Archive for the ‘性犯罪’ Category

【解決事例】盗撮事件―性障害治療機関の紹介

2022-10-09

他人のスカートの中などを無断で撮影する盗撮事件で問題となる罪と、性障害治療機関の紹介・連携の結果不起訴処分を獲得した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都目黒区在住のAさんは、目黒区内の会社に勤める会社員です。
ある日の休日、Aさんは目黒区内のショッピング施設を訪れたところ、スカートを履いた女性Vさんに劣情を催してしまい、Vさんの背後に立ってスカート内にスマートフォンを差し入れるいわゆる盗撮行為をしてしまいました。
Aさんの盗撮行為に気づいた店員は警察に通報し、臨場した目黒区内を管轄する碑文谷警察署の警察官は、Aさんを現行犯逮捕しました。

Aさんの家族から初回接見の依頼を受けた当事務所の弁護士は、初回接見で事件の内容と余罪について確認し、取調べでのアドバイスを行ったうえでご家族に状況の説明を行いました。
その後弁護の依頼を受け、接見の翌日に行われた検察官送致・弁解録取の前に書面を提出し、Aさんに勾留が不要であることを伝えたところAさんは勾留請求されることなく釈放されました。
その後も性障害治療の専門機関に受診を勧めたり示談交渉を行ったりして、それらの事情を検察官に主張したところ、Aさんは不起訴処分を獲得することができました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【盗撮事件について】

駅や商業施設などの公共の場所でスカートの中を無断で撮影するいわゆる盗撮行為は、各都道府県の定める迷惑防止条例に違反します。
ケースについては東京都目黒区を想定しているため、東京都の公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例に違反します。

条例5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
 2号 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

罰条:1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(同条例8条2項1号)

【性障害治療専門の機関を紹介】

Aさんの事例については、本件の発覚後に警察官によるスマートフォンの確認作業が行われ、同じような行為を繰り返し行っていたことが発覚しました。
Aさんはこの事件で初めて検挙されたためいわゆる前科はありませんでしたが、余罪と呼ばれる事件が多数あったということになります。

弁護士は、本件の最終的な結果(終局処分)だけでなく、今後Aさんが二度と盗撮等の事件を起こさないためにも、専門家による診断・治療が必要であると判断しました。
そこで、当事務所の弁護士は以前にも協力を依頼した性障害の専門機関を紹介しました。
Aさんは家族の協力のもと積極的に治療プログラムを受けていました。

【不起訴に向けた弁護活動】

・示談交渉
盗撮事件は被害者がいる事件であることから、弁護士は被害に遭われたVさんと示談交渉を行い、Aさんの謝罪の気持ちをお伝えしました。
弁護士による丁寧な状況説明の結果、Vさんは示談に応じてくれることとなりました。

・検察官への意見
弁護士は、Aさんの捜査を担当する検察官に対し、Aさんは事件を認めて反省していて被害者との間で示談が行われていること、及びAさんが二度と盗撮のような犯罪を繰り返さないために性障害治療の専門機関を受診し積極的に治療プログラムを受けていることを主張しました。
最終的に、担当する検察官はAさんを起訴しない「不起訴」にすると判断したため、Aさんは前科が付くことなく社会生活に復帰することができました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士はこれまで数多くの盗撮事件に携わってきていて、それらの経験をもとに的確な弁護活動を行うだけでなく、必要な方に対しては性障害治療のための専門機関の紹介などを行っています。
東京都目黒区にて、ご家族が盗撮事件を起こしてしまい初回接見を希望する場合、24時間365日予約受付の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。

【解決事例】盗撮事件で勾留されるも準抗告認容

2022-10-06

【解決事例】盗撮事件で勾留されるも準抗告認容

盗撮事件で逮捕・勾留されたのち依頼を受け、準抗告をしたところ認容され釈放されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都墨田区在住のAさんは、墨田区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、墨田区内の商業施設にあるエスカレーター上で、スカートを履いた被害者Vさんの後ろからスカート内を撮影するいわゆる盗撮事件を起こしました。
警備員がAさんの行為を見咎めAさんを警備員室に連れて行き、通報を受けて臨場した墨田区内を管轄する本所警察署の警察官によって逮捕されました。
Aさんの家族は、裁判所から「Aさんの勾留が決まりました」という連絡を受け、何もわからないまま弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に連絡されました。
連絡を受けた当事務所の弁護士は当日中に初回接見を行い、Aさんから事情を聞くとともに取調べでのアドバイスを行ったのち、初回接見報告にてご家族に事件の内容などを伝えました。
Aさんとその家族は早期の釈放を求め弁護活動の依頼をされたため、依頼を受けた当事務所の弁護士は速やかに準抗告という手続きで勾留決定に対する準抗告申立を行ったところ、準抗告は認容されAさんは釈放されました。
Aさんは釈放後も捜査を受けましたが、弁護士による取調べのアドバイスと示談交渉の結果、Aさんは不起訴となりました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【東京都内での盗撮事件】

