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SNSトラブル 匿名の書き込みが刑事事件に

2020-11-23

SNSへの匿名の書き込みが刑事事件に発展したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇SNSトラブル◇

大学生のAさんは、芸能人や有名スポーツ選手のSNSを閲覧することが趣味で、世間を騒がせている時事問題や、ニュースに関することには積極的に書き込みや投稿をしています。
ある日、某芸能人がテレビで発言したことに腹が立ったAさんは、この芸能人の、ツイッターやインスタグラムなどのSNSに、匿名で過激な内容の書き込みをしました。
Aさんは、これまで何度も同様の書き込みや投稿をしていたので、何も気にせずにしていませんでしたが、先日、警視庁麹町警察署の捜査員から「芸能人のSNSに匿名で書き込んだ投稿で被害届が出ている。警察署に出頭してくれ。」といった出頭要請の電話がかかってきました。
匿名で投稿していたから大丈夫だと思っていたAさんは不安になり、自分の投稿内容がどのような犯罪に該当するのか不安で、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
※フィクションです。

◇匿名の投稿が社会問題に◇

インターネットツールが発展し、子供からお年寄りまで誰もが手軽にSNSを利用できる便利な世の中になりました。
そんな便利な世の中だからこそ、インターネット上の事件も頻発しており、これが大きな社会問題となっています。
特に最近は、SNSに匿名で投稿した内容が問題視されるケースも多く見受けられています。
匿名であるが故に、投稿者が特定されないだろうという油断と安心から、投稿内容が過激になり、刑事事件に発展するケースも少なくなりません。
そこで本日は、匿名によるSNSへの投稿が刑事事件に発展したケースについて紹介します。

◇脅迫罪◇

あるアイドルのファンが、アイドルのSNSに「殺す」等の過激な投稿をしたことから、アイドルの所属事務所が警察に相談し、投稿者が逮捕された事件。

「脅迫罪」とは、人の生命、身体、自由、名誉又は財産に対して害を加える旨を告知して人を脅迫することです。(刑法第222条から抜粋)
脅迫罪で起訴されて裁判で有罪が確定すれば「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」が科せられます。
数年前には、実際にアイドルがファンに襲撃されて重傷を負う事件が発生しており、警察は、このような書き込みには厳重に対処しているようです。

◇業務妨害罪◇

特定のお店(飲食店)のホームページの掲示板に「お店に爆弾を仕掛けた。」等の書き込みをして、お店を休業させた事件。

投稿や書き込んだ内容によって、お店の業務に支障をきたせた場合は、業務妨害罪が成立することがあります。
業務妨罪には、偽計業務妨害罪と、威力業務妨害罪があり、共に起訴されて有罪が確定すれば「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられます。
ここ数年、インターネット上への、書き込みや投稿に「業務妨害罪」が適用される事件が増えており、お店や企業は積極的に被害届を提出して刑事事件化を望んでいるようです。

◇名誉棄損や侮辱罪◇

ある会社のホームページ上の掲示板に「●●(この会社の役員実名)は同僚の▲▲と不倫している。」と書き込んだ事件。

名誉棄損罪とは、公然と事実を摘示し、人の名誉を傷付ける事で、起訴されて有罪が確定すれば「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」が科せられます。
名誉棄損罪が適用されなかったとしても、いわゆる悪口に該当するような内容を投稿、書き込みをしたら侮辱罪となる可能性もあります。
侮辱罪の法定刑は「拘留又は科料」と非常に軽いものですが、刑事手続きが進めば取調べ等が大きな負担となることは間違いありません。

◇インターネット上の犯罪に強い◇

インターネット上の書き込みや、投稿は匿名であることがほとんどで、裏アカウントを作成すれば、自身にまで捜査の手が及ぶことがないと考えている方もいるかもしれませんが、プロパイダー等への捜査で、投稿者は容易に特定されてしまうようです。
東京都内で、SNSトラブルや、自身の匿名での投稿、書き込みが刑事事件化されてお困りの方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。

暴力行為等の処罰に関する法律違反事件で逮捕

2020-11-16

暴力行為等の処罰に関する法律違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇事件◇

東京都大田区に住むAさんは、大田区内の国道を車で走行中に割り込まれたことに腹を立て、割り込んできた車を停め、運転していた男性に対して、サバイバルナイフをちらつかせ、「お前殺すぞ。」などと脅しました。
その後、Aさんは、警視庁蒲田警察署に暴力行為等処罰法違反で逮捕されました。(フィクションです。)

◇暴力行為等処罰に関する法律について◇

暴力行為等の処罰に関する法律は、暴力団などの集団的暴力行為や、銃や刀剣による暴力的行為、常習的暴力行為について、刑法の暴行罪、脅迫罪よりも重くかつ広範囲に処罰するための法律です。「暴力行為処罰法」や「暴処法」と略称されることもあります。
この法律は、もともとは暴力団による集団的な暴力行為等を処罰するために定められた法律ですが、過去に学生運動の取り締まりに使われていました。

