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~東京都迷惑行為防止条例の改正経緯①~

2022-06-08

本日から3回に亘り、東京都の公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例いわゆる迷惑行為防止条例の改正について、過去の改正経緯をあいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説します。

~迷惑行為防止条例の概要~

この条例は,
   公衆に迷惑をかける暴力的行為等を防止し,もって都民の生活の平穏
を保持することを目的とする(同条例第1条)
と明記されている通り,東京都内で生活する都民の平穏な日常が,不当な行為により脅かされることがないように定められた条例です。
この条例は,古くは昭和37年10月11日に東京都条例第103号として制定され,その時代に応じて改正を繰り返していきました。
ここでは,平成以降の改正を,主に粗暴行為にフォーカスをあててご紹介します。
まず,制定されてから平成初期までは
第1条 目的
第2条 乗車券等の不当な売買行為(ダフヤ行為の禁止)
第3条 座席等の不当な供与行為(ショバヤ行為)の禁止
第4条 景品売買行為の禁止
第5条 粗暴行為(ぐれん隊行為等)の禁止
第6条 押売行為の禁止
第7条 不当な客引行為等の禁止
第8条 罰則
が定められていました。
 罰則はすべて同じであり,
   5万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する(同条例第8条)
   常習として違反行為をした者は,六月以下の懲役又は20万円以下の罰金

に処する(同条例第8条2項)
と定められていました。

~平成13年の改正で厳罰化!?~

 ですが,平成13年6月15日の改正により,まず,罰則が全て改正されます。
「第2条(乗車券等の不当な売買行為(ダフヤ行為の禁止))」
「第5条1項(粗暴行為(ぐれん隊行為等)の禁止)」に違反した場合は
   六月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
とされ,罰金額が増加したことに加え,常習的な行為でなくとも懲役刑に科されることとなりました。
さらに,常習的に違反した場合は
   1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する
と,より重い刑罰が科せられることとなっています。
 ※「第5条1項」とは,公共の場所や公共の乗物において,人を辱めたり,
不安にさせるような言動をしてはならないことを定めています。
 また,第3条,第4条,第5条2項及び3項,第6条,第7条についても,
   50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する
と定められ,常習的に違反した場合は
   六月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する
と,懲役刑が科されるように条例改正されました。

~平成14年に被害者範囲の拡大と暴走族取締りの強化~

 翌年の平成14年には第5条1項の整備が行われます。
 それまでは
 何人も,婦女に対し,公共の場所または公共の乗物において,婦女を著しくしゆう恥(=羞恥)させ,または婦女に不安を覚えさせるような卑猥な言動をしてはならない
と,被害者は女性に限定されていました。
 しかし,改正により
何人も,人に対し,公共の場所または公共の乗物において,人を著しくしゆう恥(=羞恥)させ,または人に不安を覚えさせるような卑猥な言動をしてはならない
と,男性であっても被害者となりえることになったのです。
 さらに,暴走族等の取締りに関して,条例でも規定されることになりました。
 それが,新たに加わった第5条4項で,
何人も、公衆の目に触れるような工作物に対し、ペイント、墨、フェル
トペン等を用いて、次の各号のいずれかに該当する表示であつて、人に不
安を覚えさせるようなものをしてはならない。
一 暴走族(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第六十八条の規
定に違反する行為又は自動車若しくは原動機付自転車を運転して集
団を形成し、同法第七条、第十七条、第二十二条第一項、第五十五条、
第五十七条第一項、第六十二条、第七十一条第五号の三若しくは第七
十一条の二の規定に違反する行為を行うことを目的として結成され
た集団をいう。次号において同じ。)の組織名の表示
二 暴走族が自己を示すために用いる図形の表示
と示されています。
 公衆の目につくような場所(公衆トイレやガードレール,看板や壁など)にチームステッカーや看板,のぼり旗等を掲げたり,スプレーなどでチーム名等を書いたりしては,街の景観を損なうどころか,そこで暮らす住民が恐怖に晒されることになってしまいます。
 また,ステッカーなどは暴走族などの活動資金になることも多く,そういった行為を防ぎ,積極的に取締りを推進するため,改めて制定されることになりました。
 罰則についても制定され,第5条2項及び3項と同じく
    50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する
    常習的に違反した場合は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する
とされています。

≪次回ブログに続きます。≫

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部では,東京都迷惑行為防止条例に違反したという刑事事件・少年事件について,これまで多数のご相談・ご依頼を受けてきました。
東京都迷惑行為防止条例に違反して取調べを受けている方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
事務所にて無料で相談を受けて頂くことができます。
また,ご家族が東京都迷惑行為防止条例違反で逮捕・勾留されている場合は初回接見のサービスも行っています。(有料)

【解決事例】刃物を示し脅迫した事件で不起訴処分へ

2022-05-27

刃物を示して相手を脅迫した場合に問題となる罪と、不起訴処分に向けた弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。


【事例】

東京都東大和市在住のAさんは、自宅にて友人Vさんとの口論がヒートアップしてしまい、台所に行って包丁を持出し「殺してやろうか」と脅しました。
Vさんはすぐに警察に通報し、Aさんは臨場した東大和市を管轄する東大和警察署の警察官により逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAさんのご家族は、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に連絡しました。
初回接見(詳細はコチラ)の依頼を受けた弁護士は、Aさんとの接見で取調べに対するアドバイスをしっかりと行ったうえで、今後の見通しについて家族に御説明しました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【刃物を示して脅迫する行為】

