Archive for the ‘暴力事件’ Category

強盗致傷罪で逮捕されたら

2019-06-04

東京都大田区に住むAさんは、お金に困ったことから、近くのコンビニでおにぎり1つ(時価100円相当)を万引きしました。
しかし、Aさんがお店を出ようとしたところ、お店の従業員が万引きに気付き、Aさんのことを追いかけてきました。
捕まってしまうと大変なことになると思ったAさんは、追いかけてきた従業員の腕をつかみ、その場に押し倒しました。
押し倒された従業員は、膝をすりむき、全治1週間の傷害を負ってしましました。
その日は逃げることができたAさんですが、翌日自宅に警視庁大森警察署の警察官がやってきて、そのまま逮捕されてしまいました。

◇罪名◇

・Aさんに成立する犯罪
まず、Aさんに成立する犯罪を検討します。
Aさんは、おにぎりを万引きしているため、窃盗に当たる行為をしています。
しかし、その後Aさんは追いかけてきた従業員に暴行を加えました。このような場合、「窃盗が、(・・・)逮捕を免れ(・・・)るために、暴行または脅迫をしたときは、強盗として論ずる」として、刑法238条により、強盗の罪が成立します。この刑法238条の罪を、「事後強盗」と呼んでいます。
また、「強盗が、人を死傷させた時」は、強盗致傷罪が成立します(刑法240条)。
よって、今回のAさんには強盗致傷罪が成立します。
そして、強盗致傷罪の場合には、法定刑が無期又は6年以上の懲役と非常に重いものとなっています。

◇裁判員裁判◇

強盗致傷罪は無期懲役が定められているため、裁判員裁判対象事件です。
裁判員裁判とは、裁判官3名と、一般国民から選ばれた裁判員6名の合計9名が、刑事裁判の審理を行い、有罪か無罪か、有罪とすればどのような刑が適切であるか評議をし、判決をするという裁判です。
この裁判は、国民感情を裁判という司法の場に反映するために導入されました。そのため、有利な判決を得るためには、裁判官だけではなく、裁判員に対しても、分かりやすい説得的な議論が必要となります。

◇強盗致傷の捜査段階の弁護活動◇

強盗致傷罪は、裁判員裁判対象事件ですから、一度起訴されてしまうと、裁判員裁判という大掛かりな裁判になってしまいます。
そのため、できる限り起訴を防ぐ弁護活動が必要となります。
今回のAさんの事件のような場合には、おにぎりの所有者であるコンビニ店舗に被害弁償する、追いかけてきた従業員に対して治療費や慰謝料の支払いをするといったことを行い、穏便な解決を図るということが重要になります。
Aさんの罪は、強盗致傷罪という思い罪名ではありますが、実態としては100円の万引きと、全治1週間の傷害というものですから、両者ときちんと示談することができれば、最終的に不起訴処分となることも十分考えられます

◇強盗致傷の裁判段階の弁護活動◇

強盗致傷罪で起訴されてしまった場合には、裁判員裁判となってしまいます。
しかし、過去の裁判を見ると、強盗致傷罪で裁判となった場合にも、執行猶予付き判決がなされている事例が散見されます。
執行猶予付き判決をすることができるのは、主文で3年以下の懲役を言い渡すときに限られます。
強盗致傷罪の法定刑は、既に述べた通り、無期又は6年以上の懲役です。
そのため、法定刑の上では、最低でも6年以上の懲役となりますから、そのままでは執行猶予付き判決をすることはできません。
しかし、法律上酌量減軽(刑法66条)という制度があり、「犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、その刑を減軽することができる」と定められています。そして、有期刑を減軽する場合は、その刑を半分にすることになりますから、強盗致傷罪の場合は、3年以上の懲役となります。これにより、懲役3年とすることができますから、執行猶予を付けることができるようになります。
強盗致傷罪で起訴されてしまった場合には、裁判官や裁判員に対し、酌量減軽を求められる事情をしっかりと主張することが大切になります。

東京都大田区の刑事事件でお困りの方、ご家族、ご友人が、強盗致傷罪で警察に逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料

少年事件(逆送)

2019-05-29

◇事件◇

私立高校を途中で退学したAさん(16歳)は、毎晩のように友人と遊びまわる生活をしていました。
そん中、渋谷区の繁華街で通行トラブルになったサラリーマンと喧嘩になってしまい、Aさんは、このサラリーマンを殴って死亡させる、傷害致死事件を起こしてしまいました。
犯行後、現場から逃走したAさんでしたが、テレビのニュースで、被害者が死亡したことを知って、両親と共に、警視庁渋谷警察署に出頭し、傷害致死罪逮捕されました。
Aさんは、20日間の勾留を経て、東京少年鑑別所に収容されました。
その間、事件は検察庁から家庭裁判所に送致されましたが、家庭裁判所の少年審判で逆送が決定し、再び検察庁に送致され、その後起訴されました。
Aさんの裁判が、裁判員裁判によって大人と同様に裁かれることを知った両親は、少年事件に強い弁護士を探しています。
(フィクションです)

