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【報道事例】女性駅員に対する不同意わいせつ罪で逮捕
【報道事例】女性駅員に対する不同意わいせつ罪で逮捕
令和5年7月13日から施行された「不同意わいせつ罪」は、従来の性犯罪に関する規定を見直すために新設された改正刑法の一つです。
今回は、不同意わいせつ罪が成立する要件について、実際の報道事例をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所がわかりやすく解説します。
【事例】
東京都千代田区にある東京メトロの駅で20代の女性駅員Vに後ろから抱きつき、わいせつな行為をしたとして、警視庁麹町署は20日、不同意わいせつ罪の疑いで住所職業不詳の男性A(37)を逮捕しました。
性犯罪規定を見直す改正刑法の施行後、警視庁による同容疑事件の摘発が明らかになるのは初めてです。
署によると「駅員の後ろから抱きついたことに間違いない。終電を逃してむしゃくしゃしていた」と容疑を認めています。
(Yahoo!JAPANニュース 7月20日配信「不同意わいせつ疑い男逮捕 メトロ女性駅員に、警視庁」の内容を一部変更して引用)
【不同意わいせつ罪とは】
不同意わいせつ罪とは、令和5年7月13日に施行された改正刑法の一つです。
従来の「強制わいせつ罪」と「準強制わいせつ罪」を統合された内容として新設されました。
不同意わいせつ罪については、刑法第176条で以下のように規定されています。
- 刑法第176条(不同意わいせつ)
次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑に処する。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
2 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。
3 十六歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。
【不同意わいせつ罪の成立要件】
不同意わいせつ罪が成立する要件は、大きく以下の3つを満たす必要があります。
- 一~八に該当する行為やそれらに類似する行為があった
- ①の行為により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせた又はその状態を利用した
- わいせつな行為をした
不同意わいせつ罪が成立する要件を今回の事例に当てはめると、以下のようになります。
- AがVの後ろからいきなり抱きついた(条文が掲げる「五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと」に該当)
- 不意を突かれた(Aからの行為)により、Vは同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態であった
- AがVに対して抱きついた
事例には事件の詳細までは記載されていませんが、今回のAの行為は上記のような要件があったことで不同意わいせつ罪が成立した可能性があります。
また、不同意わいせつ罪の条文には第2項と第3項も規定されています。
第2項は、「誤信(行為がわいせつなものではないと思っていた若しくは人違いをしていた)によるわいせつ行為をした者」に対しても、不同意わいせつ罪が成立することを規定しています。
第3項は、「16歳未満の者に対してわいせつな行為をした者」に対しても不同意わいせつ罪が成立することを規定しています。
ただ、16歳未満の被害者が13歳以上である場合は、行為者との年齢差が5歳以上離れている場合のみ不同意わいせつ罪が成立するとされています。
【不同意わいせつ罪で逮捕されたら弁護士へ】
不同意わいせつ罪の罰則は、6月以上10年以下の懲役刑のみです。
なので、不同意わいせつ罪で逮捕されてしまい、検察官から起訴されると必ず裁判が開かれる(公判請求)ことになり、懲役刑を言い渡されることになります。
また、起訴された時点で前科がついてしまうため、今後の人生に大きな影響を及ぼす可能性もあります。
なので、不同意わいせつ罪で逮捕されてしまった場合は、起訴を免れる不起訴処分を獲得することが重要になります。
ただ、逮捕されている状態で自分だけの力で不起訴処分を獲得できる可能性は低いです。
そのためにも、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをお勧めします。
弁護士が代理人として、被害者との示談交渉を行ったり、検察官と意見を交わし、不起訴処分を獲得するための活動に尽力します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とした法律事務所です。
ご家族が不同意わいせつ罪による性犯罪事件で逮捕されてしまった方や、弁護士に刑事弁護活動を依頼する場合の流れ、弁護士が行う活動の詳細について詳しく聞きたい方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
【解決事例】公務員の強制わいせつ事件
【解決事例】公務員の強制わいせつ事件
公務員が強制わいせつ未遂事件を起こしたという事例での弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都江東区在住のAさんは、国家公務員として勤務していました。
Aさんは事件当日、同僚らとともに江東区内のホテルに宿泊していました。
その際、Aさんは同僚の女性Vさんの宿泊している部屋をノックして話があると言い、Vさんの部屋に入って数分会話をした後、Vさんにしつこく「キスしよう」等と言い、Vさんが拒み続けたところ馬乗りになりました。