~暴力行為等の処罰に関する法律~

法1条は、団体や多衆の威力を示したり、団体や多衆を仮装して威力を示したり、兇器を示したり、数人共同して暴行や脅迫、器物損壊をした場合について、「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金」を定めています。

法1条の2は、銃や刀剣類を用いて人を傷害した場合について、「1年以上15年以下の懲役」を定めています。

法1条の3は、常習的に人を傷害したについて、「1年以上15年以下の懲役」を定め、常習的に人を暴行・脅迫したり、器物損壊をしたりした場合について、「3月以上5年以下の懲役」を定めています。

法2条は、財産上不正な利益を得る目的で、集団による威迫を手段として強談威迫等をした者について「1年以下の懲役ないし10万円以下の罰金」を定めています。

法3条は、集団的に殺人・傷害・暴行・脅迫・強要・威力業務妨害・建造物損壊・器物損壊を犯させる目的で財産上の利益や職務を供与、申込や約束、情を知って供与を受け、若しくは要求や約束をした者は「6月以下の懲役または10万円以下の罰金」を定めています。

1条にいう「仮装」とは、一般に相手方を誤信させるような行為をいい、実際に相手を誤信させる必要はありません。
また、「兇器」については、鉄砲や刀剣類のように本来の性質上人を殺傷するのに十分な物のほか、用法によっては、人の生命、身体又は財産に害を加えるに足りる器物で、社会通念上人をして危険感を抱かせるに足りる物も含まれます。
1条の3にいう常習性とは、同種の犯罪を反復する習癖のある者が、その習癖の発現として、さらに同種の犯罪を犯した場合をいいます。
単に前科前歴があることだけをもって常習性があるとはいえません。

今回の事件において、Aさんは被害者に対して、サバイバルナイフを示したうえで「お前殺すぞ。」と申し向けています。
このような行為は法1条に違反し、Aさんには「3年以下の懲役または30万円以下の罰金」が科される可能性があります。
刑法が定める脅迫罪の法定刑は、「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」であるため、凶器を用いた暴処法違反が適用された方がより重く処罰されるのです。

◇暴処法の弁護活動◇

暴処法で取調べを受けた場合や、逮捕された場合で、事実に争いがない場合、できる限り速やかに、弁護士を通じて、被害者への被害弁償または示談交渉を行う必要があります。
被害者との間で、被害弁償または示談を成立させることで、警察が介入する前に事件を終了させたり、不起訴処分を獲得したりすることによって前科をつけずに事件を解決し、逮捕・勾留による身柄拘束を回避して職場復帰や社会復帰する可能性を高めることができます。
暴処法で起訴された場合、被害者との間で被害弁償及び示談を成立させることで、減刑や執行猶予付き判決の可能性を高めていくことを目指します。
また、犯行態様・犯行経緯や動機に酌むべき事情があれば、それを裁判で主張・立証することで減刑又は執行猶予付きの判決を目指します。

◇東京都大田区の刑事事件に強い弁護士◇

東京都大田区で暴処法に関する相談を含め暴力事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。

職務質問から逃走(公務執行妨害)

2020-10-26

公務執行妨害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

~事件~

無職のAさんは、東京都中央区の路上で警視庁月島警察署の警察官から職務質問を受けました。
所持品検査を求められたAさんは、ズボンのポケットの中に数日前に友人から譲り受けた大麻を所持していたので、警察官の身体に体当たりをして逃走しました。
数百メートル走ったところで警察官に捕まったAさんは、公務執行妨害罪の容疑で現行犯逮捕され、その後に、大麻の所持違反でも逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

◇職務質問◇

警察官は、異常な挙動その他の周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて質問することができます。
これが、警察官職務質問執行法第2条1項に規定されている職務質問です。

◇職務質問って強制ですか?◇

職務質問に強制力はないので、拒否することができます。
しかし、警察官は拒否されたからといって「あっそうですか」などとあっさり拒否を認めてくれるわけではなく、逆に、拒否することによって、何か疑わしい事情・理由があるだろうと疑われ、追及は厳しくなります。
また、職務質問から逃れようとしても、警察官が行く手に立ち塞がってそれを許してくれません。
それって違法なのでは・・・?と思われる方がいるかもしれませんが、職務質問は、ある一定の有形力の行使が認められているので、即座に違法となるわけではありません。
職務質問から逃れようと逃走した人の腕を掴む行為や、飲酒運転の疑いのある車の中に警察官が手を入れてエンジンを停止させる行為等が、職務質問に付随する行為として認められていることを考えると
・職務質問を受けている者の前に立ち塞がってその場にとどめおく行為
・職務質問の現場から離れる者について行くなどの行為
などは、職務質問に付随する行為として認められる可能性が極めて高いでしょう。

◇職務質問の対処◇

警察官から職務質問を受けた際は、毅然とした態度で、意思を明確に告げることをお勧めします。
特に所持品検査については、ハッキリと「検査を拒否します。」と言わなければ、所持品検査を容認したと捉えられる可能性がありますので注意してください。
また違法な職務質問や、所持品検査が後の刑事裁判で争点となることがよくありますが、警察官の違法性を立証する証拠が乏しく、主張が認められないことがほとんどです。
そういった事態に陥らないためにも、警察官から違法な職務質問を受けた場合は、音声や、動画を残しておくことをお勧めします。