Aさんの行為について考えると、被害者であるVさんに対して包丁を示して「殺してやろうか」などと脅迫する言葉を口にしています。
脅迫罪の条文は以下のとおりです。
(脅迫罪)
刑法222条1項 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

脅迫行為については脅迫罪が成立しますが、Aさんの場合、包丁という凶器を示して脅迫罪に当たる行為をしました。
この場合、暴力行為等処罰ニ関スル法律(通称、暴力行為処罰法)に違反します。
該当する条文は以下のとおりです。
暴力行為処罰法1条1項 団体若ハ多衆ノ威力ヲ示シ、団体若ハ多衆ヲ仮装シテ威力ヲ示シ又ハ兇器ヲ示シ若ハ数人共同シテ刑法第二百八条、第二百二十二条又ハ第二百六十一条ノ罪ヲ犯シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ三十万円以下ノ罰金ニ処ス

条文はカタカナ文語体で非常に読み辛いのですが、要するに
①団体/大人数で威圧的に
②団体/大人数であるかのように見せかけて威圧的に
③凶器を示す/複数人が一緒に
該当する状態で
⑴刑法208条:暴行罪(2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料)
⑵刑法222条:脅迫罪(2年以下の懲役又は30万円以下の罰金)
⑶刑法261条:器物損壊罪(3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料)
にあたる罪を犯した場合には、
3年以下の懲役又は30万円以下の罰金
に処せられることとなります。

Aさんの行為は③の凶器を示し⑵の脅迫罪に該当するため、暴力行為処罰法違反として逮捕されました。

【不起訴処分獲得に向けた弁護活動】

今回のAさんの事件では、脅迫を受けて通報したという被害者Vさんの存在があります。
連絡を受けた弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の弁護士は、すぐに初回接見を行ったところ、Aさんが事件について反省をしていて、Vさんに謝罪・弁済をしたいという気持ちであることが分かりました。
弁護士はAさんの家族に初回接見での状況を伝えたところ、弁護士に依頼をし、示談して欲しいとの御意向でした。
弁護士はすぐにVさんに連絡したところ、VさんとしてもAさんの逮捕や刑事罰などは望んでおらず、示談金などを受け取る気持ちもないということでした。
そこで弁護士は、VさんがAさんに対する刑事罰を望んでいないことを示す書類を作成し、その書類を検察官に提出するとともに、Aさんが反省をしていてご家族の方もAさんの監督ができる状況にあることを説明し、Aさんの不起訴を求めました。
結果的に、検察官はAさんに刑事罰を科す必要はないと判断し、不起訴(起訴猶予)の処分としました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
東京都東大和市にて、ご家族が友人や家族と喧嘩をしてしまい、その際に包丁などの凶器を示した脅迫行為をしたため暴力行為処罰法違反で逮捕されたという場合、24時間365日電話受付中の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
初回接見のご案内・お手続きを進めさせていただきます。

司法試験・予備試験受験生アルバイト求人募集

2022-05-21

司法試験・予備試験受験生アルバイト求人募集

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、2022年司法試験・予備試験受験生を対象に、以下のとおり全国12都市にある各弁護士事務所の事務アルバイトを求人募集しています。司法試験合格に向けて勉強やモチベーション維持をしたい方、弁護士、検察官、裁判官を目指していて刑事・少年・外国人事件に興味のある司法試験受験生にぴったりの法律事務所アルバイト業務です。

司法試験・予備試験受験生アルバイト求人募集情報

あいち刑事事件総合法律事務所の事務アルバイトに採用されると、専門弁護士による刑事・少年事件の弁護活動を間近に見ることができます。司法試験や予備試験で学んだ法律知識が実務の現場でどのように使われているのかを見ることで、知識の確認と深化定着につながります。深夜早朝アルバイトであれば、冷暖房完備の快適で静かな環境で、電話対応などの簡単な仕事以外の時間は自由に勉強等をしていただけます(深夜早朝手当も出ます)。司法試験合格者のアルバイトを多数受け入れ、当事務所アルバイト経験者の多くが司法試験に合格しているモチベーションの高い職場です。

【事務所概要】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、日本では稀有な刑事事件・少年事件を専門的に取り扱う全国的刑事総合法律事務所です。創立以来、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動に従事し、重大著名事件から市民生活に密接した事件まで、数多くの事件をほぼ全分野にわたって幅広く取り扱ってきました。現在は、札幌、仙台、さいたま、千葉、東京(新宿、八王子)、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡まで全国に事務所を構えており、経験豊富な弁護士に加え、元裁判官、元警察官、元官僚等の専門領域を持ったエキスパートが集まる専門性の高い職場環境となっています。刑事・少年事件のリーディングファームとして、プロフェッショナル養成のための所内研修及び業務支援制度を整え、全国に高レベルの弁護サービス普及を目指しています。また、2022年から犯罪被害者支援や入管事件にも力を入れて取り組んでいますので、犯罪被害者支援や外国人問題に興味のある司法試験受験生も歓迎しています。

【募集職種】

事務アルバイト、深夜早朝アルバイト

【給与(東京の場合)】

事務アルバイト:時給1200円+交通費
深夜早朝アルバイト:時給1200円+交通費+深夜早朝割増(25%UP)