しかし、Vさんが大声で「やめて」と言ったため、Aさんは部屋から出ました。
後日、江東区内を管轄する東京湾岸警察署の警察官から連絡を受け、Aさんは強制わいせつ未遂罪で取調べを受けることになりました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【強制わいせつ未遂罪について】
Aさんは、強制わいせつ未遂罪で取調べを受けました。
条文は以下のとおりです。
(強制わいせつ)
刑法176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。(略)
(未遂罪)
第180条 第176条から前条までの罪の未遂は、罰する。
強制わいせつ罪は、刑法176条規定のとおり暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした場合に成立します。
但し、それを遂げなかった場合、強制わいせつ未遂罪となります。
Aさんの事例では、わいせつな目的をもって暴行を加えているため、強制わいせつ未遂罪の成立が検討されていましたが、当初Aさんはわいせつな行為をする目的はなかったと説明していました。
仮にわいせつ行為をする目的がなかったのであれば、暴行罪のみが成立しますので、わいせつな目的があったかどうかという点は極めて重要です。
また、仮にわいせつな行為を遂げなかったとしても、その際にVさんが怪我をしていた場合には「強制わいせつ致傷」の罪となり、「無期又は3年以上の懲役」と厳しい刑事罰が科せられる恐れがあります。(刑法181条1項)
【公務員の弁護活動】
SNS上を中心に「上級国民」という言葉が話題となりました。
その際、上級国民だから逮捕されないという誤解が生じていたようですが、刑事事件に於て、公務員だからといって有利な取扱いになるということはほとんどありません。
仮にあるとすれば、身元が保証されていることから、逃亡の恐れが低いとして勾留の要件に当たらないと判断され勾留されない場合もある、というものですが、勾留が必要であると判断される事件であれば公務員であっても逮捕・勾留されます。
むしろ、公務員が刑事事件を起こした場合、
①実名報道されるリスクが高くなる
②捜査機関(警察官など)から勤務先に連絡がいく
③②により懲戒処分を受けるリスクが高くなる
といった不利益が考えられます。
今回のAさんの事例では、②に加え、Vさんが同僚であったため、早々に職場に連絡されました。
よって、弁護士は依頼を受けたのち、Aさんの上司に対して適宜丁寧な説明を行いました。
また、警察官に対し、AさんがVさんに接触する意思はなく、職場もその点を配慮した配点をすることから、逮捕することなく在宅で捜査を進めて欲しいと伝え、Aさんの事件は在宅で捜査を行いました。
被害者のホテルの部屋で行われたという事件ですので、目撃者がいません。
そしてAさんとVさんとでは、供述に食い違いがあることが分かっていました。
よって弁護士は、早期にAさんからヒアリングを行い、その内容を弁護人面前調書としてまとめ、確定日付を取得しました。
そのうえで、弁護士はVさんとしっかりと説明とヒアリングを繰り返したうえで、Vさんも納得のいく示談書を作成し、示談締結と相成りました。
Aさんの事件を担当した検察官は、示談の結果を踏まえAさんを不起訴(起訴猶予)としました。
その後、弁護士は不起訴を証明する書類を請求し、その書類をAさんの上司に示して事の経緯を説明しました。
結果的に、Aさんは厳しい懲戒処分を受けることはありませんでした。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は、これまでに数多くの公務員の刑事事件を担当してきました。
東京都江東区にて、公務員の方が強制わいせつ未遂罪で捜査される可能性がある、公務員であるご家族が逮捕されたという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
【解決事例】盗撮事件で宥恕のある示談
【解決事例】盗撮事件で宥恕のある示談
盗撮をしてしまった事件での示談交渉で宥恕文言のある示談ができたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都調布市在住のAさんは、調布市内の飲食店に勤める会社員です。
事件当日、Aさんは調布市内を走行する列車内で、小型カメラを用いて盗撮行為をしたことで乗客に降車を求められ、通報を受けて臨場した調布市内を管轄する調布警察署の警察官によって逮捕されました。
逮捕の2日後に検察官送致され、弁解録取を行ったのち検察官は勾留は必要ないと判断し、釈放された足で当事務所の無料相談を受け、その後弁護を依頼されました。
弁護士は、早々に検察官を通じて被害者の方に「弁護士限りで」連絡先を開示して頂けないかと交渉し、連絡を取り合うことができました。
示談交渉では、Aさんが罪を認めていること、謝罪の意向があること、二度とこのような事件を起こさないことを固く誓っていること、等を説明したうえで、示談の内容について交渉しました。
交渉の結果、被害者の方は示談に応じてくださり、その内容に「宥恕」文言を入れて頂くことができました。
担当検察官は示談書の内容を確認し、Aさんを不起訴処分にしました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【盗撮事件について】
今回のAさんの事件は、東京都調布市内でのいわゆる盗撮事件ですので、東京都の定める公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例が問題となります。
条文は以下のとおりです。
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