◇職務質問と公務執行妨害罪◇

職務質問の際、警察官に暴行などを加えて公務執行妨害罪で逮捕される事件がよくあります。
公務執行妨害罪は、公務員(警察官など)が職務の執行中、公務員に対して暴行又は脅迫を加えた場合に成立する犯罪で、その法定刑は「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」です。

公務執行妨害罪が成立するには、公務員の職務は適法であることが条件とされています。違法な公務については保護する必要がないからです。
職務質問をした警察官に対する公務執行妨害事件においても、その職務質問が正当に行われていることが前提となるので、警察官の職務質問が違法であった場合は、その警察官に対して暴行・脅迫を加えていたとしても公務執行妨害罪は成立しない可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、職務質問など警察官の違法捜査を発端とする刑事事件に対するご相談を、年中無休で受け付けております。
刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
初回法律相談:無料

強盗致傷罪で逮捕されたら

2020-08-03

強盗致傷罪で警察に逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

東京都大田区に住むAさんは、お金に困ったことから、近くのコンビニでおにぎり1つ(時価100円相当)を万引きしました。
しかし、Aさんがお店を出ようとしたところ、お店の従業員が万引きに気付き、Aさんのことを追いかけてきました。
捕まってしまうと大変なことになると思ったAさんは、追いかけてきた従業員の腕をつかみ、その場に押し倒しました。
押し倒された従業員は、膝をすりむき、全治1週間の傷害を負ってしましました。
その日は逃げることができたAさんですが、翌日自宅に警視庁大森警察署の警察官がやってきて、そのまま逮捕されてしまいました。

◇罪名◇

・Aさんに成立する犯罪
まず、Aさんに成立する犯罪を検討します。
Aさんは、おにぎりを万引きしているため、窃盗に当たる行為をしています。
しかし、その後Aさんは追いかけてきた従業員に暴行を加えました。このような場合、「窃盗が、(・・・)逮捕を免れ(・・・)るために、暴行または脅迫をしたときは、強盗として論ずる」として、刑法238条により、強盗の罪が成立します。この刑法238条の罪を、「事後強盗」と呼んでいます。
また、「強盗が、人を死傷させた時」は、強盗致傷罪が成立します(刑法240条)。
よって、今回のAさんには強盗致傷罪が成立します。
そして、強盗致傷罪の場合には、法定刑が無期又は6年以上の懲役と非常に重いものとなっています。

◇裁判員裁判◇

強盗致傷罪は無期懲役が定められているため、裁判員裁判対象事件です。
裁判員裁判とは、裁判官3名と、一般国民から選ばれた裁判員6名の合計9名が、刑事裁判の審理を行い、有罪か無罪か、有罪とすればどのような刑が適切であるか評議をし、判決をするという裁判です。
この裁判は、国民感情を裁判という司法の場に反映するために導入されました。そのため、有利な判決を得るためには、裁判官だけではなく、裁判員に対しても、分かりやすい説得的な議論が必要となります。

◇強盗致傷の捜査段階の弁護活動◇

強盗致傷罪は、裁判員裁判対象事件ですから、一度起訴されてしまうと、裁判員裁判という大掛かりな裁判になってしまいます。
そのため、できる限り起訴を防ぐ弁護活動が必要となります。
今回のAさんの事件のような場合には、おにぎりの所有者であるコンビニ店舗に被害弁償する、追いかけてきた従業員に対して治療費や慰謝料の支払いをするといったことを行い、穏便な解決を図るということが重要になります。
Aさんの罪は、強盗致傷罪という思い罪名ではありますが、実態としては100円の万引きと、全治1週間の傷害というものですから、両者ときちんと示談することができれば、最終的に不起訴処分となることも十分考えられます

◇強盗致傷の裁判段階の弁護活動◇

強盗致傷罪で起訴されてしまった場合には、裁判員裁判となってしまいます。
しかし、過去の裁判を見ると、強盗致傷罪で裁判となった場合にも、執行猶予付き判決がなされている事例が散見されます。
執行猶予付き判決をすることができるのは、主文で3年以下の懲役を言い渡すときに限られます。
強盗致傷罪の法定刑は、既に述べた通り、無期又は6年以上の懲役です。
そのため、法定刑の上では、最低でも6年以上の懲役となりますから、そのままでは執行猶予付き判決をすることはできません。
しかし、法律上酌量減軽(刑法66条)という制度があり、「犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、その刑を減軽することができる」と定められています。そして、有期刑を減軽する場合は、その刑を半分にすることになりますから、強盗致傷罪の場合は、3年以上の懲役となります。これにより、懲役3年とすることができますから、執行猶予を付けることができるようになります。
強盗致傷罪で起訴されてしまった場合には、裁判官や裁判員に対し、酌量減軽を求められる事情をしっかりと主張することが大切になります。

