Archive for the ‘性犯罪’ Category

【解決事例】示談には種類がある?

2022-05-18

いわゆる痴漢事件での解決事例をもとに、示談の種類などについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都東村山市在住のAさんは、東村山市内を走行中の鉄道車両内で女子高校生Vさんの臀部(お尻)を触る痴漢行為をしました。
Aさんの隣に立っていた乗客から「痴漢しているだろう」と言われて次の駅で降りるよう促され、通報を受けて臨場した東村山市を管轄する東村山警察署の警察官によって逮捕されました。
Aさんは事件当初は無実を主張していましたが、その後事実であると認めたところ、検察官は勾留が必要であると判断して勾留請求を行ったものの裁判官は勾留を認めず、釈放しました。
釈放されたAさんは、示談交渉について知りたいと考え、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の無料相談を受け、御依頼頂きました。

依頼を受けた弁護士はすぐに捜査機関を通じて被害者の方の連絡先を伺いました。
Vさんは未成年者だったため示談交渉の相手方はVさんの保護者の方でした。
保護者の方ということもあり被害感情は極めて大きいものでしたが、弁護士が誠心誠意の対応・説明を行った結果、Vさんの保護者の方との間で(後述する)「宥恕」文言が入った示談書を締結することができました。
Aさんの担当検察官は、示談書の内容を踏まえ、Aさんを不起訴にしました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【痴漢事件について】

公共の施設や公共交通機関の中で他人の胸や知り、太ももなどを触るような行為は、痴漢と呼ばれ各都道府県の定める迷惑防止条例に違反します。
Aさんの事例は東京都東村山市での事件ですので、(東京都)公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例が問題となります。
条文は以下のとおりです。

(粗暴行為の禁止)
同条例5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
1号 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
(罰条)
同条例8条1項 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
2号 第5条第1項又は第2項の規定に違反した者(次項に該当する者を除く。)

【示談には種類がある?】

刑事事件のうち被害者がいる事件での弁護活動のひとつに、被害者に対する謝罪と弁済があります。
これは、いわゆる示談交渉と呼ばれるものです。

示談交渉は、加害者側の代理人である弁護士が被害者(事例の場合はVさんが未成年だったためVさんの保護者)に連絡して、加害者の反省状況や謝罪の弁を伝えたうえで、被害者の意向に従った示談締結を目指していきます。
締結する示談書には決まったフォーマットはなく、被害者や加害者の意向を調整して示談書を作成していきます。
その中で、例えば
・加害者の謝罪の意思を明文化するか
・加害者の行動制限を設けるか(加害者が被害者の方との接触を避けるため、特定の路線を利用しない、特定の時間駅を利用しない等)
・被害弁償をどうするか
・被害者が、示談をもって加害者を赦す「宥恕(ゆうじょ)」の文言を設けるか
などが検討されます。
また、示談書の中で、あるいは示談書とは別の書類で
・被害届の取下げ
・刑事告訴の取り消し
を示す書類を作成するほか、
・上申書
などのかたちで被害者の方の意向を示す書類を作成するという場合が考えられます。

繰り返しになりますが、示談には決まった形式があるわけではなく、被害者の方のお気持ちが重要となります。
被害者の方のお気持ちを汲んで、適切な説明を行っていくことは容易ではなく、弁護活動の経験値に拠る部分が少なくありません。
被害者がいる事件で示談交渉を進めたい場合には、刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士に依頼をすることをお勧めします。

東京都東村山市にて、御自身や御家族が痴漢事件を起こしてしまい、示談交渉について知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。

【解決事例】ナンパ事件で不起訴処分

2022-05-12

俗にいうナンパで問題となる罪と不起訴処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。


【事例】

東京都渋谷区在住のAさんは、渋谷区の路上にて通行人Vさんに対するいわゆるナンパ行為をしました。
具体的には、「一緒に飲みに行きましょう」などと声掛けしたり、Vさんが「やめてください」と言っていたにも拘わらずVさんに着いていくなどの行為が見られました。
Vさんの身体に触る等の行為はありませんでした。
Vさんは不安を抱いて通報をしたため、Aさんは怖くなって立ち去りましたが、現場近くで通報によって臨場した渋谷区を管轄する原宿警察署の警察官に声掛けされ、ナンパ行為をしたことを認めました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【ナンパ行為について】

いわゆるナンパ行為について、例えば路上で一度だけ「飲みに行きませんか」と発言する行為が、すぐに問題となるという訳ではありません。
しかし、ナンパ行為に際して例えば被害者のスマートフォンを勝手に取って返さなかったり、進路を妨害して進ませないようにしたり、数分に亘って執拗につきまとうような行為は、軽犯罪法や各都道府県の定める迷惑防止条例(東京都の場合は「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」)に違反します。

軽犯罪法違反については、その1条28号に「他人の進路に立ちふさがつて、若しくはその身辺に群がつて立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとつた者」は「拘留又は科料に処する。」と定められています。

