Archive for the ‘暴力事件’ Category

強盗容疑で逮捕 示談交渉に強い弁護士

2021-02-25

強盗容疑で逮捕された事件の示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

強盗容疑で逮捕

Aさんは、東京都大田区池上の夜間人通りの少ない路上で、女性をナイフで脅して、女性に着用していた下着を脱がせ、その下着を奪い取りました。
女性からの通報を受けた警視庁池上警察署の捜査によって、Aさんは事件から3週間後に強盗容疑で逮捕されたようです。
逮捕の知らせを聞いたAさんの家族は、強盗罪に強いと評判の弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

下着泥棒と強盗罪

本件では、Aは強盗罪により逮捕されてしまっています。
この点、刑法は236条1項において「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する」と、「財物」に対する強盗罪(いわゆる1項強盗)を定めています。

まず、強盗罪の手段である「暴行又は脅迫」とは、被害者の反抗を抑圧するに足りる暴行・脅迫である必要がありますが、本件ではナイフという危険性の高い凶器つきつけており、反抗を抑圧するに足りる「脅迫」であるといえます。
そして、下着も財産的価値のある有体物ですから、強盗罪の客体たる「財物」に当たります。
もっとも、多くの財産犯(領得罪)には、犯罪を行う故意(刑法38条本文)の他に、不法領得の意思が必要とされると解されています。

ここで「不法領得の意思」とは、権利者を排除して他人の物の自己の所有物として、その経済的用法に従い利用処分する意思をいうと解されています。
本件では、権利者排除意思が認められることは明らかなので、利用処分意思があるかどうかが主に問題になります。
窃盗罪や強盗罪などに利用処分意思が必要とされるのは、財物の効用を享受しようとするいわば物欲に基づくこと犯罪を、器物損壊罪などよりも重く処罰する点にあります。
そして判例・実務上は、利用処分意思は単純な毀棄隠匿(器物損壊等)の意思によるものでなければ認められるといわれており、本件のように脅迫を手段にして下着を盗む行為にも、利用処分意思が認められることになるでしょう。
したがって、Aは脅迫を手段とした強盗罪の刑事責任を問われることなると考えられるのです。

強盗罪における刑事弁護活動

刑事訴訟法は、248条において「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる」と、検察官の訴追裁量を認めています(起訴便宜主義)。
したがって、「犯罪後の情況」として被害者との示談を成立させることによって、起訴猶予等の不起訴処分を得る可能性も出てきます。

強盗罪は「5年以上の懲役」と重い刑罰が定められた重大犯罪で、起訴されれば刑事裁判を受けることになりますし、その法定刑の重さから執行猶予を獲得することも難しい犯罪です。
ですから、被害者との示談を成立させることで主張できる事情を増やすことは、加害者である被疑者にとって極めて重要です。
示談にあたっては、被害者の財産的被害のみならず精神的被害の回復を目指した示談交渉が必要となります。

また、本件のように被疑者が身体拘束を受けている場合には、検察官が身体拘束の期限に際して起訴・不起訴の決断を出す前に示談交渉をまとめる必要があり、常に時間的制約が伴います。
逮捕・勾留されてしまった場合(勾留延長含む)には、検察官も原則として最大23日以内に起訴するかどうかの判断をすることになるからです。

強盗罪に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、強盗罪を含む暴力・粗暴事件に強い刑事事件専門の法律事務所です。
示談交渉等にあたっては、刑事事件は上述のように時間との闘いでもあるため、経験豊富な刑事事件に強い弁護士に相談することが重要です。
強盗事件で逮捕された方のご家族は、まずは通話料のかからない弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせして頂くことをおすすめいたします。
刑事事件に強い弁護士による接見(面会)サービスなどのご案内や、刑事事件に関する流れについて平易にご説明いたします。

SNSトラブル 匿名の書き込みが刑事事件に

2020-11-23

SNSへの匿名の書き込みが刑事事件に発展したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇SNSトラブル◇

大学生のAさんは、芸能人や有名スポーツ選手のSNSを閲覧することが趣味で、世間を騒がせている時事問題や、ニュースに関することには積極的に書き込みや投稿をしています。
ある日、某芸能人がテレビで発言したことに腹が立ったAさんは、この芸能人の、ツイッターやインスタグラムなどのSNSに、匿名で過激な内容の書き込みをしました。
Aさんは、これまで何度も同様の書き込みや投稿をしていたので、何も気にせずにしていませんでしたが、先日、警視庁麹町警察署の捜査員から「芸能人のSNSに匿名で書き込んだ投稿で被害届が出ている。警察署に出頭してくれ。」といった出頭要請の電話がかかってきました。
匿名で投稿していたから大丈夫だと思っていたAさんは不安になり、自分の投稿内容がどのような犯罪に該当するのか不安で、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
※フィクションです。

◇匿名の投稿が社会問題に◇

インターネットツールが発展し、子供からお年寄りまで誰もが手軽にSNSを利用できる便利な世の中になりました。
そんな便利な世の中だからこそ、インターネット上の事件も頻発しており、これが大きな社会問題となっています。
特に最近は、SNSに匿名で投稿した内容が問題視されるケースも多く見受けられています。
匿名であるが故に、投稿者が特定されないだろうという油断と安心から、投稿内容が過激になり、刑事事件に発展するケースも少なくなりません。
そこで本日は、匿名によるSNSへの投稿が刑事事件に発展したケースについて紹介します。

