Archive for the ‘暴力事件’ Category
【解決事例】強要未遂事件で勾留期間を短縮①
【解決事例】強要未遂事件で勾留期間を短縮①
強要未遂事件で逮捕・勾留されたものの勾留延長に対する準抗告認容により勾留期間を短縮したという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都小金井市在住のAさんは、小金井市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは同じく小金井市在住のVさんと交際していましたが、VさんはAさんと別れ、別の者と交際することになりました。
しかしAさんはVさんに未練があったため、交際中に撮影した性行為中の動画をVさんに示し、「これを拡散されたくなかったら復縁しろ」と言いました。
Vさんは不安になり小金井市内を管轄する小金井警察署の警察官に相談したうえで被害届を提出し、後日Aさんは小金井警察署の警察官によって強要未遂罪で通常逮捕されました。
Aさんの家族は、Aさんが勾留されてから数日経った後、当事務所の弁護士による初回接見サービスを利用しその後弁護を依頼されました。
依頼を受けた弁護士は、家族や職場に連絡してAさんが釈放された場合でもVさんと接触できない環境調整を行い、Aさんの勾留満期日に勾留延長が決まった後すぐ、Aさんの釈放を求め勾留延長に対する準抗告申立てを行いました。
裁判官は、Aさんにこれ以上の勾留は不要であると判断し、勾留延長の決定を取り消し釈放するという判断を下しました。
また、釈放後も引き続き適切な弁護活動を行ったところ、最終的にAさんは不起訴となりました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【強要未遂罪について】
Aさんの事例については、脅迫罪/強要未遂罪のいずれかに問われると考えられます。
脅迫罪と強要罪(及び未遂犯処罰規定)は以下のとおりです。
(脅迫罪)
第222条
1項 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2項 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
(強要罪)
第223条
1項 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
2項 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3項 前2項の罪の未遂は、罰する。
事例では、
①AさんはVさんとの性行為中の動画を拡散すると脅し、
②拡散されたくなければ交際するよう
申し向けています。
まずは①について、多くの方は、性行為をしている動画を拡散されることに強い抵抗があるでしょう。
実際に拡散された場合には、名誉を害されると言えるでしょう。
①については、脅迫罪と強要罪の双方が、成立の要件としています。
次に②について、AさんはVさんに対して復縁を求めています。
当然、VさんにはAさんと交際する自由も交際しない自由もあり、VさんにはAさんと交際する「義務」はありません。
この「義務」のない行為を、①の脅迫を用いてさせた場合には、強要罪が適用されます。
最も、Vさんは実際に復縁をする前に小金井警察署の警察官に相談して被害届を提出し、Aさんは結果として逮捕されたため、実際には交際するに至りませんでした。
この場合には、強要未遂罪が成立します。
【勾留延長について】
≪次回のブログに続きます。≫
【勾留延長に対する準抗告申立て】
≪次回のブログに続きます。≫
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで数多くの刑事弁護活動を行ってきました。
脅迫罪や強要罪などの事件では、加害者が被害者に対し「被害届を取り下げろ」などと言うなどして証拠隠滅をするおそれが高いため、逮捕・勾留される可能性が高いと言えます。
東京都小金井市にて、家族が脅迫罪や強要罪、強要未遂罪などで逮捕された場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の初回接見サービスをご利用ください。(有料)
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
【解決事例】強盗致傷事件を否認し不処分に
【解決事例】強盗致傷事件を否認し不処分に
強盗致傷事件の共犯者として逮捕され家庭裁判所に送致されたものの、審判で不処分を獲得したという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都台東区在住のAさんは、都内の学校に通う高校1年生(16歳)でした。
事件当日、Aさんはたまに遊びに参加するグループのボスXさんから呼び出しを受けて向かったところ、自分たちはVさんの連絡先を知らないのでVさんに連絡して呼び出してくれないかと言われました。
そこでVさんを呼び出したところ、Xさんは突然「お前払うもの払わず連絡も通じないってどういうことだよ」とVさんに怒鳴りつけ、周りにいたグループの者らもVさんを暴行し、最後にはVさんの財布から金2万円を奪ってその場を離れました。