※時給は勤務地によって異なり、1000〜1200円となります。

【勤務時間】

勤務時間:週1日~、1日3時間~

※業務内容や個人の事情に応じて勤務時間は柔軟に対応いたしますのでご相談下さい。

【仕事内容】

・事務アルバイト

一般事務(電話応対、来客対応、書面作成、書類提出、記録整理等)
法律書面準備(リサーチ、資料の収集)
テキスト作成

・深夜早朝アルバイト

電話対応
テキスト作成
※上記仕事以外の時間はご自身の勉強等にあてていただいて構いません

【執務環境】

交通費支給、各事務所とも主要駅近く利便性抜群。
PC環境、事務処理環境、インターネット等完備
刑事・少年・外国人事件の専門性が高い職場

【勤務地】

札幌支部   さっぽろ駅から徒歩5分
仙台支部   仙台駅から徒歩8分
さいたま支部 大宮駅から徒歩7分
千葉支部   千葉駅から徒歩2分
東京支部   新宿駅から徒歩5分
八王子支部  八王子駅から徒歩2分
横浜支部   横浜駅から徒歩9分
名古屋支部  名古屋駅から徒歩6分
京都支部   京都駅から徒歩5分
大阪支部   大阪駅、梅田駅から徒歩9分
神戸支部   三ノ宮、神戸三宮駅から徒歩7分
福岡支部   博多駅から徒歩4分

【東京支部・八王子支部紹介】

≪東京支部≫
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、JR山手線・中央線・総武線・埼京線・湘南新宿ラインや、京王線・京王新線、小田急線・東京メトロ丸ノ内線・都営大江戸線といった様々な路線が乗り入れする新宿駅から徒歩圏内に立地しています。
東京都内の方は勿論のこと、神奈川県・埼玉県・千葉県などの方も通勤しやすい場所です。
仕事で分からないことは勿論のこと、勉強や進路に悩んだ場合でも、所属する弁護士や先輩事務員がいつでも相談に乗ります。

≪八王子支部≫
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所八王子支部は、JR中央線・横浜線の八王子駅から徒歩2分、京王八王子駅からも徒歩5分ほどの場所にあります。
東京都の多摩地区にお住まいの方だけでなく、山梨県の方等も通いやすい場所です。

司法試験・予備試験受験生アルバイト求人応募方法

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のアルバイト求人募集にご興味のある方は、エントリー・説明会参加フォーム又は電子メールnoritakesaiyou@keiji-bengosi.com 宛で事務所までご応募ご質問下さい。5日間程度のうちに採用担当者からメール又は電話でご連絡させていただきます。

【解決事例】示談には種類がある?

2022-05-18

いわゆる痴漢事件での解決事例をもとに、示談の種類などについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】

東京都東村山市在住のAさんは、東村山市内を走行中の鉄道車両内で女子高校生Vさんの臀部(お尻)を触る痴漢行為をしました。
Aさんの隣に立っていた乗客から「痴漢しているだろう」と言われて次の駅で降りるよう促され、通報を受けて臨場した東村山市を管轄する東村山警察署の警察官によって逮捕されました。
Aさんは事件当初は無実を主張していましたが、その後事実であると認めたところ、検察官は勾留が必要であると判断して勾留請求を行ったものの裁判官は勾留を認めず、釈放しました。
釈放されたAさんは、示談交渉について知りたいと考え、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の無料相談を受け、御依頼頂きました。

依頼を受けた弁護士はすぐに捜査機関を通じて被害者の方の連絡先を伺いました。
Vさんは未成年者だったため示談交渉の相手方はVさんの保護者の方でした。
保護者の方ということもあり被害感情は極めて大きいものでしたが、弁護士が誠心誠意の対応・説明を行った結果、Vさんの保護者の方との間で(後述する)「宥恕」文言が入った示談書を締結することができました。
Aさんの担当検察官は、示談書の内容を踏まえ、Aさんを不起訴にしました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【痴漢事件について】

公共の施設や公共交通機関の中で他人の胸や知り、太ももなどを触るような行為は、痴漢と呼ばれ各都道府県の定める迷惑防止条例に違反します。
Aさんの事例は東京都東村山市での事件ですので、(東京都)公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例が問題となります。
条文は以下のとおりです。

(粗暴行為の禁止)
同条例5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
1号 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
(罰条)
同条例8条1項 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
2号 第5条第1項又は第2項の規定に違反した者(次項に該当する者を除く。)

【示談には種類がある?】

刑事事件のうち被害者がいる事件での弁護活動のひとつに、被害者に対する謝罪と弁済があります。
これは、いわゆる示談交渉と呼ばれるものです。

示談交渉は、加害者側の代理人である弁護士が被害者(事例の場合はVさんが未成年だったためVさんの保護者)に連絡して、加害者の反省状況や謝罪の弁を伝えたうえで、被害者の意向に従った示談締結を目指していきます。
締結する示談書には決まったフォーマットはなく、被害者や加害者の意向を調整して示談書を作成していきます。
その中で、例えば
・加害者の謝罪の意思を明文化するか
・加害者の行動制限を設けるか(加害者が被害者の方との接触を避けるため、特定の路線を利用しない、特定の時間駅を利用しない等)
・被害弁償をどうするか
・被害者が、示談をもって加害者を赦す「宥恕(ゆうじょ)」の文言を設けるか
などが検討されます。
また、示談書の中で、あるいは示談書とは別の書類で
・被害届の取下げ
・刑事告訴の取り消し
を示す書類を作成するほか、
・上申書
などのかたちで被害者の方の意向を示す書類を作成するという場合が考えられます。

繰り返しになりますが、示談には決まった形式があるわけではなく、被害者の方のお気持ちが重要となります。
被害者の方のお気持ちを汲んで、適切な説明を行っていくことは容易ではなく、弁護活動の経験値に拠る部分が少なくありません。
被害者がいる事件で示談交渉を進めたい場合には、刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士に依頼をすることをお勧めします。