事例で問題となるのは、Aさんが東京都内の商業施設という公共の場で、被害者のスカート内にスマートフォンのカメラを向け撮影をした(あるいはしようとした)という点です。
この場合、以下の条例・条文が問題となります。

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
 2号 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
罰条:1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(同条例8条2項1号)

【準抗告とは】

準抗告という手続きは、刑事訴訟法に以下のとおり規定されています。

刑事訴訟法429条1項 裁判官が左の裁判をした場合において、不服がある者は、簡易裁判所の裁判官がした裁判に対しては管轄地方裁判所に、その他の裁判官がした裁判に対してはその裁判官所属の裁判所にその裁判の取消又は変更を請求することができる。
1号 忌避の申立を却下する裁判
2号 勾留、保釈、押収又は押収物の還付に関する裁判
3号 鑑定のため留置を命ずる裁判
4号 証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判
5号 身体の検査を受ける者に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判

今回のAさんの事例については、逮捕されたのち勾留の手続きがなされていて、その決定に対する準抗告として上記2号が該当します。
つまり、検察官が勾留請求したことに対し、裁判官は単独で「Aさんには勾留が必要である」と判断して勾留の決定を下しました。
しかし、当事務所の弁護士は、Aさんの捜査を行うにあたって勾留が必要ではないことを書類に纏め、準抗告申立書という書類を提出しました。
準抗告の申し立てを受けた裁判所は、3人の合議体を組んで検討を行い(同条3項)、前に裁判官が行った判断を変更することができ、今回のAさんの事例では弁護人の主張を踏まえ、Aさんには勾留の必要がないと判断し、準抗告認容(最初に行った勾留の判断を覆すこと)によりAさんは釈放されました。

準抗告は勾留以外にも保釈決定に対してや忌避申立て(判断をする裁判官が被告人や被害者の関係者だった場合等、裁判に影響を及ぼすと考えられる場合に、その裁判官を審理から排除する手続き)などの決定に対して行われます。
しかし、一度裁判官が決定した判断に対して、別の裁判官(合議体)が判断するとはいえ、覆すことは容易ではありません。
準抗告申立てを行うには、前の結果を覆すことができるだけの主張と書類を以て挑む必要があります。
刑事事件で勾留されているが準抗告してほしいという場合、刑事事件の経験が豊富な弁護士に弁護を依頼することをお勧めします。

東京都墨田区にて、盗撮事件で家族が勾留され、準抗告により釈放を目指したいという方は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
担当者より初回接見のご案内を行い、弁護士が初回接見を行ったのち、今後の見通しや準抗告が認容される可能性についてご説明します。

【解決事例】強制性交・傷害事件で事件化阻止

2022-09-30

【解決事例】強制性交・傷害事件で事件化阻止

強制性交等罪傷害罪にあたるような事件を起こしてしまったものの事件化阻止することができたという解決事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説いたします。

【事例】

東京都荒川区在住のAさんは、荒川区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは友人のVさんとその妻Xさんと、長らくの友人関係にありました。
事件当日、Aさんらは3人で荒川区内のVさんら宅で酒を飲んでいたところ、Aさんは泥酔してVさんは眠ってしまったという状況で、AさんはXさんを別室に連れ出しXさんに自分の陰茎を無理やり加えさせました。
Xさんが悲鳴を上げたためVさんが起きてAさんの行為を認めたため、VさんはAさんに殴りかかろうとしましたが、Aさんはそれをかわし反対にVさんの顔を殴打しました。
その後Aさんは我に返ってVさん宅を後にしましたが、後日Vさんの代理人弁護士から「強制性交等事件および傷害事件で被害届を提出予定ですが、7日以内であれば示談交渉に応じます」といった趣旨の通知が届き、当事務所の無料相談をお受けになりました。

その後依頼を受けた当事務所の弁護士は、すぐに代理人弁護士に連絡し、Aさんが謝罪・賠償の意向があることを伝え、事実関係の確認作業を行いました。
弁護士はAさんに謝罪文を作成して頂き添削するなどしたうえで、Vさん・Xさんに対する誠心誠意の謝罪を伝えた結果、最終的に示談締結となり、示談金は当初Vさん・Xさんが求めていた示談金額の半分程度の金額となりました。
また、示談書にて[今後被害届等の提出を行わない]旨の条項を設けることができたため、その後刑事事件化に発展することなく事件は終了しました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【強制性交等事件について】

今回の事例で、AさんはXさんに対し、自身の陰茎を無理やり口に咥えさせるという行為に及んでいます。
これは、強制性交等罪の言う「口腔性交」にあたります。
条文は以下のとおりです。