1号 (略)
2号 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
盗撮の罰条は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。(条例8条2項1号)
【示談交渉の流れと宥恕文言について】
盗撮事件は直接の被害者がいる事件であることから、法的にも道義的にも、被害者に謝罪し賠償を行う示談交渉は重要な弁護活動になると言えます。
しかし、駅構内での盗撮事件などの場合、被疑者は面識のない被害者に対して盗撮をすることが一般的ですので、連絡先が分かりません。
そのため、警察官や検察官に依頼し、被害者に対して連絡先を開示して良いか確認を取って頂くことからスタートします。
当然、被害者は加害者に連絡先を知られたくないと考えますので、前提として弁護士が代理人となり、弁護士限り(被疑者やその家族に連絡先を知らせない)を条件に連絡先の開示を依頼します。
連絡先を教えて頂いた場合、弁護士はまず自己紹介と被疑者の情報、謝罪の意向等を伝えます。
そして、刑事手続きと示談の目的を説明し、示談をお願いします。
被害者の方の中には、
・そもそも弁護士であっても連絡先を教えたくない
・連絡はしたが示談はしたくない
・被害弁償は受けたいが示談書の調印は拒否したい
など、各々に思いや考えがありますので、お気持ちをしっかりと伺います。
示談交渉で最も良いかたちは、謝罪ができて、被害弁償金・示談金を受け取って頂き、示談書が調印されることです。
そして、その示談書に「宥恕」の文言を入れられることが理想です。
宥恕は、今回に限り、示談を以て被害者が被疑者を赦(ゆる)し、刑事処罰を求めないという意味の言葉です。
示談書に宥恕条項があるかないかは、検察官としては起訴するかどうかを判断する事情としてもっとも重要視します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで数多くの盗撮事件を取り扱ってきました。
示談交渉は、単に金で解決することではなく、被疑者に代わって丁寧に謝罪をし、被害者の話をしっかりと聞いて意に即した方法での解決を図る活動であり、経験が豊富な弁護士に依頼することが望ましいと言えます。
東京都調布市にて、盗撮事件で在宅捜査を受けていて、宥恕文言のある示談を望んでいる方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
【解決事例】痴漢事件の示談交渉で列車の乗車制限
【解決事例】痴漢事件の示談交渉で列車の乗車制限
痴漢事件を起こしてしまい在宅で捜査を受けていたという事件で、示談交渉時に被害者の方からの申し出があり、示談の約定に列車の乗車に際し乗車制限をしたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都多摩市在住のAさんは、多摩市内の会社に勤める会社員です。
事件当日、Aさんは泥酔していて、多摩市内を走行中の列車内で被害者であるVさんの臀部(お尻)を触る痴漢事件を起こしてしまい、通報を受けて臨場した多摩中央警察署の警察官に逮捕されました。
逮捕の翌日に送致を受けた担当検察官は、弁解録取ののちAさんを釈放し在宅で捜査を行うことにしました。
釈放後すぐに当事務所で無料相談を受けたAさんとその家族は、Aさんに前科を付けたくないとして弁護を依頼されました。
弁護士は、すぐに被害者であるVさんに連絡したところ、当然のこと乍らとてもお怒りで、示談交渉はスムーズには行きませんでした。
しかし弁護士は丁寧にお気持ちや希望について聞き取りを行ったのち、Vさんに安心して頂けるようAさんとの接触を避けるため列車の乗車制限の約定を設け、最終的にVさんは納得して頂き示談締結となりました。
検察官は、示談書の内容を踏まえ、Aさんを不起訴処分にしました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【痴漢事件について】
我が国では痴漢罪という罪はなく、いわゆる痴漢は各都道府県の定める迷惑行為防止条例に違反する行為です。
今回は東京都多摩市で発生した痴漢事件ですので、東京都の定める「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(以下、東京都迷惑防止条例)」が問題となります。
東京都迷惑防止条例
5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
1号 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
罰条:6月以下の懲役又は50万円以下の罰金
【示談交渉時に列車の乗車制限を約束】
Aさんが痴漢事件を起こした路線はAさんの通勤経路でもあり、Vさんの通勤経路でもありました。
Vさんとしては、Aさんとたとえ偶然であっても接触したくないというご意向でした。
そこで弁護士は、示談交渉に際し、Vさんが利用する時間帯にAさんは列車に乗車しない、あるいは乗車する際には決まった号車に乗るようにして、VさんとAさんが接触しないよう調整しました。
そして、Aさんが乗車制限を破った場合には、示談金と同額の金額を支払うことを明記しました。
Vさんは検討の末、この内容であればAさんと再び接触することはないであろうと判断してくださり、示談締結に至りました。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
痴漢事件や盗撮事件といった、性犯罪事件であり被害者と加害者の行動範囲が近い場合、Aさんの事案のように列車の乗車制限を設ける、引っ越し費用を支払う等、被害者の意向に即した示談書の調印が求められます。