◇脅迫罪◇

あるアイドルのファンが、アイドルのSNSに「殺す」等の過激な投稿をしたことから、アイドルの所属事務所が警察に相談し、投稿者が逮捕された事件。

「脅迫罪」とは、人の生命、身体、自由、名誉又は財産に対して害を加える旨を告知して人を脅迫することです。(刑法第222条から抜粋)
脅迫罪で起訴されて裁判で有罪が確定すれば「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」が科せられます。
数年前には、実際にアイドルがファンに襲撃されて重傷を負う事件が発生しており、警察は、このような書き込みには厳重に対処しているようです。

◇業務妨害罪◇

特定のお店(飲食店)のホームページの掲示板に「お店に爆弾を仕掛けた。」等の書き込みをして、お店を休業させた事件。

投稿や書き込んだ内容によって、お店の業務に支障をきたせた場合は、業務妨害罪が成立することがあります。
業務妨罪には、偽計業務妨害罪と、威力業務妨害罪があり、共に起訴されて有罪が確定すれば「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられます。
ここ数年、インターネット上への、書き込みや投稿に「業務妨害罪」が適用される事件が増えており、お店や企業は積極的に被害届を提出して刑事事件化を望んでいるようです。

◇名誉棄損や侮辱罪◇

ある会社のホームページ上の掲示板に「●●(この会社の役員実名)は同僚の▲▲と不倫している。」と書き込んだ事件。

名誉棄損罪とは、公然と事実を摘示し、人の名誉を傷付ける事で、起訴されて有罪が確定すれば「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」が科せられます。
名誉棄損罪が適用されなかったとしても、いわゆる悪口に該当するような内容を投稿、書き込みをしたら侮辱罪となる可能性もあります。
侮辱罪の法定刑は「拘留又は科料」と非常に軽いものですが、刑事手続きが進めば取調べ等が大きな負担となることは間違いありません。

◇インターネット上の犯罪に強い◇

インターネット上の書き込みや、投稿は匿名であることがほとんどで、裏アカウントを作成すれば、自身にまで捜査の手が及ぶことがないと考えている方もいるかもしれませんが、プロパイダー等への捜査で、投稿者は容易に特定されてしまうようです。
東京都内で、SNSトラブルや、自身の匿名での投稿、書き込みが刑事事件化されてお困りの方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。

暴力行為等の処罰に関する法律違反事件で逮捕

2020-11-16

暴力行為等の処罰に関する法律違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇事件◇

東京都大田区に住むAさんは、大田区内の国道を車で走行中に割り込まれたことに腹を立て、割り込んできた車を停め、運転していた男性に対して、サバイバルナイフをちらつかせ、「お前殺すぞ。」などと脅しました。
その後、Aさんは、警視庁蒲田警察署に暴力行為等処罰法違反で逮捕されました。(フィクションです。)

◇暴力行為等処罰に関する法律について◇

暴力行為等の処罰に関する法律は、暴力団などの集団的暴力行為や、銃や刀剣による暴力的行為、常習的暴力行為について、刑法の暴行罪、脅迫罪よりも重くかつ広範囲に処罰するための法律です。「暴力行為処罰法」や「暴処法」と略称されることもあります。
この法律は、もともとは暴力団による集団的な暴力行為等を処罰するために定められた法律ですが、過去に学生運動の取り締まりに使われていました。

~暴力行為等の処罰に関する法律~

法1条は、団体や多衆の威力を示したり、団体や多衆を仮装して威力を示したり、兇器を示したり、数人共同して暴行や脅迫、器物損壊をした場合について、「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金」を定めています。

法1条の2は、銃や刀剣類を用いて人を傷害した場合について、「1年以上15年以下の懲役」を定めています。

法1条の3は、常習的に人を傷害したについて、「1年以上15年以下の懲役」を定め、常習的に人を暴行・脅迫したり、器物損壊をしたりした場合について、「3月以上5年以下の懲役」を定めています。

法2条は、財産上不正な利益を得る目的で、集団による威迫を手段として強談威迫等をした者について「1年以下の懲役ないし10万円以下の罰金」を定めています。

法3条は、集団的に殺人・傷害・暴行・脅迫・強要・威力業務妨害・建造物損壊・器物損壊を犯させる目的で財産上の利益や職務を供与、申込や約束、情を知って供与を受け、若しくは要求や約束をした者は「6月以下の懲役または10万円以下の罰金」を定めています。

1条にいう「仮装」とは、一般に相手方を誤信させるような行為をいい、実際に相手を誤信させる必要はありません。
また、「兇器」については、鉄砲や刀剣類のように本来の性質上人を殺傷するのに十分な物のほか、用法によっては、人の生命、身体又は財産に害を加えるに足りる器物で、社会通念上人をして危険感を抱かせるに足りる物も含まれます。
1条の3にいう常習性とは、同種の犯罪を反復する習癖のある者が、その習癖の発現として、さらに同種の犯罪を犯した場合をいいます。
単に前科前歴があることだけをもって常習性があるとはいえません。