東京都の条例違反については、「平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る」とされているため、軽犯罪法違反に比べて、被害者がより不安になるような行為があった場合に成立します。
条文は以下のとおりです。

条例5条の2 何人も、正当な理由なく、専ら、特定の者に対するねたみ、恨みその他の悪意の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、不安を覚えさせるような行為であつて、次の各号のいずれかに掲げるものを反復して行つてはならない。この場合において、第1号から第3号まで及び第4号に掲げる行為については、身体の安全、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限るものとする。
1号 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居等の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。

【不起訴処分を求めて弁護士へ】

罪を犯したと疑われる者は被疑者という立場になり、警察官・検察官といった捜査機関による捜査を受けます。
最終的に、担当検察官は被疑者を起訴するかどうか、判断する権限を持っています。
起訴された場合、被疑者は被告人という立場になり、刑事裁判が行われます。
検察官は、裁判で有罪になるだけの証拠が収集できていない場合や、有罪になるだけの証拠はあるものの諸事情を考慮して起訴するほどではないと判断した場合は、被疑者を起訴しない「不起訴」の判断を下します。

被疑者を担当する弁護士としては、不起訴の獲得に向けた弁護活動を行います。
その不起訴に向けた具体的な弁護活動は、事件によって異なります。
今回のAさんの事例については、Aさん自身が罪を認めていて反省していました。
そしてVさんに対して謝罪と賠償を行いたいというお気持ちでしたので、担当した弁護士はVさんに対し、Aさんの反省の弁や内省状況を伝え、示談交渉を行いました。
示談交渉の結果Vさんは示談に応じてくださいましたので、弁護士は担当する検察官に対し、その事情を考慮しAさんを起訴しないよう求める意見書を提出しました。
最終的に、検察官はAさんを起訴しない「不起訴」の判断を下しました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に所属する弁護士は、これまで数多くの刑事事件を担当して参りました。
今回のAさんの事例のように不起訴処分を獲得した事例は数多く、それらの経験を踏まえた弁護活動を日々行っています。
東京都渋谷区にて、ナンパ行為により軽犯罪法違反や迷惑防止条例違反などの罪で捜査を受けていて、不起訴を目指した弁護活動について知りたいという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の無料相談をご活用ください。

【解決事例】痴漢行為で強制わいせつ罪に

2022-04-24

【解決事例】痴漢行為で強制わいせつ罪に

いわゆる痴漢行為をした結果強制わいせつ罪に問われたという解決事例を踏まえ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都足立区西新井在住のAさんは、事件当日以前から同じ列車の同じ車両に乗車することが多いVさんに対して痴漢と呼ばれる行為を複数回行っていました。
逮捕当日も、Aさんは臀部(お尻)を撫でる痴漢行為をしていましたが、Vさんが抵抗できないことに乗じてエスカレートしてしまい、最終的に自身の指をVさんの下着の中に手を入れました。
Aさんは同じ車内に乗っていた足立区内を管轄する西新井警察署の警察官に現認され、現行犯逮捕されました。
当事務所の弁護士が依頼を受けた時点で、既にAさんは強制わいせつの罪で勾留されていて、早期の釈放は難しい状況でした。
そこで、弁護士はまず、捜査機関を通じて被害者であるVさんの連絡先を伺い、勾留中のAさんに代わって誠心誠意の謝罪と賠償の意思を示した結果、Vさんは示談に応じてくださいました。
示談成立の時点で既に勾留延長が決まっていましたが、弁護士は示談が成立したことやその内容などを踏まえてもはや勾留が必要ないということを主張した結果、Aさんは釈放されました。
また、刑事処分についても、示談の内容を評価され、不起訴となりました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【いわゆる痴漢行為について】

列車やバスなどの公共交通機関で他人の臀部(お尻)や太ももなどを触る行為は、俗に痴漢行為と呼ばれています。
痴漢行為に対応する「痴漢罪」などの罪はなく、その多くは各都道府県が定める迷惑防止条例違反として処罰されます。
東京都の場合、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例に以下の規定があります。

同条例5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
1号 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
同条例8条1項 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
 2号 第5条第1項又は第2項の規定に違反した者(次項に該当する者を除く。)

【強制わいせつ罪に当たる場合とは】

今回の事例でAさんが行った行為は、公共の乗り物で衣服の上から、そして下着の中に指を入れることで直接Vさんの身体に触れる行為ですので、前述した東京都の公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の5条1項1号に当たることは間違いありません。

しかし、Aさんに対しては、強制わいせつ罪が適用されました。
強制わいせつ罪の条文は以下のとおりです。
刑法176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

被害者が13歳以上の場合、強制わいせつ罪は
・暴行又は脅迫を用いること
・わいせつ行為をすること
を要件としています。

暴行又は脅迫という要件について、これは被害者の意思に反してわいせつ行為を行うに足る程度の暴行又は脅迫があれば認められます。
これは一般に想像するような、被害者を押し倒すような暴行や「騒ぐと殺すぞ」等の言葉での脅迫は勿論のこと、路上で背後からいきなり抱き着くような行為でも成立しますし、列車内のような乗客が多数いて恐怖や羞恥のため逃げられず声も上げにくい状況に乗じてわいせつ行為をした場合にも強制わいせつ罪が適用されます。