◇逆送とは◇

逆送とは、家庭裁判所の審判において、刑事処分が相当であると判断されて、事件が家庭裁判所から検察官に戻されて送致されることをいいます。
逆送されれば、成人と同様の刑事手続に移行します。
正式起訴されれば、成人同様、正式裁判を受けなければなりませんし、裁判で有罪となり判決が確定すれば刑に服さなければなりません。

平成30年度版犯罪白書によれば、2087人の少年が逆送され、うち2028人の少年が起訴されています。
この数字を見れば、逆送された少年のほとんどが起訴されていることが分かります。
しかし、逆送された少年2028人の内のほとんどは略式起訴による罰金刑が言い渡されており、正式に起訴されて刑事裁判になった少年は187人にとどまります。
ちなみに、交通事故(過失運転致死傷罪等)など要保護性の認められない過失事件の場合、逆送されるケースが多いようですが、そのほとんどが略式起訴による罰金刑が確定しています。

◇どの様な事件が逆送されるの◇

逆送される少年の多くは
①少年が審判までに成人を迎えてしまう「年齢超過」による場合
②人の生命を奪う等の重大な事件を起こした少年で「刑事処分相当」と判断された場合
の何れかです。

~年齢超過~
「年齢超過」による場合とは、事件が家庭裁判所に送られ、調査・審判が行われている段階で、少年の年齢が20歳以上と判明した場合のことをいいます。(少年法19条2項、23条3項)
20歳以上かどうかの判断は、事件時ではなく、調査・審判の時点で判断されます。

~刑事処分相当の判断~
 「刑事処分相当」による場合とは、その名の通り、少年に刑事処分を科すのが相当であると考えられる場合のことをいいます。
少年法は以下の事件ごとに、いかなる場合に逆送すべきか規定しています。

◇原則として逆送される事件◇

故意の犯罪行為により被害者を死亡させる事件を起こした少年は原則として逆送されてしまいます。(少年法20条2項) 
殺人罪が典型となりますが、この他にも傷害致死罪、強制性交等致死罪、強制わいせつ致死罪、強盗致死罪、強盗殺人罪、危険運転致死罪などがあります。
ちなみに、交通死亡事故を起こした場合に適用される「過失運転致死罪」は、過失犯ですので「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪」には該当しません。
この罪の事件については、まず、罪を犯した時点で、少年の年齢が16歳以上であることが必要です。
また「犯行の動機及び態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるとき」は逆送しないと規定されていますので、絶対的に逆送されるとは限りません。

東京都渋谷区における少年事件でお困りの方、お子様が逆送される可能性のある刑事事件を起こしてしまった方、逆送事件に強い弁護士をお探しの方は、東京で少年事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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警視庁渋谷警察署までの初回接見費用:35,000円
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警視庁青梅警察署に逮捕された少年の付添人活動

2019-05-09

◇事件◇

東京都青梅市に住んでいるA君(17歳)は、三年前に両親が離婚し、現在は父親と一緒に住んでいます。
中学校を卒業後、一度は高校に進学しましたが、学校になじめずにすぐに自主退学してしまいました。
それからA君は、友達と深夜まで遊びまわるようになり、これまで喫煙や、深夜俳諧等で、何度か補導されています。
そんな中、2週間目にA君は、友人と共に傷害事件を起こしてしまい、警視庁青梅警察署に逮捕されました。
A君の父親は、この事件をきっかけにA君に更生して欲しい強く思っています。
(フィクションです)

◇少年事件の流れ◇

A君の起こした傷害事件は、刑法第204条に定められた法律で、その法定刑は「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
成人であれば、起訴されて有罪が確定すれば、この法定刑内での刑事処分が言い渡されますが、少年の場合は、この法定刑は適用されません。
事件捜査を終えると、検察庁から家庭裁判所に送致されて、家庭裁判所での少年審判によって、処分が決定するのです。
A君の様な刑事事件を起こした少年の処分を少しでも軽いものにするには、家庭裁判所での調査期間中に、付添人(弁護士)が少年に寄り添い、適切な環境調整を行うことが大切です。

◇環境調整◇

環境調整とは、少年を取り巻く人的および物的条件、周辺環境を、少年の立ち直りと今後の成長に資するよう調整し、「要保護性」を解消することを目的とする活動をいいます。
ここでいう「要保護性」は、少年の処分が決定する少年審判の審理の対象となる非常に重要なものです。

少年の処分が決定する少年審判では、主に「非行事実」と「要保護性」の2つが審理されます。
犯罪行為の軽重がストレートに量刑に影響する成人の刑事事件とは異なり、少年事件では、非行事実自体が軽微なものであっても、要保護性が高いと判断された場合には、少年院送致等の身体拘束を伴う処遇が選択されることもあります。
他方、非行事実が重い犯罪に該当するものであっても、要保護性が解消され、社会内での更生を図ることが少年の健全育成のために望ましいと判断された場合には、社会内処遇が選択されることもあるのです。
ですので、少年事件においては、環境調整は非常に重要な活動であり、環境調整は少年事件の付添人に期待されるもっとも大きな役割の1つだとも言えます。