刑法177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

【傷害事件について】

また、AさんはVさんに対して顔面を殴打し怪我をさせる傷害事件を起こしています。
これがXさんに対する強制性交等事件の最中に怪我をさせたという事件であれば強制性交等致傷罪として扱われますが、今回はVさんが殴りかかって来たところを回避して逆に殴打したという事件ですので、強制性交等事件とは別の事件として扱われます。

刑法204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

【弁護活動について】

今回の事例は、被害者の自宅で発生した事件だったということもあり、刑事事件として捜査が始まった場合には証拠隠滅の恐れがあるとして逮捕・勾留される可能性が高いと言えます。
また、強制性交等事件と傷害事件ということで、起訴され裁判になった場合は厳しい刑事処罰が科せられる可能性が極めて高い事件でした。
そのため、捜査機関による捜査が開始される前に、両被害者の意向に従い示談交渉を行ったことで、極めて良い結果に繋がったと言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで数多くの強制性交等事件や傷害事件に携わってまいりました。
東京都荒川区にて、強制性交等事件や傷害事件を起こしてしまい、被害者から示談に応じなければ被害届等を提出すると通知が来た場合、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の無料相談を御利用ください。

家族が逮捕・勾留された場合は初回接見サービス(有料)の御案内をいたします。

【解決事例】公然わいせつ事件で再逮捕されるも釈放②

2022-09-03

【解決事例】公然わいせつ事件で再逮捕されるも釈放②

公然わいせつ事件で逮捕されたものの、勾留に対する準抗告認容により釈放され、その後別の公然わいせつ事件で再逮捕されたが勾留請求却下により釈放された、という事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説いたします。

【事例】

東京都昭島市在住のAさんは、昭島市内で飲食店を営む経営者です。
Aさんは日頃のストレスが溜まり、発散したいと考え、自身の陰部を露出して目撃者の嫌がる顔を見ることに興味を抱き、実行していました。
同じ行為を10回ほど繰り返していたところ、ある日自宅に昭島市内を管轄する昭島警察署の警察官が来て、Aさんを公然わいせつ罪の嫌疑で通常逮捕しました。

その後、Aさんには勾留が認められましたが、弁護士の釈放を求める弁護活動により、Aさんは釈放されました。
しかし、別の公然わいせつ事件により再逮捕されることになりました。
担当する弁護士は、改めて接見を行ったうえで再逮捕事案についても勾留が必要ないと考え、その旨を裁判所に主張したところ、Aさんは再び釈放されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【公然わいせつ事件について】

≪前回のブログをご覧ください。≫

【再逮捕とは?】

≪前回のブログをご覧ください。≫

【釈放を求める弁護活動】

Aさんの逮捕直後に連絡を受けた当事務所の弁護士は、すぐに初回接見を行い、Aさんの体調確認のほか事件の内容や事実確認、捜査機関に伝えていない余罪があるかどうか等、入念に確認しました。
その後、弁護の依頼を受けたことから、Aさんの事件では勾留が必要ではないという内容の書類を作成し、翌日には関係各所に送りましたが、Aさんには勾留が決まりました。
勾留が付いてしまうと、捜査段階で最大20日間の身柄拘束とともに、起訴後も保釈が認められない限り判決宣告まで身柄拘束される恐れがあります。

逮捕された方の釈放を求めるためには、
①検察官に対して勾留の請求が必要ではない旨を主張する
②裁判官に対して勾留の必要性がない旨を主張する
③勾留が決まった場合に、勾留の裁判に対し不服申し立てをする(準抗告/特別抗告)
④勾留が決まった時点では勾留の必要性があったが、その後の事情の変更により勾留が不要になった旨主張する(勾留取消請求)
⑤勾留期間中の○日だけは、手術や治療等のため勾留の効力を一時停止するよう求める(勾留の執行停止申立て)
⑥最大20日間の勾留を経て起訴されたのちに保釈保証金を預けて保釈する(保釈請求)
があります。

今回、Aさんの事例では、
・一回目の逮捕については①②は認められなかったものの③により釈放
・再逮捕事案については①は認められなかったものの②により釈放
というものでした。
①②については、いつでもできるわけではなく、逮捕から72時間以内(実際には逮捕の翌日ないし翌々日が多い)に決まるため、早期に弁護士に依頼をしなければ対応できません。
また、④については、例えば被害者がいる事件などで示談が出来た等の事情がなければ、難しいと言えます。
⑤については、一時的に勾留の効力を失わせるものです。
弊所では過去に、過去には本人や家族の手術(立会い)や、学校行事等で認められたことがあります。
⑥については、起訴された後に行われる手続きですので、逮捕から20日以上経った後初めて行うことができる手続きですが、事件の内容によっては裁判が進むまでは保釈が認められない場合もあります。