また、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例が禁止している行為は被害者を著しく羞恥させたり不安を覚えさせたりする行為ですが、強制わいせつ罪の客体はわいせつ行為です。
条例違反に比べ、より性的羞恥心を害するような行為を指します。
Aさんのように下着の中に指を入れる行為のほか、数分間臀部(お尻)を撫でまわすような行為などがわいせつ行為にあたります。

【痴漢事件・強制わいせつ事件での弁護活動】

列車内での痴漢事件・強制わいせつ事件の場合、在宅で捜査が進められる場合もありますが、被害者が乗る路線・時間帯を知っていることから、在宅で捜査を進めると加害者が被害者に接触して不当な働きかけをすることが疑われると判断され、逮捕・勾留される可能性があります。
特に、同じ被害者に対して痴漢事件・強制わいせつ事件を起こしている場合などでは、逮捕・勾留される可能性が高くなります。
Aさんの場合、逮捕された日より前からVさんに痴漢行為をしていたため、勾留は避けられない事例でした。

また、Aさんは条例違反ではなく強制わいせつ罪で逮捕・勾留されていました。
条例違反の場合は罰金刑がある罪なので略式手続による罰金の可能性がありますが、強制わいせつ罪の場合は罰金刑がない罪なので、起訴された場合には公開の法廷で裁判を受けることになり、実刑の可能性もある罪名でした。
弁護士は、これまでの刑事事件・少年事件の弁護活動の経験を活かし、早期に被害者に連絡して誠心誠意の丁寧な説明を行った結果、起訴される前に示談に応じて頂くことができ、可能な限りの早期の釈放・不起訴獲得という結果に結びつきました。

東京都足立区西新井にて、ご家族が痴漢強制わいせつ事件で逮捕・勾留されてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
刑事事件・少年事件を専門とする弁護士が初回接見に行き、事件の内容や逮捕・勾留中の方の意向を伺った上で依頼者の方にご説明・ご報告致します。

【解決事例】高校生の盗撮事件で不処分

2022-04-21

【解決事例】高校生の盗撮事件で不処分

20歳未満の少年である「高校生」による盗撮事件と、不処分に導いた弁護活動・付添人活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都中野区在住の高校生であるAさんは、中野区にある施設の異性用トイレにて盗撮行為をしてしまい、中野区を管轄する中野警察署の警察官により逮捕されました。
逮捕後、Aさんは勾留をされたり、家庭裁判所に送致されて少年鑑別所に送致されたりする可能性がありましたが、弁護活動によりすぐに釈放されました。
また、釈放後は少年と保護者の双方としっかりと話をすることで事件の反省と今後の監督について考えるため、繰り返し話し合いの場を設けるとともに、性犯罪の再犯防止のためのカウンセリングを紹介し、通っていただきました。
最終的に、弁護士は上記内容を踏まえてAさんには再犯の恐れがなく家族の監督体制が整っていることを主張した結果、審判でAさんは「不処分」を言い渡されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【トイレを盗撮する行為】

トイレでの盗撮行為について、先ずは
①事件を起こした都道府県に記載されている迷惑防止条例に規定がある場合には迷惑防止条例が
②条例に規定がない場合は軽犯罪法が
それぞれ適用されます。
今回は東京都内での事件ですので、①の東京都の定める公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例に違反することになります。

・同条例5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
  2号 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
  イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
(略)
・同条例8条2項 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
  1号 第5条第1項(第2号に係る部分に限る。)の規定に違反して撮影した者

加えて、盗撮の目的でトイレに入る行為は、建造物侵入罪に当たります。
条文は以下のとおりです。
・刑法130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

【高校生など少年の弁護活動・付添人活動】

≪少年事件の手続きについては併せてコチラを御覧ください。≫
20歳未満の少年については、原則として少年事件として手続きが進められ、最終的には審判にて保護処分を課すことになります。

保護処分には、「少年院送致」「保護観察処分」「都道府県知事送致(児童相談所や児童自立支援施設への送致)」などが挙げられます。
また、少年に対して保護処分が必要ではないと判断した場合には、「不処分」という判断を下すことができます。

これらの保護処分は、事件の内容だけでなく少年の性格や保護者による監督体制などを総合的に考慮して判断されます。
弁護士としては、審判迄の期間、少年に対して事件の振り返りを促すことは勿論のこと、時として保護者に対して助言や指導をする必要もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、これまで高校生を含む多くの少年事件に携わってきました。
東京都中野区にて高校生のお子さんが盗撮などの事件で逮捕され、不処分を目指す弁護活動・付添人活動について知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御連絡ください。