VさんはXさんらから受けた暴行の結果、全治4週間の怪我を負いました。
後日、被害届を受理した台東区を管轄する蔵前警察署の警察官は、Aさんを強盗致傷事件の被疑者として逮捕しました。
AさんやAさんの保護者は、暴行に加わっているわけでもなく、金も受け取っていないにも拘わらず強盗致傷の罪に問われたということについて、違和感を抱いていました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や警察署名、一部事件内容を変更しています。≫
【強盗致傷罪について】
今回、XさんらはVさんに対し集団で暴行を加えたうえ、Vさんの財布を奪い、中から金を強奪しています。
その結果、Vさんは全治4週間の重傷となりました。
これは、強盗により被疑者が負傷したとして、強盗致傷の罪に問われます。
条文は以下のとおりです。
刑法240条 強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
(刑法236条1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。)
条文に記載のとおり、強盗致傷罪の罰条は無期懲役/6年以上の懲役という非常に重いものになっています。
【否認により不処分を獲得】
今回の事例で問題となっているのは、Aさんは直接暴行には加わっておらず金を受け取っていないにも拘らず、Aさんも強盗致傷罪に問われたという点です。
この点、警察官や検察官は「AさんはXさんに呼び出されるまで事件について知らなかったが、合流した後Vさんに対する強盗事件を起こすことを知ることで現場共謀が生まれ、Vさんを呼び出した」という疑いを持っていました。
他方でAさんは本当にVさんが呼び出されXさんが暴行をはじめるまでは強盗事件を起こすことを知らなかったため、共謀はない、という主張でした。
そのため取調べでは、Aさんがどの時点で強盗事件について知ったのかという認識について厳しい口調で問い詰められていました。
弁護士は頻繁に接見を行い取調べでの状況を確認しましたが、家庭裁判所に送致されたのち記録を確認したところ、Aさんの意に反した供述調書が作られていました。
そこで弁護士は、膨大な法律記録の全てに目を通し、事実に反する部分についてしっかりと異議を唱えるとともに、Aさんの主張を書類などにまとめて提示しました。
本来、少年事件の審判は1回で終わるのですが、Aさんの審判は10回近くに亘り行われました。
その結果、最終的に(付添人)弁護士の主張が認められ、Aさんは不処分となりました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件だけでなく、少年事件の弁護活動・付添人活動も豊富な実績があります。
東京都台東区にて、お子さんが強盗致傷事件に巻き込まれて逮捕されたものの事件に関与する意思はなく、それをしっかりと主張したいという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の初回接見サービスをご利用ください。(有料)
【解決事例】職務質問で軽犯罪法違反を疑われるも不起訴に③
【解決事例】職務質問で軽犯罪法違反を疑われるも不起訴に③
職務質問を受けた際、武器に当たる可能性があるものを所持していたとして軽犯罪法違反を疑われたものの不起訴処分となった、という事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
Aさんは東京都千代田区に住み、公務員として勤務していました。
Aさんは事件当日、千代田区内の護身用具などを販売している店を出て数十メートル歩いたところで、千代田区内を管轄する神田警察署の警察官から声掛けをされ職務質問を受けました。
Aさんは職務質問で公務員であることや、やましいことはないと説明しましたが、警察官は護身用具を販売している店から出てきていることを理由に、所持品を全て出すよう求めました。
その際に出てきた物のひとつに、以前に購入した物Xがありました。
Xについて、商品紹介ページを見たところ、護身用具にもなるしストラップとしても人気、と書かれていました。
実際、Aさんは誰かを傷つけたり、護身のために所持していたわけではなく、単にストラップとしてカッコ良いと思い、キーケースに外から見える状態で身に着けていました。
しかし、神田警察署の警察官は、Xが他人を傷つけることができる物であると判断し、Aさんに対し神田警察署に任意同行を求め、調書の作成などを指示しました。
Aさんは、そもそもXが凶器などではないこと、職務質問や所持品検査が強引であったこと、取調べについても意に反して作成及び署名捺印を求められたことに不安を抱き、当事務所の弁護士による無料相談を受け、その後弁護を依頼されました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や警察署名、一部事件内容を変更しています。≫
【武器の所持で問題となる罪】
≪前回のブログをご覧ください。≫