東京都大田区の刑事事件でお困りの方、ご家族、ご友人が、強盗致傷罪で警察に逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料

東京都東村山市の同意殺人事件

2020-07-20

東京都東村山市の同意殺人事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇同意殺人事件◇

東京都東村山市在住のAさんは,インターネットの掲示板でVさんによる「私を殺してほしい」という書き込みを見つけました。
Aさんは依頼に応えるようと思いVさんと連絡をとり,東京都東村山市内で落ち合いました。
そこでVさんは,自殺用の薬を自分で飲むのが怖くて出来ないのでAさんに飲ませてくれるように依頼したのです。
そしてAさんはそれに応え,Vさんに自殺用の薬を飲ませました。
しかし,怖くなったAさんは救急車を呼び,Vさんは一命を取り留めたのです。
Aさんは警視庁東村山警察署同意殺人未遂罪の疑いで話を聞かれることになってしまいました。
(実際にあった事件を基にしたフィクションです)

◇同意殺人罪◇

刑法では,他人の命を奪う犯罪として殺人罪(199条)が規定されています。
他人の命を奪うという重大な行為ですので,殺人罪の法定刑は死刑または無期もしくは5年以上の懲役という非常に重いものになっています。
また,刑法202条では自殺関与罪・同意殺人罪として以下のように規定されています。

刑法202条
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ,又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は,6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する。

殺人罪は被害者の同意なくして命を奪った場合に成立しますが,被害者の同意があってその人を殺害した場合には同意殺人罪が成立します。
被害者の同意に関しては,同意が社会的に相当な場合に限るとする見解が有力となっています。

◇自殺関与と同意殺人◇

自殺関与罪は自殺の教唆・幇助をした場合に成立します。
具体的な例では,自殺の方法を唆す,方法を教える,道具・場所などを提供する行為をいいます。
同意殺人罪は同意のある殺人ですので,「殺す行為」が必要です。
「殺す行為」とは,自然の死期に先立ち他人の生命を絶つことをいいます。
すなわち,行為者の何らかの行為によって直接,被害者の生命を絶つ必要があります。
そのため,自殺のために毒薬を提供することは直接,生命を絶つ行為ではないので自殺関与罪となりますが,自殺のために毒薬を飲ませる行為は直接生命を絶つ行為となるので同意殺人罪となります。

◇今回のケースでは◇

今回のケースでは,AさんがVさんに自殺用の薬を飲ませているので,Aさんの行為は同意殺人罪となると考えられます。
しかし,Aさんは救急車を呼び,Vさんは一命を取り留めていますから,Vさんを殺すという結果まで至っておらず,Aさんの行為は同意殺人未遂罪となるでしょう。
自殺関与罪・同意殺人罪の未遂は刑法203条で処罰規定が設けられていますので,未遂罪として処罰されることになります。

また,AさんとVさんはインターネットの掲示板の書き込みで知り合っただけであり,AさんとVさんの間には殺人を同意するような真摯な関係性がなかったとされる可能性もあります。
加えて,Vさんが実は本当は死ぬつもりはなく,誰かの注目を浴びるために書き込んだというような場合には,真の同意があったわけではないとして,Aさんの行為は殺人罪となってしまう可能性もあります。
同意殺人罪となるか殺人罪となるかは被害者の同意が存在したか,その同意が被害者の真意に基づく同意であったかが問題となります。
しかし,警察の取調べなどで被害者の真摯な同意があったという事を警察に認めてもらうように供述することは難しい場合もあります。
そのような場合には,事情を聞いた弁護士からどのように受け答えをすればよいか等のアドバイスを受けることが非常に重要です。

加えて,逮捕されてしまった場合には,弁護士は勾留請求がなされないように意見書やご家族の方の上申書などを検察官に提出するといった活動を通して釈放を求めていくことも考えられます。
今回のケースのような同意殺人未遂事件の場合,罪証隠滅のおそれが少なく,逃亡のおそれがないような場合には勾留されない可能性もあります。

そして,同意殺人罪は未遂であっても他人の命を奪おうとする重大な行為ですので,起訴されてしまう可能性も十分考えられます。
起訴されてしまった場合には,被害者への謝罪・弁償等の弁護活動により,執行猶予を求めていくことになるでしょう。

◇同意殺人事件に強い弁護士◇

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は刑事事件専門の法律事務所です。
刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士が多数所属しております。
自殺関与罪・同意殺人罪でお困りの方は0120-631-881までお電話ください。
初回接見サービス・無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。

勾留期間を短くしたい!勾留延長を阻止できる弁護士

2020-07-13

勾留期間を短くした方の勾留延長の阻止について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

勾留延長を阻止

東京都港区に在住するAさんは、同棲中の彼女から別れ話を切り出されたことで、カッとなり、彼女の顔面を複数回殴打してしまいました。
Aさんのことが怖くなった彼女が警察に通報したことで事件が発覚し、Aさんは傷害罪の容疑で警視庁赤坂警察署に逮捕されてしまったのです。
彼女は、Aのさん顔面殴打行為によって全治3週間の顔面打撲の傷害を負っています。
傷害罪で勾留されたAさんは、勾留期間が長くなることによって自営の飲食店を長期閉店に追い込まれてしまうことを気にして、勾留延長を阻止できる弁護士を探しています。
(フィクションです。)