東京都東村山市にて、御自身や御家族が痴漢事件を起こしてしまい、示談交渉について知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。

【解決事例】ナンパ事件で不起訴処分

2022-05-12

俗にいうナンパで問題となる罪と不起訴処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。


【事例】

東京都渋谷区在住のAさんは、渋谷区の路上にて通行人Vさんに対するいわゆるナンパ行為をしました。
具体的には、「一緒に飲みに行きましょう」などと声掛けしたり、Vさんが「やめてください」と言っていたにも拘わらずVさんに着いていくなどの行為が見られました。
Vさんの身体に触る等の行為はありませんでした。
Vさんは不安を抱いて通報をしたため、Aさんは怖くなって立ち去りましたが、現場近くで通報によって臨場した渋谷区を管轄する原宿警察署の警察官に声掛けされ、ナンパ行為をしたことを認めました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【ナンパ行為について】

いわゆるナンパ行為について、例えば路上で一度だけ「飲みに行きませんか」と発言する行為が、すぐに問題となるという訳ではありません。
しかし、ナンパ行為に際して例えば被害者のスマートフォンを勝手に取って返さなかったり、進路を妨害して進ませないようにしたり、数分に亘って執拗につきまとうような行為は、軽犯罪法や各都道府県の定める迷惑防止条例(東京都の場合は「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」)に違反します。

軽犯罪法違反については、その1条28号に「他人の進路に立ちふさがつて、若しくはその身辺に群がつて立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとつた者」は「拘留又は科料に処する。」と定められています。

東京都の条例違反については、「平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る」とされているため、軽犯罪法違反に比べて、被害者がより不安になるような行為があった場合に成立します。
条文は以下のとおりです。

条例5条の2 何人も、正当な理由なく、専ら、特定の者に対するねたみ、恨みその他の悪意の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、不安を覚えさせるような行為であつて、次の各号のいずれかに掲げるものを反復して行つてはならない。この場合において、第1号から第3号まで及び第4号に掲げる行為については、身体の安全、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限るものとする。
1号 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居等の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。

【不起訴処分を求めて弁護士へ】

罪を犯したと疑われる者は被疑者という立場になり、警察官・検察官といった捜査機関による捜査を受けます。
最終的に、担当検察官は被疑者を起訴するかどうか、判断する権限を持っています。
起訴された場合、被疑者は被告人という立場になり、刑事裁判が行われます。
検察官は、裁判で有罪になるだけの証拠が収集できていない場合や、有罪になるだけの証拠はあるものの諸事情を考慮して起訴するほどではないと判断した場合は、被疑者を起訴しない「不起訴」の判断を下します。

被疑者を担当する弁護士としては、不起訴の獲得に向けた弁護活動を行います。
その不起訴に向けた具体的な弁護活動は、事件によって異なります。
今回のAさんの事例については、Aさん自身が罪を認めていて反省していました。
そしてVさんに対して謝罪と賠償を行いたいというお気持ちでしたので、担当した弁護士はVさんに対し、Aさんの反省の弁や内省状況を伝え、示談交渉を行いました。
示談交渉の結果Vさんは示談に応じてくださいましたので、弁護士は担当する検察官に対し、その事情を考慮しAさんを起訴しないよう求める意見書を提出しました。
最終的に、検察官はAさんを起訴しない「不起訴」の判断を下しました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部に所属する弁護士は、これまで数多くの刑事事件を担当して参りました。
今回のAさんの事例のように不起訴処分を獲得した事例は数多く、それらの経験を踏まえた弁護活動を日々行っています。
東京都渋谷区にて、ナンパ行為により軽犯罪法違反や迷惑防止条例違反などの罪で捜査を受けていて、不起訴を目指した弁護活動について知りたいという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の無料相談をご活用ください。

【解決事例】傷害事件で略式手続

2022-05-09

【解決事例】傷害事件で略式手続

暴力行為の結果相手に怪我を負わせてしまったという傷害事件の事例をもとに、略式手続について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都練馬区在住のAさんは、酒に酔ったうえで馴染みの店で酒を飲んでいたところ、酔っぱらってしまい、店員Vさんに暴言を吐いたうえ暴力行為に及びました。
Vさんは全治1ヶ月ほどの怪我に加え、精神的にも深い傷を負いました。
通報を受けた練馬区内を管轄する練馬警察署の警察官はAさんを逮捕しましたが、Aさんが泥酔して覚えていなかったことや家族の監督がのぞめることを踏まえ、すぐに釈放しました。
Aさんから依頼を受けた当事務所の弁護士は、捜査機関を通じてVさんとの示談交渉を試みましたが、VさんはAさんの処罰感情は強く、厳しい刑事処分を受けた上で民事上の賠償を請求するという意思が強いことを確認しました。
弁護士は最後まで粘り強く示談交渉を行いましたが、Vさんのお気持ちは変わらなかったことから、示談の経緯を全て検察官に伝え、Aさんが反省していてVさんに対して弁済をしようとしていることを丁寧に説明した結果、正式裁判を受ける可能性があったAさんは略式手続により罰金刑を受けるに留まりました。

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【傷害事件について】

飲酒をすることで泥酔してしまったという経験がある方もいるでしょう。
泥酔することで眠ってしまう、絡んでしまうという方のほか、粗暴性が現れて普段は温和な人であっても暴力的になるという場合があります。

まず前提として、故意に被害者に対して暴力を振るった場合、被害者の怪我の有無により暴行罪や傷害罪に当たります。
条文は以下のとおりです。

(傷害罪)
刑法204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(暴行罪)
刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