今回の事件において、Aさんは被害者に対して、サバイバルナイフを示したうえで「お前殺すぞ。」と申し向けています。
このような行為は法1条に違反し、Aさんには「3年以下の懲役または30万円以下の罰金」が科される可能性があります。
刑法が定める脅迫罪の法定刑は、「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」であるため、凶器を用いた暴処法違反が適用された方がより重く処罰されるのです。

◇暴処法の弁護活動◇

暴処法で取調べを受けた場合や、逮捕された場合で、事実に争いがない場合、できる限り速やかに、弁護士を通じて、被害者への被害弁償または示談交渉を行う必要があります。
被害者との間で、被害弁償または示談を成立させることで、警察が介入する前に事件を終了させたり、不起訴処分を獲得したりすることによって前科をつけずに事件を解決し、逮捕・勾留による身柄拘束を回避して職場復帰や社会復帰する可能性を高めることができます。
暴処法で起訴された場合、被害者との間で被害弁償及び示談を成立させることで、減刑や執行猶予付き判決の可能性を高めていくことを目指します。
また、犯行態様・犯行経緯や動機に酌むべき事情があれば、それを裁判で主張・立証することで減刑又は執行猶予付きの判決を目指します。

◇東京都大田区の刑事事件に強い弁護士◇

東京都大田区で暴処法に関する相談を含め暴力事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。

強盗致傷罪で逮捕されたら

2020-08-03

強盗致傷罪で警察に逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

東京都大田区に住むAさんは、お金に困ったことから、近くのコンビニでおにぎり1つ(時価100円相当)を万引きしました。
しかし、Aさんがお店を出ようとしたところ、お店の従業員が万引きに気付き、Aさんのことを追いかけてきました。
捕まってしまうと大変なことになると思ったAさんは、追いかけてきた従業員の腕をつかみ、その場に押し倒しました。
押し倒された従業員は、膝をすりむき、全治1週間の傷害を負ってしましました。
その日は逃げることができたAさんですが、翌日自宅に警視庁大森警察署の警察官がやってきて、そのまま逮捕されてしまいました。

◇罪名◇

・Aさんに成立する犯罪
まず、Aさんに成立する犯罪を検討します。
Aさんは、おにぎりを万引きしているため、窃盗に当たる行為をしています。
しかし、その後Aさんは追いかけてきた従業員に暴行を加えました。このような場合、「窃盗が、(・・・)逮捕を免れ(・・・)るために、暴行または脅迫をしたときは、強盗として論ずる」として、刑法238条により、強盗の罪が成立します。この刑法238条の罪を、「事後強盗」と呼んでいます。
また、「強盗が、人を死傷させた時」は、強盗致傷罪が成立します(刑法240条)。
よって、今回のAさんには強盗致傷罪が成立します。
そして、強盗致傷罪の場合には、法定刑が無期又は6年以上の懲役と非常に重いものとなっています。

◇裁判員裁判◇

強盗致傷罪は無期懲役が定められているため、裁判員裁判対象事件です。
裁判員裁判とは、裁判官3名と、一般国民から選ばれた裁判員6名の合計9名が、刑事裁判の審理を行い、有罪か無罪か、有罪とすればどのような刑が適切であるか評議をし、判決をするという裁判です。
この裁判は、国民感情を裁判という司法の場に反映するために導入されました。そのため、有利な判決を得るためには、裁判官だけではなく、裁判員に対しても、分かりやすい説得的な議論が必要となります。

◇強盗致傷の捜査段階の弁護活動◇

強盗致傷罪は、裁判員裁判対象事件ですから、一度起訴されてしまうと、裁判員裁判という大掛かりな裁判になってしまいます。
そのため、できる限り起訴を防ぐ弁護活動が必要となります。
今回のAさんの事件のような場合には、おにぎりの所有者であるコンビニ店舗に被害弁償する、追いかけてきた従業員に対して治療費や慰謝料の支払いをするといったことを行い、穏便な解決を図るということが重要になります。
Aさんの罪は、強盗致傷罪という思い罪名ではありますが、実態としては100円の万引きと、全治1週間の傷害というものですから、両者ときちんと示談することができれば、最終的に不起訴処分となることも十分考えられます

◇強盗致傷の裁判段階の弁護活動◇

強盗致傷罪で起訴されてしまった場合には、裁判員裁判となってしまいます。
しかし、過去の裁判を見ると、強盗致傷罪で裁判となった場合にも、執行猶予付き判決がなされている事例が散見されます。
執行猶予付き判決をすることができるのは、主文で3年以下の懲役を言い渡すときに限られます。
強盗致傷罪の法定刑は、既に述べた通り、無期又は6年以上の懲役です。
そのため、法定刑の上では、最低でも6年以上の懲役となりますから、そのままでは執行猶予付き判決をすることはできません。
しかし、法律上酌量減軽(刑法66条)という制度があり、「犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、その刑を減軽することができる」と定められています。そして、有期刑を減軽する場合は、その刑を半分にすることになりますから、強盗致傷罪の場合は、3年以上の懲役となります。これにより、懲役3年とすることができますから、執行猶予を付けることができるようになります。
強盗致傷罪で起訴されてしまった場合には、裁判官や裁判員に対し、酌量減軽を求められる事情をしっかりと主張することが大切になります。