今回Aさんの事例では、一回目の逮捕時には③の準抗告が認められての釈放となりました。
準抗告は、一度なされた勾留の決定に対して不服申し立てを行うもので、別の裁判官3人が判断することになりますが覆すことは容易ではありません。
しかし、①②が間に合わなかった場合や認められなかった場合には、③の手続き以外に釈放を求める方法はないとも言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで①~⑥の様々な手続きにより、釈放や保釈が認められたという実績があります。
捜査機関が身柄拘束が必要と判断している以上、容易に身柄拘束が認められるわけではありません。
他方で、被疑者・被告人にとっては、身柄拘束の期間が伸びることで仕事や学校に影響を及ぼす恐れが高いことも事実です。

東京都昭島市にて、ご家族が公然わいせつ事件で逮捕・勾留されてしまい、早期の釈放を求める弁護活動について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の初回接見サービスをご利用ください。(初回接見は有料です。)

【解決事例】公然わいせつ事件で再逮捕されるも釈放①

2022-08-31

【解決事例】公然わいせつ事件で再逮捕されるも釈放①

公然わいせつ事件で逮捕されたものの、勾留に対する準抗告認容により釈放され、その後別の公然わいせつ事件で再逮捕されたが勾留請求却下により釈放された、という事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説いたします。

【事例】

東京都昭島市在住のAさんは、昭島市内で飲食店を営む経営者です。
Aさんは日頃のストレスが溜まり、発散したいと考え、自身の陰部を露出して目撃者の嫌がる顔を見ることに興味を抱き、実行していました。
同じ行為を10回ほど繰り返していたところ、ある日自宅に昭島市内を管轄する昭島警察署の警察官が来て、Aさんを公然わいせつ罪の嫌疑で通常逮捕しました。

その後、Aさんには勾留が認められましたが、弁護士の釈放を求める弁護活動により、Aさんは釈放されました。
しかし、別の公然わいせつ事件により再逮捕されることになりました。
担当する弁護士は、改めて接見を行ったうえで再逮捕事案についても勾留が必要ないと考え、その旨を裁判所に主張したところ、Aさんは再び釈放されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【公然わいせつ事件について】

公然わいせつ罪について、条文は以下のとおりです。

刑法174条 公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

公然わいせつ事件は、
・不特定又は多数の者が見たり知ったりできる状態で
・わいせつな行為をする
場合に適用されます。
Aさんの事例のような、自身の陰部を露出するような事例が代表的ですが、例えば野外で性行為をするような場合でも成立する可能性があります。

なお、公然わいせつ事件の成立は他人に見せつけるようなかたちでわいせつ行為をした場合に限りません。
例えば、屋外で性行為をしていた映像が流出した場合や、野外に設置された防犯カメラに映っていた場合など、直接の目撃者がいない場合でも、成立します。

公然わいせつ事件では、目撃者=被害者ではありませんが、目撃することで不快に思われている目撃者が大多数ですので、その意味での謝罪や弁済などを行うことは考えられます。
その他、心療内科や専門の機関による性犯罪の再犯防止プログラムを受ける等することが、弁護活動としてだけでなく被疑者の方の再犯防止の観点からも重要です。

【再逮捕とは?】

逮捕については、≪他のブログについても併せてご参照ください≫

逮捕とは、罪を犯したと疑われる「被疑者」に対し、捜査機関により身柄拘束する制度です。
原則として裁判所の発付する令状に基づいて行われる通常逮捕によりますが、その場で罪を犯している人や罪を犯した直後の人に対して令状なしで行われる現行犯逮捕や、令状請求が間に合わないような刻一刻を争うような事案について事後的な令状請求を認める緊急逮捕もあります。

再逮捕という言葉についても、多くの方がご存知かと思います。
しかし、再逮捕は一般的な用語と法的な用語で、意味が異なると言えます。

一般的に報道などで使われる用語、今回のブログの【事例】でも用いた「再逮捕」について、法律上は一罪一逮捕一勾留の原則があるため、同じ事件で逮捕することはできません。
よって、一度逮捕されて勾留された方は、同じ事件で改めて逮捕することはできません。
この場合の再逮捕は、一度Aの公然わいせつ事件で逮捕されてたが、その後の捜査でBの公然わいせつ事件も発覚したためBの事件で逮捕した、ということになります。

他方で法的な用語での再逮捕は、一度逮捕された被疑者に対し、同じ事件で再び逮捕する場合を指します。
これは一罪一逮捕一勾留の原則に沿わないのですが、法令ではその手続きを認めています。
これが認められる場合として、例えば
・逮捕状には期限が設けられているが、その期限内に被疑者を逮捕できなかった場合(被疑者が急な手術などですぐに身柄拘束できない場合や、逃走して逮捕できなかった場合など)
・逮捕状に基づき逮捕したが、被疑者が逃走しないと誓約したので釈放したものの、その後の出頭に応じなかった場合
などが考えられます。