◇主な付添人活動(環境調整)◇

①少年本人への働きかけ
少年の心が、事件と向き合い、自身の更生に向けて前に進む準備が整っていなければ、家庭や学校、職場、交友関係等の外部環境の調整を行うことはできません。
まずは、少年自身が、事件についての内省を深め、被害者に対する謝罪の気持ちを持てるようにし、なぜ事件を起こしてしまったのか、再び事件を起こさないためにはどのように対処すればよいのか、自身が抱える問題点や解決策を自分なりに考えられるよう支援していきます。

②家庭環境の調整
少年にとって、家庭は一番身近な環境であり、少年に最も影響を与えるものです。
家庭の問題が非行の原因となっていることも少なくありません。
一件問題がなさそうなごく普通の家庭に見えても、非行の背景を探るにつれて、実は家庭の問題に行きつくことは多いのです。
付添人は、少年の保護者にもなぜ少年が非行を起こしてしまったのか、その原因を考えてもらい、今後の対応を一緒に話し合っていきます。
当事者である家族だからこそ、家庭内の問題に気づきにくいこともあり、付添人が間に入って、改めて家庭環境を見直す機会を持つことで、その問題に気づき、家族関係が修復されることもあります。
その中で、家庭にしっかりと少年の居場所を作り、家族間のコミュニケーションを活発にするよう少年や家族と一緒になって家庭の環境調整に取り組みます。

③学校環境の調整
少年が学校に通っている場合には、今後も少年が学校に通うことができるのか、学校が少年を受け入れて適切な指導をしてくれるかどうかは、少年の更生を考える上で重要です。
しかし、学校によっては、事件を起こして逮捕されたということにより退学とする場合もありますので、学校の状況や学校の先生との関係等を考慮し、適切なアプローチをすることになります。

④交友関係の調整
非行の背景に不良交友関係がある場合には、そうした関係をいかに解消するかが重要です。
大人からみれば不良交友関係であっても、少年からすれば、自身の居場所であると感じていることもあるので、単に交際関係を断つよう少年に求めることは逆効果になることもあります。
そのような場合には、付添人は、少年と一緒に非行の原因がなんであったのかを考え、少年が交際関係に問題があったことに気づくことで、問題解決に至るよう手助けをします。

東京都青梅市の少年事件でお困りの方、警視庁青梅警察署に逮捕された少年の付添人活動環境調整を希望される方は、東京で少年事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
少年事件のご相談や、逮捕されている少年に弁護士を派遣したい親御様は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお問い合わせください。
初回法律相談:無料
警視庁青梅警察署までの初回接見費用:39,300円

警視庁高輪警察署の裁判員裁判対象事件

2019-05-04

◇殺人未遂事件◇

港区の工事現場で働いていたAさんは、同じ現場で働いていた男性と仕事中にトラブルになりました。
最初は口論でしたが、相手の男性に胸倉を掴まれたことに腹が立ったAさんは、金属製の工具でこの男性の頭部を殴りつけてしまいました。
周りにいた作業員がAさんを制止している間に、殴られた男性はAさんから逃げようとしましたが、Aさんは、この男性の服を掴み、何度も男性の頭や、顔面、身体を殴打したのです。
制止していた作業員が、Aさんから工具を取り上げて暴行は収まりましたが、男性は頭蓋骨骨折等の重傷を負い、Aさんは、通報で駆け付けた警視庁高輪警察署の警察官に殺人未遂罪現行犯逮捕されてしまいました。
殺人未遂事件は、裁判員裁判対象事件で、Aさんは、警察署や検察庁で「殺意」を厳しく追及されています。
(フィクションです)

◇裁判員裁判対象事件◇

通常の刑事裁判は、裁判官が、起訴された被告人側の弁護士と、起訴した検察官の主張を聞いた上で、有罪か無罪かを判断し、有罪の場合はその処分を言い渡します。
しかし、一定の重い犯罪(裁判員裁判対象事件)については、一般市民から選ばれた裁判員6名が裁判に参加し、裁判官3人と共に審議して、判決が言い渡されるのです。
このような裁判のことを「裁判員裁判」と呼んでいます。

裁判員裁判対象事件
①死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる事件
②故意の犯罪により人を死亡させた事件(①に当たるものを除く)
です。
殺人罪や放火罪は①に当たり、傷害致死罪は②になります。
ちなみに、過失運転致死罪は、故意の犯罪ではありませんから、①②のいずれにも当てはまらず、裁判員裁判対象事件ではありません。
今回Aさんは殺人未遂罪で逮捕されています。
殺人未遂罪のまま起訴されてしまうと、被害者が死亡していませんが①に該当し、裁判員裁判となります。しかし、殺意が否定されて傷害罪で起訴された場合は、裁判員裁判を免れることができます。