【酒に酔って起こした刑事事件】

我が国では、「心神喪失者の行為は、罰しない。」「心神耗弱者の行為は、その刑を減刑する。」と定められています。(刑法39条各項)
心神喪失・心神耗弱というのは法律上の用語で、事理(物事)の是非や善悪を弁識(理解)して、且つ、それに基づいて行動を制限できる能力を指し、責任能力と言われます。
主として知的障碍をお持ちの方や精神病などを患っている方などが問題となりますが、Aさんのように「泥酔して起こした事件」でも、事理弁識能力がなかったとして罪に問われないのではないか、という考え方ができます。

結論から申し上げると、飲酒時の責任能力を検討するうえでは、飲酒状況(度数と量・時間など)や日頃の飲酒状況、病的・精神的な障害の有無を総合評価して検討されます。
例えば、振戦せん妄(アルコールのいわゆる禁断症状)により幻覚が生じた結果起こしたという事件では、アルコール精神病により心神喪失と評価されることが考えられます。
一方で、飲酒の時間・量に比例して酒に酔っていた結果起こした事件で、病的酩酊の可能性が認められないような事件では、責任能力は否定されません。

Aさんの事例については、飲酒の時間・量に比例した酩酊であり、病的酩酊やアルコール精神病などの可能性はなかったため、責任能力が否定されることはない事件でした。

【略式手続について】

警察等で捜査を受けた被疑者は、基本的に前件で検察官に送致されます。
送致を受けた検察官は、受け取った書類を確認し、必要に応じて追加捜査を命じたり自ら取調べを行ったうえで、被疑者を起訴するか不起訴にするかの判断を下します。
起訴された場合、被疑者は被告人という立場になり、裁判所にて公開の法廷で証拠に基づいて事実調べが行われ、裁判官によって判決が言い渡されます。

刑事裁判は起訴されて第一回目の裁判が行われるまでに2ヶ月ほどかかる場合が一般的(裁判員裁判対象事件や複雑な事件では、年単位の場合もある)ので、その期間、被告人は自らにどのような罪が科せられるのか、不安な気持ちで過ごすことになります。
また、公開の法廷で自らの生い立ちや事件の詳細を語ることは、精神的に大きな負担になることでしょう。
とりわけ刑事裁判では(主として主要都市では)傍聴する人がいて、公判廷で話された内容は事件の軽重に関わらずインターネット上のブログ等で実名で投稿され可能性があります。

略式手続は、
・罰金刑・科料の財産刑が用意されている罪に該当し
・事案が比較的軽微であり
・被疑者が事実関係について争わず
・正式裁判を受ける権利があることを知った上で略式手続が行われることに異議はない旨が書かれた書類に署名捺印した
場合に行われる手続きです。
刑事訴訟法461条では「100万円以下の罰金又は科料を科することができる」と定められています。
略式手続の場合も、罰金刑・科料いずれかの刑事罰が科せられるので、いわゆる前科は付きますが、刑事裁判の結果(判決)が出るまでの期間は短く、書類だけでの手続きなので公開の法廷での裁判は行われないため、被疑者(被告人)にとって大きなメリットがあると言えます。

東京都練馬区にて、家族が酒に酔って酩酊してしまい暴行罪・傷害罪などの刑事事件を起こして逮捕されてしまい、公開の法廷で裁判が行われない略式手続の可能性について知りたいという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。

【解決事例】偶発的な暴行で不起訴処分

2022-05-06

【解決事例】偶発的な暴行で不起訴処分

明確な暴行の意思はなかったものの偶発的に暴行に至ったが不起訴処分を獲得したという解決事例をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

~事案~

東京都八王子市在住のEさんは飲酒した後,タクシーに乗車して帰宅する際,実際に通行した経路を巡りタクシーの運転手と口論になりました。
すると,目的地に到着する前にタクシーの運転手さんから,そこまでの走行料金を支払い降車するよう促されたことにEさんは怒りを覚え,差し出された手を振り解き,顔面を殴打したのです。
すぐさま,タクシー運転手が110番通報したことにより臨場した八王子市内を管轄する八王子警察署の警察官によって,Eさんは暴行事件の被疑者として逮捕されてしまいました。

※守秘義務の関係で一部事実と異なる記載をしています。

~暴行罪~

・暴行罪
 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは,2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
 (刑法第208条)

~当事務所の活動~

Eさんが逮捕されたことを知ったEさんの同僚の方から連絡を受け,すぐさま,当所の弁護士がEさんの逮捕,留置されている警察署へ接見に向かいました。
そこで,Eさんから本件の事実確認を行い,すぐさま,相手方との示談交渉へと移りました。
暴行事件のように,被害者さんがいる事件では,すぐに相手方に対し,謝罪の意思を伝え,示談交渉を行うことが重要です。
また,示談交渉と並行しつつ,検察庁と裁判所に対し,Eさんが逃走するつもりも,証拠を隠滅するつもりもないこと,特定の住居を有していること,監督する同居人がいることなどから,これ以上逮捕して取調べを続ける必要がない事を主張しました。

更に,110番通報の後,警察の初動捜査が進んでいるし,Eさんが改めて,この被害者に対して接触するということもない,ということなど,様々な視点から「Eさんは釈放されるべきである」という意見書をまとめ,説得した結果,逮捕から72時間以内に,Eさんの釈放を勝ち取ることに成功しました。
そして,示談手続き時に,今後,事件を蒸し返されることのないよう示談書の内容を纏め,さらに,被害者さんの感情に寄り添い対応したことから,徐々に処罰感情を払拭することが出来,被害届を取り下げて頂くことが出来ました。
被害者から被害届を取り下げていただけたことは非常に大きく,処罰感情がなく,初犯であること,犯情も偶発的であり,極めて軽微であることから,Eさんは不起訴処分となり,Eさんは無事,早期に社会復帰することが出来ました。