【解決事例】同僚に対するセクハラ・わいせつ事案

2022-04-15

【解決事例】同僚に対するセクハラ・わいせつ事案

~事案~
ある日,Bさんは仕事を終えて帰宅するとき,男女兼用の更衣室で,同じく同僚であるYさんを見かけ,声を掛けました。
かねてよりYさんに対して好意を抱いていたBさんは,会話の中で,会社内の男性社員たちが口をそろえて「Yさんが可愛い」と話していたことをYさん自身に話したところ,「信じないよ」と,素っ気なく言われてしまいました。
そこでBさんは,唐突にYさんに抱き着き,10秒程度抱きしめた後,「本当だよ,信じたかな」と言うと,Yさんは「怒られるよ」と言い残し,その場から立ち去ってしまいました。
数日後,Bさんは,Yさんが雇った弁護士から「セクハラを受けた」と,訴えられてしまいました。

※守秘義務の関係で一部事実と異なる記載をしています。

~本件で成立する可能性がある犯罪~

強制わいせつ
⇒13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は,6年以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し,わいせつな行為をした者も,同様とする。
(刑法第176条)

・暴行罪
 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは,2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
 (刑法第208条)

・各都道府県の迷惑行為防止条例違反
⇒何人も,正当な理由なく,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような行為であって,次に掲げるものをしてはならない。
⑴ 公共の場所又は公共の乗物において,衣服その他の身に着ける物の上から
又は直接人の身体に触れること。
(参考:東京都公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)
⇒罰則 6月以下の懲役又は50万円以下の罰金
※なお,各地方自治体によって,条例名が異なります。

~Bさんは罪に問われるのか~

Bさんは,Yさん雇った弁護士から自身が訴えられていることを知り,警察に被害届を出されたり,逮捕されたりしないよう,穏便に事態が収束することを希望していました。
現在では刑法が改正されたことによって強制わいせつ罪も非親告罪となり,被害者が告訴をしていなくとも警察などの捜査機関が事件として取り扱えるようになりました。そのため,強制わいせつ事件においては,早い段階で被害者の方との間で示談を取りまとめたり,被害届は出さないという形でまとめたりして,解決できるかどうか重要となります。
仮に,当人同士の口約束で,「被害届けなどは出さない」という形で,その場は収まったとしても,今後,さらなるトラブルに発展することや,事件を蒸し返されてしまうというおそれもあります。示談や合意を取りまとめる際には,法律上有効な文言となっているかどうか,弁護士の目を通しておく必要があります。
また,暴行罪や迷惑行為防止条例違反についても非親告罪であり,警察などの捜査機関が事件として認知すれば,捜査が行われ,Bさん自身が罪を犯したと認められれば,検察庁に事件が送致され,検察官の判断により起訴されてしまえば前科が付く可能性が高くなります。

 

~セクハラとわいせつ行為~

今回のBさんの行動は,突然,同僚女性に抱き着いたという行為をセクハラとして訴えられてしまいました。
今回の抱きつくと言った行為がBさんにとって,性欲を刺激・興奮させ又は満足させるという性的意向の下で行われ,また,自身の体を押し付けたと判断されれば,強制わいせつ罪として扱われることになります。
また,同意なくYさんに抱き着くという行為は,その場所によっては「痴漢」と同様の迷惑行為防止条例違反として扱われるケースもあります。
さらに,Bさんが性的な意図を持たず,また,現場において公共性が認められなかったとしても,抱きつくという行為がYさんに対し,心理的な苦痛を与えたとして暴行罪が適用される可能性もあります。
いずれの犯罪においても,被害者の精神的,身体的な苦痛が大きく,立件された際には重い処分が科されることが予想されますし,顔見知り同士での事件ということになると,逮捕されてしまうリスクも高まります。
「単にセクハラで社内の問題にすぎない」と悠長に捉えてしまい,後々になって取り返しのつかない事態になっていた,ということもあります。
そのため,いち早く,今回のケースが,どのような法令に違反するのかを見極め,適切に対処していくことが重要であるといえます。

~本件事例における当事務所の活動~

Bさんご本人からの依頼を受け,当事務所の弁護士がいち早く,Yさんの弁護士とコンタクトを取りました。
そこで,Yさん方の意向を確認するとともに,本件行為がいずれの犯罪行為に当たるのかの協議を重ねました。
その一方で,Bさんとの面談も重ね,事の重大性を認識してもらうとともに,今までの自身の行動を見つめ直す機会にすることも出来ました。
Yさん方の弁護士と協議を重ねるなかで,Bさんが所謂「ノリ」で行ったこと,現在は自身の行為を深く反省していることを説明し,また,今回の行為は決して悪意の下になされたものではなく,性的意図は無かったことを粘り強く説明しました。
粘り強く説明を重ねることで,Yさんの憤りや恐怖心を取り除くこともでき,スムーズに示談交渉へと移ることが出来,結果として,Bさんが刑事告訴されることなく,Yさんと示談を成立させて解決するに至りました。
後になって事件を蒸し返されることも無いように,示談書の条件面については弁護士が法的な観点で確認をしていますので,Bさんは,事件後も安心して元の生活に戻ることができました。