◇裁判員裁判の流れ◇

裁判員裁判は、通常の刑事裁判とは流れが異なります。
通常の裁判では、法廷に裁判官・検察官・弁護人・被告人が出席したうえで、公開の法廷で議論が進められます。
これに対し、裁判員裁判では、実際の裁判が開かれる前に、公判前整理手続という手続きが行われます。
公判前整理手続とは、裁判員に実際に審理をしてもらう前に、裁判官・検察官・弁護人の三者により、本件事件の争点や、実際に裁判に提出する証拠を整理する手続きです。
このような手続きの中で、事件の争点や、重要な事実が整理され、裁判員には、最初から争点や判断の対象が提示されるようになっています。
公判前整理手続を経た事件の場合、この手続きが終結した後には、特別の事情がない限り新たな証拠の提出が許されなくなります。

◇殺人未遂罪で起訴されると~「殺意」を検証~◇

Aさんは、逮捕後に20日間の勾留を経て、殺人未遂罪で起訴されてしました。
そこでAさんに選任されている刑事事件に強い弁護士は争点を「殺意があったかどうか」に絞り争うことにしました。
殺人(未遂)事件の刑事裁判では、「殺意」が争点となることは珍しくありません。
それでは、そもそも「殺意」とはなんでしょうか?
殺意とは、加害者に被害者を殺害する意思があるかどうかです。
殺意は、加害者の意思なので、第三者が判断することは非常に困難でしょうが、刑事裁判において、主に殺意は
・加害者の供述
・犯行の状況(凶器の有無や、暴行の程度等)
・事件背景(犯行動機)
・犯行後の状況
によって認定されます。

今回の事件で、Aさんは
①金属製の工具を凶器としている。
②被害者の頭部に向けて暴行している。
③制止されても追撃している。
ので、客観的な状況から殺意が認定される可能性は高いでしょう。

裁判員裁判対象事件の刑事弁護は、刑事事件専門の弁護士に依頼することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に取り扱っており、裁判員裁判を経験した弁護士も多数所属しておりますので、是非一度、ご検討ください。
殺人未遂事件等の裁判員裁判対象事件に関するご相談、ご家族、ご友人が裁判員裁判対象事件で警察に逮捕されてしまった方は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。
なお、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、ゴールデンンウィーク中も営業しておりますので、お気軽にお電話ください。
初回法律相談:無料
警視庁高輪警察署までの初回接見費用:36,600円

警視庁富坂警察署に窃盗被害を虚偽申告

2019-04-30

◇事件内容◇

東京都文京区に住む会社役員Aさん(50歳)は、火災保険の「犯罪被害の保証特約」に加入しています。
この保険は、自宅敷地内で犯罪被害にあった場合、その被害品等を保証してもらえる内容になっています。
そしてAさんは、この特約を悪用することを企て、自宅の駐車場に駐車していたオートバイを盗まれたと、管轄の警視庁富坂警察署に窃盗被害を虚偽申告しました。
すると、警視庁富坂警察署の警察官が自宅にやってきて、鑑識活動を行い、Aさんから聴取を行って被害届を作成したのですが、Aさんの態度を不審に思った警察官から追及を受けたAさんは、虚偽の被害申告である旨を白状してしまったのです。
(フィクションです。)

◇業務妨害罪◇

刑法第233条~偽計業務妨害罪~
偽計を用いて人の業務を妨害すれば偽計業務妨害罪となり、偽計業務妨害罪で起訴されて有罪が確定すれば「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられます。

偽計とは、人を欺き、あるいは、人の錯誤、不知を利用したり、人を誘惑したりするほか、計略や策略を講じるなど、威力以外の不正な手段を用いる事とされています。
簡単な表現で「人を騙す」といった行為も偽計に当たります。
つまり今回の事件で、虚偽の窃盗被害を警察に届け出る行為は、警察官を騙しているので、偽計業務妨害罪の「偽計」に該当すると言えます。
続いて「業務」について考えてみます。
一般的に業務妨害罪の「業務」とは、職業その他社会生活上の地位に基づいて継続して行う事務又は事業を意味し、営利の目的や経済的なものである必要はなく、精神的、文化的なものでもよいとされています。
ただ今回の事件の様な警察官の職務が、業務妨害罪の「業務」に当たるか否かについては諸説あります。
これは、警察官の職務は「公務」と位置付けられ、公務は公務執行妨害罪によって保護されている事から、偽計業務妨害罪により保護される「業務」との関係が問題になるからです。
かつて「公務」は、一切業務妨害罪の対象にならないという説が有力でしたが、警察官の職務を業務妨害罪の対象にしている判例も存在するので、現段階では、警察官の職務、公務が業務妨害罪の「業務」に当たるか否かは、明確に定められていないと言えます。
ただ昨年、警察官の前に覚せい剤に似せた白い粉をわざと落とした男の行為に対して、偽計業務妨害罪が適用されました。この事件の裁判で、弁護人は「警察官の業務は強制力のある権力的公務であり、偽計業務妨害罪の対象外である」として無罪を主張していましたが、裁判官は「公務であっても偽計業務妨害罪の対象と解釈すべきだ」と指摘して有罪判決を言い渡しています。(平成30年10月31日付の福井新聞記事を参考)

