上から触ったということなので、強制わいせつ罪ではなく、東京都の迷惑防止条例違反の被疑者として扱われることになると思われます。
東京都の迷惑防止条例(正式名称「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」)第5条1項1号は、「公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。」を犯罪としており、これがいわゆる痴漢に該当します。
上記の行為を行い、起訴され、裁判で有罪が確定すれば、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されることになります(同条例第8条1項2号)。
Aさんは今後どうなるのか?
Aさんは痴漢事件を起こしてしまったことを深く反省していますが、仕事のこともあり、身体拘束を受ける期間が長引くと、会社をクビになってしまうのではないかと心配です。
警察に逮捕され、留置の必要があると判断された場合、逮捕時から48時間以内に身柄を検察官のもとに送致されます。
検察官は、被疑者を受け取った時から24時間以内にAさんの勾留を請求するか、釈放するかを決めます。
検察官が勾留請求をする必要があると判断し、勾留請求を受けた裁判官が勾留を決定すると、Aさんは最長10日間、勾留延長されればさらに最長10日間身体拘束を受けることになります。
警察に逮捕された場合、逮捕時から最長で23日間もの間身体拘束を受ける可能性があるということになりますが、23日間もの間会社を無断欠勤した場合、会社から懲戒解雇を受ける可能性は極めて高いと思われます。
弁護士の初回接見、示談を依頼し早期身柄解放を目指す
Aさんは、Vさんとの示談交渉を弁護士に依頼すべきです。
示談がまとまれば、釈放される可能性も高まりますし、また、痴漢事件においては、初犯であれば検察官が不起訴処分を行うことも多いです。
勾留されずに釈放されれば、そのまま会社に出勤することができますし、不起訴処分を獲得することができれば前科がつくことを回避することができます。
刑事手続きにおいては、被疑者を勾留するか、さらに勾留延長するかなど、身体拘束を継続するかどうかを判断する機会がいくつかあります。
なるべく早い段階で上記の判断をする機関(検察官や裁判官)に対し、Aさんを勾留しないよう働きかけることが重要です。
刑事手続きにおいて早期に身柄を解放してもらうには、なるべく早いうちに弁護士に弁護活動を依頼することが大切であるということです。
弁護士による初回接見
多くの場合、逮捕されてしまった場合には、勾留決定がなされるまで家族や友人、交際相手の方と面会することができません。
「接見禁止処分」がなされていれば、勾留決定後も家族や友人、交際相手と面会することはできません。
面会できる場合でも、接見室では警察官が立ち会うことになっており、また、平日の朝から夕方までしか面会することができません。
これに対し、弁護士はいつでも、警察官の立会いなく被疑者と面会することができます(刑事訴訟法第39条1項)。
この時に、弁護士は家族からの伝言を被疑者に伝えたり、取調べの対応方法について助言することができます。
逮捕され、身体拘束を受けている状況は、極めてストレスの多い環境といえます。
初回接見を通じ、自分の味方になってくれる弁護士に事件について打ち明けることにより、心理的な圧迫を軽減することができますし、さらに、家族や友人、交際相手の伝言を聞くことにより、心の励ましとすることができるでしょう。
痴漢事件に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、刑事事件、少年事件を専門とする法律事務所であり、刑事手続きに熟練した弁護士が多数在籍しています。
痴漢事件を起こし、ご家族、ご友人、恋人を逮捕された方は、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見をご検討ください。

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別件逮捕について 別件で逮捕されたら
別件逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。
◇事件◇
覚せい剤取締法違反(使用)の前科2犯のAさんは、先日、あきる野市のアパートで同棲している交際相手の女性と口論になりました。
怒鳴り声を聴いた近所の人が110番通報したことから、警視庁五日市警察署の警察官がアパートに臨場し二人の仲裁に入ったのですが、そこでAさんに覚せい剤使用の前科があることが発覚しました。
Aさんは、警察官に任意採尿を求められましたが、Aさんは、3日前に覚せい剤を使用していたことから、その発覚をおそれて、任意採尿に応じませんでした。
すると警察官は、Aさんを交際相手に対する暴行罪で現行犯逮捕したのです。
口論の際に、交際相手の腕を掴んだ事実はありますが、交際相手は被害を訴えておらず、Aさんの刑事処罰も望んでいません。
こうして警察署に連行されたAさんは、暴行罪で取調べの最中に強制採尿されてしまい、簡易検査で陽性反応が出たので、その後すぐに暴行罪で逮捕された件で釈放され、覚せい剤の使用容疑で緊急逮捕されたのです。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです)
◇別件逮捕◇
警察等の捜査当局が目的としている事件(「本件」という)を立件するために、逮捕の要件を満たす、別の軽微な事件で被疑者を逮捕する捜査手法の一つです。
別件逮捕については、様々な見解がなされており、これまで適法と認められた別件逮捕もあれば、別件逮捕が違法として、本件の刑事裁判で無罪判決が確定した事件もあります。
◇別件逮捕の問題点◇
~拘束時間が長くなる~
逮捕は、強制的に人を拘束できる刑事手続きですので、その判断は、厳格に行わなければいけません。
捜査機関は、勾留が認められた場合、一度の逮捕で、最長22日間まで被疑者を身体拘束することができます。
もし別件で逮捕された場合は、別件で逮捕、勾留された後に、本件で再逮捕されることとなるので、実質、最長で44日間もの長期間にわたって身体拘束を受けることになりかねません。
捜査当局は、本件の立件を目的にしているので、当然、別件の逮捕・勾留期間中においても本件に関する取調べが行われることがほとんどです。
~別件逮捕中の本件の証拠収集~
別件逮捕中に、本件に関する証拠収集がなされて、その証拠を基に逮捕される可能性があります。
そのような証拠の全てが証拠として認定されるわけではありませんが、そのような証拠が有罪の決め手となる場合もあるので注意しなければなりません。
◇今回の事件を検討◇
別件逮捕の全てが違法とされているわけではなく、別件逮捕が違法と判断される事件もあります。
特に覚せい剤の使用事件では別件逮捕が問題となるケースが多いようです。
覚せい剤の使用事件の捜査は、被疑者(容疑者)の尿を鑑定するための採尿から始まります。
被疑者(容疑者)が警察官の任意採尿に応じて尿を提出すれば問題なく手続きが進むでしょうが、被疑者(容疑者)がなかなか警察署等への同行に応じなかったり、尿の提出を拒まれたりすると、採尿のために、裁判官の許可状を得て強制採尿しなければなりません。
裁判官の許可状を得るまでの数時間の間、被疑者(容疑者)を身体拘束する法的な根拠がないために、被疑者(容疑者)を実質的に拘束する手段として別件逮捕されることがあります。
ただ、こういった逮捕はさすがに許されないということになる可能性が高いでしょうから、覚せい剤の自己使用案件のために強引に理由をつけて逮捕していることがここまで明らかだと、違法な別件逮捕となってしまうわけです。
あきる野市の薬物事件でお困りの方、別件逮捕の違法性を訴えたい方は、刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部」にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部では、無料法律相談、初回接見サービスのご予約をフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にお電話ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、東京を中心とする関東一円の刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
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