性犯罪とされる事件においては,「その行為がどういった犯罪に該当するのかを見極める,加害者が自身の行為を反省し,二度と同じ過ちを繰り返さないこと,被害者の不安や恐怖,憤りを軽減すること」という点が重要です。
時代の流れにより,一昔前は黙認されていた行為も,現在ではセクハラ(セクシャル・ハラスメント)やパワハラ(パワー・ハラスメント)として訴えられてしまうことがあります。
また,行為によっては事件化され,最悪の場合,逮捕されてしまうことにもなりかねません。
ご自身や大切なご家族が,何らかの罪に問われてしまった場合,出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。

いち早く弁護士に相談することにより,処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ,その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は日頃より強制わいせつ事件などの刑事事件のみを受任し,数多く扱ってきた実績がございますので,どのような事件に関しても安心してご相談頂けます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では初回無料法律相談も行っておりますので,お困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。

【準強制わいせつ】強制わいせつ致傷で逮捕

2022-03-25

【準強制わいせつ】強制わいせつ致傷で逮捕

準強制わいせつ、及び強制わいせつ致傷事件で問題となる罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

事例

東京都中央区築地在住のAは、中央区内で自営業をしています。
事件当日、Aは中央区内で泥酔状態であったVをナンパし、半ば強引に公園に誘導しました。
Aはその公園のベンチで乗りかかってわいせつな行為をしようとしましたが、Vから「やめて」などと言われたことから、わいせつ行為をする意思を喪失しました。
Aは本件の発覚をおそれ逃走しようとした際、Vを払いのけ怪我を負わせた。
東京都中央区を管轄する築地警察署の警察官は、Aを強制わいせつ致傷の疑いで逮捕しました。
Aの家族は、刑事事件に強いと評判の弁護士に弁護を依頼しました。
(本件は事実をもとにしたフィクションです。)

~「準強制わいせつ未遂」から「強制わいせつ致傷」~

刑法178条は、準強制わいせつ罪および準強制性交等罪(旧:強姦罪)について定めています。
「準」強制とはあまり聞き慣れない犯罪かも知れませんが、下記のとおり重大な刑事事件ともなり得ることから決して軽視できない犯罪です。

準強制わいせつ及び準強制性交等)
第178条 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例(注:6月以上10年以下の懲役)による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例(注:5年以上の有期懲役)による。

強制わいせつ罪や強制性交等罪(旧:強姦罪)は、手段として「暴行」又は「脅迫」を用いる犯罪です。
これに対し、準強制わいせつ罪および準強制性交等罪(旧:強姦罪)は、「心神喪失」や「抗拒不能」を手段とする点において上記犯罪と異なります。
特に、問題になりやすい「抗拒不能」の要件に関しては、心理的・物理的に抵抗できない状態をいうと解されています。
本件では、AはVが泥酔状態であることを利用してわいせつ行為に及ぼうとしていますから、Vの「抗拒不能」要件は満たすことが通常でしょう。
そしてAはわいせつ行為をしようとしていますが、これを遂げていないため、Aの行為は未遂(刑法180条・178条1項)にとどまるものです。
もっとも、Aはその後の逃走過程において、Vに怪我を負わせるに至っています。
この場合、Aには準強制わいせつ未遂罪ではなく「強制わいせつ致傷罪」が成立する可能性があることに注意する必要があります。

(強制わいせつ等致死傷)
第181条 第176条、第178条第1項若しくは第179条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の懲役に処する。
2 (略)

上述のようにAは、「第178条第1項……の罪の未遂罪を犯し」ています。
そして、AはVに怪我を負わせているのですから「傷」害を負わせたということになれば、強制わいせつ致傷罪が成立することになります。
この場合、法定刑は「無期又は3年以上の懲役」と一気に重くなってしまうのです。
この点に関して、いかなる場合に致傷行為が成立するかについて判断した判例(最決平成20年1月22日)は、「逃走するため被害者に暴行を加えて傷害を負わせた場合」も本罪の対象となる旨判示しています。
したがって、本件においても、逃走過程でVに怪我を負わせていることから、強制わいせつ致傷罪が成立する可能性が高いといえます。

~強制わいせつ致傷事件における弁護活動~

仮に逮捕(あるいは勾留)段階では、準強制わいせつ(未遂)として捜査されていても、被害者に怪我を負わせたことが後に判明するなどして強制わいせつ致傷事件として起訴されてしまうことも考えられます。
強制わいせつ致傷罪は上記条文のとおり、法定刑として「無期」の懲役も含まれています。
そして、裁判員法2条1項1号は「死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件」を裁判員裁判対象事件としています。
すなわち、同罪で起訴されるということは、原則として裁判員裁判の対象になるということに他なりません。
裁判員裁判では、集中審理が行われるなど起訴された被告人にとって大きな負担を伴います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は、準強制わいせつ強制わいせつ致傷事件を含む刑事事件を専門的に扱っている法律事務所です。
弊所には性犯罪に関する示談対応などの弁護活動の経験が豊富な刑事弁護士が多数所属しています。
東京都中央区築地にて、強制わいせつ致傷事件で逮捕された方のご家族は、24時間/365日対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。