【釈放を求める弁護活動】

≪次回のブログに続きます。≫

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件のみを取り扱う弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで①~⑥の様々な手続きにより、釈放や保釈が認められたという実績があります。
捜査機関が身柄拘束が必要と判断している以上、容易に身柄拘束が認められるわけではありません。
他方で、被疑者・被告人にとっては、身柄拘束の期間が伸びることで仕事や学校に影響を及ぼす恐れが高いことも事実です。

東京都昭島市にて、ご家族が公然わいせつ事件で逮捕・勾留されてしまい、早期の釈放を求める弁護活動について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の初回接見サービスをご利用ください。(初回接見は有料です。)

【解決事例】強制わいせつ未遂事件で早期の釈放

2022-08-22

【解決事例】強制わいせつ未遂事件で早期の釈放

強制わいせつ未遂事件がどのような罪か、早期の釈放を求めるためにはどのような主張が必要であるか、解決事例をふまえ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説いたします。

【事例】

東京都渋谷区在住のAさんは、渋谷区内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aさんの自宅に渋谷区内を管轄する代々木警察署の警察官が来て、Aさんを逮捕していきました。
理由が分からなかったAさんの家族は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の弁護士による初回接見サービスを利用し、報告でAさんが半年ほど前に馴染みのない駅で降車した後被害女性に接吻を迫ったり身体を触ろうとしたという強制わいせつ未遂事件を起こしてしまったことを知り、弁護を依頼されました。
依頼を受けた弁護士は、Aさんやその家族から聞き取った事情を翌日には書面に纏め、検察官に提出したところ、検察官は勾留請求せず在宅で捜査を進めるという判断を下し、早期の釈放が実現しました。
その後も在宅で捜査が進められるため、弁護士はAさんに謝罪文の作成を促すとともに被害女性との接触を試みましたが、被害女性は捜査機関からの連絡に応じず、最終的には捜査機関も捜査が続行できず、Aさんは不起訴となりました。
しかし、もし弁護士が勾留請求を回避していなければ、Aさんは最大で20日間の勾留が行われ、Aさんは会社に事件の説明をしなければならず不利益処分を受ける可能性が極めて高い状況でした。
早期の釈放を求める弁護活動が、Aさんのその後の社会人人生を大きく左右したと言えるでしょう。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【強制わいせつ未遂事件について】

Aさんは、見知らぬ被害女性に対して接吻を迫ったり身体を触ろうとするなどの行為をしようとしたものの、それを遂げなかったという状態でした。
これは、強制わいせつ未遂罪に当たります。
条文は以下のとおりです。

刑法176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。(略)
 同180条 第176条から前条までの罪の未遂は、罰する。
 同43条  犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。

強制わいせつ未遂事件で捜査を受けた被疑者は、検察官が起訴することができるだけの証拠が集まったと判断した場合、公判請求される恐れがあります。
公判請求された被疑者は、被告人という立場になり、公開の法廷で刑事裁判を受けることになります。
Aさんの事例では、Aさんの意思で強制わいせつ行為を止めたわけではなく、被害者が現場から逃げることで被害を免れることができたという事案でしたので、裁判官の判断で刑を減刑することができるが、減軽しなくても良いというものでした。(刑法43条)

【早期の釈放を求める主張】

被疑者が逮捕された場合、その後1日~2日程度で、その後も身柄拘束を行うか、釈放するか、いずれかの判断が行われます。
その後も身柄拘束が必要であると判断された場合、10日の勾留が行われるほか、一度に限り延長が認められるので最大20日間、留置施設で拘束されて捜査が行われます。
なお、勾留期間が満了した場合、担当する検察官は被疑者を起訴するかどうか判断しますが、起訴する判断を下した場合、そのまま起訴後勾留が続きます。
起訴後勾留の期間は2ヶ月とされていますが、その後も1ヶ月毎の勾留延長が認められているため、判決宣告までは勾留が続くおそれがあります。

早期の釈放を求めるためには、被疑者を在宅で捜査しても逃亡の恐れや証拠隠滅の恐れがないことや勾留による不利益が大きいことをしっかりと主張し、検察官に対し勾留請求をしない、あるいは裁判官に対して勾留決定をしないよう、求めていく必要があります。

今回のAさんの事例では、
・証拠である監視カメラの映像等は、既に捜査機関によって押収されている
・被害者とは面識がなく、Aさんは酒に酔っていて被害者の顔などを覚えていないため、被害者に口裏合わせをするよう強要することなどができない
・被害者と接触するおそれのある渋谷区内の駅には、立ち寄る必要がない(自宅から職場までの通勤ルートをマップ付きで説明)
・仕事をしていない家族がいて監視監督が常に可能である
・10日間あるいは延長され20日間の勾留がなされてしまうと、会社に出勤できず事件が発覚してしまい、会社を解雇されるなど不利益処分を受ける可能性が高い