◇軽犯罪法違反◇

軽犯罪法第一条第16項で、虚構の犯罪又は災害の事実を公務員に申し出ることを禁止しています。
実際に発生していない窃盗事件の被害を警察官に申告する行為は、まさにこれに当たります。
軽犯罪法違反の法定刑は「拘留又は科料」と非常に軽いもので、情状によっては刑が免除されることもありますが、逆に勾留と科料が併科される場合もあります。

業務妨害罪が適用されるか否かの判断については、法律知識が豊富な刑事事件専門の弁護士からアドバイスを受ける事をお勧めします。
刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談や、初回接見サービスのご予約をお電話で受け付けております。
東京都内の刑事事件でお困りの方は、お気軽にフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)にお電話ください。
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警視庁久松警察署の傷害事件で正当防衛を主張

2019-04-15

◇事件◇

東京都中央区の町工場で働いているAさんは、1週間ほど前に同じ職場の同僚と仕事の段取りを巡ってトラブルになりました。
以前から、この同僚とは諍いが絶えず、1週間前も最初は口論でしたが、Aさんが「殴れるものなら殴ってみろ。」と同僚を挑発したことから、取っ組み合いの喧嘩になったのです。
最初に同僚から殴りかかられたAさんは、同僚の攻撃をよけて、同僚の顔面を手拳で思いっきり殴りつけました。
同僚は、Aさんの暴行によって前歯を折る傷害を負い、未だに仕事を休んでいます。
そして先日、職場の上司から、同僚が警視庁久松警察署に傷害罪の被害届を出したことを聞かされました。
Aさんは、先に同僚から殴りかかってきたので、正当防衛を主張したいと考えています。
(事実を基にしたフィクションです)

◇正当防衛は認められるのか◇

正当防衛については、刑法第36条1項において、「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない」と規定されています。
今回の事件でAさんは、先に同僚から殴りかかられたのに反撃するかたちで、同僚に暴行を加えています。
この行為が正当防衛に当たるかどうかですが、正当防衛は
①急迫不正に侵害に対して
②やむを得ずした行為
でなければなりません。

同僚に殴りかかられることが、正当防衛にいうところの「急迫不正の侵害」といえるかどうかについてですが、この行為の直前にAさんは「なぐれるものなら殴ってみろ。」と同僚を挑発しており、これは同僚の攻撃を誘発する行為ともいえるでしょう。
この様なAさんの言動は、防衛者が自ら不正の侵害を招いて正当防衛の状況を作り出す場合は「自招侵害」と呼ばれます。
このような自招侵害に対する正当防衛は否定される可能性が高く、これまでの裁判においても「反撃行為に出るのが相当ではない」として正当防衛の成立を否定されがちです。
そのため、上記のようなケースで正当防衛を主張するためには、挑発がどの程度のものだったのかを検証し、相手の攻撃が「急迫不正の侵害」であったことを主張する必要があるでしょう。

◇正当防衛の成立に向けた弁護活動◇

傷害罪などの刑事事件で正当防衛の成立を主張するうえで、とても大切になるのが、捜査機関からの取調べにおける供述内容です。
正当防衛の成否が問題になる場合、有罪ありきで取調べが行われたり、自白を迫られるようなこともあり、時には取調べにおいて話す内容によっては被疑者に積極的加害意思があったという内容の調書にされてしまったりすることもあります。

捜査機関からの圧力に負けてしまい、嘘の自白をしてしまうと、それをもとに起訴されたり、公判で有罪認定の有力な証拠となることがあります。
また、一度虚偽の自白をしてしまうと、後から自白を覆すことは困難なことが多く、また自白を覆すことが出来たとしても何度も供述が変わっているとして、被疑者・被告人の供述の信憑性に疑いを持たれることになりかねません。

その為、傷害罪などの刑事事件で正当防衛を主張したいとお考えの場合は、出来るだけ早く刑事事件に強い弁護士に相談し、取り調べでの供述内容や、受け答えの仕方についてアドバイスを受けることをお勧めします。

弁護士がつくことにより、取調べ対応におけるアドバイスだけではなく、加害者や被害者の話を聞き、現場を調査し証拠を集めて被疑者にとって有利となる事情を捜査機関や裁判所に主張することが出来ます。
起訴前に検察官へ正当防衛の成立を訴えかけることが出来れば、不起訴処分獲得の可能性を高めることに繋がりますし、起訴され公判になった場合でも、正当防衛成立に向けて裁判上主張する証拠を早期から収集することで、無罪獲得の可能性を少しでも高めることに繋がります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、東京都内で発生した刑事事件に関するご相談をフリーダイヤル0120-631-881(年中無休・通話料無料)にて24時間受け付けております。
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警視庁月島警察署の職務質問から逃走