東京都多摩市にて、家族が痴漢事件で逮捕された、自身が痴漢事件で捜査を受けているという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
【解決事例】つきまとい事件で拘留
【解決事例】つきまとい事件で拘留
つきまといにより軽犯罪法違反で起訴され、拘留が言い渡された事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都中央区在住のAさんは、中央区内で自営業をしています。
Aさんには性犯罪事件での前科があり、その際は刑事収容施設に服役していました。
今回の事件は、Aさんが中央区内の駅前で見知らぬ女性を物色し、好みの女性を見つけてはその女性の家まで着いていくというつきまとい行為を複数回行ったというものでした。
事件当日も上記行為を行っていたところ、被害女性が家族にチャットで連絡し、メッセージを見た家族が110番通報を行い、通報を受けて臨場した中央警察署の警察官がAさんを見つけてAさんは検挙されたというものでした。
捜査の過程で、別の女性に対しても同様のつきまとい事件を起こしていたことが発覚したため、最終的に複数件で起訴されました。
起訴後に弁護を担当した当事務所の弁護士は、Aさんが反省していること、拒否されたものの謝罪と弁済を行いたいという意向であったこと、家族が更生に向けた取り組みをサポートする意思があることを主張しましたが、Aさんには拘留の判決が言い渡されました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【つきまといについて】
今回の事例については、「つきまとい」行為が問題となります。
つきまといで問題となる罪に、ストーカー行為等の規制等に関する法律(いわゆるストーカー規制法)違反があります。
ストーカー規制法のいうつきまといについて、定義は以下のとおりです。
ストーカー行為等の規制等に関する法律2条1項
この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
1号 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その現に所在する場所若しくは通常所在する場所…の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。
ストーカー規制法のいうつきまとい(等)は、恋愛感情や好意、それに拠る憎悪の感情を要件としています。
Aさんのように、気になったからついていく、程度のつきまといは、この定義に該当しません。
他方で、軽犯罪法は以下のとおりつきまとい全般を対象としているため、処罰対象になります。
軽犯罪法1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
28号 他人の進路に立ちふさがつて、若しくはその身辺に群がつて立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとつた者
夜間に見知らぬ人が家までつきまとうような行為は、被害者にとっては不安であり迷惑でしょう。
今回のAさんの事件では、この軽犯罪法に違反したとして捜査され起訴されました。
【拘留とは】
拘留は「こうりゅう」と読み、刑法第2章の「刑」に以下のとおり規定されています。
刑法16条 拘留は、1日以上30日未満とし、刑事施設に拘置する。
これは刑事罰の一種ですので、刑事裁判で裁判官により宣告されるものです。
刑事罰には、この他に死刑・懲役刑・禁錮刑・罰金刑・科料があります。
拘留と似た言葉に勾留という言葉があります。
これも同じく「こうりゅう」と読み、官憲によってその身柄が拘束されるという点は同じですが、目的が全く異なります。
勾留は、刑事裁判の判決が言い渡される前の被疑者・被告人に対し、証拠隠滅や逃亡などの恐れがある場合に行われる処分です。
拘留の期間は刑務所で過ごしますが、勾留の期間は警察署・拘置所で過ごすことになります。
但し、拘置所がない地域では、刑務所が拘置所の代わりになる場合があります。
拘留では、懲役刑とは異なり作業の義務はありません。
とはいえ、最大で1ヶ月程度身柄を拘束される刑であることから、拘留を避けたいという方も多いことでしょう。
東京都中央区にて、つきまといなどで軽犯罪法に違反し捜査を受けている方、拘留されるおそれのある方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合はこちら。
【解決事例】保護観察中の少年が公然わいせつ事件で再度の保護観察に
【解決事例】保護観察中の少年が公然わいせつ事件で再度の保護観察に
過去に少年事件を起こしてしまい保護観察処分を受けたのち、現に保護観察期間中であったにも拘わらず公然わいせつ事件を起こしてしまったという事件で、再度の保護観察処分を言い渡されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都立川市在住のAさんは、事件当時19歳の大学1年生でした。
Aさんは高校2年生の頃に痴漢事件を複数件起こしてしまい、保護観察処分を受けていました。
その保護観察期間中に、立川市内の路上で深夜見知らぬ女性に対して自身のズボンと下着を降ろして陰茎を見せつける公然わいせつ事件を起こしてしまいました。
捜査を行った立川市内を管轄する立川警察署の警察官は、市中の監視カメラ等からAさんによる犯行であるとし、Aさんを在宅で捜査することにしました。
Aさんの保護者は、Aさんが保護観察期間中であり今回の事件で少年院送致になるのではないかと不安に思い、当事務所の弁護士に依頼されました。
弁護士は繰り返し面談を行い、事件の内容や反省点、今後の進路、保護者には言えない悩み等について聞き取りました。