という主張を行いました。
書面で記載した内容については弁護士が担当検察官に電話で改めて説明し、Aさんに身柄拘束が必要ない旨をしっかりと主張しました。
結果として、担当検察官はAさんに対し勾留は必要ないと判断し、Aさんは釈放されることになりました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、これまでの数多くの弁護経験から、早期の釈放を求めるためにはどのような主張が有効か、検討しご説明いたします。
東京都渋谷区にて、ご家族が強制わいせつ未遂事件で逮捕されてしまい、早期の釈放を求める弁護活動について知りたいという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の初回接見サービスをご利用ください。(有料)

【解決事例】スカート内の盗撮で不起訴に

2022-08-13

【解決事例】スカート内の盗撮で不起訴に

スカート内を盗撮したという事件で問題となる罪と、不起訴に向けた弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説いたします。

【事例】

東京都豊島区目白在住のAさんは、豊島区にある学校に通う20歳以上の学生でした。
Aさんは豊島区目白にある駅構内のエスカレーターで、スマートフォンを差し向ける形で前に立っていた女子児童のスカート内を盗撮していたところ、別の利用客に見つかり、駅員に引き渡されました。
駅員からの通報を受けて臨場した豊島区目黒を管轄する目白警察署の警察官は、Aさんについて在宅での捜査を進める判断を下しました。

被害者のVさんとそのご家族は処罰感情が強く、示談交渉には難航しました。
しかし、弁護士の丁寧な対応の結果、最終的に示談締結となりました。
検察官は、被害者との間で示談が締結できているという点を考慮し、Aさんを不起訴処分としました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【盗撮事件について】

盗撮と呼ばれる行為は、各都道府県の定める迷惑防止条例により禁止され、処罰されます。
事例は東京都内での盗撮事件ですので、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」が問題となります。

条例第5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
・・・(中略)
2号 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
3号 前2号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。

【盗撮事件で弁護活動】

今回のAさんの事例では、警察官はAさんに逃亡や証拠隠滅などの恐れがないとして身柄拘束を行わない在宅での捜査を進めました。
そのため、釈放を求める弁護活動については必要ありませんでした。

Aさんの事例では、主に
・取調べ対応
・示談交渉
が重要となりました。

取調べ対応については、Aさんは罪を認め反省していましたが、いわゆる盗撮行為は今回だけでなく以前にも複数回行っていました。
そこで、捜査機関からは余罪についての取調べも行われましたが、記憶に従い、誤解の生じないような説明をするよう、アドバイスを行いました。

示談交渉について、今回の事件の被害者やその家族の方は、当初Aさんに対し厳しい刑事処罰を求めていました。
弁護士は依頼を受けてすぐにAさんに謝罪文を作成して頂き、文面を確認したうえで、被害者の方にお送りしました。
その後も粘り強く示談交渉を行った結果、宥恕(Aさんを赦し、刑事処罰を求めないという意味)の文言を加えることはできませんでしたが、謝罪と賠償には応じてくださり、示談締結することができました。

示談交渉時は担当検察官への連絡も重要です。
担当検察官は証拠が揃った場合にはいつでも起訴する権限を有しているので、弁護士は小まめに連絡を取り、示談交渉の状況を説明することで処分を待つよう依頼していました。
最終的に示談締結に至ったことで、担当検察官はAさんを不起訴処分としました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、盗撮事件をはじめ様々な刑事事件を担当し、多くの経験と実績を有しています。
東京都豊島区目白にて、御自身や家族が盗撮事件で捜査を受けている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合、弁護士が初回接見サービスを行います。(有料)

【解決事例】子どもへのわいせつ行為を否認

2022-08-07

【解決事例】子どもへのわいせつ行為を否認

子どもへのわいせつ行為で問題となる罪について、否認の解決事例をもとに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説いたします。

【事例】

東京都武蔵野市在住のAさんは、Xさんとの内縁関係にあり、Xさんのいわゆる連れ子であるVさん(当時10歳未満のお子さん)と5年ほど一緒に生活していました。
ある日、VさんがXさんに対して「Aさんから股を触られた」という発言をしたため、XさんはAさんに対し、武蔵野市内を管轄する武蔵野警察署に連絡することを検討している旨を伝え、Vさんを連れて武蔵野市内の実家に帰りました。