【職務質問について】
≪前回のブログをご覧ください。≫
【所持品検査について】
また、ケースでAさんは職務質問と併せて所持品検査を求められています。
所持品検査については、明文の規定がありませんが、職務質問に付随する行政警察活動という位置づけにあります。
判例は、所持品検査について「所持人の承諾を得てその限度で行うのが原則である」が、「捜索に至らない程度の行為は、強制にわたらない限り」「所持品検査の必要性、緊急性、これによって侵害される個人の法益と保護されるべき公共の利益との権衡などを考慮し、具体的状況のもとで相当と認められる限度において許容されるものと解すべき」としています。(最判昭和53年6月20日)
この判例から言えることは、職務質問や所持品検査は原則として任意であり、警察官から求められても拒否する権利はあります。
しかし、所持人が拒否した場合であっても、その必要性や緊急性、公共の利益などと個人の法益を検討した結果、(捜索差押許可状などの令状による)捜索に至らない限り、所持品検査が適法であると認められる場合があります。
そして、所持品検査が適法に行われたかどうかは、事件の具体的な状況がどのようなものであったか、過去の判例も併せて慎重に検討する必要があるということです。
過去には、所持品検査の適法性が争われた裁判で所持品検査の結果が違法であるとして、証拠能力はないと評価され、無罪判決を言い渡されたという事例もあります。
ただし、所持品検査が違法であっても他の証拠についての証拠能力を認め、有罪としたという事例もあります。
【不起訴処分を求める弁護活動】
最後に、Aさんの終局処分について検討します。
刑事事件を起こした場合には、警察官や検察官による捜査が行われ、被疑者(いわゆる犯人)の犯罪を証明することができるだけの証拠が集められた場合、検察官は起訴をし、刑事裁判に発展します。
他方で、検察官は、捜査の結果被疑者に刑事罰を科すほどの事件ではない、被疑者を起訴することができるだけの証拠が揃っていない、などの事件では、被疑者に対し不起訴を言い渡します。
被疑者が罪を認めている事件で最も一般的な弁護活動として、被害者との示談交渉が挙げられます。
被害者が実際に財産・精神等の面で被害を受けているため、道義的な理由から行う必要がある点、且つ(その後に行われる可能性のある)民事訴訟のリスクの芽を予め摘むことができるからです。
しかし、銃刀法や軽犯罪法に違反して凶器などを所持する行為は、直接の被害者がいるわけではないため、示談はできません。
そのような場合には、弁護人による意見書を提出する、あるいは贖罪寄附をするなどして、不起訴を目指すことになります。
今回の事例では、
・そもそもAさんが持っていた物Xが、軽犯罪法のいう「他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具」に該当するのか
・仮に上記に該当したとしても、Aさんはキーホルダーとして使用していたためキーチェーンにつけていて、「隠して携帯していた」とは言えないのではないか
という点で、軽犯罪法に違反しないという主張を行いました。
結果的に、Aさんは嫌疑不十分で不起訴となりました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、凶器を所持するなどにより銃刀法違反や軽犯罪法違反に問われている場合の弁護活動の経験も数多くございます。
特に被害者がいないこれらの事件では、示談交渉がなく、事件ごとに主張の内容が変わってきます。
東京都千代田区にて、職務質問と所持品検査を受けた際に凶器などを所持していて銃刀法違反や軽犯罪法違反に問われている方は、刑事事件・少年事件のみを扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合はコチラ。
【解決事例】職務質問で軽犯罪法違反を疑われるも不起訴に②
【解決事例】職務質問で軽犯罪法違反を疑われるも不起訴に②
職務質問を受けた際、武器に当たる可能性があるものを所持していたとして軽犯罪法違反を疑われたものの不起訴処分となった、という事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
Aさんは東京都千代田区に住み、公務員として勤務していました。
Aさんは事件当日、千代田区内の護身用具などを販売している店を出て数十メートル歩いたところで、千代田区内を管轄する神田警察署の警察官から声掛けをされ職務質問を受けました。
Aさんは職務質問で公務員であることや、やましいことはないと説明しましたが、警察官は護身用具を販売している店から出てきていることを理由に、所持品を全て出すよう求めました。
その際に出てきた物のひとつに、以前に購入した物Xがありました。
Xについて、商品紹介ページを見たところ、護身用具にもなるしストラップとしても人気、と書かれていました。
実際、Aさんは誰かを傷つけたり、護身のために所持していたわけではなく、単にストラップとしてカッコ良いと思い、キーケースに外から見える状態で身に着けていました。