傷害事件

今回の事件でAさんは彼女の顔面を殴打(暴行行為)しており、それによって彼女は全治3週間の傷害を負っています。
Aさんには傷害罪(刑法204条)が成立するといえます。

勾留期間

上記の様ないわゆるDV行為によって逮捕された場合、勾留されてしまうおそれがあります。
勾留とは、逮捕に引き続いて行われる身柄拘束のことをいい、勾留は、検察官の勾留請求に対して裁判官が勾留決定をすることによって開始されます。
勾留決定がなされると、10日間にわたり、拘置所や留置所において、身柄を拘束されることになり、勾留中は検察官から取調べを受けたり、現場検証がなされたりします。

勾留が10日目を迎えた場合、検察官には、大きく分けて、被疑者を釈放若しくは起訴するか、勾留を延長するかという選択肢があります。
まず、検察官が10日間の勾留期間中に必要な捜査が終了し起訴できると判断した場合は起訴されますし、これ以上勾留の必要性がないと判断し、不起訴を決定した場合には、被疑者は釈放されることになります。

他方で、検察官がさらに身柄拘束を行って捜査を継続する必要があると判断した場合には、刑事訴訟法上、1回に限り勾留の延長を請求することができると定められています。
上記の勾留延長の期間については最大でも10日間とされており、DVの程度や被疑者のこれまでの取り調べ状況及び被害者の感情等が総合的に判断されることになります。
このように勾留延長によって、逮捕から起算すると最大で23日間もの間、身柄拘束がなされてしまうことになります。

勾留延長を阻止

以上のような勾留及び勾留延長に対して、弁護士としては、被疑者が少しでも早期に釈放されるよう働きかける活動を行うことになります。
勾留がなされる前の段階において、弁護士として行うことができる活動としては、まず選任後すぐに被疑者と面会を行い、事件の詳細を聞いて今後の見通しを被疑者に伝えるという初回接見という活動が挙げられます。
この活動によって、逮捕されてしまった被疑者の心理的負担を軽減し、黙秘権や調書訂正申立権、署名拒否権といった権利があることを伝えることが可能となります。

また、弁護士の主な活動として、被害者との示談交渉が挙げられます。
上記の事例のように、被害者である彼女が、加害者であるAさんともう2度と会いたくないと主張している場合には、当事者間やその家族での円満な示談交渉は事実上不可能であるといえます。
一方、弁護士が介入する場合には、被害者としても心理的圧迫等を感じることなく、示談交渉を円滑に進められることも考えられます。
被害者との間で早い段階で示談が成立すれば、場合によっては勾留請求そのものが却下される可能性があり、身柄拘束の期間を非常に短縮することが可能になり得ます。

刑事事件に強い弁護士

このような弁護活動は迅速性と専門性が要求されることになるので、暴力事件に巻き込まれた方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部の弁護士までご相談ください。
刑事事件専門の弁護士が確かな知識と経験を元に弁護活動をさせていただきます。
無料相談と初回接見サービスをご用意してお待ちしております。
0120-631-881までお気軽にお電話ください。

東京メトロ丸ノ内線の電車内トラブルが暴行事件に発展

2020-06-22

東京メトロ丸ノ内線の電車内トラブルを起因とする暴行事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇東京メトロ丸ノ内線の電車内トラブルが暴行事件に発展するまで◇

アパレル関係の関係者で働いているAさんは、東京メトロ丸ノ内線を利用して銀座にある職場まで通勤しています。
毎朝の通勤時、電車は満員状態ですが、先日Aさんは、若いサラリーマンに足を踏まれて、銀座駅で電車を降りた時に、このサラリーマンを注意しました。
しかし若いサラリーマンは謝罪するどころか、Aさんに対して「言いがかりをつけるな。」と怒鳴ってくる始末でした。
そんな若いサラリーマンの態度に対して、頭にきたAさんは、若いサラリーマンの胸倉を掴んでしまいました。
その時は、駅員に制止されたので、その後Aさんは、そのまま職場に出勤したのですが、それから1週間ほどして、警視庁築地警察署から電話があり、サラリーマンが暴行罪で被害届を出していることを知りました。
納得できないAさんは、警察署に出頭する前に、東京都内の刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部に相談することにしました。
(フィクションです。)

◇暴行罪◇

人に暴行を加えると、暴行罪が成立し、その法定刑は「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」です。

~暴行~

暴行罪でいう「暴行」とは、一般的にいうところの、物理的な力の不法な行使を意味します。
刑法では、公務執行妨害罪や、強制わいせつ罪、強盗罪、内乱罪のように、暴行行為を構成要件とする法律がいくつかありますが、一言に「暴行」といってもその概念は様々で、暴行の対象や程度によってことなり、おおむね次の4つに区別されます。