東京都大田区の刑事事件でお困りの方、ご家族、ご友人が、強盗致傷罪で警察に逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料

東京都東村山市の同意殺人事件

2020-07-20

東京都東村山市の同意殺人事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇同意殺人事件◇

東京都東村山市在住のAさんは,インターネットの掲示板でVさんによる「私を殺してほしい」という書き込みを見つけました。
Aさんは依頼に応えるようと思いVさんと連絡をとり,東京都東村山市内で落ち合いました。
そこでVさんは,自殺用の薬を自分で飲むのが怖くて出来ないのでAさんに飲ませてくれるように依頼したのです。
そしてAさんはそれに応え,Vさんに自殺用の薬を飲ませました。
しかし,怖くなったAさんは救急車を呼び,Vさんは一命を取り留めたのです。
Aさんは警視庁東村山警察署同意殺人未遂罪の疑いで話を聞かれることになってしまいました。
(実際にあった事件を基にしたフィクションです)

◇同意殺人罪◇

刑法では,他人の命を奪う犯罪として殺人罪(199条)が規定されています。
他人の命を奪うという重大な行為ですので,殺人罪の法定刑は死刑または無期もしくは5年以上の懲役という非常に重いものになっています。
また,刑法202条では自殺関与罪・同意殺人罪として以下のように規定されています。

刑法202条
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ,又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は,6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する。

殺人罪は被害者の同意なくして命を奪った場合に成立しますが,被害者の同意があってその人を殺害した場合には同意殺人罪が成立します。
被害者の同意に関しては,同意が社会的に相当な場合に限るとする見解が有力となっています。

◇自殺関与と同意殺人◇

自殺関与罪は自殺の教唆・幇助をした場合に成立します。
具体的な例では,自殺の方法を唆す,方法を教える,道具・場所などを提供する行為をいいます。
同意殺人罪は同意のある殺人ですので,「殺す行為」が必要です。
「殺す行為」とは,自然の死期に先立ち他人の生命を絶つことをいいます。
すなわち,行為者の何らかの行為によって直接,被害者の生命を絶つ必要があります。
そのため,自殺のために毒薬を提供することは直接,生命を絶つ行為ではないので自殺関与罪となりますが,自殺のために毒薬を飲ませる行為は直接生命を絶つ行為となるので同意殺人罪となります。

◇今回のケースでは◇

今回のケースでは,AさんがVさんに自殺用の薬を飲ませているので,Aさんの行為は同意殺人罪となると考えられます。
しかし,Aさんは救急車を呼び,Vさんは一命を取り留めていますから,Vさんを殺すという結果まで至っておらず,Aさんの行為は同意殺人未遂罪となるでしょう。
自殺関与罪・同意殺人罪の未遂は刑法203条で処罰規定が設けられていますので,未遂罪として処罰されることになります。

また,AさんとVさんはインターネットの掲示板の書き込みで知り合っただけであり,AさんとVさんの間には殺人を同意するような真摯な関係性がなかったとされる可能性もあります。
加えて,Vさんが実は本当は死ぬつもりはなく,誰かの注目を浴びるために書き込んだというような場合には,真の同意があったわけではないとして,Aさんの行為は殺人罪となってしまう可能性もあります。
同意殺人罪となるか殺人罪となるかは被害者の同意が存在したか,その同意が被害者の真意に基づく同意であったかが問題となります。
しかし,警察の取調べなどで被害者の真摯な同意があったという事を警察に認めてもらうように供述することは難しい場合もあります。
そのような場合には,事情を聞いた弁護士からどのように受け答えをすればよいか等のアドバイスを受けることが非常に重要です。

加えて,逮捕されてしまった場合には,弁護士は勾留請求がなされないように意見書やご家族の方の上申書などを検察官に提出するといった活動を通して釈放を求めていくことも考えられます。
今回のケースのような同意殺人未遂事件の場合,罪証隠滅のおそれが少なく,逃亡のおそれがないような場合には勾留されない可能性もあります。

そして,同意殺人罪は未遂であっても他人の命を奪おうとする重大な行為ですので,起訴されてしまう可能性も十分考えられます。
起訴されてしまった場合には,被害者への謝罪・弁償等の弁護活動により,執行猶予を求めていくことになるでしょう。

◇同意殺人事件に強い弁護士◇

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は刑事事件専門の法律事務所です。
刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士が多数所属しております。
自殺関与罪・同意殺人罪でお困りの方は0120-631-881までお電話ください。
初回接見サービス・無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。

東京メトロ丸ノ内線の電車内トラブルが暴行事件に発展

2020-06-22

東京メトロ丸ノ内線の電車内トラブルを起因とする暴行事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇東京メトロ丸ノ内線の電車内トラブルが暴行事件に発展するまで◇