同時に、前回事件も今回事件も性的欲求に従い起こした性犯罪事件であることから、性依存症などを専門とする心療内科を紹介し、受診やカウンセリングを継続して行うよう促しました。
警察署で捜査を受けたのち、Aさんの事件は家庭裁判所に送致され、AさんとAさんの保護者は調査官による調査を受けました。
弁護士は、家庭裁判所送致前からAさんが専門医による受診を繰り返していることや反省していること、将来に向けて努力していることを予め調査官に伝え、事件直後の供述調書などから想像されるAさんと、更生に向かっている現在のAさんにギャップがあることを説明し、その点を特にしっかりと聞き取るよう伝えました。
その結果、調査官はAさんに再度の保護観察処分に付する要ありとの意見を裁判官に提出し、裁判官も調査官と弁護士の意見を踏まえ、Aさんを再度の保護観察処分に付すという決定を下しました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地等や一部事件内容を変更しています。≫
【公然わいせつ事件について】
今回のAさんの事件は、路上で見知らぬ者に自身の陰茎を見せつける行動が問題となりました。
この場合、公然わいせつ罪が問題となります。
刑法174条 公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
今回の事件は路上で行われているため、公然性が認められます。
わいせつな行為とは「徒に性欲を興奮又は刺激せしめ、且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義に反するもの」とされていますが、陰茎を他人に見せつける行為はこれに該当すると考えられますので、今回のAさんの行為は公然わいせつ罪に当たると評価されます。
【保護観察期間中の再犯】
Aさんは事件当時19歳だったので、少年法のいう少年に該当していました。
そのため、成人の刑事事件とは異なる手続きに付されました。
このAさんの事件で特筆すべき点として、Aさんが今回の事件を起こす以前に痴漢事件で家庭裁判所の審判を受け、保護観察処分が言い渡され今回の事件当時もその期間中であったことが挙げられます。
保護観察処分は、少年が事件を起こした等の場合に家庭裁判所の審判で課せられる保護処分と、少年院を仮退院した場合に行われます。
保護観察期間中は遵守事項を守ることを条件に日常生活を送ることができ、社会内で更生を図ることを目的とします。
なお、成人の刑事事件でも保護観察が言い渡される場合がありますが、これは刑事罰ではなく、執行猶予判決とセットで行われます。
保護観察処分を受けた場合、保護観察所の職員や保護司による面談を繰り返すことで、内省を深め再犯しないよう更生を目指します。
保護観察処分を受けた少年は、その期間中に遵守事項に違反しない限り、少年院等の施設内処遇を受けることはありません。
他方で、呼び出しや訪問を拒否したり、変更許可を受けず無断で引越しをした場合や、Aさんのように事件を起こしてしまった場合は「警告」を行いますが、それでも改善が見込まれない場合には
・保護観察官が身柄を拘束する
・保護観察所長が家庭裁判所に対して「施設送致申請」を行う
場合があります。
施設送致申請を受けた家庭裁判所は、審判を行い、必要に応じて少年を少年院・児童自立支援施設・児童養護施設に送致する決定を下します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、Aさんのように保護観察期間中に再度事件を起こしてしまったというご相談・ご依頼をこれまで数多く受けて参りました。
少年院等の施設は「懲罰」ではなく「更生」「教育」の場です。
施設送致を受ける教育等で少年が更生する場合が多々あることは事実です。
しかし、家族生活・社会生活を離れることで失われるものも多いでしょう。
東京都立川市にて、お子さんが以前にも事件を起こしてしまい保護観察処分を言い渡され、保護観察期間中に再度事件を起こしてしまい少年院送致を回避したい場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
【解決事例】盗撮事件で逮捕されるも仕事のため早期の釈放
【解決事例】盗撮事件で逮捕されるも仕事のため早期の釈放
いわゆる盗撮行為をして逮捕されてしまったものの、仕事のため早期の釈放を求めたところ認められたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都板橋区在住のAさんは、板橋区内で会社役員をしていました。
事件当日、Aさんは飲食店で酒を飲んでいたところ、客Vさんのスカートが短いことが気になり、スマートフォンのカメラでスカート内を撮影してしまいました。
Vさんの友人がAさんの行為に気付き、通報を受けて臨場した板橋区内を管轄する高島平警察署の警察官は、Aさんを盗撮の嫌疑で逮捕しました。
逮捕の知らせを受けたAさんの家族は、Aさんが勾留されてしまうと会社の存続にかかわるため、早期の釈放を求めて当事務所の弁護士に弁護を依頼されました。
弁護士は、AさんとAさんの家族から話を聞き、Aさんが勾留されることにより生じる不利益を確認し、書面を作成しました。
そして、翌日に行われた検察官送致のタイミングで書面を提出し、Aさんの勾留を請求することなく釈放するよう求めたところ、主張が認められAさんは20日間の勾留(10日間の勾留+勾留延長10日間)を請求されることなく釈放されました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地等や一部事件内容を変更しています。≫
【盗撮について】
今回のAさんの事件は、板橋区内の居酒屋にて女性のスカート内を撮影したという盗撮が問題になります。
盗撮は、各都道府県の定める迷惑防止条例に違反します。
東京都での盗撮については、以下の条文が問題となります。