最広義の暴行
(1)人に対すると物に対するとを問わず、不法な有形力の行使の一切をいう。
(2)内乱罪や、騒乱罪、多衆不解散罪における暴行がこれに当たります。

広義の暴行
(1)人を対象として不法な有形力が行使される場合であるが、必ずしも直接的に人の身体に加えられることは必要としない。
(2)物に対する有形力の行使の場合は、人の身体に対して物理的に感応することによって、間接的に人に対する有形力の行使として評価されることを要する。
(3)公務執行妨害罪における暴行がこれに当たります。

狭義の暴行
(1)もっとも典型的な暴行であり、人の身体に対する有形力の行使を意味し、物に対する有形力の行使は除外されます。
(2)暴行罪における暴行がこれに当たります。

最狭義の暴行
(1)人の反抗を抑圧し、又は困難にする程度の、強度の有形力の行使を意味します。
(2)強制わいせつ罪や、強制性交等罪、強盗罪などにおける暴行がこれに当たります。

~暴行の態様~

Aさんの「胸倉を掴む」行為は、暴行罪でいうところの「暴行」に当たることは間違いありません。
暴行罪でいうところの暴行には、胸倉を掴む他、殴る、蹴る、突く、押す、引くのように
人の身体に直接的に不法な攻撃を加える形態で行われるのが通常ですが、このような物理的な力の行使でなくとも暴行とされる場合があるので注意しなければいけません。

◇弁護活動◇

Aさんの事件を検討しますと、Aさんは、感情的になってしまい突発的に犯行に及んでいるでしょうから、偶発的な犯行であると認められますし、犯行動機についても、酌量の余地が認められるでしょう。
この点を考慮しますと、微罪処分として事件処理される可能性がありますが、被害者感情が強い場合は微罪処分が適用されずに正規の刑事手続きが取られます。
不起訴になる可能性も十分に考えられますが、不起訴を確実にするには、事前に、被害者と示談することをお勧めします。

 

東京都中央区の刑事事件お困りの方、東京メトロ丸ノ内線の電車内トラブルが暴行事件に発展してお困りの方は、東京都内の刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。
初回法律相談:無料

警視庁青梅警察署に逮捕された少年の付添人活動

2020-06-01

少年事件の付添人活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇事件◇

東京都青梅市に住んでいるA君(17歳)は、三年前に両親が離婚し、現在は父親と一緒に住んでいます。
中学校を卒業後、一度は高校に進学しましたが、学校になじめずにすぐに自主退学してしまいました。
それからA君は、友達と深夜まで遊びまわるようになり、これまで喫煙や、深夜俳諧等で、何度か補導されています。
そんな中、2週間目にA君は、友人と共に傷害事件を起こしてしまい、警視庁青梅警察署に逮捕されました。
A君の父親は、この事件をきっかけにA君に更生して欲しい強く思っています。
(フィクションです)

◇少年事件の流れ◇

A君の起こした傷害事件は、刑法第204条に定められた法律で、その法定刑は「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
成人であれば、起訴されて有罪が確定すれば、この法定刑内での刑事処分が言い渡されますが、少年の場合は、この法定刑は適用されません。
事件捜査を終えると、検察庁から家庭裁判所に送致されて、家庭裁判所での少年審判によって、処分が決定するのです。
A君の様な刑事事件を起こした少年の処分を少しでも軽いものにするには、家庭裁判所での調査期間中に、付添人(弁護士)が少年に寄り添い、適切な環境調整を行うことが大切です。

◇環境調整◇

環境調整とは、少年を取り巻く人的および物的条件、周辺環境を、少年の立ち直りと今後の成長に資するよう調整し、「要保護性」を解消することを目的とする活動をいいます。
ここでいう「要保護性」は、少年の処分が決定する少年審判の審理の対象となる非常に重要なものです。

少年の処分が決定する少年審判では、主に「非行事実」と「要保護性」の2つが審理されます。
犯罪行為の軽重がストレートに量刑に影響する成人の刑事事件とは異なり、少年事件では、非行事実自体が軽微なものであっても、要保護性が高いと判断された場合には、少年院送致等の身体拘束を伴う処遇が選択されることもあります。
他方、非行事実が重い犯罪に該当するものであっても、要保護性が解消され、社会内での更生を図ることが少年の健全育成のために望ましいと判断された場合には、社会内処遇が選択されることもあるのです。
ですので、少年事件においては、環境調整は非常に重要な活動であり、環境調整は少年事件の付添人に期待されるもっとも大きな役割の1つだとも言えます。

◇主な付添人活動(環境調整)◇

①少年本人への働きかけ
少年の心が、事件と向き合い、自身の更生に向けて前に進む準備が整っていなければ、家庭や学校、職場、交友関係等の外部環境の調整を行うことはできません。
まずは、少年自身が、事件についての内省を深め、被害者に対する謝罪の気持ちを持てるようにし、なぜ事件を起こしてしまったのか、再び事件を起こさないためにはどのように対処すればよいのか、自身が抱える問題点や解決策を自分なりに考えられるよう支援していきます。