アパレル関係の関係者で働いているAさんは、東京メトロ丸ノ内線を利用して銀座にある職場まで通勤しています。
毎朝の通勤時、電車は満員状態ですが、先日Aさんは、若いサラリーマンに足を踏まれて、銀座駅で電車を降りた時に、このサラリーマンを注意しました。
しかし若いサラリーマンは謝罪するどころか、Aさんに対して「言いがかりをつけるな。」と怒鳴ってくる始末でした。
そんな若いサラリーマンの態度に対して、頭にきたAさんは、若いサラリーマンの胸倉を掴んでしまいました。
その時は、駅員に制止されたので、その後Aさんは、そのまま職場に出勤したのですが、それから1週間ほどして、警視庁築地警察署から電話があり、サラリーマンが暴行罪で被害届を出していることを知りました。
納得できないAさんは、警察署に出頭する前に、東京都内の刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部に相談することにしました。
(フィクションです。)

◇暴行罪◇

人に暴行を加えると、暴行罪が成立し、その法定刑は「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」です。

~暴行~

暴行罪でいう「暴行」とは、一般的にいうところの、物理的な力の不法な行使を意味します。
刑法では、公務執行妨害罪や、強制わいせつ罪、強盗罪、内乱罪のように、暴行行為を構成要件とする法律がいくつかありますが、一言に「暴行」といってもその概念は様々で、暴行の対象や程度によってことなり、おおむね次の4つに区別されます。

最広義の暴行
(1)人に対すると物に対するとを問わず、不法な有形力の行使の一切をいう。
(2)内乱罪や、騒乱罪、多衆不解散罪における暴行がこれに当たります。

広義の暴行
(1)人を対象として不法な有形力が行使される場合であるが、必ずしも直接的に人の身体に加えられることは必要としない。
(2)物に対する有形力の行使の場合は、人の身体に対して物理的に感応することによって、間接的に人に対する有形力の行使として評価されることを要する。
(3)公務執行妨害罪における暴行がこれに当たります。

狭義の暴行
(1)もっとも典型的な暴行であり、人の身体に対する有形力の行使を意味し、物に対する有形力の行使は除外されます。
(2)暴行罪における暴行がこれに当たります。

最狭義の暴行
(1)人の反抗を抑圧し、又は困難にする程度の、強度の有形力の行使を意味します。
(2)強制わいせつ罪や、強制性交等罪、強盗罪などにおける暴行がこれに当たります。

~暴行の態様~

Aさんの「胸倉を掴む」行為は、暴行罪でいうところの「暴行」に当たることは間違いありません。
暴行罪でいうところの暴行には、胸倉を掴む他、殴る、蹴る、突く、押す、引くのように
人の身体に直接的に不法な攻撃を加える形態で行われるのが通常ですが、このような物理的な力の行使でなくとも暴行とされる場合があるので注意しなければいけません。

◇弁護活動◇

Aさんの事件を検討しますと、Aさんは、感情的になってしまい突発的に犯行に及んでいるでしょうから、偶発的な犯行であると認められますし、犯行動機についても、酌量の余地が認められるでしょう。
この点を考慮しますと、微罪処分として事件処理される可能性がありますが、被害者感情が強い場合は微罪処分が適用されずに正規の刑事手続きが取られます。
不起訴になる可能性も十分に考えられますが、不起訴を確実にするには、事前に、被害者と示談することをお勧めします。

 

東京都中央区の刑事事件お困りの方、東京メトロ丸ノ内線の電車内トラブルが暴行事件に発展してお困りの方は、東京都内の刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。
初回法律相談:無料

鉄パイプで頭部を殴打 殺人未遂事件で逮捕されたら

2020-01-24

殺人未遂事件で警察に逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇殺人未遂事件◇

建設会社に勤めているAさんは、板橋区のビル建設現場に派遣されて働いています。
この現場には他の建設会社の社員も派遣されているのですが、先日、作業工程を巡って他の会社の社員とトラブルになったAさんは、口論の末に、足場用の鉄パイプで口論相手の頭部を殴打してしまいました。
すぐに周囲にいた作業員に制止されましたが、Aさんは、通報で駆け付けた警視庁志村警察署の警察官によって、殺人未遂罪逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

◇殺人未遂罪【刑法第203条】◇

人を殺害しようと、殺害行為に着手したが相手が死ななかった場合、殺人未遂罪となります。
殺人未遂罪の法定刑は、殺人罪と同じ「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」です。
殺人罪は、人の死という結果の重大性から、刑事裁判では厳しい判決が言い渡されることがほとんどですが、殺人未遂罪の場合は、刑法第43条(未遂減免)の適用を受けたり、傷害罪に罪名が変わるなどして、執行猶予付の判決が言い渡されることが珍しくありません。

◇殺人未遂罪か傷害罪か◇

殺人未遂罪の刑事裁判で、よく争点となるのは「殺意」の有無です。
「殺意」は、殺人罪の「故意」のことで、加害者の、相手を殺そうとする意思です。
同じ暴行行為でも、殺意があって行為に及べば殺人罪や、相手が死亡していなければ殺人未遂罪が適用される可能性が高くなります。逆に殺意が認められなければ、相手が死亡しても傷害致死罪や、相手が死亡していない場合は、傷害罪が適用される可能性が高くなるでしょう。