しかし、神田警察署の警察官は、Xが他人を傷つけることができる物であると判断し、Aさんに対し神田警察署に任意同行を求め、調書の作成などを指示しました。
Aさんは、そもそもXが凶器などではないこと、職務質問や所持品検査が強引であったこと、取調べについても意に反して作成及び署名捺印を求められたことに不安を抱き、当事務所の弁護士による無料相談を受け、その後弁護を依頼されました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や警察署名、一部事件内容を変更しています。≫
【武器の所持で問題となる罪】
≪前回のブログをご覧ください。≫
【職務質問について】
次に、今回Aさんの事件が発覚するきっかけとなった職務質問(及び所持品検査)について検討します。
警察官が通行人等に声掛けする「職務質問」という手続きを見たことがある、あるいはドラマなので見たという方も多いでしょう。
職務質問は、警察官職務執行法という法律で、以下のとおり規定されています。
警察官職務執行法2条
1項 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。
2項 その場で前項の質問をすることが本人に対して不利であり、又は交通の妨害になると認められる場合においては、質問するため、その者に附近の警察署、派出所又は駐在所に同行することを求めることができる。
3項 前二項に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。
4項 警察官は、刑事訴訟に関する法律により逮捕されている者については、その身体について凶器を所持しているかどうかを調べることができる。
その他、各法律や施行規則によりルールが定められています。
条文から分かるように、具体的にどのような嫌疑(疑い)があるというわけではないものの、何らかの犯罪をしたりしようとしていると疑われる場合には、対象者を停止させて職務質問をすることができます。(1項)
また、その場所が交通の妨げになるような場合などには、別の場所に移動させることもできます。(2項)
但し、何の理由もなく逮捕したり、無理やり警察署に連れて行かれたり、強引に供述をせまることはできません。(3項)
この職務質問は犯罪予防のための行政警察活動と呼ばれ、日本国憲法や刑事訴訟法等との兼ね合いから慎重に行われています。
【所持品検査について】
≪次回のブログに続きます。≫
【不起訴処分を求める弁護活動】
≪次回のブログに続きます。≫
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、凶器を所持するなどにより銃刀法違反や軽犯罪法違反に問われている場合の弁護活動の経験も数多くございます。
特に被害者がいないこれらの事件では、示談交渉がなく、事件ごとに主張の内容が変わってきます。
東京都千代田区にて、職務質問と所持品検査を受けた際に凶器などを所持していて銃刀法違反や軽犯罪法違反に問われている方は、刑事事件・少年事件のみを扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
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家族が逮捕・勾留されている場合はコチラ。
【解決事例】職務質問で軽犯罪法違反を疑われるも不起訴に①
【解決事例】職務質問で軽犯罪法違反を疑われるも不起訴に①
職務質問を受けた際、武器に当たる可能性があるものを所持していたとして軽犯罪法違反を疑われたものの不起訴処分となった、という事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
Aさんは東京都千代田区に住み、公務員として勤務していました。
Aさんは事件当日、千代田区内の護身用具などを販売している店を出て数十メートル歩いたところで、千代田区内を管轄する神田警察署の警察官から声掛けをされ職務質問を受けました。
Aさんは職務質問で公務員であることや、やましいことはないと説明しましたが、警察官は護身用具を販売している店から出てきていることを理由に、所持品を全て出すよう求めました。
その際に出てきた物のひとつに、以前に購入した物Xがありました。
Xについて、商品紹介ページを見たところ、護身用具にもなるしストラップとしても人気、と書かれていました。
実際、Aさんは誰かを傷つけたり、護身のために所持していたわけではなく、単にストラップとしてカッコ良いと思い、キーケースに外から見える状態で身に着けていました。
しかし、神田警察署の警察官は、Xが他人を傷つけることができる物であると判断し、Aさんに対し神田警察署に任意同行を求め、調書の作成などを指示しました。
Aさんは、そもそもXが凶器などではないこと、職務質問や所持品検査が強引であったこと、取調べについても意に反して作成及び署名捺印を求められたことに不安を抱き、当事務所の弁護士による無料相談を受け、その後弁護を依頼されました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や警察署名、一部事件内容を変更しています。≫