服の上からの撮影行為に盗撮罪は成立する?逆転有罪判決も

2022-03-20

服の上からの撮影行為に盗撮罪は成立する?逆転有罪判決も

スカートの中や着替え、トイレなどではなく「服の上から撮影」する方法での盗撮事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

事例

東京都中央区在住のTさんは都内の専門学校に通う20歳の男性です。
ある日,TさんはO線の電車に乗って通学していたとき,たまたま好みの顔の女性を見かけて,声を掛けようと思ったものの勇気が出なかったため,姿だけでも写真に撮りたいと思い,女性の全身が写るようにスマートフォンのカメラで撮影しました。するとその様子に気付いた他の乗客に「盗撮していただろ」と問い詰められ,最寄りの駅で電車を下ろされて,駅事務室に連れていかれてしまいました。
Tさんは、通報を受けて臨場した中央区を管轄する月島警察署の警察官により取調べを受けました。

【服の上からでも盗撮罪になるのか?】

盗撮に関する犯罪は,各都道府県で制定されている「迷惑行為防止条例」に規定があります。都道府県によっては「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」というように,長い名前が付いていることもあります。
東京都の例で言うと,盗撮に関する条例の規定は次のようになっています。

第5条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
・・・(中略)
(2) 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体 を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる ような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用 し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
(3) 前2号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。

条例が明文で禁止しているのは,
通常服で隠されている下着や身体

を撮影したり,撮影する目的でレンズを向けたりするという行為です。
そのため,「服の上から人の身体や顔を撮影する行為」は盗撮に当たらないため,条例には反していないようにも見えます。
しかしながら,最近,服の上から身体を撮影した行為に対しても条例違反を認める裁判例が出されました。
しかも,この裁判は「逆転有罪判決」,つまり,一審では無罪,条例違反は成立しないと判断したのを覆して,条例違反が成立する,つまり「卑わいな言動」に該当すると判断し直したというものです。
≪参考≫
着衣の上からでも盗撮、逆転有罪 東京高裁「下品でみだらな言動」 共同通信令和4年1月13日配信
小型カメラで女性の衣服の上から胸元などを隠し撮りしたとして、東京都迷惑防止条例違反の罪に問われた男(51)の控訴審判決で、東京高裁が無罪とした一審判決を破棄し、懲役8月(求刑懲役10月)の有罪判決を言い渡したことが13日、分かった。
これは,服の上から身体を撮影した行為が,「卑わいな言動」にあたると判断したというものです。
実際,過去にも服の上から身体を撮影した行為に対して盗撮の成立を認めた裁判例もありました。

【過去の裁判例】

平成19年9月25日に札幌高等裁判所で言い渡された判決です。
この事件でも,一審では,服の上から身体を撮影した行為に対して盗撮は成立しないと判断していましたが,高等裁判所がその判断を覆し,盗撮が成立するとして逆転有罪判決を言い渡したものです。その後弁護側も上告していますが,上告は棄却されたため高等裁判所判決が確定しています。
この事例では,ショッピングセンター内で被害者の後ろを,距離にして約40メートル,時間にして約5分間の間,付け狙い,お尻や腰のあたりの身体のラインがくっきり見える部分を11回撮影したというものでした。
札幌高等裁判所は,このような行為が,被害者に対して「そんなことをされたら恥ずかしいし気味が悪い」という気持ちを生じさせるものであるため「卑わいな言動」に該当すると判断し,有罪の判決を言い渡しました。
重要になるポイントは,服の上から身体を撮影したという場合であったとしても,①体のどのあたりを撮影したのか,②どのような体勢で撮影行為をしたのか,と言った点から,その撮影行為を傍から見た時に被害者が羞恥心や不安な感情を感じるかどうかです。

【Tさんの事例ではどうなのか?】

Tさんの事例だと,電車内でこっそりと相手に知られないように全身を撮影したという行為です。これだけでは判断できませんが,全身を写したというだけでは「卑わいな言動」には当たらない可能性があります。しかし,Tさんと女性との位置関係や,カメラの向け方,実際に撮った画角等によっては,相手の女性に不安を感じさせるような言動であるとして,「卑わいな言動」と判断されて逮捕されたり,起訴されたりしてしまう可能性があります。
服の上からの撮影行為であっても,迷惑行為防止条例違反として警察に被害届が出されたり,取調べを受けたりといったトラブルに派生する可能性が十分にあります。
特に,最新の高等裁判所の判断としては「有罪」と判断された事例もあります。
東京都中央区にて、盗撮などの迷惑行為防止条例に関して不安なことがある方は,刑事事件に特化した弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご相談ください。