~殺意の立証~

「殺意」は加害者の心の声ですので、殺意の有無は加害者の供述に頼るしかありません。しかし、それだけで殺意の有無が認定されるわけではなく、殺意の有無は、暴行の程度や、犯行の計画性、被害者の傷害の程度等を総合的に判断されます。

・暴行の程度
急所を狙っている暴行や執拗な暴行、凶器を用いた暴行等の場合は殺意が認定されやすい。

・犯行の計画性
事前に被害者の行動パターンを下見している場合や、凶器を準備している場合等は計画性が認められて、殺意が認定されやすい。

・被害者の傷害程度
被害者が急所に傷害を負っている場合や、重傷を負っている場合等は殺意が認定されやすい。

・加害者の意思
殺そうと思って犯行に及んでいる場合は当然のこと、死ぬかもしれない、死んでもかまわないといったように、結果を認識し、それを容認した場合も故意があるとして、殺意が認められやすい。

◇殺人未遂罪の弁護活動◇

殺人未遂罪で警察に逮捕されたとしても、その後の対応によっては、罪名が傷害罪と認定されたり、被害者との示談することによって不起訴になったりして、処分の軽減が望めます。
上記したように、殺意の有無というのは、加害者の供述に大きく左右されるので、逮捕後の取調べで、どのように供述するのかが今後に大きく影響するため、弁護士は、取調べの対応についてアドバイスを行います。
また、被害者との示談も今後の処分に大きく影響します。
起訴までに被害者との示談が成立し、その示談に宥恕条項が含まれていれば、不起訴の可能性もあるでしょう。

 

殺人未遂罪は、罰金刑の規定のない非常に厳しい法定刑が定められている法律です。起訴された場合は、初犯であっても実刑判決の可能性が高い事件ですので、ご家族、ご友人が殺人未遂罪で逮捕された方は、早めに刑事事件専門の弁護士に相談することをお勧めします。

板橋区の刑事事件でお困りの方、ご家族、ご友人が殺人未遂罪で警察に逮捕されてしまった方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。
初回法律相談:無料

暴行の相手が死亡 同時傷害の特例

2020-01-14

暴行した相手が死亡してしまった同時傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇暴行の相手が死亡◇ 

土木作業員のAさんは、同じ工事現場で作業をしている同僚と仲が悪く、普段からトラブルを繰り返しています。
その同僚と、先日偶然、豊島区にある行きつけの居酒屋で出くわしてしまい、口論になった後に、Aさんは同僚の顔面を複数回殴りつけてしまいました。
そして同僚は、Aさんに殴られて転倒する際に、偶然、そばにいた酔っ払いの服を掴んでしまい、酔っ払いの服を血で汚してしまいました。
服に血が付いたことに怒った酔っ払いは、Aさんに殴られて転倒した同僚の顔面を足で踏みつける暴行を加えました。
Aさんと、酔っ払いの暴行によって傷害を負った同僚は、救急搬送されましたが、頭部に重傷を負っており、その後死亡が確認されました。
通報によって駆け付けた警視庁池袋警察署の警察官によって傷害罪で現行犯逮捕されていたAさんは、その後、傷害致死罪で取調べを受ける事になりましたが、Aさんは、同僚が死亡した原因は、酔っ払いによる暴行が原因だと思っており、この罪名に納得ができません。
(フィクションです。)

~傷害致死罪と同時傷害の特例(刑法207条)~

本件では、Aさんに同時傷害の特例が適用され、傷害致死罪が適用されています。
同時傷害の特例とは、耳慣れない方も多いかもしれませんが、刑法207条によって規定されています。
刑法207条は、
・「2人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において」
・「それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは」
・「共同して実行した者でなくても、共犯の例による」
という、非常に特殊な規定になります。

刑法60条は、「2人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする」と、共犯の中でも共同正犯について定めていますが、本来本条が適用されるには、2人以上の間に共謀が必要とされています。
刑法207条はこのような共謀がない場合にも、共同正犯が成立することを認める特殊な規定なのです。
さらに、本条は本来は検察官が負うはずの挙証責任を、被告人側に転換する(行為と結果の因果関係の不存在を被告人側に負わせる)点においても、特異な規定であり、学説上も批判が根強く主張されているところでもあります。

このような特例が置かれた趣旨については、傷害の結果が明らかであるにもかかわらず、当該傷害について誰も刑事責任を負う者がいなくなってしまう事態を回避するための特例との考え方が通説とされています。

この点、近年の判は、本条の適用に関し、まず「共犯関係にない2人以上」の「各暴行が当該傷害を生じさせ得る危険性を有するもの」であり、「同一の機会に行われたものである」場合には「各行為者において、自己の関与した暴行が傷害を生じさせていないことを立証しない限り、傷害についての責任を免れない」としました。
さらに上記判例は、「共犯関係にない2人以上の暴行による……刑法207条適用の前提となる事実関係が証明された場合には、いずれかの暴行と死亡との間の因果関係が肯定されるときであっても、各行為者について同条の適用は妨げられない」としています。