【武器の所持で問題となる罪】
まず前提として、いわば武器に当たる物を所持・携帯していた場合に、法律に違反する可能性があります。
代表的なものとして、拳銃や刃体の長さが6cmを超える刃物をみだりに所持していた場合などで適用される銃刀法が挙げられます。
包丁などを自宅から持ち出した場合などが多く見受けられますが、例えば仕事でカッターナイフを使う機会がありその後も車に乗せたままにしていた、等の理由で銃刀法違反に問われるようなケースもあります。
他方で、Aさんが所持していた物Xは、銃や刃物ではなく、銃刀法でみだりに所持することを禁止されている物ではありませんでした。
しかし、いわゆる護身用具としても用いられる物であることから、軽犯罪法のいう「他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具」に該当する恐れがありました。
問題となる条文は以下のとおりです。
軽犯罪法第1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
一号 (略)
二号 正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
(以下略)
【職務質問と所持品検査】
≪次回のブログに続きます。≫
【所持品検査について】
≪次回のブログに続きます。≫
【不起訴処分を求める弁護活動】
≪次回のブログに続きます。≫
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、凶器を所持するなどにより銃刀法違反や軽犯罪法違反に問われている場合の弁護活動の経験も数多くございます。
特に被害者がいないこれらの事件では、示談交渉がなく、事件ごとに主張の内容が変わってきます。
東京都千代田区にて、職務質問と所持品検査を受けた際に凶器などを所持していて銃刀法違反や軽犯罪法違反に問われている方は、刑事事件・少年事件のみを扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
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【解決事例】傷害事件で観護措置決定
【解決事例】傷害事件で観護措置決定
傷害事件で問題となる罪と、少年に対し調査の過程で行われる観護措置決定について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都品川区大崎在住のAさんは都内の高校に通う高校3年生です。
Aさんは素行の良くない集団の一員で、しばし深夜徘徊などで補導されていました。
事件当日、Aさんは品川区大崎の路上で他校生と口論になり、我慢が出来ずに被害者であるVさんに殴りかかり、骨折などの大怪我を負わせてしまいました。
目撃者の通報を受け臨場した品川区大崎を管轄する大崎警察署の警察官は、Aさんを傷害罪で逮捕しました。
その後、Aさんは勾留質問を受けて勾留が決まったため、約20日間勾留され、取調べ等を受けました。
勾留後は、家庭裁判所に送致されましたが、Aさんに対して観護措置決定を下し、Aさんは大崎警察署の留置施設から少年鑑別所に移りました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【傷害罪について】
他人に暴行を加えたことで被害者が怪我をした場合には「傷害罪」が、怪我をしなかった場合には「暴行罪」が、それぞれ成立します。
条文は以下のとおりです。
(傷害罪)
刑法204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(暴行罪)
刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
【観護措置決定について】
Aさんは事件当時20歳未満の未成年者でしたので、少年事件として手続きが進められました。
逮捕された時点では、(14歳以上だったため)Aさんは被疑者という立場で捜査を受けます。
今回は捜査に必要であると判断されたため成人の刑事事件と同様に逮捕され、その後勾留されることになりました。
勾留満期日になると、Aさんは大崎警察署の留置施設から東京家庭裁判所に送致され、裁判官により、観護措置決定を言い渡されました。
観護措置決定を受けた場合、一般的に少年鑑別所と呼ばれる場所に留まる必要があります。
少年鑑別所での行動は一挙手一投足が観察されていて、そこで作成された書類はその後の少年審判において裁判官が少年に対しどのような保護処分を課すべきか判断をするうえで極めて重要な要素となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
Aさんのように少年事件を起こしてしまい観護措置決定を言い渡された場合、少年鑑別所での生活態度が少年のその後の人生を大きく左右する4週間と言っても過言ではありません。
当事務所の弁護士は、頻繁に少年鑑別所を訪れ少年に対するヒアリングとアドバイス・説明を行い、来る少年審判で少年にとって最も良い結果が言い渡されるような付添人活動を行っています。