酔っぱらった状態で行った行為とは言え,犯罪は犯罪です。
お酒を飲んでいたから,酔っていて事件を覚えていないから免除されるということはなく,むしろ,行為の悪質性を問われかねない事態にも発展するおそれがあります。
どのような場合であっても,たとえ,飲酒の影響などで事件を覚えていない状態であっても,何らかの罪に問われてしまった場合,出来るだけ早く弁護士との間で「警察や裁判所に対してどのように対応すべきか」を相談することをお勧めします。

いち早く弁護士に相談することにより,処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ,その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の弁護士は日頃より刑事事件を得意とし,数多く扱ってきた実績がございますので,どのような事件に関しても安心してご相談頂けます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部では初回無料法律相談も行っておりますので,東京都八王子市内で暴行事件などの刑事事件についてお困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。

賭博で刑罰を科せられる場合とは?

2022-05-03

賭博で刑罰を科せられる場合とは?

いわゆる賭博で問題となる罪やその刑事罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【ケース】
東京都小平市在住のAは、小平市内で個人事業主として働いていました。
そのAはプロ野球が好きで、小平市内の飲食店などで知り合った野球好きの人10名ほどとのチャットができるグループを作成し、野球観戦についてのやり取りを始めました。
チャットにて、最初は参加者の一人が冗談で「今日○○のチームが勝てば1000円払う」と発言したことをきっかけに、野球賭博を始めるようになりました。
ある日、メンバーの一人であるXが全く別の刑事事件を起こしてしまい、小平市内を管轄する小平警察署の警察官によりスマートフォンの解析が行われ、Aらの野球賭博が発覚しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【賭博と刑事事件】

2人以上の者が、偶然の事情に関して財物を賭け、勝敗を争うことを賭博と言います。

古くは江戸時代には庶民に広まっていた賭博行為は落語や時代劇などでも描かれていますが、同時に江戸幕府はその賭博行為を禁じていたようです。
我が国の刑法は1907年(明治40年)に公布されていますが、賭博に関する罪は成立当初から盛り込まれていました。
それでも、現役プロ野球選手や大相撲の力士が野球賭博に関与していた、あるいは高検検事長が賭けマージャンをしていた、等の報道は記憶に新しいでしょう。

なぜ賭博を禁止しているか、判例は「国民に怠惰浪費の弊風を生じさせ、勤労の美風を害するばかりでなく、甚だしきは暴行その他の副次的犯罪を誘発し又は国民経済の機能に重大な障害を与えるおそれすらあることが、それを処罰する理由である。」としています。(最大判昭25.11.22)
実際、賭博に興じたことによりギャンブル依存症に発展する場合があり、負け続けても次で必ず勝てるという錯覚に陥ったり、運をコントロールできると信じるようになるなどして、最終的に莫大な借金を抱えて生活が立ち行かなくなる場合もあるようです。

賭博をした場合、それ自体が(単純)賭博罪に当たります。
賭博行為を反復継続した場合には常習賭博罪というより重い罪に当たります。
また、賭博をする場所を開いたり主催者として利益を得たりした場合には、賭博場開帳等図利罪が成立します。

但し、「一時の娯楽に供する物」に当たる食事や茶菓子などを賭けた場合には罪に当たらないほか、ごく少額の現金を賭けた場合には処罰されない場合があります。

(賭博)
刑法185条 賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭かけたにとどまるときは、この限りでない。
(常習賭博及び賭博場開張等図利)
第186条
1項 常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。
2項 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
(富くじ発売等)
第187条 
1項 富くじを発売した者は、二年以下の懲役又は百五十万円以下の罰金に処する。
2項 富くじ発売の取次ぎをした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
3項 前二項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、二十万円以下の罰金又は科料に処する。

【堂々と行われている賭け事は?】

ここまで賭博について説明をしてきましたが、我が国では競馬や競艇、宝くじなど、様々な賭け事が行われています。
これについて疑問に思う方もおられるでしょう。
・公営競技(公営ギャンブル)
競馬・競輪・競艇・オートレースがこれに当たります。
戦後の公営競技については、第二次世界大戦後の経済復興の目的で行われたと言われています。
これらは、刑法では禁止されている賭博行為ではありますが、各法律(競馬法・自転車競技法・モーターボート競争法・小型自動車競走法や各種施行規則など)で「都道府県や一部の市町村」にのみ運営が認められています。

・宝くじ
一般的に宝くじと呼ばれている●●ジャンボや●●スクラッチなどは、当せん金付証票法という法律により認められています。
法律上、宝くじを販売することができるのは都道府県と政令指定都市のみで、それ以外の自治体や個人が同様の行為を真似した場合には「富くじ」と評価され、刑法187条に違反します。

・パチンコ等
市中で行われているパチンコも賭博のように見えます。
パチンコ店は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(通称、風俗営業法・風営法・風適法)の規定する「客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」をしています。
これについて、もし、客が出した玉の数に応じてパチンコ店が現金を渡していた場合には、賭博罪にあたります。
しかし、これを景品交換所・問屋を挟む「三点方式」というかたちで金品との交換をしているため、賭博罪には当たらないグレーゾーンとされています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
東京都小平市にて、賭博罪など賭博に関する罪で捜査を受けている方、あるいは御家族が賭博罪などで逮捕されてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御連絡ください。
必要な対応策について、御説明致します。