これは、207条は暴行と死亡結果の因果関係を問題とするものではなく、あくまで暴行と「傷害」結果の因果関係が不明な場合に適用される規定であることを示したものと考えられます(上述のとおり207条では、「その傷害を生じさせた者を知ることができないとき」という文言が使われています。)。
したがって、本件Aさんが「当該傷害を惹起する危険性」を有する暴行を、「同一の機会」に行ったと認められば、207条の適用を介して、傷害致死罪(刑法205条)の罪責を負う可能性が生じることになるのです。

~同時傷害の特例における弁護活動~

弁護士としては、本条の適用について、Aさんの暴行が本当に「同一の機会」によるものであるのかを検討する必要があるでしょう。
さらに、刑法第207条が因果関係の挙証責任を被告人側に転換している規定である以上、Aさんによる暴行と、同僚の傷害との結果の間に因果関係がないということを積極的に立証するという特殊な立証活動が求められることになります。
仮に、因果関係がないことが証明されれば、Aさんが負う刑事責任は傷害罪の程度にとどまることになり、その法定刑に大きな差が生じることになるため、弁護士の立証活動が重要になることは言うまでもありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、傷害致死(同時傷害の特例)事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
豊島区の刑事事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部の無料法律相談、初回接見サービスをご利用ください。

万引きが事後強盗罪に発展

2019-11-13

事後強盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

◇事件◇

大学生のAさんは、これまで何度か、池袋にある書店で、雑誌や文庫本等を万引きを繰り返しています。
お店に警戒されていたAさんは、先日、同じ書店で万引きしようと、持っていた手提げかばんに商品を隠して、レジを通らずに店外に出たところ、書店の店員に腕を掴まれたAさんは、逮捕を免れるために、この店員を突き飛ばして逃走しました。
店員は転んだ時に腕をついて、腕を骨折したようですが、この事実をAさんは知らず、そのまま自宅に逃げ帰りました。
しかし、その日の夜に自宅を訪ねてきた警視庁池袋警察署の警察官に事後強盗罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

◇事後強盗罪~刑法第238条~◇

窃盗の既遂又は未遂の犯人が

①犯行後に、窃盗品を取り返されるのを防ぐために
②逮捕を免れるために
③罪跡を隠滅するために

の何れかの目的で、犯行を抑圧するに足りる程度の暴行、脅迫をすれば「事後強盗罪」となります。
事後強盗罪は、刑法第238条に定められた法律で、強盗罪と同じ「5年以上の有期懲役」が法定刑として定められています。

~主体~

上記したように、事後強盗罪の主体となるのは窃盗犯人に限られます。
窃盗行為が既遂に達することまで必要とされませんが、少なくとも窃盗の実行に着手していなければなりません。
今回の事件では、Aさんが、支払いの済んでいない商品を店外に持ち出している時点で窃盗(万引き)行為は既遂に達しているので、Aさんは事後強盗罪の主体となり得ます。

~目的~

事後強盗罪は

①盗品を取り返されるのを防ぐ
②逮捕を免れる
③罪跡を隠滅する
の何れかの目的で、暴行、脅迫を加えることで成立する犯罪で、いわゆる目的犯です。

①盗品を取り返されるのを防ぐ
窃盗によって得た財物を、被害者等に取り返されるのを防ぐことです。

②逮捕を免れる
正に、Aさんの行為がこれに当たります。
窃盗犯人が一時的に捕まってしまったとしても、その身体拘束の状態から逃れるために暴行、脅迫を加えることです。

③罪跡を隠滅する
後日、窃盗犯人として捜査機関に検挙されることになる物証等を隠滅する意図で、他人に暴行、脅迫を加えることです。
例えば、万引き犯人が逃走する際に、自身の身分証の入った財布を店員に取り上げられてしまった場合、この財布を取り返すために店員に暴行、脅迫を加えれば、これに当たります。

~居直り強盗~

「居直り強盗」は、窃盗の最中に被害者に気付かれたために、その目的(窃盗の目的)を達するために被害者に暴行、脅迫を加える犯罪です。
一見すると居直り強盗は、事後強盗罪のように思われますが、居直り強盗犯は上記3つの目的で被害者に暴行、脅迫するのではなく、あくまで財物の奪取が目的ですので、事後強盗罪ではなく、刑法第236条に規定されている強盗罪が適用されます。

~事後強盗罪の成立要件~

事後強盗罪は、法的には強盗罪と同一だと考えられています。そのため、財物奪取と暴行、脅迫の間には密接な関連性がなければなりません。
原則として、窃盗行為と、暴行、脅迫が行われたことには、時間的、場所的な接着性が要件となりますが、多少の時間的、場所的隔離がある場合であっても、窃盗の現場の継続的延長があるとみられる状況の下で暴行、脅迫が行われた時は、事後強盗罪が成立する可能性があります。

~「既遂」「未遂」の基準~

事後強盗罪の「既遂」「未遂」の判断は、窃盗行為が既遂に達しているかどうかで判断されます。
ですから、万引きしようとした窃盗未遂犯が、店員に捕まりそうになって、店員に暴行して逃走した場合でも、逮捕を免れるという目的は達していますが、窃盗行為が未遂なので事後強盗未遂罪となります。