2019-04-13

~事件~

無職のAさんは、東京都中央区の路上で警視庁月島警察署の警察官から職務質問を受けました。
所持品検査を求められたAさんは、ズボンのポケットの中に数日前に友人から譲り受けた大麻を所持していたので、警察官の身体に体当たりをして逃走しました。
数百メートル走ったところで警察官に捕まったAさんは、公務執行妨害罪の容疑で現行犯逮捕され、その後に、大麻の所持違反でも逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

◇職務質問◇

警察官は、異常な挙動その他の周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて質問することができます。
これが、警察官職務質問執行法第2条1項に規定されている職務質問です。

◇職務質問って強制ですか?◇

職務質問に強制力はないので、拒否することができます。
しかし、警察官は拒否されたからといって「あっそうですか」などとあっさり拒否を認めてくれるわけではなく、逆に、拒否することによって、何か疑わしい事情・理由があるだろうと疑われ、追及は厳しくなります。
また、職務質問から逃れようとしても、警察官が行く手に立ち塞がってそれを許してくれません。
それって違法なのでは・・・?と思われる方がいるかもしれませんが、職務質問は、ある一定の有形力の行使が認められているので、即座に違法となるわけではありません。
職務質問から逃れようと逃走した人の腕を掴む行為や、飲酒運転の疑いのある車の中に警察官が手を入れてエンジンを停止させる行為等が、職務質問に付随する行為として認められていることを考えると
・職務質問を受けている者の前に立ち塞がってその場にとどめおく行為
・職務質問の現場から離れる者について行くなどの行為
などは、職務質問に付随する行為として認められる可能性が極めて高いでしょう。

◇職務質問の対処◇

警察官から職務質問を受けた際は、毅然とした態度で、意思を明確に告げることをお勧めします。
特に所持品検査については、ハッキリと「検査を拒否します。」と言わなければ、所持品検査を容認したと捉えられる可能性がありますので注意してください。
また違法な職務質問や、所持品検査が後の刑事裁判で争点となることがよくありますが、警察官の違法性を立証する証拠が乏しく、主張が認められないことがほとんどです。
そういった事態に陥らないためにも、警察官から違法な職務質問を受けた場合は、音声や、動画を残しておくことをお勧めします。

◇職務質問と公務執行妨害罪◇

職務質問の際、警察官に暴行などを加えて公務執行妨害罪で逮捕される事件がよくあります。
公務執行妨害罪は、公務員(警察官など)が職務の執行中、公務員に対して暴行又は脅迫を加えた場合に成立する犯罪で、その法定刑は「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」です。

公務執行妨害罪が成立するには、公務員の職務は適法であることが条件とされています。違法な公務については保護する必要がないからです。
職務質問をした警察官に対する公務執行妨害事件においても、その職務質問が正当に行われていることが前提となるので、警察官の職務質問が違法であった場合は、その警察官に対して暴行・脅迫を加えていたとしても公務執行妨害罪は成立しない可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、職務質問など警察官の違法捜査を発端とする刑事事件に対するご相談を、年中無休で受け付けております。
刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
初回法律相談:無料
警視庁月島警察署までの初回接見費用:37,100円

警視庁蔵前警察署に逮捕(裁判員裁判)

2019-04-10

◇事件◇

先日、Aさんは、友人とお酒を呑んで帰宅途中に、酔払いのサラリーマンとトラブルになった際、このサラリーマンの顔面を殴りつけました。
サラリーマンは転倒した際に、コンクリートの地面に頭を強打し、その翌日に死亡してしまいました。
当初Aさんは、通報で駆け付けた警視庁蔵前警察署の警察官に、傷害罪現行犯逮捕されていましたが、その後、傷害致死罪に変わって勾留されました。
Aさんの家族は、裁判員裁判の経験豊富な弁護士を探しています。
(フィクションです)

◇傷害致死罪◇

人を暴行して傷害させた結果、人を死亡させたら傷害致死罪となります。
人が死亡するという結果では、殺人罪と同じですが、殺人罪には「人を殺す故意」つまり殺意が必要とされているのに対して、傷害致死罪の成立には「暴行の故意」で足りるとされています。
ただ「死ぬかもしれない。」という認識があって暴行していれば、結果を容認したとして未必の故意が認められる場合もあるので注意しなければなりません。
Aさんのように傷害致死罪勾留された場合でも、殺人罪に切り替えられて起訴されることがあるので、ご家族、ご友人が傷害致死罪で勾留されている方は、一日でも早く刑事事件に強い弁護士に依頼し、その後の対応を検討することをお勧めします。