痴漢のつもりが強制わいせつに

2022-02-03

痴漢のつもりが強制わいせつに

電車内などで行われるいわゆる痴漢行為と強制わいせつ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都立川市在住のAは、立川市内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aは立川市内の自宅最寄り駅から鉄道に乗って勤務先最寄り駅まで行こうと列車に乗車しました。
列車は満員だったところ、Aは自身の前に立っていた女性Vに対して劣情を催し、最初は手の甲で、次いで指で、Vの臀部(お尻)を撫でまわしました。
その間、Vは恐怖で声を出せずにいましたが、それを幸いだと考えたAは、Vのスカート中に手を入れ、更には下着の中に指を入れ、陰部を直接触りました。
Aの行為を目撃した別の通勤客がAに「何をしているんだ」と怒鳴り、次の駅で降ろされたAは、通報を受けて臨場した東京都立川市を管轄する立川警察署の警察官によって逮捕されました。
その際Aは、自身にかけられている嫌疑が俗にいう痴漢ではなく強制わいせつであると知らされました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【痴漢について】

御案内のとおり、公共の場所や公共交通機関の車内などで他人の臀部(お尻)や胸などに触る行為は、痴漢行為と呼ばれます。
我が国では、痴漢罪などの法律はありませんが、各都道府県の定める迷惑防止条例に違反する行為です。
ケースは東京都立川市での痴漢事件を想定していますので、東京都の定める公衆に著しく迷惑をかける暴力行為等の防止に関する条例(以下、迷惑防止条例)が問題となります。
該当する条文は以下のとおりです。

東京都迷惑防止条例5条1項
何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
1号 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。

東京都の場合、罰条は「六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金」と定められています。

【痴漢ではなく強制わいせつに?】

まず前提として、前述した痴漢行為は、被害者にとって(被害者が女性だった場合でも男性だった場合でも、また、加害者側が異性であれ同性であれ)精神的に深い傷を負わせることに繋がる卑劣な行為です。
しかし、Aのように悪質な行為であれば、痴漢による迷惑防止条例違反ではなく、より重い罪である強制わいせつ罪の適用が検討されます。
強制わいせつ罪の条文は以下のとおりです。
強制わいせつ
刑法176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

強制わいせつ事件は、痴漢と同じような場合でもその程度が著しい場合に成立します。
具体的な線引きがあるわけではなく、捜査機関は行為に及んだ回数・時間・態様などを客観的に検討したうえで、痴漢事件として迷惑防止条例違反で立件するか、強制わいせつ事件として強制わいせつ罪で立件するかを検討します。
ケースの場合、被疑者(容疑者)Aは被害者Vの下着の中に指を入れていますが、このような場合は強制わいせつ罪で立件されやすいと言えます。
他方で、例えば臀部(お尻)を撫でまわすような行為であっても、その行為が長時間に及んだ場合などは強制わいせつ罪に問われる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所には、痴漢強制わいせつなどの性犯罪の相談が多数寄せられています。
刑事事件・少年事件では、事件の内容や被害者の方の感情などにより、様々な弁護活動が想定されます。
東京都立川市にて、痴漢強制わいせつなどの性犯罪で捜査を受けている方、あるいは家族が痴漢強制わいせつ罪で逮捕されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御相談ください。

強制性交等事件(旧強姦事件)で逮捕

2022-01-19

強制性交等事件(旧強姦事件)で逮捕

強制性交等事件(旧強姦事件)で逮捕されたケースを題材に、性犯罪における弁護活動等ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

東京都足立区在住のAは、都内の大学に通う21歳の大学生です。
Aは、近所に住む足立区在住のV(20歳)と無理やり性行為をしたいと考え、Vに対し、暴行を加えてVを失神させて性行為を行いました。
Vからの被害申告を受けて捜査を開始した足立区内を管轄する竹ノ塚警察署の警察官は、Aを強制性交等(旧強姦)の疑いで逮捕しました(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~強制性交と準強制性交~

刑法177条前段は、「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する」と強制性交等罪(旧強姦罪)を規定しています。
これに対し、178条2項では、「人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条(注:177条)の例による」と準強制性交等罪(旧準強姦罪)を定めています。
本件では、VはAの行為によって心神喪失に陥っているため、「心神を喪失させ」て「性交」をしたとしてAの行為には準強制性交等罪(178条2項)が成立するようにも思えます。

この点、上述した177条は、「暴行又は脅迫」を用いて性交等した場合を、典型的な強制性交等罪(旧強姦罪)としています。
ここにいう「暴行」「脅迫」とは、判例・通説上、被害者の反抗を著しく困難にする程度の「暴行」「脅迫」を指すと考えられています。
これに対し、178条2項における「心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて」とは、177条にいう「暴行」「脅迫」以外の手段によって、心神喪失・抗拒不能に陥れることをいうと解されています。
したがって本件では、AのV(20歳)に対する「暴行」によって、Vを失神させ反抗を著しく困難にさせて「性交」を行っていることから、準強制性交等罪ではなく、強制性交等罪(旧強姦罪)が成立することになるのです。
なお、現行の刑法においては、改正前にあった「女子」の文言を削除していることから、被害者の性別に関わらず各条所定の手段を用いて「性交等」を行った場合には、(準)強制性交等罪(旧(準)強姦罪)が成立しうることにも注意が必要です。