②家庭環境の調整
少年にとって、家庭は一番身近な環境であり、少年に最も影響を与えるものです。
家庭の問題が非行の原因となっていることも少なくありません。
一件問題がなさそうなごく普通の家庭に見えても、非行の背景を探るにつれて、実は家庭の問題に行きつくことは多いのです。
付添人は、少年の保護者にもなぜ少年が非行を起こしてしまったのか、その原因を考えてもらい、今後の対応を一緒に話し合っていきます。
当事者である家族だからこそ、家庭内の問題に気づきにくいこともあり、付添人が間に入って、改めて家庭環境を見直す機会を持つことで、その問題に気づき、家族関係が修復されることもあります。
その中で、家庭にしっかりと少年の居場所を作り、家族間のコミュニケーションを活発にするよう少年や家族と一緒になって家庭の環境調整に取り組みます。

③学校環境の調整
少年が学校に通っている場合には、今後も少年が学校に通うことができるのか、学校が少年を受け入れて適切な指導をしてくれるかどうかは、少年の更生を考える上で重要です。
しかし、学校によっては、事件を起こして逮捕されたということにより退学とする場合もありますので、学校の状況や学校の先生との関係等を考慮し、適切なアプローチをすることになります。

④交友関係の調整
非行の背景に不良交友関係がある場合には、そうした関係をいかに解消するかが重要です。
大人からみれば不良交友関係であっても、少年からすれば、自身の居場所であると感じていることもあるので、単に交際関係を断つよう少年に求めることは逆効果になることもあります。
そのような場合には、付添人は、少年と一緒に非行の原因がなんであったのかを考え、少年が交際関係に問題があったことに気づくことで、問題解決に至るよう手助けをします。

東京都青梅市の少年事件でお困りの方、警視庁青梅警察署に逮捕された少年の付添人活動環境調整を希望される方は、東京で少年事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。
少年事件のご相談や、逮捕されている少年に弁護士を派遣したい親御様は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお問い合わせください。
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鉄パイプで頭部を殴打 殺人未遂事件で逮捕されたら

2020-01-24

殺人未遂事件で警察に逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇殺人未遂事件◇

建設会社に勤めているAさんは、板橋区のビル建設現場に派遣されて働いています。
この現場には他の建設会社の社員も派遣されているのですが、先日、作業工程を巡って他の会社の社員とトラブルになったAさんは、口論の末に、足場用の鉄パイプで口論相手の頭部を殴打してしまいました。
すぐに周囲にいた作業員に制止されましたが、Aさんは、通報で駆け付けた警視庁志村警察署の警察官によって、殺人未遂罪逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

◇殺人未遂罪【刑法第203条】◇

人を殺害しようと、殺害行為に着手したが相手が死ななかった場合、殺人未遂罪となります。
殺人未遂罪の法定刑は、殺人罪と同じ「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」です。
殺人罪は、人の死という結果の重大性から、刑事裁判では厳しい判決が言い渡されることがほとんどですが、殺人未遂罪の場合は、刑法第43条(未遂減免)の適用を受けたり、傷害罪に罪名が変わるなどして、執行猶予付の判決が言い渡されることが珍しくありません。

◇殺人未遂罪か傷害罪か◇

殺人未遂罪の刑事裁判で、よく争点となるのは「殺意」の有無です。
「殺意」は、殺人罪の「故意」のことで、加害者の、相手を殺そうとする意思です。
同じ暴行行為でも、殺意があって行為に及べば殺人罪や、相手が死亡していなければ殺人未遂罪が適用される可能性が高くなります。逆に殺意が認められなければ、相手が死亡しても傷害致死罪や、相手が死亡していない場合は、傷害罪が適用される可能性が高くなるでしょう。

~殺意の立証~

「殺意」は加害者の心の声ですので、殺意の有無は加害者の供述に頼るしかありません。しかし、それだけで殺意の有無が認定されるわけではなく、殺意の有無は、暴行の程度や、犯行の計画性、被害者の傷害の程度等を総合的に判断されます。

・暴行の程度
急所を狙っている暴行や執拗な暴行、凶器を用いた暴行等の場合は殺意が認定されやすい。

・犯行の計画性
事前に被害者の行動パターンを下見している場合や、凶器を準備している場合等は計画性が認められて、殺意が認定されやすい。

・被害者の傷害程度
被害者が急所に傷害を負っている場合や、重傷を負っている場合等は殺意が認定されやすい。

・加害者の意思
殺そうと思って犯行に及んでいる場合は当然のこと、死ぬかもしれない、死んでもかまわないといったように、結果を認識し、それを容認した場合も故意があるとして、殺意が認められやすい。

◇殺人未遂罪の弁護活動◇

殺人未遂罪で警察に逮捕されたとしても、その後の対応によっては、罪名が傷害罪と認定されたり、被害者との示談することによって不起訴になったりして、処分の軽減が望めます。
上記したように、殺意の有無というのは、加害者の供述に大きく左右されるので、逮捕後の取調べで、どのように供述するのかが今後に大きく影響するため、弁護士は、取調べの対応についてアドバイスを行います。
また、被害者との示談も今後の処分に大きく影響します。
起訴までに被害者との示談が成立し、その示談に宥恕条項が含まれていれば、不起訴の可能性もあるでしょう。