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
1号 (略)
2号 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
今回のAさんが盗撮を行った飲食店は、通常、不特定又は多数の者が出入りする場所といえるので、そのような場所でスカート内(下着)にカメラを差し向ける行為は、条例5条1項2号ロに該当すると考えられます。
盗撮の罰条は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。(条例8条2項1号)
【仕事のため勾留請求の回避求める】
今回のAさんは、中小企業の代表でした。
そしてAさんでなければ出来ない仕事や打合せなどがあり、Aさんが勾留されることは会社の存続に影響し、ひいては従業員の生活に不利益を生じさせるおそれがありました。
そのため弁護士は、
・Aさんが罪を認め反省していること
・謝罪や弁済を行う意思があること
・●日後に●●で行われる会議に出席できなければ会社の存続に影響すること
等を正確に聞き取り、書面にして検察官に提出しました。
多くの事件で、検察官は逮捕された被疑者をそのまま勾留請求します。
しかし、法律の専門家であり第三者の弁護士が「勾留が不要である」ことを的確に主張することで、検察官に勾留の必要性がないことを理解してもらい、勾留請求を回避することができる場合があります。
勾留の手続きは逮捕から48時間以内に行われますので、東京都板橋区にて家族が盗撮の嫌疑で逮捕され勾留請求の回避を求める場合、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の弁護士による初回接見サービス(有料)をご利用ください。
【解決事例】盗撮後に逃走し逮捕された事件で謝罪同席
【解決事例】盗撮後に逃走し逮捕された事件で謝罪同席
盗撮事件を起こしてしまい、それを見咎めた被害者の友人から追いかけられ逃走した際に揉み合って怪我をさせた嫌疑で逮捕されたという事例で、謝罪に同席するなどの弁護活動について解説致します。
【事例】
東京都八王子市在住のAさんは、八王子市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、友人との待ち合わせのため八王子市内の路上に車を止めていたところ、短いスカートを履いた女性Vさんが歩いてくることに気付きました。
そこでAさんは車から降りて、Vさんの後ろを歩いてスマートフォンのカメラでスカート内を盗撮していたところ、Vさんの友人XさんがAさんの盗撮に気付き、Aさんの腕を掴みました。
Xさんから逃れようと手を振りほどいたAさんですが、車に乗り込んだ際に再びXさんから腕を掴まれ、Aさんは動揺してXさんの腕を挟む形で勢いよく車のドアを閉め、Xさんに怪我を負わせました。
後日、Aさんは八王子市内を管轄する高尾警察署の警察官によって、傷害の嫌疑で通常逮捕されました。
逮捕されたAさんの家族から初回接見の依頼を受けた弁護士は、Aさんから事件の詳細を聞き、その後弁護を依頼されました。
弁護士はすぐに勾留の判断を担当する裁判官に対して勾留が不要である旨をまとめた意見書を作成して提出した結果、Aさんは勾留されることなく逮捕から3日で釈放されました。
その後の弁護活動の中心となったのは、示談交渉でした。
VさんもXさんも被害感情が強く、示談交渉は難航しました。
その際、XさんはAさんからの対面での直接の謝罪を求めました。
そのためAさんは弁護士とともにXさんの勤務先を訪れ、対面での謝罪を行いました。
結果的に、VさんもXさんも示談に応じてくださいました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【盗撮の問題】
まず、今回Aさんがトラブルを起こしたきっかけとして、公道でVさんのスカート内を無断で撮影するいわゆる盗撮の問題があります。
盗撮は、各都道府県の定める迷惑防止条例に違反します。
今回Aさんは東京都八王子市で盗撮をしていますので、東京都の定める迷惑防止条例(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)に違反します。
条文は以下のとおりです。
条例5条1項 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
1号 略
2号 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ (略)
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
罰条:1年以下の懲役又は100万円の罰金(同8条2項1号)
(常習の場合は2年以下の懲役又は100万円以下の罰金(同8条7項))
【傷害罪の問題】
次に、AさんがXさんのから逃れようとして、Xさんが車のドアに手を入れたところで勢いよくドアを閉めたことが問題となります。
これは暴行に当たり、更にXさんは怪我をしてしまいましたので傷害罪が適用されます。
条文は以下のとおりです。
刑法208条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
【示談交渉について】
刑事事件における示談交渉は、被害者がいる事件で、被害者に対して謝罪と賠償の意を示して被害届の取下げや刑事告訴の取消を求める活動です。
決まったフォーマットがあるわけではありませんが示談書や合意書といった書類に署名捺印することで示談を証する場合が一般的です。
この示談交渉は、当然のこと乍ら被害者の意向を最優先に考える必要があります。
被害者の中には、
・そもそも示談交渉に応じたくない
・示談交渉は弁護人限りで行いたい