東京都品川区大崎にて、お子さんが傷害事件などで逮捕され、観護措置決定を受けて少年鑑別所に入所するおそれがある場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の初回接見サービス(有料)をご利用ください。
【解決事例】傷害事件で家庭裁判所不送致
【解決事例】傷害事件で家庭裁判所不送致
傷害事件を起こして捜査を受けたものの家庭裁判所に送致されなかったという事案について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都青梅市在住のAさんは、都内の大学に通う大学1年生(当時18歳)でした。
Aさんは同級生で仲の悪い知人Vさんがいましたが、事件当日、青梅市内で停車した車両に乗り込もうとしたところ車両の出入口を塞ぐ形でVさんらが立っていて乗れなかったため、AさんはVさんを押し退けて車両に乗り込もうとしました。
その際、Aさんから見るとVさんはオーバーリアクションで倒れ込み、打撲などの怪我を負ったとして青梅市内を管轄する青梅警察署に傷害事件での被害届を提出しました。
Aさんは少年事件として、捜査を受けることになりました。
弁護の依頼を受けた当事務所の弁護士は、Aさんから慎重に聞き取りを行い、Aさんの行為がそもそも暴行・傷害罪に当たる行為なのかという疑問が生じました。
そこで、Aさんの事件が在宅で検察官送致された(いわゆる書類送検の)後、検察官に対して弁護人としての意見書を提出しました。
Aさんは20歳未満の少年ですので、原則として検察官は家庭裁判所に送致する必要があります。
しかし、今回の事件について、検察官はAさんとVさんの取調べ内容や(恐らく防犯カメラや目撃者情報等の)客観証拠のほか、弁護人による意見書を踏まえ、Aさんは罪を犯していない(=犯罪少年ではない)と判断しました。
よって、Aさんは家庭裁判所に送致されることなく、手続きは終了しました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【傷害事件での弁護活動】
他人に暴行を加えた場合、
・暴行の結果被害者が怪我をした場合は傷害罪
・暴行したが被害者が怪我しなかった場合は暴行罪
が適用されます。
条文は以下のとおりです。
(傷害罪)
刑法204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(暴行罪)
刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
【家庭裁判所不送致について】
成人の刑事事件の場合、警察官等の捜査を受けた被疑者は、最終的に検察官の判断により起訴される/起訴されないこととなり、起訴された場合には裁判所で裁判を受けます。
他方で、事例でも少し触れましたが(14歳以上)20歳未満の少年が罪を犯した場合、犯罪少年として捜査が行われた後、原則として全件送致することを原則としています。
但し、そもそも犯罪に該当しない少年については、送致する事実がないため、今回のAさんのように家庭裁判所不送致となります。
※もっとも、犯罪事実はないが監護者の監護に服さないなど今後罪を犯す恐れがあると判断された場合には、虞犯少年(ぐはんしょうねん)として家庭裁判所に送致される可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、家庭裁判所不送致となった事例が複数ございます。
東京都青梅市にて、傷害などの罪を犯したとしてお子さんが捜査を受けているものの、罪を犯していないと考えている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご相談ください。
まずはお子さんと保護者の方からお話を伺い、家庭裁判所不送致の可能性などについてご説明致します。
【解決事例】脅迫事件で情状弁護
【解決事例】脅迫事件で情状弁護
脅迫事件の刑事裁判で情状弁護を行ったという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説いたします。
【事例】
東京都あきる野市在住のAさんは、あきる野市内に住むVさんに恋慕していましたが、Vさんからは相手にされませんでした。
そこで、AさんはVさんに対し「これ以上無視すると俺の部下がお前を襲いに行くぞ」などのメッセージを繰り返し送信しました。
Vさんは不安に思いあきる野市内を管轄する五日市警察署に被害届を提出し、Aさんは脅迫罪で警察官・検察官による捜査を受け、在宅で起訴されました。
Aさんとその家族は、起訴後に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の無料相談をお受けになり、その後弁護を依頼しました。
その直後、Aさんは別の被害者に対して同様の行為をしていたという余罪事件により警察官に通常逮捕されましたが、連絡を受けた弁護士はすぐに接見を行うとともに担当検察官・裁判官に対して勾留の必要がないことを主張した結果、Aさんは勾留されることなく釈放されました。