そして傷害致死罪で起訴されて有罪が確定すれば「3年以上の有期懲役」が科せられる事となります。
傷害致死罪は、人の死という結果の重大性から、初犯であっても刑務所に服役する可能性が極めて高い犯罪ですが、刑事事件に強い弁護士を選任して、刑事裁判に望めば執行猶予付判決になる可能性がないわけではありません。

◇裁判員裁判◇

傷害致死罪で起訴された場合の刑事裁判は、裁判員裁判によって行われます。
裁判員裁判とは、平成21年から始まった刑事裁判の制度で、ある一定の重い罪の刑事裁判においては、裁判所によって無作為に選出された国民が、裁判に参加し、裁判官と共に被告人の処分を決定する裁判のことです。
裁判員裁判は、裁判期間こそ短期間で行われますが、裁判が開始されるまでに、証拠や主張等を整理する特別な手続の期間が設けられるために、起訴されてから裁判で刑が言い渡されるまでは長期間に及びます。
そして長期に渡って裁判を戦っていくにあたっては、刑事事件を専門とする、裁判員裁判の経験豊富な弁護士に依頼することを、お勧めいたします。
膨大な証拠を精査し、必要な証拠を取捨選択する等、刑事事件の経験に裏付けられた知識が必要となるからです。
また、裁判員裁判においては、法的な知識を有しない裁判員に対して、主張をアピールするための法廷技術等が必要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、これまで裁判員裁判を経験した弁護士が複数在籍しており、裁判員裁判において必要な知識や技術を有しておりますので、事件を起こして起訴された方だけでなく、そのご家族の方にも安心していただくことをお約束します。

警視庁蔵前警察署が管轄する、東京都台東区内で刑事事件を起こしてしまった方、ご家族、ご友人が傷害致死罪で警察に逮捕されてしまった方、裁判員裁判の経験豊富な弁護士をお探しの方は、刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談、初回接見サービスのご予約は、0120-631-881にて24時間承っておりますでの、お気軽にお問い合わせください。
初回法律相談:無料
警視庁蔵前警察署までの初回接見費用:36,600円

 

警視庁本所警察署の共犯事件

2019-04-02

◇事件◇

無職のAさんは、半年以上前にリストラにあい、それ以降仕事をしていません。
そんな中、偶然パチンコう店で知り合った男から、他人の家に空き巣に入って金儲けしようという話を持ち掛けられました。
最初は断ったAさんでしたが、ますます生活が困窮してきたから、この男の誘いにのることにしました。
事前に相談して、東京都墨田区の豪邸に侵入することを決めた二人は、犯行前に近所のパチンコ店で合流することにして別れました。
しかしAさんは、怖くなって約束の場所には行きませんでした。
そして、その翌日のニュースで男が一人で犯行を実行したことを知ったのです。ニュースによると男は、犯行中に帰宅した家人に見つかったので、家人に持っていたナイフを突きつけて現金を奪おうとしたらしく、警視庁本所警察署強盗未遂罪で現行犯逮捕されていました。
(フィクションです)
実行行為に加わっていないAさんも、警察に逮捕された男と同じ刑責を負うのでしょうか?

◇Aさんも刑事責任を負う◇

今回の事件は男が単独で犯行を実行していますが、事前に犯行を相談、計画しているAさんにも刑事責任が及ぶと考えられます。
二人以上の者が一定の犯罪を共謀した以上、共謀者による実行行為の分担を必要とせず、そのうちの少なくとも一人がその実行をすれば、直接には実行行為に関与しなかった者をも含めて共謀者の全員が共同正犯としての刑責を負います。
つまりAさん自身は、犯行を思いとどまり実行に着手していませんが、事前共謀した男が犯行に及んでいる以上、Aさんも刑事責任を負うことになるのです。
今回の事件でAさんが刑事罰を免れるには、男に対して共謀から離脱する意思を伝えた上で、更に、男に犯行を中止するように働きかけなければなりません。
ちなみにAさんについては、自らの意思で犯行を止めているので、中止未遂で減軽の対象となりそうですが、共犯者によって犯行が継続されて犯罪が既遂に達しているので、中止未遂規定は適用されません。

◇Aさんに科せられる刑事責任◇

上記のように、Aさんが刑責を負う可能性は非常に強いと考えられますが、はたして逮捕された男と同じ強盗未遂罪の刑責を負うのでしょうか。

~共犯の錯誤の意義~
犯行を実行した者の犯罪行為と、共犯者の認識していた事実が一致しない場合を「共犯の錯誤」といい、原則として共犯者の故意は阻却されますが、構成要件の重なる範囲において、軽い罪の共同正犯となります。

=認識した事実より発生した事実の方が重い場合=
今回の事件のように、窃盗を共謀したにもかかわらず、共犯者が強盗を実行した場合、窃盗の共同正犯としての刑責を負います。