という方が多い印象ですが、中には
・まずは加害者からの謝罪文を受け取りたい
・対面での謝罪を希望する
というケースもあります。
謝罪の気持ちがあっても謝罪文にするのが苦手という方もおられるでしょうし、自分では一生懸命に作成した文章でも相手方(あるいは第三者)が見ると怒りを覚えるような内容を書いてしまう場合もあるでしょう。
謝罪文を作成する場合、被害者にお渡しする前に、適切な内容であるか弁護士に確認してもらうことが望ましいでしょう。
また、対面での謝罪については、被害者から一方的に責められたり、感情的になり新たなトラブルを引き起こす懸念があります。
この場合にも弁護士が同行し、調整したり宥めたりといった対応が有効になるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで盗撮や傷害罪など数多くの弁護活動を経験しており、示談交渉も数多く担当してきました。
東京都八王子市で、盗撮や逃走のための暴力行為で暴行罪・傷害罪に問われている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合は初回接見サービス(有料)をご案内致します。
【解決事例】泥酔してナンパで強制わいせつ罪―勾留を回避し釈放
【解決事例】泥酔してナンパで強制わいせつ罪―勾留を回避し釈放
泥酔していわゆるナンパ行為をした際にわいせつな行為をしたとして強制わいせつ罪で逮捕されたものの、早期の弁護依頼・弁護活動により勾留を回避し釈放され、その後不起訴になったという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都杉並区在住のAさんは、杉並区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、杉並区の飲食店ではしご酒をして泥酔し、杉並区内で帰宅途中の女性Vさんに声掛けし「ホテルに行こう」「お金はあげるから」と言い、拒否したVさんに対し無理やり手を掴んで接吻するというわいせつ行為をしました。
Vさんの通報を受けて臨場した杉並区内を管轄する高井戸警察署の警察官は、Aさんを強制わいせつ罪で逮捕しました。
逮捕の知らせを受けたAさんの家族は、逮捕後すぐに当事務所の初回接見サービスを利用されました。
弁護士が初回接見を行ったところ、Aさんは泥酔して覚えていなかったが警察官からは○○と説明された、旨を聞きました。
そこで、取調べでのアドバイスをしたうえで、事務所に戻り家族に報告して、その後弁護の依頼を受けました。
弁護士は依頼を受けた当日中に意見書を作成し、Aさんの事件では勾留が不要である旨主張しました。
結果として、検察官は勾留が必要であるとして勾留請求しましたが、裁判官は勾留が不要であると判断して勾留請求を却下しました。
また、検察官からの準抗告(不服申し立て)はありませんでした。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【強制わいせつ罪について】
今回のAさんの事件では、無理やり手を掴んで接吻するという行為について、強制わいせつ罪での捜査を受けることになりました。
強制わいせつ罪の条文は以下のとおりです。
刑法176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。(略)
事例で、⑴暴行又は脅迫が行われたか、また⑵わいせつな行為をしたと言えるのか、が検討されます。
⑴について、強制わいせつ罪のいう暴行は「正当な理由なしに、他人の意に反して、その身体髪膚に力を加えることをいい、その大小強弱を問わない」とされているため(大判大13・10・22)暴行に当たると考えられます。
また、⑵について、わいせつは「相手方の女性が接吻を承諾することを予期し得る事情がないのに、相手方の感情を無視し、暴行を以て敷いて接吻を求めることは、強制わいせつ行為に当たる」とされているため(東京高判昭32・1・22)、今回のAさんの事例は強制わいせつ罪に当たると言えるでしょう。
【早期の釈放を求める弁護活動】
刑事事件では、手続きに要する時間の制限を厳格に設けていることから、逮捕から勾留までの手続きは2~3日以内に行われます。
一度勾留が付いた場合、延長の期間を含め捜査段階で20日間とされ、更に勾留中に起訴された場合は裁判が行われ判決が言い渡されるまでは拘束が続くことが考えられます。
起訴されてから一回目の裁判が行われるまでの期間は早くても2ヶ月ほどで、余罪がある場合などは証拠開示が遅れます。
また、裁判は通常一回では終わらず、事件によっては起訴から判決までに数年を要する場合もあります。
よって、身柄拘束を回避する、あるいは一度身柄拘束された場合の早期釈放を求める、という弁護活動は極めて重要です。
早期の釈放を求める場合、起訴される前(被疑者段階)であれば
①そもそも勾留請求をしないよう、検察官に求める
②勾留請求された場合に裁判官に対し勾留しないよう求める
③勾留決定した場合に、不服申し立て手続きである準抗告を求める
④勾留決定した場合に、勾留決定後に生じた事情により勾留が不要になったとして勾留取消を求める
という手続きが考えられます。
この4つの手続きのうち①②については、勾留決定される前でなければできませんが、先述のとおり、勾留の手続きは逮捕から2~3日で行われるため、逮捕後すぐに弁護士に依頼をして書類を作成したり検察官・裁判官と面談したりして勾留を回避する必要があります。
なお、③④の手続きもありますが、③については一度裁判官が決めた決定を(別の裁判官3人が判断するとはいえ)覆すことは容易ではありません。
④については、別の犯人が見つかった、示談交渉により被害者が刑事告訴を取り消した等の理由が必要です。