Aさんは、そのような事実はないが嫌疑をかけられた場合にはどのような罪になるのか不安になり、当事務所の弁護士による無料相談を受け依頼をお決めになりました。

最終的には刑事事件には発展することなく終了しましたが、Aさんとしては今後の見通しがしっかりと分かったほか身柄拘束された場合の準備ができたことで、大変安心されていました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【13歳未満の子どもに対するわいせつ行為】

未成年者が被害者となるわいせつ事件については、強制わいせつ罪・監護者わいせつ罪・児童福祉法違反・各都道府県の定める青少年保護育成条例違反が検討されます。
条文は以下のとおりです。

(強制わいせつ罪)
刑法176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

(監護者わいせつ罪)
刑法179条1項 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条の例による。

(児童福祉法違反)
児童福祉法34条1項 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
6号 児童に淫行をさせる行為
同60条1項 第34条第1項第6号の規定に違反した者は、10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

(青少年保護育成条例違反)
東京都青少年の健全な育成に関する条例18条の6 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。

※金銭のやり取りがある場合は児童買春に当たり、より厳しい刑事処罰が科せられる恐れがあります。

以上のように、未成年者に対するわいせつな行為を行った場合には各法律が問題となります。
Aさんの事例では、13歳未満である(血縁の有無は別として)子どもに対するわいせつな行為が問題となるため、監護者わいせつ・強制わいせつ罪や児童福祉法違反が成立する可能性があります。

まず強制わいせつ罪について、13未満の男女児童が対象だった場合、暴行や脅迫などの要件がありません。
そして、股を触る行為はわいせつな行為と評価されるため、強制わいせつ罪の適用が検討されます。
仮に13歳以上だった場合でも、監護者としての立場に乗じてわいせつ行為をしたと認められた場合、監護者わいせつ罪が適用されます。
監護者わいせつ罪は、血縁関係にある場合は勿論のこと、血は繋がっていないが連れ子・養子などのかたちで子の指導・監督をする立場にある場合、監護者と認められる場合があります。

次に児童福祉法違反について、こちらも18歳未満の児童に対し事実上ある程度の影響力を及ぼして性行為や性交類似行為をさせた場合に成立します。
他人にそのような行為をさせるだけでなく、自身があいてになってそのような行為をさせるという場合にも罪は成立します。

【強制わいせつ事件や児童福祉法違反事件で否認の弁護活動】

強制わいせつ事件や児童福祉法違反事件での弁護活動としては、被疑者・被告人が事件について認めている場合、被害者とその保護者に謝罪し弁済を行う必要があるでしょう。
他方で、そのような行為は一切なかった、あるいはわいせつな意図はなく(例えば汚れた衣服を取替えただけだった、等)わいせつ行為に当たらないという場合には、しっかりと否認をする必要があります。

児童は未成熟であり、それゆえ事件の被害に遭った場合の精神的な負担は大きい物であり、他方で事実に反したことを言ってしまう恐れもあるという特徴があります。
強制わいせつ罪や児童福祉法違反などの嫌疑をかけられている場合、事件に応じた適切な弁護活動が必要不可欠です。

東京都武蔵野市にて、交際相手の連れ子や実子など13歳未満のお子さんに対するわいせつ行為をしたと疑われていて、強制わいせつ罪や児童福祉法違反などの嫌疑で被害届を提出される可能性があるが否認したいという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の無料相談をご利用ください。

【解決事例】痴漢事件で略式手続

2022-08-01

【解決事例】痴漢事件で略式手続

痴漢事件を起こした場合に問題となる罪と、略式手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説いたします。

【事例】

東京都八王子市南大沢在住のAさんは、八王子市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当時酒に酔っていて、へべれけ状態で八王子市南大沢の路上で前を歩いている女性Xさん、Yさんを驚かせようと考え、二人の臀部(お尻)を触る痴漢行為をしました。
Xさん、Yさんからの通報を受けて臨場した八王子市南大沢を管轄する南大沢警察署の警察官は、Aさんを痴漢をした嫌疑で逮捕しました。

Aさんの家族が当事務所に初回接見を依頼された時点で、Aさんは勾留されていました。
そこで、初回接見後に弁護を依頼された当事務所の弁護士は、すぐに勾留の決定に対する不服申し立て(準抗告)を行った結果、準抗告が認容され、Aさんは早期に釈放されることとなり、会社に出勤することが叶いました。

その後弁護士は、Aさんや家族の意向を踏まえXさん、Yさんに対して謝罪を行うべく検察官を通じて連絡を取り合いましたが、お二人とも謝罪や弁済を受ける気持ちはないということで、示談には至りませんでした。
最終的に、Aさんの担当検察官はAさんを略式手続にすると決めました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【痴漢について】

Aさんは、東京都八王子市南大沢にて路上を歩いている女性2人対し、臀部を触るといういわゆる痴漢行為をしました。
痴漢については、各都道府県の定める迷惑防止条例によって処罰される場合が一般的です。
東京都での痴漢行為については、東京都の定める公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の処罰に関する条例が問題となります。
該当する条文は以下のとおりです。