 

殺人未遂罪は、罰金刑の規定のない非常に厳しい法定刑が定められている法律です。起訴された場合は、初犯であっても実刑判決の可能性が高い事件ですので、ご家族、ご友人が殺人未遂罪で逮捕された方は、早めに刑事事件専門の弁護士に相談することをお勧めします。

板橋区の刑事事件でお困りの方、ご家族、ご友人が殺人未遂罪で警察に逮捕されてしまった方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。
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暴行の相手が死亡 同時傷害の特例

2020-01-14

暴行した相手が死亡してしまった同時傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇暴行の相手が死亡◇ 

土木作業員のAさんは、同じ工事現場で作業をしている同僚と仲が悪く、普段からトラブルを繰り返しています。
その同僚と、先日偶然、豊島区にある行きつけの居酒屋で出くわしてしまい、口論になった後に、Aさんは同僚の顔面を複数回殴りつけてしまいました。
そして同僚は、Aさんに殴られて転倒する際に、偶然、そばにいた酔っ払いの服を掴んでしまい、酔っ払いの服を血で汚してしまいました。
服に血が付いたことに怒った酔っ払いは、Aさんに殴られて転倒した同僚の顔面を足で踏みつける暴行を加えました。
Aさんと、酔っ払いの暴行によって傷害を負った同僚は、救急搬送されましたが、頭部に重傷を負っており、その後死亡が確認されました。
通報によって駆け付けた警視庁池袋警察署の警察官によって傷害罪で現行犯逮捕されていたAさんは、その後、傷害致死罪で取調べを受ける事になりましたが、Aさんは、同僚が死亡した原因は、酔っ払いによる暴行が原因だと思っており、この罪名に納得ができません。
(フィクションです。)

~傷害致死罪と同時傷害の特例(刑法207条)~

本件では、Aさんに同時傷害の特例が適用され、傷害致死罪が適用されています。
同時傷害の特例とは、耳慣れない方も多いかもしれませんが、刑法207条によって規定されています。
刑法207条は、
・「2人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において」
・「それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは」
・「共同して実行した者でなくても、共犯の例による」
という、非常に特殊な規定になります。

刑法60条は、「2人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする」と、共犯の中でも共同正犯について定めていますが、本来本条が適用されるには、2人以上の間に共謀が必要とされています。
刑法207条はこのような共謀がない場合にも、共同正犯が成立することを認める特殊な規定なのです。
さらに、本条は本来は検察官が負うはずの挙証責任を、被告人側に転換する(行為と結果の因果関係の不存在を被告人側に負わせる)点においても、特異な規定であり、学説上も批判が根強く主張されているところでもあります。

このような特例が置かれた趣旨については、傷害の結果が明らかであるにもかかわらず、当該傷害について誰も刑事責任を負う者がいなくなってしまう事態を回避するための特例との考え方が通説とされています。

この点、近年の判は、本条の適用に関し、まず「共犯関係にない2人以上」の「各暴行が当該傷害を生じさせ得る危険性を有するもの」であり、「同一の機会に行われたものである」場合には「各行為者において、自己の関与した暴行が傷害を生じさせていないことを立証しない限り、傷害についての責任を免れない」としました。
さらに上記判例は、「共犯関係にない2人以上の暴行による……刑法207条適用の前提となる事実関係が証明された場合には、いずれかの暴行と死亡との間の因果関係が肯定されるときであっても、各行為者について同条の適用は妨げられない」としています。

これは、207条は暴行と死亡結果の因果関係を問題とするものではなく、あくまで暴行と「傷害」結果の因果関係が不明な場合に適用される規定であることを示したものと考えられます(上述のとおり207条では、「その傷害を生じさせた者を知ることができないとき」という文言が使われています。)。
したがって、本件Aさんが「当該傷害を惹起する危険性」を有する暴行を、「同一の機会」に行ったと認められば、207条の適用を介して、傷害致死罪(刑法205条)の罪責を負う可能性が生じることになるのです。

~同時傷害の特例における弁護活動~

弁護士としては、本条の適用について、Aさんの暴行が本当に「同一の機会」によるものであるのかを検討する必要があるでしょう。
さらに、刑法第207条が因果関係の挙証責任を被告人側に転換している規定である以上、Aさんによる暴行と、同僚の傷害との結果の間に因果関係がないということを積極的に立証するという特殊な立証活動が求められることになります。
仮に、因果関係がないことが証明されれば、Aさんが負う刑事責任は傷害罪の程度にとどまることになり、その法定刑に大きな差が生じることになるため、弁護士の立証活動が重要になることは言うまでもありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、傷害致死(同時傷害の特例)事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
豊島区の刑事事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部の無料法律相談、初回接見サービスをご利用ください。

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