~性犯罪事件における弁護活動について~

刑法は平成29年改正(2017年改正)によって、強制性交等罪(旧強姦罪)を含む第22章の性犯罪規定の多くを非親告罪化しました(改正前の親告罪の規定を削除)。
親告罪とは、検察官による事件を起訴するに当たって、被害者の告訴を必要とする犯罪をいいます。
つまり、従前は親告罪においては被害者と示談し、告訴を取り下げてもらうことで起訴され刑事裁判となることを確実に回避することができたのです。
もっとも、非親告罪化された現在でも、被害者と示談することが無意味なったわけでは決してありません。
起訴されるかどうか(刑事裁判になるかどうか)を判断するにあたっては、被害者の意思が尊重されるのが実務における運用であり、示談を締結することは極めて重要となります。
したがって、本件のような性犯罪事件における弁護活動としては、この示談交渉が最大の焦点となるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、強制性交事件(旧強姦事件)を含む刑事事件を専門的に取り扱っている法律事務所です。
弊所では、性犯罪事件の経験豊富な弁護士が事案に即した丁寧な弁護活動を行ってまいります。
東京都足立区にて、強制性交事件(旧強姦事件)などの性犯罪事件で逮捕された方のご家族は、24時間365日対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までお早めにお電話ください。

未成年者との真剣交際?

2021-12-23

未成年者との真剣交際?

未成年者とのわいせつな行為と真剣交際の主張について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都千代田区在住のAは、千代田区内の会社に勤める40代の会社員です。
AはSNSを通じて知った15歳の児童Vと頻繁に連絡を取り合うようになり、結婚しようなどのやり取りをし、実際に会おうという話をしました。
そして、待ち合わせ時間を決めて千代田区内の喫茶店でお茶をしたのち、ホテルに入ってわいせつな行為をしました。
そのホテルの受付をしていた従業員がVの年齢に疑問を持って千代田区内を管轄する麴町警察署に連絡し、AとVとがホテルを出たところで警察官は声掛けしました。
Vが15歳であることを確認した警察官は、Aに対して「淫行条例等に当たる可能性があるので任意同行に応じてほしい。」と説明しました。
Aは警察官に対し、「結婚を前提とした真剣交際である。」という主張をしました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【未成年者とのわいせつ行為で問題となる罪】

ケースでは、AとVとの性別は特に想定していませんが、年齢についてはVが15歳であることを想定しています。
我が国では、18歳未満(17歳までの者)とわいせつな行為をした場合には下記のような法律に違反することとなります。
・淫行条例違反
淫行条例は俗称で、事件地の都道府県によって条例名が異なります。
ケースは東京都千代田区での事件ですので、東京都青少年の健全な育成に関する条例が問題となります。
条文は以下のとおりです。
条例18条の6 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。

罰条:二年以下の懲役又は百万円以下の罰金

・児童買春
最も、Aの行為については、淫行条例違反ではなく児童買春の罪が適用される可能性があります。
条文は以下のとおりです。
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律2条2項 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
 1号 児童

淫行条例違反と児童買春の一番の違いは、対償の供与やその約束があるか否かという点です。
分かりやすい児童買春は、例えば児童に対して5万円を支払うなどして性行為や性交類似行為をすることです。
ケースではそれらの事情は伺えませんが、AがVの喫茶店での食事代やホテル代の全額を支払ったのであれば、それを以て対償の供与があったとして児童買春に処せられます。

【真剣交際は通用する?】

児童買春や淫行条例違反の事件を起こした方の中には、真剣交際の主張が通用するのではないかという質問があります。
すなわち、結婚を前提に交際をしているのに、なぜ違法なのかという主張です。
次に淫行条例について、例えば、このブログを作成している令和3年9月9日時点に於て、女性の婚姻適齢は16歳です。
この点、淫行条例違反や児童買春の罪と相反しているかにも思えます。

とはいえ、児童買春について検討すると、真剣な交際をしているのであれば「対償の供与」が生じる余地はないため、真剣交際の主張は通用しないと言えるでしょう。

次に淫行条例違反について、条文を見ると、東京都の淫行条例は「みだらな性交又は性交類似行為」を禁止しています。
みだらな、すなわち淫行について、判例は
①青少年を…その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、
②青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為
と定義しています。

ケースについて検討すると、AとVとは年齢が25歳以上離れていて、SNSでやり取りをした程度で性行為をした当日までに一度も会ったことがなく、当然に保護者への紹介や挨拶もない、そのような状況で、SNSで結婚しようなどとやり取りをした程度で真剣交際にあたるという主張は通用しないと考えられます。

他方で、AとVとの年齢が近く、デートなどの交際を繰り返していて、未成年者の保護者へ説明・紹介をしているという場合であれば、しっかりと真剣交際を主張することで罪に当たらない、あるいは刑罰が軽減されることに繋がります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
東京都千代田区にて、淫行条例違反や児童買春の罪で捜査を受けている、真剣交際を主張したいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご相談ください。

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