ちなみに、暴行によって相手に傷害を負わせた場合は、強盗致傷罪(刑法第240条)が適用されます。

池袋の刑事事件でお困りの方、事後強盗罪でお困りの方は、東京で刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部にご相談ください。
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あおり運転が刑事事件化

2019-09-12

あおり運転が刑事事件化された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

2年前に起こった「東名高速道夫婦死亡事故」以来、あおり運転が社会問題となり、警察等の捜査当局は「あおり運転」の取締りを強化しています。
通常のあおり運転は、道路交通法の車間距離保持義務違反での摘発を受けますが、昨年の摘発件数は、全国で1万3000件と、前年度の1.8倍にも及んだようです。
また、悪質なあおり運転刑事事件化されるケースは全国的で後を絶たず、つい最近も常磐自動車道におけるあおり運転事件が世間を騒がせました。
そこで本日は、東京の刑事事件に強い弁護士が、あおり運転が刑事事件化された場合の適用罪名について解説します。

◇暴行罪◇

あおり運転が社会問題化されて、警察庁は、全国の警察に対して、道路交通法違反だけでなくあらゆる法令を適用して、あおり運転の取締りを強化するよう指示しました。
そんな中、あおり運転が刑事事件化された際に適用される可能性が最も高いのが「暴行罪」です。
暴行罪は、刑法第208条に定められた犯罪で、その法定刑は「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」です。
暴行罪でいう「暴行」の行為とは、代表的なもので、殴る、蹴る、突く、投げ飛ばす等、身体に対する物理的な有形力の行使ですが、直接的に身体に触れなくても、相手の五官に直接間接に作用して不快ないし苦痛を与える性質のものであれば暴行罪でいう「暴行」行為に該当する可能性があります。
走行中の車に急接近したり、走行中の車の前方で急ブレーキを踏んで衝突させようとする行為は、ドライバーの感情的に「接触するかも」という恐怖を感じるもので、暴行罪の暴行行為に当たる可能性は極めて高いでしょう。

◇危険運転致死傷罪◇

あおり運転が社会問題化される原因となった「東名高速道夫婦死亡事故」は、危険運転致死傷罪が適用され、第一審では有罪判決(懲役18年)が言い渡されています。※被告人の控訴中
危険運転致死傷罪とは、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条に規定されている犯罪です。
通常の交通(人身)事故は、過失運転致死傷罪が適用されますが、故意の危険運転によって交通事故を起こし、被害者を死傷させた場合は罰則規定の厳しい危険運転致死傷罪が適用されることとなります。
危険運転致死傷罪の法定刑は、被害者が死亡した場合「1年以上の有期懲役」で、被害者が傷害の場合「15年以下の懲役」ですので、過失運転致死傷罪の法定刑が「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」であるのと比べると、非常に厳しいのが分かります。

◇殺人罪◇

昨年7月に大阪府堺市で起こった、あおり運転による交通死亡事故には「殺人罪」が適用されています。
殺人罪は、殺意(故意)をもって人を死に至らしめることで、その手段・方法に制限はありません。
殺人罪は、人の命を奪うという結果の重大性から、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役と、非常に厳しい法定刑が定められています。
この事件では、あおり運転から逃げるために、加速して走行する被害者(バイク)を、被告人(車)が加速して追随し、衝突の直前に、急ブレーキや急ハンドルといった衝突を回避するための行動をとらずに衝突していることや、衝突後も、すぐに停止することなく数秒間走行を続け、その後「はい、終わりー」とつぶやいていることから、被告人が、衝突すればバイクが転倒し、それによって運転手が死亡する危険性があることは十分に認識できたにもかかわらず、故意的に車を衝突させて被害者を死亡させたとして、未必の故意による殺人罪が認定されました。
この事件では、第一審で「懲役16年」の有罪判決が言い渡されて、被告人が控訴していましたが、つい先日、被告人の控訴は破棄されています。

◇強要罪◇

最近世間を騒がせた常磐自動車道におけるあおり運転事件では、走行中の車の前で急停車した車の運転手が「強要罪」で逮捕されています。
あおり運転で「強要罪」が適用されたのは全国で初めてではないでしょうか。
強要罪とは、刑法第223条に規定された犯罪です。
その内容は「 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害する」ことで、法定刑は「3年以下の懲役」です。
前述したように、これまであおり運転については「暴行罪」が適用されるケースがほとんどでしたが、今回は、その暴行行為によって、被害者が、義務のない停止行為を強いられたとして強要罪が適用されたのでしょう。
強要罪の法定刑は、暴行罪に比べると厳しく罰金刑の規定もありません。

2年ほど前から取締りが強化されているにもかかわらず、あおり運転による事件が後を絶ちません。現在はあおり運転自体を禁止する法律が存在しないために、状況に応じて様々な法律が適用されていますが、新たにあおり運転を規制するための法律を新設する動きもあります。

東京都内の刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」では、東京都内で起こったあおり運転の刑事事件に関する法律相談を無料で受け付けております。
刑事事件専門の弁護士による無料法律相談をご希望の方は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。

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