既に起訴された事件について弁護士が示談交渉を行いましたが、Vさんについては示談をお断りされました。
他方で、起訴後に余罪として浮上した事件については、弁護士による誠心誠意の対応により、示談をお受けいただくことができ、最終的に起訴されないことになりました。
裁判で、弁護士はAさんが反省していることや、示談交渉は受け入れて頂けなかったものの今後賠償請求などを受けた場合には真摯に対応すること、更生に向けた家族のサポートが期待できること、といった情状弁護を行いました。
結果的に、Aさんに対しては執行猶予付きの判決が言い渡されました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【脅迫事件について】
今回Aさんの事件では、Vさんほか1名に対し、「これ以上無視すると俺の部下がお前を襲いに行くぞ」などというメッセージを繰り返し送信していました。
このような言動は、脅迫罪や強要未遂罪に当たります。
Aさんについては、脅迫罪で起訴されているため、起訴された場合には「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」刑が言い渡されます。(刑法222条1項)
【情状弁護について】
今回のAさんの事例では、当事務所に依頼して頂いた時点で既に起訴をされていました。
そして、Aさんは罪について認めていて、反省をしている状況でした。
そのため、裁判で実刑判決を避けるための情状弁護を行う必要がありました。
弁護士は、Aさんが反省していることや謝罪と弁済を試みたことのほか、今後このような事件を起こさないために家族による監督が期待できることなどを証人尋問を通じて行いました。
結果的に、Aさんには執行猶予付きの判決が言い渡されました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、脅迫罪や強要未遂罪といった粗暴犯事件を数多く経験してきました。
情状弁護の場合、法廷でどのような証拠に同意するか、どのような証拠・証人を示すかという点とともに、被告人質問での受け答えが極めて重要です。
東京都あきる野市にて、脅迫罪や強要未遂罪で捜査を受け起訴された方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の無料相談を御利用ください。
家族が逮捕・勾留されている場合は≪コチラ≫。
【解決事例】酒に酔って暴行するも釈放
【解決事例】酒に酔って暴行するも釈放
酒に酔って飲食店で店員に暴力を振るった暴行事件で逮捕・勾留されたものの、弁護活動により準抗告認容で釈放されたという事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事案】
東京都江東区在住のAさんは、事件当日、仕事帰りに江東区青海にある飲食店で飲酒をしていて酔いつぶれてしまい、気が付いたら警察署の留置施設に入っているという状況でした。
Aさんは当時の状況を全く覚えていませんでしたが、江東区青海を管轄する東京湾岸警察署の警察官によると、Aさんは店で酔いつぶれて寝てしまい、起こそうとした店主に対して逆上して肩を掴んで押し飛ばす暴行事件を起こしてしまいました。
Aさんの家族は、会社に行ったきり帰って来ないAさんを心配して捜索願を提出したところ、警察官からAさんが逮捕されたと説明を受けました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、地名や事件内容などを一部変更しています。≫
※事件はコロナ禍前の出来事です。
【酒に酔って暴行事件】
酒に酔って暴行を加えるという事件は、残念なことですが少なくありません。
以前にも同様な事件を起こした前科前歴がある方も居られますが、これまで事件を起こしたことがないような方がある日突然事件を起こしてしまうということもあります。
暴力事件の場合、被害者が死傷しているかいないかにより、以下のように罪名が分かれます。
なお、喧嘩の場合に「どちらが先に手を出したか」という点を主張する方がおられますが、基本的に喧嘩の場合は両者が加害者・被害者となり得るものであり、正当防衛は認められにくいと言えます。
・暴行罪:他人に暴行を加えた結果、被害者が怪我したり死亡したりしていない場合に成立します。(刑法208条:2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料)
・傷害罪:暴行の結果被害者が怪我をした場合に成立します。(刑法204条:15年以下の懲役又は50万円以下の罰金)
・傷害致死罪:怪我をさせた被害者が死亡した場合に成立します。後述する殺人罪との違いは、被害者を殺害する意思があるかどうかという点で、殺意が認められない場合に傷害致死罪が成立します。(刑法205条:3年以上の有期懲役)
・殺人罪:殺意をもって被害者を死亡させた場合に成立します。(刑法199条:死刑又は無期若しくは5年以上の懲役)
【暴行事件での弁護活動】
暴行罪は罰条だけを見ると比較的軽微な罪と言えるため、逮捕・勾留されないのではないかと考える方もいるようです。