よって、現実的に勾留の回避を目指すためには、①②を目指す必要があると言えます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の弁護士は、これまで数多くの弁護活動を経験していて、勾留の回避に成功した事例も多々ございます。
東京都杉並区にて、家族が強制わいせつ事件で逮捕されてしまい、勾留の回避を求める場合、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部の弁護士による初回接見サービス(有料)をご利用ください。
【解決事例】強制性交等事件で示談交渉
【解決事例】強制性交等事件で示談交渉
暴行を用いて無理やり性行為をしたという強制性交等事件で逮捕された事件での示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部が解説致します。
【事例】
東京都世田谷区在住のAさんは、世田谷区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、SNSで知り合ったVさんと会い、食事をしました。
その後、Vさんは忘れ物をしたため一度世田谷区内のVさんのアパートに立ち寄るということになり、Vさんのアパートに着いたところいきなりAさんがVさんの腕を掴んで下着を脱がし、性行為をしたという事件でした。
翌日、Vさんは世田谷区内を管轄する世田谷警察署の警察官に相談をして被害届を提出し、後日Aさんは世田谷警察署の警察官によって通常逮捕されました。
Aさんの家族からの依頼を受けて弁護士が初回接見サービスを行った際、最初Aさんから「性行為はしたが同意があり、Vさんも抵抗していなかった」とお話ししていました。
しかし、口頭での合意がないことは勿論、法律家の立場でお話を聞いたところVさんが不安を感じる言動・行動が見られ、「Vさんが抵抗できない状態であった」と評価される可能性が極めて高いことが分かりました。
その後弁護士は家族からの依頼を受け、Aさんに法律家としての意見を伝えたところ、最終的に罪を認めVさんに謝罪と賠償を行う示談交渉をすることになりました。
当然のこと乍ら、強制性交の被害者であるVさんは怒りと恐怖を感じておられましたが、電話・対面で数時間というお時間を頂戴し、Aさんや家族の反省の様子や示談交渉の意図などを丁寧にお伝えした結果、最終的に示談に応じてくださることになりました。
示談成立はAさんの勾留満期日の前日でしたが、示談締結を以て検察官検事はAさんを処分保留で釈放し、その後不起訴処分となりました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地等や一部事件内容を変更しています。≫
【強制性交事件について】
刑法177条 13歳以上の者に対し、暴行は又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交…をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
強制性交等罪は、まず被害者が13歳以上の者であるかどうかが問題となります。
13歳の誕生日を迎えた相手に対しての性行為等は「暴行又は脅迫」を要件としていますが、13歳の誕生日を迎えていない相手に対しての性行為等は、それ自体が罪になります。
今回のAさんの事件では、被害者の方が18歳以上でしたので、「暴行又は脅迫」を要件としています。
次に、暴行又は脅迫の存在が問題となります。
これは、被害者が「この人と性交等をしたくない」と思うだけではなく、具体的な行動が必要になることを意味します。
この暴行又は脅迫について、判例は「相手方の抗拒を著しく困難ならしめる程度のもので足りる」とされています。(最判昭24・5・10)
よって、被害者の手足を縛り付ける等の明らかに抵抗できないような状況で性行為をする場合に「暴行又は脅迫」があると評価されるのは勿論のこと、「騒いだら殺すぞ」と言ったり、「騒いだら暴力を加えられるのではないか」と恐怖を感じるような言動・行動が認められる場合にも、暴行又は脅迫があると評価される可能性があるのです。
なお、法改正以前は「強姦罪」とされていて性行為のみを対象としていましたが、2017年の刑法改正により「強制性交等罪」と改められ、性行為だけではなく肛門性交(いわゆるアナルセックス)や口腔性交(フェラチオ)なども対象となりました。
よって、性行為以外の行為も規制の対象となったほか、被害者が男性だった場合にも適用することができる、ということになりました。
【示談交渉について】
強制性交等罪のような被害者がいる事件に於て、重要な弁護活動の一つに示談交渉があります。
示談交渉は、被害者に対して謝罪と弁済を行うことを指し、多くは示談書や合意書などと称される書面を取り交わします。
示談交渉は法律行為である当事者間での合意であるため、当事者間(本人同士)又は弁護士によって行うことができます。
そのため当事者間で示談交渉をしようとする方が居られますが、
・そもそも被害者が加害者や家族などに連絡先を教えたくないと考える場合が一般的
・当事者間で示談交渉ができたとしても、法的に有効な書面の締結ができない可能性がある
・脅迫や強要により示談締結に至ったのではないかとの疑いを持たれる
といった懸念事項が挙げられます。
とりわけ強制性交等事件などの性犯罪事件では、弁護士に弁護を依頼することとして、当事者間での示談交渉は避けることをお勧めします。
東京都世田谷区にて、家族が強制性交等罪で逮捕・勾留されていて示談交渉などの弁護を依頼したいという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部・八王子支部にご連絡ください。
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