【解決事例】公務執行妨害で保釈申請

2022-04-30

【解決事例】公務執行妨害で保釈申請

~事案~
Dさんは,日雇いの仕事をしながら,全国を転々と回っていました。
東京都内での仕事後,新宿駅の近くで飲酒したあと,近くの交差点でタバコを吸っていたところ,警察官から呼び止められ,職務質問を受けることになりました。
路上でタバコを吸っていたことを注意され,飲酒して気が大きくなっていたこともあり,Dさんはカッとなり,警察官と口論になったのです。
段々と,興奮してきたDさんを警察官がなだめようとしましたが,Dさんの怒りは収まらず,ついには,警察官の顔面に唾を吐きかけてしまいました。
そして,ついに,Dさんは公務執行妨害罪として,現行犯逮捕されることとなってしまったのです。

※守秘義務及び個人情報保護の観点から一部,事実と異なる記載をしています。
また,本件は新型コロナウイルス蔓延以前の事案になります。

~公務執行妨害罪とは~

 公務員が職務を執行するに当たり,これに対して暴行又は脅迫を加えた者は,3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
(刑法第95条)

 公務執行妨害罪は,広く「公務員」であれば適用されるものの,この法律が保護しているのは,国家や公共団体の機能としての公務を公正かつ円滑な遂行であり,公務員一個人の身体の安全や意思決定を保護するものではないとされています。
 つまり,警察官等が正当な職務執行を行っている際,その職務を円滑に遂行することを妨害してはいけないとしたものである一方,その人いち個人の感情によるもので執行してはならないとされています。

~逮捕の要件とは~

 なにか,犯罪行為を行ってしまった際,直ぐに逮捕されてしまうのでしょうか。
 捜査機関の捜査は原則,任意捜査(在宅捜査)で行わなければなりません。
 任意捜査(在宅捜査)とは,身柄を拘束することなく,捜査を推進するです。任意捜査(在宅捜査)の被疑者として取調べを受けている間であって,学校に行ったり会社に行ったり,と,通常の社会生活を送ることができます。
任意捜査は,在宅捜査,在宅送致などとも言われることがあります。
 では,どのような場合に逮捕されてしまうのでしょうか。
 それは,「逮捕の理由」と「逮捕の必要性」が認められた場合です。
 まず,「逮捕の理由」とは,「ある者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」のことです。
たとえば,「盗んだ財布を持っていた」や,「被害者をバットで殴る様子が防犯カメラに写っていた」と言った時に,逮捕の理由が認められる場合があります。
「何か犯罪が起きた」ということと,「誰がその犯罪を起こしたのか(≒犯人が誰か目星がついている)」ということが分かった時に,「逮捕の理由がある」といえるでしょう。
 次に「逮捕の必要性」とは,身柄を拘束しなければ,捜査を続けることが出来なくなってしまう場合等を指します。
具体的には,「犯人に逃走するおそれ」がある場合,「犯人が証拠を隠滅するおそれ」がある場合などがあたります。
また,逮捕し,強制捜査を開始するためには,一部例外を除いて,裁判所が発付した逮捕状を示さなければ身柄を拘束することは出来ないとされています。

ですが,今回のように現行犯逮捕となると,少しだけ毛色が異なります。
現行犯逮捕は捜査機関以外の一般人でも行うことが出来るのが一つの特徴です。
また,逮捕する要件が定められており,
 1 犯罪と犯人の明白性
   誰が,なんの罪を犯したのか,逮捕する側にとって明らかであること
 2 犯罪の現行性,時間的接着性の明白性
   犯人が罪を行い終わって,間がないことが明らかであること
の両方が揃っている場合に限り,犯人を現行犯逮捕することができるのです。

~職務質問は断れないのか~

 警察官による職務質問を断ったからといって,すぐさま身柄を拘束されることはあり得ません。
 そもそも職務質問とは,「犯罪の予防」「犯人の検挙」「犯罪の捜査」のためのものであり,警察官職務執行法第2条に
   1項 質問権
   2項 同行要求件
   3項 強制の禁止
   4項 凶器の送検
と,それぞれの方法や限界についてが明確に定められています。
 また,あくまでも職務質問は警察官が市民の同意を得て行っている任意の警察活動であり,職務質問を受ける人が承諾しなければ実施することが出来ません。
職務質問を断るのに特に理由は必要なく「質問に答えたければ答えても良い」というものなのです。
 しかしながら,何らかの嫌疑により職務質問を受けた場合には,公共の安全と福祉のため,不審点を解明することが警察の責務である以上,嫌疑が晴れるまで,職務質問が継続されることもあります。
 疑われる要因が何もないのであれば断ることもできます。ただし,もし,何らかの嫌疑がかかっていた場合,職務質問を断ったことが,「逃走したり証拠を隠滅したりするかもしれない」という新たな疑いに変わってしまい,身柄が拘束される可能性もある,ということは覚えておいた方が良いかもしれません。