しかし、身元引受人がいない場合や取調べでの供述や被害者との関係性などを考慮した結果、逮捕・勾留されるという事案も少なくありません。
今回の事案については、被害者が飲食店の店員ということで、Aさんを釈放すると被害者の店に行って口裏合わせをするのではないか、等の疑いをかけられ、勾留をされたようです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は、事件の依頼を受け、すぐに裁判所に対して勾留に対する不服申し立て(準抗告申立)を行い、Aさんを釈放することに成功しました。
また、釈放された場合でも適切な弁護活動を行わなければ刑事手続きは進められて刑事罰が科されます。
Aさんが心からの謝罪の意を示していることを被害者に伝え、示談交渉を行ったところ、被害者は謝罪を受け入れAさんを赦す旨の示談書を締結して頂くことができました。
Aさんの担当検察官は、示談の内容を考慮し、Aさんを不起訴としました。
東京都江東区青海にて、家族がお酒に酔って暴行事件を起こして逮捕・勾留されたため釈放を求める弁護活動について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に御連絡ください。
【解決事例】傷害事件で調査官面談に同席
【解決事例】傷害事件で調査官面談に同席
傷害事件を起こしてしまい在宅で捜査を受けた少年事件で、調査官面談に同席したという付添人活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説いたします。
【事例】
東京都足立区在住のAさんは、当時都内の中学校に通う14歳でした。
Aさんはクラブ活動であまり仲の良くないVさんと更衣室で一緒になった際、些細な事象で口論に発展し、Aさんはカッとなってしまい傍に遭った傘でVさんを殴ってしまい、Vさんに数針を縫う怪我を負わせてしまいました。
Vさんの保護者は足立区内を管轄する綾瀬警察署に傷害事件での被害届を提出し、Aさんは取調べを受けることになりました。
在宅捜査を受けることとなったAさんとAさんの保護者は、当事務所の無料相談を利用されその後依頼されました。
依頼を受けた弁護士は、Aさんと2人だけでしっかりと時間を取って、事実関係やAさんの反省の有無や程度、今後の展望などについて丁寧に聴取しました。
そのうえで、警察官による取調べ前に想定される質問やその際のアドバイスを伝え、取調べ後は取調べでの受け答えについて確認しました。
取調べ終了後、Aさんは家庭裁判所に送致され、家庭裁判所裁判官は調査官に対し調査命令を下しました。
弁護士は配点直後から担当調査官と連絡を取り合い、調査官面談の際には付添人として同席しました。
最終的に、裁判官は調査官の作成した社会記録を踏まえ、Aさんに対しては保護処分を課す必要がないと判断し、審判を開始しないという決定を下しました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【傷害罪について】
今回、Aさんは傘でVさんを叩いたことで、Vさんは皮膚を切って縫う必要があるという怪我を負わせました。
この場合、傷害罪が適用されます。
条文は以下のとおりです。
刑法204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
【調査官面談で付添人弁護士が同席】
少年事件では、捜査が収容した時点で家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所の裁判官が調査官と呼ばれる公務員に対し調査命令を下し、調査官は少年の調査を行います。
調査官の調査とは、心理学や教育学、社会学などの見地に基づき
・少年自身との面談・心理テスト
・少年の保護者との面談
・学校での成績などを確認する学校調査
等で少年の生育環境や友人関係といった確認を行い、非行に至った経緯を分析します。
調査官面談は、基本的に少年と調査官が一対一で行います。
しかし、今回の事例では、Aさんが14歳と幼く、自分の考えや思いを口にすることがうまくできない少年だったことから、弁護士が付添人という立場で調査官面談に同席し、Aさんが発言に困った場合などにアドバイスすることで、円滑に面談を進めることができました。
最終的に、Aさんが傷害事件を起こしてしまったことは事実だが、家庭や学校での監督体制が整っていて、それに加えてAさんに保護処分を課す必要はないと判断され、Aさんは保護処分を課す手続きが行われる「審判」をも行わない「審判不開始」の決定が下されました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は、刑事事件及び少年事件を専門に取扱う弁護士事務所です。
少年事件の場合、刑事事件にはない学校対応や調査官対応といった必要な対応が多く、知識と経験が問われます。
東京都足立区にて、お子さんが傷害事件で捜査を受けていて、審判不開始を求める、あるいは調査官面談に同席を希望される場合、少年事件の弁護活動・付添人活動が豊富な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部による無料相談をご利用ください。