=認識した事実よりも発生した行為の方が軽い場合=
例えば、強盗を共謀したら窃盗を実行した場合、窃盗の共同正犯となります。

=結果的加重犯の場合=
暴行を共謀したら共犯者が傷害を実行した場合のように、基本となる行為を共謀した結果、重い結果が発生したら、重い罪の共同正犯となります。

刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまで数多くの刑事事件の刑事弁護活動を行ってきた実績がございます。
知人と共謀して刑事事件を起こしてしまった方や、刑事事件を起こして警察に逮捕された人と事前に共謀していた方など、共犯事件に関する法律相談を幅広く受け付けておりますので、刑事事件にお困りの方は、お気軽にご相談ください。
無料法律相談のご予約は、フリーダイヤル0120-631-881にて、24時間受付けております。
初回法律相談:無料
警視庁本所警察署までの初回接見費用:37,300円

警視庁原宿警察署で正当防衛を主張

2019-03-24

◇事件◇

会社員のAさんは、東京都渋谷区の居酒屋で同僚とお酒を呑んで帰宅途中に、渋谷駅構内を歩いている時に、酔払いと肩がぶつかり口論となりました。
口論の際に、酔払いに胸倉を掴まれたことに腹が立ったAさんは、酔払いの身体を突き飛ばし、その後殴り合いの喧嘩に発展しました。
通報で駆け付けた駅員によって制止されたAさんは、ケンカ相手の酔払いと共に、警視庁原宿警察署に連行されて、警察官の取調べを受けています。
Aさんは「先に胸倉を掴まれたので振りほどくために身体を押しただけで、その後に殴られそうになったので、それを制止するために相手を殴った。正当防衛だ。」と正当防衛を主張しました。
しかしその後、酔払いが傷害罪の被害届を提出したらしく、Aさんは傷害事件被疑者として扱われています。
(フィクションです)

◇正当防衛◇

まず正当防衛について解説します。
正当防衛は、刑法第36条に規定されている法律で、急迫不正な侵害に対し、自己又は他人の権利を守るために、やむを得ず行った防衛行為が正当防衛です。
正当防衛でいう「脅迫不正の侵害」とは、法益の侵害が現に存在しているか、又は直前に迫っていることをいいます。
したがって、過去の侵害や、未来の侵害に対しての反撃行為は、正当防衛とはいえません
ただし、威力のある防犯装置を設置する場合、同施設が、現に発生した不正な侵害に対して相当な効果を発揮するものであれば、未来の侵害に対して備えたものでも正当防衛が認められる場合があります。
ここでいう「不正」とは、違法であればよく、有責であることまで必要ありません。
したがって、刑事責任能力のない者による侵害行為に対しても、正当防衛が成立します。
また「侵害」とは、生命・身体に危険を生じさせる違法な行為を意味し、故意・過失や、作為・不作為を問いませんが、積極的な侵害行為でなければなりません。
続いて「やむを得ずにした行為」とは、急迫不正の侵害に対する防衛行為が、自己又は他人の権利を守るために必要最小限度でなければなりません。
ここでいう「必要最小限度」とは、防衛行為により生じた結果ではなく、その防衛行為が必要最小限度であることを意味するので、防衛行為によって相手が重傷を負った場合でも、その防衛行為が必要最小限度であると認められれば正当防衛が成立します。

今回のAさんの行為については、胸倉を捕まえれたことに対して、相手の身体を突き飛ばした行為に対しては正当防衛が認められる可能性はありますが、殴られそうになったので先に殴ってそれを阻止しようとしたという行為は、上記したように、未来の攻撃に対する反撃行為に対しては「急迫不正の侵害」には該当せず、正当防衛は認められないでしょう。

◇相被疑傷害事件◇

今回の事件でAさんが、相手の暴行によって傷害を負っていた場合、Aさんは傷害事件の被害者であり、傷害事件の被疑者でもあります。
この様な事件を相被疑事件といいます。
Aさんのように相被疑の傷害事件に巻き込まれた場合、まず大切なのは、事件後速やかに、病院で診察を受け医師の診断書を得ることです。
よく相被疑の傷害事件に巻き込まれた方で、相手が被害届を出したら、こちらも被害届を出すという方がおられますが、その様な場合でも、診断書を得ないまでも、少なくとも医師の診察を受けておくことをお勧めします。
もし事件からしばらく経過して相手が警察に被害届を提出した場合、それから医師の診察を受けても、相手からの暴行で傷害を負ったかどうかの因果関係の立証が難しくなるばかりか、怪我が完治して診断書を得れない場合があるからです。
その場合、自身の行為は傷害罪の適用を受けますが、相手は、傷害罪よりも軽い暴行罪までしか適用されない可能性があり、その後の刑事罰に差異が生じてしまいます。
傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」ですが、相被疑の傷害事件ですと、怪我の程度にもよりますが、ほとんどの事件が、不起訴処分か、略式罰金刑となります。

東京都渋谷区の刑事事件でお困りの方、相被疑傷害事件正当防衛を主張したい方は、刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
初回法律相談:無料
警視庁原宿警察署まで初回接見費用:34,700円

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