~当事務所の活動~

 Dさんが逮捕されたことを知ったDさんのお母様から,当事務所に依頼を頂き,Dさんの下へ弁護士が向かいました。
既に逮捕されてから時間がたっており,Dさんには国選弁護士もいたようですが,国選弁護士からご家族への報告や連絡等もなく,また,Dさん自身も国選弁護士さんに対してはやや不信感を抱いているようでした。
 Dさんは前科前歴もなく,初めて留置場にはいったことから酷く憔悴している様子でしたが,当所の弁護士が接見に行ったことで,安心した様子でした。
弁護士がさらに詳しく話を聞いてみたところ,Dさんは,警察官の職務質問を受けたこと,路上喫煙を注意されたことについては真摯に認め,自身の軽率な行いについて反省している様子でした。
ただし,今回,警察官に対し唾を吐きかけたり,警察官の職務を妨害したりした,という点については,「自分はそんなことをしたつもりはない」とのことでした。
 そこで,事実関係を明らかにすることはもちろん,先ずは,Dさんの心身の健康のために,身柄拘束を解くことを第一とし,活動を始めました。
裁判所に対して,今回の事件において証拠が隠滅されるおそれはなく,また,事件そのものの性質としても特別重い犯罪ではないことを根気よく説明し,交渉していきました。
当初は保釈申請を棄却されていましたが,そこで諦めることなく,当所弁護士が再度粘り強く説得を行い,ついに,逮捕時には住所不定の状態とみなされていたにも関わらず,Dさんは保釈されることとなったのです。
また,特に警察官に対する公務執行妨害罪は,捜査においてその他の犯罪と異なる点があります。
一般の方よりも法律に精通している警察官が被害にあったその時から,事件の立件をするために初動捜査を尽くすことから,加害者に不利な証拠が早い段階から揃いやすい点です。
被害に遭った警察官本人が,「どうやったら加害者(被疑者)に犯罪が成立しやすいか」を分かっているからこそ,より不利な証拠が見つけられやすいということです。
 そして,証拠が早い段階から揃うということは,取調べを受ける時も加害者の供述の一つ一つが重要になってきます。
どちらとも捉えることができる供述では,どんどんと追及を受けることにもなり,心理的な負担がかなり大きくなることが想定されます。
 そのため,もし,逮捕されてしまった場合,いち早く当あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部へご相談いただくことをお勧めいたします。
 当所では,刑事事件を専門に数多く扱ってきた経験豊富な弁護士から,処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ,その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
また,取調べの対応方法や供述内容に対するアドバイスを受けることで,誤解を招くような供述を避けることが出来ます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の弁護士は日頃より刑事事件のみを受任し,数多く扱ってきた実績がございますので,どのような事件でも安心してご相談頂けます。

東京都内で職務質問中の公務執行妨害罪などで逮捕されてしまい,保釈について知りたいという方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部では初回無料法律相談も行っておりますので,お困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。

【解決事例】万引きのはずが強盗に?

2022-04-27

【解決事例】万引きのはずが強盗に?

コンビニやスーパーマーケットなどの小売店に陳列されている商品を会計せずに持ち去るいわゆる万引きで問題となる罪と、それが強盗になったという解決事例をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。

【事例】
東京都中野区在住のAさんは、中野区内のスーパーマーケットにて陳列棚の商品を鞄に入れてレジを通さず店外に持ち出す万引き行為をしたところ、万引きを警戒していた店舗の関係者Vさんに呼び止められました。
怖くなったAさんは、とっさの行動でVさんを突き飛ばして怪我をさせてしまいました。
Aさんは別の店員によって取り押さえられ、通報を受けて臨場した中野区を管轄する野方警察署の警察官により逮捕されました。
Aさんの家族は、Aさんが自宅に帰らないことを心配して警察に捜索願を出したところ、Aさんが「強盗致傷」という罪で逮捕されているということを知り、当事務所に依頼をされました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【万引きと事後強盗】

先ず、ご案内のとおり、万引きと呼ばれる行為は窃盗罪に当たります。
窃盗罪の条文は以下のとおりです。
刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

次に、AさんはVさんに対して、とっさの行動とはいえ、Vさんに対して暴行を加えています。
この行為は、窃盗罪と暴行事件(暴行罪・傷害罪)ではなく、事後強盗という罪に当たります。
条文は以下のとおりです。
刑法238条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

強盗は刑法236条1項に規定されていて、「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した」場合に成立する罪です。
つまり、強盗罪は先に暴行や脅迫をして物を奪い取る行為ですが、万引き等で物を盗んだ際にその行為が発覚し、それを止めようとした人に暴行や脅迫を加えて逃走しようとしたような場合も強盗として扱われるのです。
Aさんはこの事後強盗をしてしまい、その結果Vさんは怪我をしていましたので、強盗致傷罪で逮捕されていました。
強盗致傷罪の条文は以下のとおりです。
刑法240条 強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

【事後強盗事件で不起訴を獲得】

Aさんの場合、事後強盗事件で「強盗致傷罪」という重い罪に問われていましたので、略式手続で罰金を納付して終了というわけにはいかず、起訴された場合には裁判員裁判対象事件となり厳しい刑事処罰が科せられる可能性がありました。

依頼を受けた当事務所の弁護士は、Aさんの接見を行いAさんが反省をしていることを確認しました。
その後、すぐにスーパーマーケットの責任者に連絡し、Aさんが自身の行為について謝罪し、家族によって弁済させて頂きたいという意向を伝えました。
示談交渉では、Vさんが万引きしてしまった商品の買い取りのほか、怪我をさせてしまったVさんの治療費などを補償することをお約束することで、お店やVさんがAさんに対する刑事処罰を望まないという文言を加えて頂くことができました。
示談の内容を踏まえ、弁護士が検察官に掛け合った結果、Aさんは裁判員裁判で起訴されることなく、「不起訴」という結果を獲得することに成功しました。

事後強盗事件・強盗致傷事件は、万引き事件に比べて極めて重い罪に問われます。
東京都中野区にて、ご家族が万引き・事後強盗事件・強盗致傷事件で逮捕された場合、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。

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