条例第5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
1号 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。

罰条:罰条は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」

【略式手続について】

我が国の最高法規である日本国憲法では、以下のような規定があります。

憲法32条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
憲法37条1項 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。

他にも、令状主義や適正手続きなどのルールが、憲法により定められています。
これらの規定により、罪を犯した被疑者が検察官により起訴された場合、公開の法廷で裁判を受け、生い立ちや事件の内容をつまびらかに話したうえで、判決を宣告されます。

但し、刑事事件を起こしたすべての者が刑事裁判を受けることになると、検察官・裁判官が負担過多になってしまいます。
そこで、比較的軽微な犯罪で、事案が単純であり、被疑者(加害者)が罪を認めていて、本人が同意している場合、公開の法廷で行われる裁判に拠らずに、100万円以下の罰金刑又は科料(1000円以上1万円未満の財産刑)を科すことができます。
これが、略式手続(略式起訴、略式裁判などとも言います。)です。

略式手続は、正式裁判に比べて短い時間で終了し、裁判所で傍聴人に傍聴されたりするようなことがないため、被疑者(被告人)にとってもメリットが大きいです。

東京都八王子市南大沢にて、ご家族が痴漢などの刑事事件で逮捕されてしまい、略式手続の可能性などについて知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の初回接見サービスを御利用ください。(有料)
刑事事件・少年事件専門の弁護士が逮捕・勾留されている方からお話を聞いたのち、初回接見ご依頼者様に丁寧にご説明いたします。

【解決事例】強制わいせつ事件で示談交渉

2022-07-29

【解決事例】強制わいせつ事件で示談交渉

強制わいせつ事件で粘り強い示談交渉の結果不起訴処分を獲得したという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説いたします。

【事例】

東京都荒川区南千住在住のAさんは、荒川区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日酒に酔って、荒川区内の路上で被害女性Vさんに対して10分以上つきまとったうえ、無理やり手を握り、接吻をしました。
その際、近隣をパトロールしていた荒川区内を管轄する南千住警察署の警察官により声掛けされ、Vさんが被害申告したことから、Aさんは強制わいせつ罪で現行犯逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAさんの家族はすぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の初回接見を利用され、その後依頼をされました。

弁護士は、Aさんは被疑事実を認めていて証拠隠滅の恐れがなく、家族のサポートにより逃亡の恐れもない、よってAさんには勾留が必要ないということを主張した結果、裁判官はAさんに対する勾留請求を却下し、Aさんは釈放という判断になりました。
しかし、検察官は釈放という判断に対して準抗告(不服申し立て)を行ったため次は3人の裁判官でAさんの勾留の必要性について検討しましたが、当事務所の弁護士の主張が認められ、準抗告棄却でやはりAさんは釈放されるという判断に至りました。

釈放後、弁護士は被害者Vさんとそのご家族との示談交渉を行いました。
後述のとおり示談交渉は難航しましたが、最終的にはVさんとそのご家族は示談に応じてくださいました。

最終的に、諸般の事情を考慮し、Aさんの担当検察官はAさんを不起訴としました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【強制わいせつ罪について】

(強制わいせつ罪)
刑法176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

今回の事例の場合、被害者は13歳以上の方でしたので、
・暴行は又は脅迫を用いた
・わいせつな行為をした
という事情が要件になります。

Aさんの場合、無理やり手を掴むという暴行を用いて、接吻というわいせつな行為をしていますので、強制わいせつ罪が適用されます。

【示談交渉について】

Aさんの事件では、示談交渉にとても難航しました。
当然のことながら、VさんやVさんのご家族の方はAさんに対し厳しい刑事処罰を求めていて、弁護士としても厳しいお言葉を受けることがありました。
しかし、弁護士は適切なタイミングで粘り強く連絡して示談交渉を行った結果、Aさんの逮捕から4ヶ月経った頃に、被害者様及びご家族の方には納得して頂き、示談締結となりました。
担当する検察官は、Aさん自身の反省や示談締結の結果を踏まえ、Aさんを不起訴処分としました。

示談交渉は、被疑者本人が直接被害者の方に対して行うことができます。
しかし、強制わいせつ事件のような性犯罪事件では、被害者の方は連絡を拒否し連絡先すら聞けないという場合が一般的です。
強制わいせつ事件で示談交渉を行いたい場合、法律の専門家であり第三者である弁護士に弁護活動を依頼し、示談交渉を進めていくことが望ましいと言えます。
東京都荒川区南千住にて、強制わいせつ事件で家族が逮捕されてしまい、早期の身柄解放活動や示談交渉などについて知りたいという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の初回接見を御利用ください。

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